100 / 136
自分それ得意なんで
しおりを挟む
あの時。
小さな部屋に響いたのは、けたたましい警報と最近仲良くなった人工知能の悲鳴。それまでは普通に話していたのに、それは突然だった。
【警告! 警告! …侵入者を探知、侵入者を探知!! 直ちに全てのエレベーターの動きを停止します】
【退出勧告、退出勧告】
【侵入者です、侵入者です。直ちにアラームを起動、侵入者を排除してください】
赤いライトが光る様が、まるでバースデイが怒り狂っているようで少しだけ怖かった。だけど俺の為にバースデイは何か色々と数字の羅列をパネルに並べ、設定を超越してから扉を開いて出してくれたのだ。
一番近くが、そのエレベーターでは止まれないボスの私室だったから。
[うーわ。…なんでこんなに早く来るわけ。折角入れたのに]
入るだけでドキドキする部屋なのに。大好きで、入る時はいつも手に汗握るような特別な場所なのに。
そこにいた人を理解した瞬間、今までに感じたことのないような痛みが胸を襲う。泣き出したくて、どうしてと叫びたくて。
なのに頭はスッと冷静になる。
彼は、あの人の婚約者でありパートナーだ。この部屋にいるのに何の問題もない。
[ちょっと汚いから綺麗に掃除してもらわないと。家具も壁紙も、好みじゃないし全部変えてもらわないとなぁ]
どうして。
良いじゃないか、少しくらいそのままでも。せめてボスが自分から言い出すまでは待ってあげてよ。
[でもベッドの大きさは良かったかな! 僕はオメガだからね、巣作りの為にもあれくらいは必要だし。服も結構入りそうだし合格かな]
服…?
良いな。俺は二枚しか持ってない。以前借りて貰っても良いと言われた羽織と、あの日貸してもらった紫色の甚平。大事にずっと持ってるけど…もう、手放さなきゃ。
…やだ。
やだよ、あれは…あれは、俺が貰ったボスの服。誰にも渡したくない。せめて、せめてあの服から彼の匂いがわからなくなるまでは。
[…なに。
いつまでそこにいるの? お前みたいな雑魚幹部、用なんかないよ。まだガキだし、使い道もなさそうだしねー。
早く出てってよ。二人の部屋なのに、他人の匂いとか付けたくないんだけど]
羽魅は…、他にもまぁ、色々言ってたけど俺はボスの部屋に彼がいた事実をいつまでも飲み込めず何を言い返すことも出来なかった。
割と、的を得た発言だと思う。勝手に部屋を改装しようとするのは良くないけど…二人だけの部屋に俺なんかが割り込むのはいけないことだし、雑魚幹部どころかバイトだ。
…あの人は、ボスを大事にしてくれるかな。
俺は夫婦ってものをよく、わからないけど…とても愛おしいものだと思っているから。出来たらボスにも、そういう風になってほしい。難しくても、本人が望んでないかもしれないけど。
いつか、この二人が仲良く生きていく時が来るかもしれない。そしてその時、きっと俺はもう近くにはいなくて…いなくて…、
そんな日を想像するだけで涙が出てしまう、こんな泣き虫をどうしたら良いかな。
『ん、…?』
長いような短いような夢を見ていたような気がする。いつの間にか世界が真横になっていて、誰かの大きな手が身体に置かれていた。
『ああいう電話を突然繋ぐな。近くにボスがいたらどうする、血の海だぞ』
『だって緊急事態ですよ? こんな…まだ十五歳なのに婚約者? どうなってんですか、この世の中は。いくら体質とかの問題があっても限度ってものがあるでしょ…』
頭には何か布を丸めたものがあり、身体には軽い素材のブランケット。車内だろうか。空調のお陰で暖かく快適だ。
…そうだ。確か、犬飼さんが電話した相手を待ってたらいつの間にか寝てたんだ?
