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君は光
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Side:猿石
一番古い記憶は、自分の親父の背中だ。
産まれた時から上位アルファとしての力を制御出来ず、異端児として閉じ込められて育った。学校なんて通ったことは殆どないし、マトモな幼少期なんて知る由もない。一般人の生活をテレビで見て、これは全部作りモノなんだと思っていた程だ。
最低限の知識だけを渡されて、ただ生かされた。
オレが二十年を過ごしたのは自宅から遠く離れた隔絶された屋敷。そこには巨大な柵が建てられ、オレは逃げるという選択肢すら知らなかった。幼少期は目の障害もあって滅多に外にすら出ない。オレの目を灼く太陽がある外は、恐ろしかった。
母親は一度もオレを抱くことはなく、
親父は一度だけ会いに来て何も言わずに去って、以降は顔すら見ていない。
そんな人間が、マトモに育つはずもなかった。
『テメェが猿石家の最高傑作? 笑わせる。そういうのはな、ご丁寧に自分の家名を貼り付けて一番目立つとこに晒すんだよ。
真逆じゃねェか』
二十歳になった自分の前に現れたのは、三つ年下の…自分よりも更に一段上か同レベル位のアルファだった。
面倒ですぐに威嚇フェロモンをぶつけたのに、そのガキは今までの人間と違って同じ質量の威嚇をぶつけてきた。
それは、人生で初めての対話となる。
『猿石家との契約の対価に、テメェを預かることになった。戦力の補充に丁度良いかと見に来たが…
話になンねェな。こりゃあ』
屋敷に初めて現れた他人。それも二人。だけど、片方はオレよりアルファ性は僅かに劣っていたが肉体の強さは半端ではなかった。
組み手で負けるのが悔しくて、何度も挑んでは軽くあしらわれる。それを遠くで眺める男を弐条。筋肉バカが、刃斬。
二人組は頻繁に屋敷に現れ、後にオレは弐条会に引き取られた。人間としては最低レベルだが度胸はあるとボスに言われた。
男の背中は、知っていた親父のより、うんと小さかった。だけど、アイツよりずっと広く…近くにある。
『二十年の時間をいきなり埋めるのは無理だ。お前はこれから一生を懸けて、自分を学べ。他人を知るなんざ当分は先だ。
今は先ず、その高過ぎるアルファ性を俺が強引に抑えてやるから自分で制御出来るようにしろ。
…返事をしろ、このバカ』
それから六年。弐条と名乗った男をボスと呼ぶことを学び、刃斬には勝てるようにはなったが相変わらず口煩くて敵わない。
ボス曰く、人間六年生のオレはガキと一緒らしい。
感謝してる。何も出来なくて、何も知らないオレを拾って育ててくれた。未だに仕事を間違えて叱られたり、つい最近もしょっ引かれて刑務所に入ったけど。
…それでも、ずっと何かが満たされない。二人や弐条会の奴等はそれを埋めてはくれなかった。
二十六年で、それを与えてくれる人間にやっと会うことができる。
出会った日を今でも鮮明に覚えてる。アイツとの出会いは、特別で大切なもの。
だから、傷付けたくないのに。
『…なんでオレが…。なんだよ、体育祭って。わざわざそんなもん見る意味ねーよ』
そんなものは自分とは縁がない。だが、あの双子はどうにも苦手で断り難い。なんせ年齢もかなり離れているから普段は近寄りすらしない。
アイツらと仲良しのソーヘーは、素直に凄いと思う。アイツらは人間なのに自分たちから人間を捨てに行く変な奴等だ。
『…ソーヘー』
大好きなソーヘー。小さくて、可愛くて、オレを真っ直ぐに見てから向けてくれる笑顔が世界で一番好き。ずっと見ていたい。隣にいて、あわよくば一生、あのアジトにいてほしい。
だけど、ダメだ。
オレの高いアルファ性が、いつアイツに害を為すかわからない。ソーヘーだけは…傷付けたくないのに。誰にもされなかったことをしてくれた、大切な人。
もしも。
…もしも、ボスがソーヘーと番にならなければ離れなければならない。ボスを裏切ることは出来ない。あの人への恩は死んでも返せないから。
だから本当は一秒だって離れたくないのに。
『しかもなんだよ、変装って。オレが一回不法侵入したからか…?』
双子に押し付けられたのは、いつものサングラスじゃない色付きの変なやつで髪もワックスで掻き上げられてスースーする。
いつも通り黒いシャツを着てそんな見た目なモンだから普段より更に視線を感じて怠い。
グラウンドに向かえば騒がしさがより際立つ。どちらかと言うと静かな場所の方が好きだから、この時点で帰りたい。だけどすぐに弐条会の連中がいるのを見つけ、そこに向かって歩き出すと聞き馴染みのある名前が耳に飛び込む。
【さぁ!! 学年別対抗競技、一年生の部は間もなくアンカーへとバトンが渡ります! アンカーはグラウンド一周! トップは青軍、後から続くのは白軍と赤軍です!
