〇〇家族

ヤマゴロウ

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第1章

第8話 過去家族

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※過去回想回です。説明みたいなものなので面白要素やエロ要素0です。


─────────────────────────────────────────────


チュンチュンッ チュンチュンッ

朝の日差しが俺の体を包み込む

それはまるで、妖精たちが俺を歓迎しているような……

って、何を朝からポエムってんねんっ!!

「ふぁ~~。ん~~!」 ん?

また恵美がいると思って布団を捲るが

誰もいない。

それはそれで、お兄ちゃん寂しいなぁ~

まあ、考えても仕方ないので着替えて

顔を洗いリビングへ向かう

「おはよう~」

「お兄ちゃんおはよう♪」
私は恵美 16歳の高校2年生
趣味は全裸で、最近ハマっていることはナメナメです♪きゃはっ♡

………みたいな、DVD流れそうな爽やかな笑顔でした。

「お兄様。おはようございます」

「白くんおはよう~」

「今日は、みんな早起きだね。なんかあった?」

「秘密~♪」

「秘密です。」

「えぇ~なになに?秘密にされると余計気になるよ」

「白くん。女の子の秘密を聞き出すんじゃありません」

「はーい、母さんごめんなさーい」

軽い調子で言ったつもりが

「……!?……ぅぅ……私達……本当の家族になれたのね…ぐすん」

泣いちゃったじゃん

「お母様。泣かないでください。」

「そ、そうね。ごめんなさい」

「時間ないし、早くご飯食べよ?お母さん♪」

ここからが俺達家族のスタート地点!

たくさんの思い出を作っていきたいと思う。




いつも通り学校まで3人で登校

何も変わらない風景だったが

下駄箱を開けたら手紙が………て、手紙!?

ま、まさか………ラブレターなのかっ!!!!