『アホなこと言わずに前見て運転しろ。事故ったらどうなるかわかってんだろうな』
『御意。人生一の安全運転で参ります。…ところで、ボスはどうしたんですか? 昨夜は記憶飛ばす勢いで酒飲んでましたけど…』
『…部屋に篭った。どうやら奴に荒らされたらしくてな、再現する為にずっと作業してんだ。仕事もむしろ完璧に終わらせてて、怖ぇくれーだ。どうしたもんか』
刃斬の声だと気付くとモゾモゾと身体を動かす。すぐに動きで起きたことに気が付いた刃斬は、そっと俺の身体を抱き上げてからシートに座らせてくれる。
…んー。変な時間に寝たからボーっとする。
『おはよ、兄貴…』
『…ああ。おはようさん。お前なんか目元腫れてねぇか? 寝たせい、なのか…?』
きっと夢見が悪かったのだろう。ゴシゴシと手で擦ると慌てた刃斬に止められ、じんわりとした温もりの手が顔に触れてホッと息を漏らす。
『おし。このポヤポヤを投げれば解決しそうだな、やっぱそれしかねぇ。
宋平。すまねぇがアジトに向かう。少しで良いから時間をくれ、頼む』
『はぁい…、良いよー』
まだ寝起きで覚醒し切っていないまま返事をすると再び船を漕ぐ俺の耳にシャッター音らしきものが入る。
『あ。刃斬サンずるーい、ワタシにも送ってくださいよ』
『わかったから運転に集中しろ』
鞄やら車内に下ろして身一つで車から降りると、慣れた道を二人と歩く。エレベーターの前で犬飼と別れて刃斬と一番左のエレベーターに乗り込む。
特別な認証を終えてエレベーターが動き出すと、ふとあることに気付く。
…そういえば、羽魅も既に自分の認証を追加されていたのだろうか。なんとなく引っ掛かる、彼の言動。
彼は言っていた。
折角入れたのに、と。
『…まさかな』
まさか、そんな。
…こんなセキュリティを一体どうやって突破するんだ。そもそも俺だって認証されたのが不思議なくらいだから羽魅だって追加されてたに違いない。
でなきゃ、何故…ボスの私室なんかに行くんだ。
『…呼び鈴は鳴らしたが、反応はないな。
ボス! 宋平が来てます。少し休憩にして一度休みませんか…?』
私室に着いてチャイムが部屋に響くが応答はなし。スマホでも連絡をしているようだが、返事がないようだ。刃斬は膝を曲げて俺の前にしゃがむと、肩に手を置いてから話し出した。
『…昨日、部屋を荒らされてかなりご立腹だ。一日経ったし少しはなんとかなってると思う。ちょっくら様子を見て来てくれるか?』
『わかった』
此処で待ってる、と言って玄関に立つ刃斬を置いて歩き出す。どうやら羽魅は予想外に部屋を荒らしてしまったらしい。広いフロア内だが、俺は迷うことなくあの部屋へと向かった。
『ボス。お疲れ様です、宋平です。…入っても良い?』
時間にして僅か数秒。ゆっくりと襖が開くと中からボスが出て来た。俯く彼は黙ったまま俺の手を引くと、オメガの部屋へと入れてくれた。
黒い着流しをたった一枚だけ身に纏い、裸足のまま歩くボスは小さな声で喋り出した。
『…暫く、入らなかったせいだな。アイツが入って色々と物が動かされた。元の場所が…よく、思い出せねェ』
どうやら元通りにしたいのに記憶が曖昧で上手く出来ないらしい。いつものボスとはかけ離れた憔悴し切った姿に、思わず強く声を上げる。
『じゃあ俺が直すから。ちゃんと全部、元の場所に戻すから大丈夫だよ、ボス。俺この前ね、この部屋に間違って入っちゃったから覚えてます。
だからそれまでに、ボスはいつもの素敵な姿になって戻って来てください。俺ね、今日はボスの紺のスーツ姿が見たいな!