青軍アンカーが順調に走り出し…その後を…おおっと、赤軍! 華麗なバトンパスでリード! 本日代理アンカーを努める一年三組常春君、見事な走り出しで青軍に食らい付く!】
常春…、ってソーヘー?!
今までの怠さなんて吹き飛んで、慌てて人垣の上から競技を見る。そこには数日前まで足を怪我していたソーヘーが、ぐんぐんと走り必死に前を走る奴を追い掛けていた。
嘘だろ…、だってこの間まで松葉杖使ってたのに?
『いけーっ宋平! 抜けー!!』
『良いぞー坊主、やっちまえ!』
一番前を陣取る弐条会の面々が大声で声援を送ると、まるで聞こえていたようにソーヘーが更に腕を振って前へと出る。
…体調、悪くないのか? あんなに走ってるけど…。
『お前やっと来たの? ほれ、もっと前に来いよ。ちゃんと座って後ろの方に迷惑掛けんなよ』
『…犬飼』
犬飼がわざわざオレを呼びに来ると、前まで連れて行ってくれた。そこには熱心にソーヘーを見守るボスと静かに拳を握って応援する刃斬もいた。
『今日の最後の出場競技だってさ。見てみ。あんなに元気に走り回る子が、お前なんかのアルファ性に左右される訳ないでしょ。
なんなら借り物競走でも一番よ、あの子』
後少し。
もうちょっと。
『そうですね。昔の貴方ならまだしも、今はある程度はフェロモンの管理も出来てるみたいですし。
宋平を信じて。そして何より、貴方をそこまで育て上げたボスと刃斬さんを信じなさい』
がんばれ。
がんばれ、あと…すこし。
『ぁ』
順調に走っていたのに、何かに躓くように転びそうになるソーヘーの姿がスローモーションのように写る。今にも地面に倒れ込みそうになるソーヘーに向かって、腹から声を出した。
『っ頑張れ!! ソーヘー!!』
タン、と右手を着いた瞬間力を込めて地面を弾くと横になった身体を捻り、再び足で地面を踏んだと思ったら爆発的な加速で更に走り出す。
そのままトップスピードを維持して相手を抜き去った瞬間、ソーヘーはゴールテープを切った。
『…勝った…』
グラウンドが歓声に包まれて、ソーヘーが嬉しそうに両腕を上げている。運営側の人間に一位の旗を渡された彼はパタパタとそれを振ると、オレたちの方を向いてからそれを振りながら笑顔で手を振る。
『やったぁああ!! ボスぅ、見ましたかウチの子がやりましたよ!!』
『見てたっての。…良い走りっぷりだったな』
犬飼や野郎どもの野太い歓声にソーヘーは暫く旗を振りながら応えて、列へと進む。一年生の見応えのある競技に会場が盛り上がりつつ、次の二年生の部へと移行する。
胸が熱く、心臓がバクバクと脈打つ。まるで自分が走って勝ったような爽快感。周りは未だにソーヘーの試合を語っている。
『みんなー』
先程の勢いなど何処へやら、パタパタとゆったり走って来たソーヘーに弐条会の面々はすぐに反応して取り囲む。頭を撫でられたり、抱き上げられたりしたソーヘーがやがてオレの方に来る。
『アニキ!!』
『…ソーヘー…、その』
駆け寄るソーヘーが手を伸ばす。眩しいくらいの笑顔を向けてから喋り出す声に聴き入った。
『さっき、応援してくれたよね? へへっ…ありがとう。いやぁ弐条会で身体動かしてるせいか反射神経が抜群になっちゃった。
アニキが見てるって思ったから、最後まで諦めなかったよ。どう? カッコ良かった?』
どうしてお前は、そんなにオレを大切にしてくれるんだ。世界になかったことにされかけたオレに、なんでこんなにあったかいモンをくれる?
