〇〇家族

ヤマゴロウ

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第1章

第10話 健康家族

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「体操着は持ったか?」

「大丈夫だよ、お兄ちゃん!」

「弟君!今日、何かあるの?」

「健康診断があるんですよ。」

そう! 本日は、定期健康診断なのです!!

え? 少し遅くないかって? その辺はご都合sy…………。

「そろそろ時間なんで、もう行きますね!」

「いってらっしゃ~い♪」

「「「行ってきまーす!」」」




学校に着いた俺達はそれぞれの教室へ向かう

教室に入ると、さっそく姉小路に声をかけられる

「堀川君おはよ……。」

「おはよう。なんか元気ないなぁ、どうしたんだ?」

「寝不足……ちょっとだけ寝させて~~」

そういう姉小路は俺の椅子も使いゴロンと横になる。

姉小路さんスカート際どいっすよー!

「え?うそ!? み、見た?」

あれ?俺、声に出してた? 

「いや、角度的に見えてないけど。」

「ほんとにぃ~?」

「見えてたら隠せっていうけど?」

「っていうか、な~んか反応薄くない?」

全裸慣れしてますからっ!

ぱんちゅぐらいでは流石に俺のハートは動かない。

「反応もクソもないだろ。いいからどいてくれ。」

俺は姉小路の頭を鷲掴みにして起こす

「痛い痛いっ。ちょっと乙女に対して酷くない?」

「乙女は教室で寝転がったりしません。」

「くっ!! …………恵美ちゃん!お兄ちゃんが虐めるぅ~」

「え? え? どうしたの? お兄ちゃん?」

「恵美。もうその子と遊んじゃいけませんよ。」

「お兄ちゃん? 美咲ちゃんを、あんまり虐めたらダメだよ?」

そういうと恵美は姉小路を撫で撫でする。

「仕方ない。姉小路すまなかったな、仲直りしよう。これからもずっと俺の奴隷でいてくれ!略してズッドレ。」

ボケた時に、タイミングよく声がかかる

「シロちゃんおっはよ~!」

佐藤が俺の肩を叩く

「おはよう!誰かと思えばズッドレの佐藤じゃないか。」

「え?ズッドレってなに?」

「「ぷっ!」」

恵美と姉小路が吹き出す

「友達って事だ、気にするな」

「「あははははっ!」」

遂には笑い出す恵美と姉小路に佐藤は

「え? なんで笑ってんの? 教えてくれよズッドレだろ!」

佐藤の言葉に俺も耐えきれず

始業のベルが鳴るまで3人で笑っていた。



健康診断は始まっているが生徒数が多い為

俺達のクラスは3時間目からとなった。

そして3時間目

先生が教室に入ってくる

「しぃ~ちゃんとその他の生徒。全員更衣室で着替えてきて~♪」

その他の事、考えてやれやっ!

俺たちは男子と女子に別れ着替えに向かう

男子更衣室と女子更衣室は隣同士で

それぞれ2クラス分のロッカーが、ところ狭しと並んでいる。

「胸おっきいね~。ちょっと触っていい?」

「えぇ~。仕方ないなぁ、ちょっとだけだよ~」

…………………。

…………………。

佐藤と男子生徒Aである。

「なに、くだらないことやってんだよ。さっさと行くぞ!」

「待って待って、シロちゃんノリ悪いぞ~!」

期待させた視聴者さんごめんなさい。

俺達は体育館で診断を済ませ更衣室に戻ると

女子もチラホラと更衣室に戻ってきていた

「あ、お兄ちゃんも終わったの?」

恵美と姉小路が一緒に戻ってきていた

「ああ、終わって着替えるとこ」

「あたしちょっとだけ身長伸びてたんだよ~。えへへ♪」

胸もおっきくなぁ~れ! おっきくなぁ~れ!

「そ、そっか、良かったな。」

そう言って頭を撫でると

「私も身長伸びたんだ~♪」

「何、張り合ってんの姉小路……。」

期待するような目

目を逸らす俺

下から覗き込む姉小路

「あーもう、うっとうしい!お前は妹じゃないからダメだ!」

「えぇー!けちっ!!」

「それより早く着替えろ。じゃあな!」

俺は更衣室に入る

「ん? 何してんの?」

更衣室内では壁に張り付く男どもがいた

「堀川!ここ見てみ。」

男子生徒Bの指差すところを見ると………。

滅茶苦茶ちっさい穴があった。

「おい、コレって…………。」

俺は恐る恐る穴を覗き込むと

女子更衣室が少しだけ見えた

見えても多分1人だろうと思っていた時

ある人物が視界に映る

小川日奈子。

「おい、そろそろ変われって」

「まだ誰も見えない、もう少し待て………」

何故か俺は見せたくないと思ってしまった。

どうでもいいと思っている。許せないと思っている。

だが、何故か見せたくないと思った自分に歯痒さを感じた。

服を脱いでいく日奈子は下着姿になる。

下着姿の日奈子を見て俺は………。


綺麗だと思ってしまった。


男子生徒Cは早く代われと言っていたので

「誰も見えなかった」と嘘をつき代わってやった

その後、誰も来なかった!と覗いてた奴らは教室で嘆いていた

「なんで、男子は泣いてんの?」

姉小路の問いに

「さあ? 身長が縮んだんじゃね?」

と答えながらも日奈子の下着姿が、まだ頭から離れなかった。



全ての日程が終わり、いつも通り帰宅しようと思っていたが

「お兄様。本日はお友達に誘われていますので先に帰ってください。」

と七海。

「そっか。あんまり遅くならないようにな!」

「はい、お兄様……。」

七海はどこか寂しそうに離れていった




俺は恵美と帰宅した

「「ただいまー」」

「おかえり~。健康診断どうだった?」

母さんは……まだか 全裸の千聖さんだけっぽい。

「身長伸びてたよお姉ちゃん♪」

「弟君はどうだった?」

「まあ、少しだけ伸びてましたね。1㎝ぐらい」

「え? お兄ちゃんずるいっ!!」

は? なにが? なんで!?