任せてよ。…えっと、そう。記憶力なら自信あるんですからね、俺は!』
『…本当か? お前、見たって…たった一回とかだろ』
いやいや。一回でもナメてもらっては困る。…この部屋に抱く俺の気持ちは、結構重たいのだ。
それに、奥の手がある。
『戻って来てやっぱりダメだったら叱ってやってください。でも、もしもちゃんと直せてたら…そう、ですね。
一個だけ。一個だけ、俺の願いを叶えてくれませんか?』
押したら、いける。
おしたら…、いける…かも。
『わかった。…部屋をお前に任せる。
感謝する、宋平。出来なくても気にすんな、お前の気持ちに充分救われた』
少しだけ明るくなった顔付きに安心して見送ると刃斬と一緒に仕事用のフロアへと向かったらしい。俺はそれから静かに振り返ると、部屋の中を歩いて中心部に立つ。
頭の中に現れたコントローラーを握り、久しぶりに切り替えたのはオメガ。
『よーし。…俺は、最高のクリスマスイブの為に本気を出すッ!!』
オメガ。
オメガには、巣作りという本能がある。愛する番に対する最大の愛の形とも呼ばれ、発情期に巣作りをされるのはアルファにとって最大の名誉だ。
俺のオメガは完全ではなく、勿論発情期はないし巣作りだってしたことはない。だが、極限までオメガ性を発芽させて一時的な擬似発情期を作り、
この部屋全てを自分の巣だと、認識させる。
そうすれば記憶の中にある配置にだって戻せる。なんたってオメガの巣作りは、本人の納得する配置に物を置かなければ気が済まない。
…やってやる。
どんなに無茶でも無謀でも、俺がバランサーであり大切なあの人の為ならば
此処でやらずして、何が伝説だ。
『やってやらぁ!!』
.
小さな部屋に響いたのは、けたたましい警報と最近仲良くなった人工知能の悲鳴。それまでは普通に話していたのに、それは突然だった。
【警告! 警告! …侵入者を探知、侵入者を探知!! 直ちに全てのエレベーターの動きを停止します】
【退出勧告、退出勧告】
【侵入者です、侵入者です。直ちにアラームを起動、侵入者を排除してください】
赤いライトが光る様が、まるでバースデイが怒り狂っているようで少しだけ怖かった。だけど俺の為にバースデイは何か色々と数字の羅列をパネルに並べ、設定を超越してから扉を開いて出してくれたのだ。
一番近くが、そのエレベーターでは止まれないボスの私室だったから。
[うーわ。…なんでこんなに早く来るわけ。折角入れたのに]
入るだけでドキドキする部屋なのに。大好きで、入る時はいつも手に汗握るような特別な場所なのに。
そこにいた人を理解した瞬間、今までに感じたことのないような痛みが胸を襲う。泣き出したくて、どうしてと叫びたくて。
なのに頭はスッと冷静になる。
彼は、あの人の婚約者でありパートナーだ。この部屋にいるのに何の問題もない。
[ちょっと汚いから綺麗に掃除してもらわないと。家具も壁紙も、好みじゃないし全部変えてもらわないとなぁ]
どうして。
良いじゃないか、少しくらいそのままでも。せめてボスが自分から言い出すまでは待ってあげてよ。
[でもベッドの大きさは良かったかな! 僕はオメガだからね、巣作りの為にもあれくらいは必要だし。服も結構入りそうだし合格かな]
服…?