こんなオレが、光に手を伸ばしても良いのか?
『疲れた! 抱っこしてくれ、アニキ!』
ああ。
そうだよな。だって光の方から求められたら無碍になんて出来るわけがない。一緒にいればいるだけ、別れは辛く、心には傷が付くのに。
わかっているのに、この一時の幸福を手放したくない愚かな人間で、ごめんな。
『っソーヘー!!』
『はーい、って…! ぐへぇ』
大切な大切な宝物。
オレに未だ、多くを与えてくれる人。どうか…離れないで。
もう、捨てられるのは御免なんだ。
『カッコ良かった。めちゃくちゃ、凄かった…。来るの遅れてゴメン。でも…最後のは見れて良かった』
『仕方ないですねぇ。応援してくれたから、許してあげましょう!』
オレたちの大切な宝物。
…どうしたら盗られないか。
『…やっぱ弐条会の代紋付けて、世の中に晒すのが一番良いよな? 背中オレとお揃いにするか?』
『ごめん、何の話?』
当時の会話を知るボスと刃斬に思いっきり頭を殴られる。何のことかわからないのに、殴られて笑うオレをソーヘーはなんだか嬉しそうに眺めてから笑ってくれた。
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一番古い記憶は、自分の親父の背中だ。
産まれた時から上位アルファとしての力を制御出来ず、異端児として閉じ込められて育った。学校なんて通ったことは殆どないし、マトモな幼少期なんて知る由もない。一般人の生活をテレビで見て、これは全部作りモノなんだと思っていた程だ。
最低限の知識だけを渡されて、ただ生かされた。
オレが二十年を過ごしたのは自宅から遠く離れた隔絶された屋敷。そこには巨大な柵が建てられ、オレは逃げるという選択肢すら知らなかった。幼少期は目の障害もあって滅多に外にすら出ない。オレの目を灼く太陽がある外は、恐ろしかった。
母親は一度もオレを抱くことはなく、
親父は一度だけ会いに来て何も言わずに去って、以降は顔すら見ていない。
そんな人間が、マトモに育つはずもなかった。
『テメェが猿石家の最高傑作? 笑わせる。そういうのはな、ご丁寧に自分の家名を貼り付けて一番目立つとこに晒すんだよ。
真逆じゃねェか』
二十歳になった自分の前に現れたのは、三つ年下の…自分よりも更に一段上か同レベル位のアルファだった。
面倒ですぐに威嚇フェロモンをぶつけたのに、そのガキは今までの人間と違って同じ質量の威嚇をぶつけてきた。
それは、人生で初めての対話となる。
『猿石家との契約の対価に、テメェを預かることになった。戦力の補充に丁度良いかと見に来たが…
話になンねェな。こりゃあ』
屋敷に初めて現れた他人。それも二人。だけど、片方はオレよりアルファ性は僅かに劣っていたが肉体の強さは半端ではなかった。
組み手で負けるのが悔しくて、何度も挑んでは軽くあしらわれる。それを遠くで眺める男を弐条。筋肉バカが、刃斬。
二人組は頻繁に屋敷に現れ、後にオレは弐条会に引き取られた。人間としては最低レベルだが度胸はあるとボスに言われた。
男の背中は、知っていた親父のより、うんと小さかった。だけど、アイツよりずっと広く…近くにある。