「あたしより伸びてるなんてずるいっ!!」

OH NO!! 1㎝以下だったのね。

めっちゃ嬉しそうにしてたから、もっと伸びてるかと思ったわ。

「め、恵美落ち着けって。俺は男で恵美は女の子だから、身長の差もつくだろ?」

「そうそう、男の子はおっきくなるもんだよ恵美。」

なんか、その言い方は卑猥です千聖さん

「それより早く着替えてきなさい。母さん遅くなるって言ってたから、今日はお姉ちゃんがご飯作ってあげるから」

「千聖さんって料理できるんですか?」

「あ~!弟君ひどいなぁ~。お姉ちゃんは一人暮らし経験者なんだぞっ!!」

正直、一人暮らし辞めた時点で信用ないですよ、お姉ちゃん……。

「まあ、私に任せておきなさぁ~い♪」

「は、はい。手伝いが必要なら言ってください!父さんと2人の時は料理してたので。」

「おっけ~。ダメだったらお願いね! はいはい、それじゃあ着替えて着替えて!」

ダメだったらってなに? 一か八かなのっ!?

俺はリビングから追い出されて、渋々部屋に戻る



着替え終わった俺は執筆活動をしていた。

恵美は何故か俺の部屋に来てベッドで漫画を読んでいた。

足をバタバタさせないでっ!!集中できないからっ!

「恵美は千聖さんの手伝いしなくていいのか?」

「うん、さっき行ったら追い出されたから。」

「そ、そうか。じゃあ、ゆっくりしてようか。」

そして執筆を再開するが

うつ伏せで足をバタバタさせながら本を読んでいた恵美が

今度は仰向けで本を読み出す

全裸は凶器です!! 

集中できないので、飲み物を取りにリビングへ向かう

ガチャン パリーン バシャーン

なんか、やばい音してますやん!?

リビングから何かが割れたり、ぶちまけてるような音がした。

恐る恐るリビングに入る………。

あれ? 皿とか食材が散乱してると思ったが、意外に綺麗だな。

「千聖さん。何か手伝いましょうか?」

「いいよいいよ!もうできたから。あはは……。」

「え? サラダしかないですけど……?」

「そうそう、サラダサラダ! 体に良い………でしょ?」

健康にはなれそうですね。っていうか

ようはダメだったってことじゃん…………

「はぁ……。じゃあ、あとは俺が作りますよ。」

「弟君ゴメン! あとはお願いします。」

拝む姉にまた、ため息をつくと

俺はキッチンへ向かい、剥きかけの玉葱を手に取る

玉ねぎしか用意されてないんだけど何を作る気だったんだ?

冷蔵庫と相談して、カレーを作ることにした。簡単だしね。

玉ねぎの皮を捨てようとゴミ箱を開いた時、さっきの音の正体が分かった

大量の食材と皿が捨ててあったのだ。

良い子のみんな!ゴミは分別しなきゃダメだぞ!

なんやかんやあり

ささっとカレーを作り、あとは少し煮込んで完成というところで七海が帰宅する

「ただいま帰りました…。」

リビングには顔も出さずに部屋に行ってしまう。

恵美に七海を呼んできてもらおうと思ったら

タイミングよく、母さんも帰宅する。

「ただいまー。ん~良い匂いね。カレーかしら?」

さすが母さん!

「正解!私は失敗したけど弟君が作ってくれて…。」

「あら。白くんが作ってくれたの? ありがとね。じゃあ着替えてくるからご飯にしましょう。七海を呼んできてくれる?」

「あ、俺が呼んでくるよ。部屋の電気つけたままだったから」

「白くん、お願いね。」

俺は自分の部屋に戻ると電気を消して、七海の部屋へ向かう

コンッコンッ

「七海。ご飯できたよ」

「……はい、お兄様すぐに行きます。」

なんか今日の学校帰りぐらいから、声に元気がないんだよなぁ

「なあ七海、入って良いか?」

「………すぐに行きますから。先に行ってて下さい。」

なにか、人を遠ざけてるような感じがした俺は

七海の部屋の扉を開ける。

七海と目が合うがすぐに逸らされる

「泣いてる……のか?」

袖で目を擦って、笑顔を浮かべる七海

「ちょっと目にゴミが入っただけですよ。お兄様」

下手な笑顔だった。

「七海……なにがあったんだ?」

「……なんでも………ありませんよ。」

そう言った七海は、リビングに逃げるように向かった

俺は、その後ろ姿を見て

最近当たり前だった光景を思い出していた

七海は何故………











「………服を着てるんだ。」
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