緊張しながら手紙を開く

………………。

昂った気持ちが冷えた感覚に苛立ちを覚えた



小川日奈子






~中学1年生~

この頃の俺は、気が弱くて臆病だった

そんな俺にも気の許せる友達がいた

六角 雄二 俺の親友。 明るくてみんなを引っ張るリーダー的存在だった。

高辻 香織 雄二の幼馴染。雄二と付き合ってるんじゃないかと噂されていた。

そして………

小川 日奈子 ………俺の恋人。彼女だった女の子

そんな俺達4人は、ずっと一緒だった

登下校や休み時間

休日も、特に用事が無ければ遊んでいた

そんな楽しい日々を過ごしていた、中学1年の夏 

俺の母親が事故で亡くなった

運転手は即死

行き場のない怒りと悲しみが残った。

意気消沈した俺は、一時不登校となるが

父さんや雄二達3人が

励まし支えてくれたおかげで、また前を向けた。

また登校するようになり、数日が過ぎた頃

俺達4人はいつも通り学校へ

いつもと変わらない日常に変化が訪れたのは、帰りのホームルーム

「先生。渡辺さんの財布がなくなってるらしいです。」

「ん?渡辺、そうなのか?」

「は、はい。お昼に購買でパンを買ったあと、鞄に入れておいたんですけど……」

「そうか……。今から持ち物検査をする。全員1人づつ廊下に荷物を持って来い。机の中身も全部だ。」

教室中にブーイングが巻き起こる

俺もこの時までは楽観視していた。

休み時間は、雄二達と一緒にいて

アリバイは成立していると思っていた。






「………!!」

先生は俺の鞄の中を見ると驚いた表情をし静かに俺に告げる

「後で生徒指導室に来い…。」

そういった先生の手には、見たこともない財布が握られていた。

財布を見つけたとはいえ、捜索をやめてしまうと一目瞭然となる為

捜索は最後まで続けられた。

全員の荷物を確認し終えた先生はHRを終えると

渡辺を連れて教室を出て行った。



俺は雄二達に、用事があるから先に帰ってくれと促し

生徒指導室へと足を運んだ

中に入ると先生は一人で椅子に座っていた。

俺を椅子に座らせると先生が話し始める

財布を返し、後日犯人に謝罪させると言って渡辺を帰らせたそうだ

俺が盗んだのかと聞かれたが、俺は否定し続けた

雄二達と一緒にいたことも話した。

クラスメイト全員に明日、話を聞くということで俺は帰された。

次の日、HRの時間に一人一人呼び出される

教室では犯人は誰だと、犯人探しをするやつまで現れた時

「白。お前昨日呼び出されてたけどお前が盗ったのか?」

雄二が俺に向かって問いかけてきた

「ち、ちが…「堀川お前が盗ったのかよっ!!」…」

雄二の言葉を聞いていたやつが、俺の言葉を遮り犯人扱いをしだす

俺は、犯人扱いしてくるやつより

雄二に疑われたことがショックで言葉が出なかった。

するとクラス中から俺を非難する声があがる

「泥棒」「クズ」「土下座しろ!」

色んな罵詈雑言が襲い、俺はパニックになる

その時、教室に戻ってくる途中だったのか

先生が戻ってきて収束する。

先生は俺を庇ってくれたが

みんなの俺を見る目は変わっていた。




次の日。

いつもの待ち合わせ場所に向かうが

誰もやって来なかった

雄二も香織も日奈子も……。



教室に入ると視線が刺さる

俺は気にせず自分の席に向かうが

机の上は落書きで埋め尽くされていた。

この日から、俺への虐めが始まった。

机や教科書に落書きされたり

丸めた紙を投げられたりと

最初のうちは軽い嫌がらせ程度のものが

徐々にエスカレートし、ついには暴力にまで発展していた

また、いつものように殴る蹴るの暴行を受けていた時

「雄二達って、こいつと仲良かったけど共犯とかじゃないよな?」

いつも率先して殴ってくる畠山が問いかける

「ど、泥棒となんて仲良くねーよ!日奈子も香織もそうだろ?」

「う、うん。そうだね……泥棒だし」

「………私は。」

否定しようとしたのか、言い淀む日奈子に畠山が問いかける

「小川ってコイツと付き合ってるみたいだったじゃん」

「……ち、ちがうよ。全然……好きじゃなかったし。」

今まで虐められても、日奈子だけは裏切らないと思っていた

そんな期待を一瞬で打ち砕かれた俺は

虐めを受けてから、初めて涙が溢れた。

クラスメイト達が俺を囲む

雄二も

香織も

そして……日奈子も

楽しそうに笑っていた…。




家に帰ると父さんが玄関で待っていた

父さんは俺が虐めを受けている事に気がついていた

俺が相談してくるのを待っていたが、限界を感じ話したくて待っていた

俺は父さんに全てを話した。

冤罪のこと。虐められたこと。そして………裏切られたこと。

父さんは怒りを露わにしていた。

「明日、学校に行ってくる!白はしばらく休みなさい。」

俺は頷くことしかできなかった。



学校と父さんの話し合いは証拠不十分な為に難航していた

業を煮やした父さんは、俺を祖父の元へ預け

転校させた。

あの時、言い返せなかった。

あの時、こうしていれば結果が違ったかもしれない。

後悔する日々で弱い自分を変えたいと思い、色々と頑張った。

祖父の家は、合気道の道場をやっていたので

必死に頼み込んで、俺も入門させてもらった

勉強はもちろんのこと

新しい友達とのコミュニケーションも率先して行った。

自分を変えたくて必死に頑張った。





高校1年になった俺は父さんと話し合い

父さんの住む家に帰って来ていた

高校が近いという理由もあったが、父さんと一緒に暮らしたかったからだ

だが入学した高校で思いもよらない再会を果たした。

雄二…。香織…。日奈子…。

俺は何も言わずに、あいつらの横を通り過ぎようとした

「よう!白、久しぶりだな!また昔みたいに仲良くしようぜ。」

肩に手を回そうとした雄二を投げた

廊下に倒れる雄二を見て

こんなに簡単に倒れるのかと呆れてしまい

復讐しようとか考えていた思考は吹き飛んでしまった

だからといって許したわけではない。

いや……。

俺は……。

あいつらを………。



絶対に許さない
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