『二十年の時間をいきなり埋めるのは無理だ。お前はこれから一生を懸けて、自分を学べ。他人を知るなんざ当分は先だ。
今は先ず、その高過ぎるアルファ性を俺が強引に抑えてやるから自分で制御出来るようにしろ。
…返事をしろ、このバカ』
それから六年。弐条と名乗った男をボスと呼ぶことを学び、刃斬には勝てるようにはなったが相変わらず口煩くて敵わない。
ボス曰く、人間六年生のオレはガキと一緒らしい。
感謝してる。何も出来なくて、何も知らないオレを拾って育ててくれた。未だに仕事を間違えて叱られたり、つい最近もしょっ引かれて刑務所に入ったけど。
…それでも、ずっと何かが満たされない。二人や弐条会の奴等はそれを埋めてはくれなかった。
二十六年で、それを与えてくれる人間にやっと会うことができる。
出会った日を今でも鮮明に覚えてる。アイツとの出会いは、特別で大切なもの。
だから、傷付けたくないのに。
『…なんでオレが…。なんだよ、体育祭って。わざわざそんなもん見る意味ねーよ』
そんなものは自分とは縁がない。だが、あの双子はどうにも苦手で断り難い。なんせ年齢もかなり離れているから普段は近寄りすらしない。
アイツらと仲良しのソーヘーは、素直に凄いと思う。アイツらは人間なのに自分たちから人間を捨てに行く変な奴等だ。
『…ソーヘー』
大好きなソーヘー。小さくて、可愛くて、オレを真っ直ぐに見てから向けてくれる笑顔が世界で一番好き。ずっと見ていたい。隣にいて、あわよくば一生、あのアジトにいてほしい。
だけど、ダメだ。
オレの高いアルファ性が、いつアイツに害を為すかわからない。ソーヘーだけは…傷付けたくないのに。誰にもされなかったことをしてくれた、大切な人。
もしも。
…もしも、ボスがソーヘーと番にならなければ離れなければならない。ボスを裏切ることは出来ない。あの人への恩は死んでも返せないから。
だから本当は一秒だって離れたくないのに。
『しかもなんだよ、変装って。オレが一回不法侵入したからか…?』
双子に押し付けられたのは、いつものサングラスじゃない色付きの変なやつで髪もワックスで掻き上げられてスースーする。
いつも通り黒いシャツを着てそんな見た目なモンだから普段より更に視線を感じて怠い。
グラウンドに向かえば騒がしさがより際立つ。どちらかと言うと静かな場所の方が好きだから、この時点で帰りたい。だけどすぐに弐条会の連中がいるのを見つけ、そこに向かって歩き出すと聞き馴染みのある名前が耳に飛び込む。
【さぁ!! 学年別対抗競技、一年生の部は間もなくアンカーへとバトンが渡ります! アンカーはグラウンド一周! トップは青軍、後から続くのは白軍と赤軍です!
青軍アンカーが順調に走り出し…その後を…おおっと、赤軍! 華麗なバトンパスでリード! 本日代理アンカーを努める一年三組常春君、見事な走り出しで青軍に食らい付く!】
常春…、ってソーヘー?!
今までの怠さなんて吹き飛んで、慌てて人垣の上から競技を見る。そこには数日前まで足を怪我していたソーヘーが、ぐんぐんと走り必死に前を走る奴を追い掛けていた。
嘘だろ…、だってこの間まで松葉杖使ってたのに?
