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4.皇帝の寝所

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メイナは困惑していた。聞き覚えのある声、いつの間にか拘束された自らの口と両手。


(まさかライザーが残虐王?でも残虐王は地神の加護のはず。ライザーは氷の魔術師だわ。)

メイナは生まれつき魔力が無い白だが、なぜか魔術を吸収する体質があった。魔術で出来た拘束具も吸収するはずだ。


「ンンーンンン。」

なんとか外そうと、身を捻り寝台から離れようとする。


目の前の残虐王と思われる整った顔の銀髪の男は、自身についている沢山の腕輪や指輪を外した。


もう少しで外れると思ったメイナの拘束具が明らかに頑丈になったのが分かる。

(どうして?!全然外れない。)

そうしていると、メイナを男は抱きしめてきた。

「ああ、メイナ。嬉しいよ。何度も連れて帰りたいと思っていたんだ。

暗殺者は捕縛した者が所有するのは知っているよね。」

メイナは唖然として、首を振る。
そんな決まりは無いはずだ。暗殺者ギルド所属の暗殺者は、捕縛されても暗殺者ギルドへ返される。それなりのペナルティがあり、その後は、暗殺者として働けなくなるが、決まりは決まりだ。

「ああ、我が帝国ではそうなんだよ。これで君は俺の物だ。さあ、確かめないと。」

エーリヒは、押し倒したメイナの服を、メイナの暗器を使い切り裂く。

「へぇ、色がいつもと違うのは、これかな」

エーリヒがメイナの腕輪の魔石を取ると、メイナの髪は白くなり、瞳の色も白く変化した。

「ああ、綺麗だね。メイナ。」

メイナは必死に逃れようとする。

だけど、腰の上に跨る男を拘束されたまま押し退ける事ができない。

メイナが身をよじるたびに顕になった胸が揺れ、メイナの白髪が乱れる。

(どうして、こんな事に。なぜ魔術の拘束が解けないの!)

いつもならすぐに解けているはずの魔術が解けない。まるで幾重にも重なっている複雑な仕掛けのようだ。

(まさか、何度も掛け直している?)

魔術を吸収している気配はある。
だが、拘束魔術が解ける様子は無い。
いつのまにか、皇帝のテントの中は至る所が凍りつき、岩が地面から突き出し、雷が宙を走り、闇溜まりが現れていた。


「ああ、メイナは相変わらずだ。とても心地いい。」

上半身も下半身も服を剥ぎ取られたメイナをエーリヒが抱きしめる。

胸の頂を摘み、反対側をエーリヒが吸い付いてきた。

「ンーンン。」

口と手の拘束具は外されないまま、両手をエーリヒに頭上で固定され、メイナは身をのけ反らさせる。

チュチュ。レロレロ。グリ。


「中も確かめないと。」

エーリヒは、メイナのアソコに指を近づけ、中に入れてきた。


ズブズブ、グググ。


「ンーーーーー。」

メイナは首を振り、抵抗する。


「ダメだよ。暗殺者なら、捕まればどうなるか知っているよね。メイナ。」

メイナは涙を目に溜めて必死に首を振る。
暗器の扱いに 優れ、魔術を吸収する体質のメイナは自分が捕まるなんて思っていなかった。

「本当?じゃあここは初めて?」

膣の中に指を入れられ、かき混ぜられながらメイナは必死で頷く。

「ああ、本当だ。凄く狭い。中に何も仕込んでいないね。」


メイナの両手は頭上のベットから出てきた岩に固定された。

メイナの両足の間に移動したエーリヒは、メイナの脚を折り曲げ、太腿を持ち上げる。メイナの淫部へ顔を近づけクリトニスを舐め回してきた。


「ンーーーーーンンーンンン。」


はじめての刺激に、メイナは訳が分からなくなる。


中に入れられて指をかき回されながら、突起を吸われる。


脚で抵抗しないといけないのに、力が入らない。


「ンーーーーー。」


無理矢理高められ、メイナの目の前に星が飛び、一気に脱力した。

「ああ、もういったの?メイナ」

エーリヒが声をかけてくる。


呆然としてエーリヒを見ると、笑ったエーリヒが自身の硬くそそり勃つモノを取り出した。


メイナの淫部に何度も擦り付けながら、メイナに聞いてくる。

「俺の物になれ。メイナ。」

魔術の気配がする。
メイナは母の言葉を思い出した。

『魔術師には気をつけるのよ。奴らは契約魔術や従属魔術を使う。何かを聞かれても肯定してはダメ。』

そうだ。母に何度も言われている。だからこそライザーの誘いをいつも慎重に断っていたんだ。

メイナは、残虐王を睨みながら否定するように首を振った。


「はは、それでこそメイナだ。」


エーリヒは、笑いながらメイナの淫部へ自らの逸物を無理矢理捻じ込んできた。


「ンーーーーー。ンッンッンッ」

ヌチ、ヌチ、ヌチ、グググ。


「ああ、キツイね。最高だよ。メイナ。

ははは、泣くほど気持ちいいの。」



メイナの目から零れ落ちる涙を舌で舐め取りながらエーリヒは、奥まで押し込み、何度も腰を動かし出した。


痛みと、違和感で体をこわばらせるメイナだが、開かれた脚とアソコはエーリヒを阻む事ができない。


ズチュズチュズチュ


(ああ、なんで、こんな、ああ、)


何度も激しく奥まで突かれ、エーリヒが、メイナの中に欲を吐き出した。


その瞬間、乱れたメイナの白髪が、白銀、黄色、茶色、黒へと順に色を変化させる


(ああ、出された。残虐王の魔力の色だわ。こんなに沢山の加護持ちだなんて、兄さんごめんなさい。私には暗殺は無理だわ。)


「美しいな。メイナ。俺と一緒にくるだろう。」


エーリヒに再度尋ねられる。そうだ、ライザーにも聞かれた言葉だ。

いつのまに手と口の拘束魔術は解かれていた。脱力する体でメイナは目の前の男に問いかける。

「ライザー?」

「そうだ。メイナ。ずっと一緒にいよう。」


ああ、やっぱりライザーだ。何度も討伐依頼をこなしたメイナは彼がいかに強い魔術師か知っている。
ダメだ。殺せない。力が違いすぎる。まさか残虐王が、一般の冒険者に混じり討伐依頼をこなしているなんて誰も想像していないだろう。


メイナは再度睨みつけ、否定した。

「嫌よ。貴方とは一緒に行かない。」


「そう、じゃあ仕方ないね。少し時間はかかるが、メイナの意志だ。付き合うよ。」

残虐王エーリヒは笑い舌なめずりをした。



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