良いな。俺は二枚しか持ってない。以前借りて貰っても良いと言われた羽織と、あの日貸してもらった紫色の甚平。大事にずっと持ってるけど…もう、手放さなきゃ。
…やだ。
やだよ、あれは…あれは、俺が貰ったボスの服。誰にも渡したくない。せめて、せめてあの服から彼の匂いがわからなくなるまでは。
[…なに。
いつまでそこにいるの? お前みたいな雑魚幹部、用なんかないよ。まだガキだし、使い道もなさそうだしねー。
早く出てってよ。二人の部屋なのに、他人の匂いとか付けたくないんだけど]
羽魅は…、他にもまぁ、色々言ってたけど俺はボスの部屋に彼がいた事実をいつまでも飲み込めず何を言い返すことも出来なかった。
割と、的を得た発言だと思う。勝手に部屋を改装しようとするのは良くないけど…二人だけの部屋に俺なんかが割り込むのはいけないことだし、雑魚幹部どころかバイトだ。
…あの人は、ボスを大事にしてくれるかな。
俺は夫婦ってものをよく、わからないけど…とても愛おしいものだと思っているから。出来たらボスにも、そういう風になってほしい。難しくても、本人が望んでないかもしれないけど。
いつか、この二人が仲良く生きていく時が来るかもしれない。そしてその時、きっと俺はもう近くにはいなくて…いなくて…、
そんな日を想像するだけで涙が出てしまう、こんな泣き虫をどうしたら良いかな。
『ん、…?』
長いような短いような夢を見ていたような気がする。いつの間にか世界が真横になっていて、誰かの大きな手が身体に置かれていた。
『ああいう電話を突然繋ぐな。近くにボスがいたらどうする、血の海だぞ』
『だって緊急事態ですよ? こんな…まだ十五歳なのに婚約者? どうなってんですか、この世の中は。いくら体質とかの問題があっても限度ってものがあるでしょ…』
頭には何か布を丸めたものがあり、身体には軽い素材のブランケット。車内だろうか。空調のお陰で暖かく快適だ。
…そうだ。確か、犬飼さんが電話した相手を待ってたらいつの間にか寝てたんだ?
『アホなこと言わずに前見て運転しろ。事故ったらどうなるかわかってんだろうな』
『御意。人生一の安全運転で参ります。…ところで、ボスはどうしたんですか? 昨夜は記憶飛ばす勢いで酒飲んでましたけど…』
『…部屋に篭った。どうやら奴に荒らされたらしくてな、再現する為にずっと作業してんだ。仕事もむしろ完璧に終わらせてて、怖ぇくれーだ。どうしたもんか』
刃斬の声だと気付くとモゾモゾと身体を動かす。すぐに動きで起きたことに気が付いた刃斬は、そっと俺の身体を抱き上げてからシートに座らせてくれる。
…んー。変な時間に寝たからボーっとする。
『おはよ、兄貴…』
『…ああ。おはようさん。お前なんか目元腫れてねぇか? 寝たせい、なのか…?』
きっと夢見が悪かったのだろう。ゴシゴシと手で擦ると慌てた刃斬に止められ、じんわりとした温もりの手が顔に触れてホッと息を漏らす。
『おし。このポヤポヤを投げれば解決しそうだな、やっぱそれしかねぇ。
宋平。すまねぇがアジトに向かう。少しで良いから時間をくれ、頼む』
『はぁい…、良いよー』
まだ寝起きで覚醒し切っていないまま返事をすると再び船を漕ぐ俺の耳にシャッター音らしきものが入る。
『あ。刃斬サンずるーい、ワタシにも送ってくださいよ』
『わかったから運転に集中しろ』
鞄やら車内に下ろして身一つで車から降りると、慣れた道を二人と歩く。エレベーターの前で犬飼と別れて刃斬と一番左のエレベーターに乗り込む。
特別な認証を終えてエレベーターが動き出すと、ふとあることに気付く。
…そういえば、羽魅も既に自分の認証を追加されていたのだろうか。なんとなく引っ掛かる、彼の言動。
彼は言っていた。
折角入れたのに、と。
『…まさかな』
まさか、そんな。
…こんなセキュリティを一体どうやって突破するんだ。そもそも俺だって認証されたのが不思議なくらいだから羽魅だって追加されてたに違いない。
でなきゃ、何故…ボスの私室なんかに行くんだ。
『…呼び鈴は鳴らしたが、反応はないな。
ボス! 宋平が来てます。少し休憩にして一度休みませんか…?』
私室に着いてチャイムが部屋に響くが応答はなし。スマホでも連絡をしているようだが、返事がないようだ。刃斬は膝を曲げて俺の前にしゃがむと、肩に手を置いてから話し出した。
『…昨日、部屋を荒らされてかなりご立腹だ。一日経ったし少しはなんとかなってると思う。ちょっくら様子を見て来てくれるか?』
『わかった』
此処で待ってる、と言って玄関に立つ刃斬を置いて歩き出す。どうやら羽魅は予想外に部屋を荒らしてしまったらしい。広いフロア内だが、俺は迷うことなくあの部屋へと向かった。
『ボス。お疲れ様です、宋平です。…入っても良い?』
時間にして僅か数秒。ゆっくりと襖が開くと中からボスが出て来た。俯く彼は黙ったまま俺の手を引くと、オメガの部屋へと入れてくれた。
黒い着流しをたった一枚だけ身に纏い、裸足のまま歩くボスは小さな声で喋り出した。
『…暫く、入らなかったせいだな。アイツが入って色々と物が動かされた。元の場所が…よく、思い出せねェ』
どうやら元通りにしたいのに記憶が曖昧で上手く出来ないらしい。いつものボスとはかけ離れた憔悴し切った姿に、思わず強く声を上げる。
『じゃあ俺が直すから。ちゃんと全部、元の場所に戻すから大丈夫だよ、ボス。俺この前ね、この部屋に間違って入っちゃったから覚えてます。
だからそれまでに、ボスはいつもの素敵な姿になって戻って来てください。俺ね、今日はボスの紺のスーツ姿が見たいな!