『いけーっ宋平! 抜けー!!』
『良いぞー坊主、やっちまえ!』
一番前を陣取る弐条会の面々が大声で声援を送ると、まるで聞こえていたようにソーヘーが更に腕を振って前へと出る。
…体調、悪くないのか? あんなに走ってるけど…。
『お前やっと来たの? ほれ、もっと前に来いよ。ちゃんと座って後ろの方に迷惑掛けんなよ』
『…犬飼』
犬飼がわざわざオレを呼びに来ると、前まで連れて行ってくれた。そこには熱心にソーヘーを見守るボスと静かに拳を握って応援する刃斬もいた。
『今日の最後の出場競技だってさ。見てみ。あんなに元気に走り回る子が、お前なんかのアルファ性に左右される訳ないでしょ。
なんなら借り物競走でも一番よ、あの子』
後少し。
もうちょっと。
『そうですね。昔の貴方ならまだしも、今はある程度はフェロモンの管理も出来てるみたいですし。
宋平を信じて。そして何より、貴方をそこまで育て上げたボスと刃斬さんを信じなさい』
がんばれ。
がんばれ、あと…すこし。
『ぁ』
順調に走っていたのに、何かに躓くように転びそうになるソーヘーの姿がスローモーションのように写る。今にも地面に倒れ込みそうになるソーヘーに向かって、腹から声を出した。
『っ頑張れ!! ソーヘー!!』
タン、と右手を着いた瞬間力を込めて地面を弾くと横になった身体を捻り、再び足で地面を踏んだと思ったら爆発的な加速で更に走り出す。
そのままトップスピードを維持して相手を抜き去った瞬間、ソーヘーはゴールテープを切った。
『…勝った…』
グラウンドが歓声に包まれて、ソーヘーが嬉しそうに両腕を上げている。運営側の人間に一位の旗を渡された彼はパタパタとそれを振ると、オレたちの方を向いてからそれを振りながら笑顔で手を振る。
『やったぁああ!! ボスぅ、見ましたかウチの子がやりましたよ!!』
『見てたっての。…良い走りっぷりだったな』
犬飼や野郎どもの野太い歓声にソーヘーは暫く旗を振りながら応えて、列へと進む。一年生の見応えのある競技に会場が盛り上がりつつ、次の二年生の部へと移行する。
胸が熱く、心臓がバクバクと脈打つ。まるで自分が走って勝ったような爽快感。周りは未だにソーヘーの試合を語っている。
『みんなー』
先程の勢いなど何処へやら、パタパタとゆったり走って来たソーヘーに弐条会の面々はすぐに反応して取り囲む。頭を撫でられたり、抱き上げられたりしたソーヘーがやがてオレの方に来る。
『アニキ!!』
『…ソーヘー…、その』
駆け寄るソーヘーが手を伸ばす。眩しいくらいの笑顔を向けてから喋り出す声に聴き入った。
『さっき、応援してくれたよね? へへっ…ありがとう。いやぁ弐条会で身体動かしてるせいか反射神経が抜群になっちゃった。
アニキが見てるって思ったから、最後まで諦めなかったよ。どう? カッコ良かった?』
どうしてお前は、そんなにオレを大切にしてくれるんだ。世界になかったことにされかけたオレに、なんでこんなにあったかいモンをくれる?
こんなオレが、光に手を伸ばしても良いのか?
『疲れた! 抱っこしてくれ、アニキ!』
ああ。
そうだよな。だって光の方から求められたら無碍になんて出来るわけがない。一緒にいればいるだけ、別れは辛く、心には傷が付くのに。
わかっているのに、この一時の幸福を手放したくない愚かな人間で、ごめんな。
『っソーヘー!!』
『はーい、って…! ぐへぇ』
大切な大切な宝物。
オレに未だ、多くを与えてくれる人。どうか…離れないで。
もう、捨てられるのは御免なんだ。
『カッコ良かった。めちゃくちゃ、凄かった…。来るの遅れてゴメン。でも…最後のは見れて良かった』
『仕方ないですねぇ。応援してくれたから、許してあげましょう!』
オレたちの大切な宝物。
…どうしたら盗られないか。
『…やっぱ弐条会の代紋付けて、世の中に晒すのが一番良いよな? 背中オレとお揃いにするか?』
『ごめん、何の話?』
当時の会話を知るボスと刃斬に思いっきり頭を殴られる。何のことかわからないのに、殴られて笑うオレをソーヘーはなんだか嬉しそうに眺めてから笑ってくれた。
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