任せてよ。…えっと、そう。記憶力なら自信あるんですからね、俺は!』
『…本当か? お前、見たって…たった一回とかだろ』
いやいや。一回でもナメてもらっては困る。…この部屋に抱く俺の気持ちは、結構重たいのだ。
それに、奥の手がある。
『戻って来てやっぱりダメだったら叱ってやってください。でも、もしもちゃんと直せてたら…そう、ですね。
一個だけ。一個だけ、俺の願いを叶えてくれませんか?』
押したら、いける。
おしたら…、いける…かも。
『わかった。…部屋をお前に任せる。
感謝する、宋平。出来なくても気にすんな、お前の気持ちに充分救われた』
少しだけ明るくなった顔付きに安心して見送ると刃斬と一緒に仕事用のフロアへと向かったらしい。俺はそれから静かに振り返ると、部屋の中を歩いて中心部に立つ。
頭の中に現れたコントローラーを握り、久しぶりに切り替えたのはオメガ。
『よーし。…俺は、最高のクリスマスイブの為に本気を出すッ!!』
オメガ。
オメガには、巣作りという本能がある。愛する番に対する最大の愛の形とも呼ばれ、発情期に巣作りをされるのはアルファにとって最大の名誉だ。
俺のオメガは完全ではなく、勿論発情期はないし巣作りだってしたことはない。だが、極限までオメガ性を発芽させて一時的な擬似発情期を作り、
この部屋全てを自分の巣だと、認識させる。
そうすれば記憶の中にある配置にだって戻せる。なんたってオメガの巣作りは、本人の納得する配置に物を置かなければ気が済まない。
…やってやる。
どんなに無茶でも無謀でも、俺がバランサーであり大切なあの人の為ならば
此処でやらずして、何が伝説だ。
『やってやらぁ!!』
.
116
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説

その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

【完結】元騎士は相棒の元剣闘士となんでも屋さん営業中
きよひ
BL
ここはドラゴンや魔獣が住み、冒険者や魔術師が職業として存在する世界。
カズユキはある国のある領のある街で「なんでも屋」を営んでいた。
家庭教師に家業の手伝い、貴族の護衛に魔獣退治もなんでもござれ。
そんなある日、相棒のコウが気絶したオッドアイの少年、ミナトを連れて帰ってくる。
この話は、お互い想い合いながらも10年間硬直状態だったふたりが、純真な少年との関わりや事件によって動き出す物語。
※コウ(黒髪長髪/褐色肌/青目/超高身長/無口美形)×カズユキ(金髪短髪/色白/赤目/高身長/美形)←ミナト(赤髪ベリーショート/金と黒のオッドアイ/細身で元気な15歳)
※受けのカズユキは性に奔放な設定のため、攻めのコウ以外との体の関係を仄めかす表現があります。
※同性婚が認められている世界観です。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる