80 / 136
前夜祭
しおりを挟む
アジト大襲撃は、予め襲撃自体は予想はされていて色々と考えられてのアレだったらしい。詳しいことは教えてもらってないけど大襲撃の数だけは予想外だったようで俺がアルファになって頑張った甲斐があったというもの。
アルファ野郎としての俺について調査はされているらしいが、監視カメラの電源も落ちていて調査は難航しているし辰見がなんとか誤魔化してる。
そんな中、夏も終わりが見えてきた時…俺の高校では間もなく体育祭が始まる。
『出張…?』
『そうなんだよ…。宋平の体育祭の日、一週間の出張が入っちゃってな。社長も頑張ってズラそうとしてくれたんだけどなぁ…本当にごめん!』
仕事から帰って来た兄ちゃんに開口一番に謝罪され、その内容を知る。ショックを受ける俺に兄ちゃんは申し訳なさそうに手を合わせるが、実はこの話をされたのは本日三度目。
『…兄さんと蒼二兄も大学の用事で体育祭のある金曜日から土曜日までいないんだって…』
『なにっ?!』
家族全員が来れなくなった体育祭。まぁ、俺ももう高校生。それくらいなら親が来ないのなんて珍しくないし今まで来てくれていたのが凄いくらいだ。
だから今年は大丈夫だよ、と兄ちゃんに言ったけど兄ちゃんは申し訳なさそうに頷くのみだった。
『…あ。兄貴、この日は体育祭の予備日なんでもしかしたら午後からになるかも』
『体育祭?』
バイトのスケジュールを組む中、刃斬にそう伝えるとソファに座っていた俺の後ろから日取りを確認するように覗き込む。
『まぁウチの高校、体育祭にはそこまで力入れてないし練習も最低限だから。俺も個人競技と一年全員参加のしか出ませんし』
『なるほどな。お前んとこのことだ、兄貴たちも張り切ってんだろ?』
刃斬の言葉に微妙な反応をしていると、何かあったのかと聞かれたので正直に話せば刃斬が俺の隣に座ってきた。
『兄貴三人が全員いない? …そりゃあ、随分とタイミングが悪いこったな。しかもそれだと金曜から双子の兄貴たちも出掛けて泊まりがけってことだろ。
長兄は一週間出張で…、お前帰ったら一人か?』
あー、そうか。そういうことか。
今気付いたと言いながら曖昧に笑ってみせると刃斬が少し何かを考えるように顎に手を当ててからソファから立ち上がる。どこかに電話を掛ける背中を見ていると覚がお茶を淹れてきてくれた。
『宋平。ボスから許可を頂いたから、お前さえ良ければ木曜日の学校終わりから此処に泊まれ。弁当も作って行けば良いし、学校にも送ってやる』
『え?!』
そんなこんなで始まった体育祭お泊まり計画。弐条会としては襲撃に遭い、誘拐未遂になった俺を自宅に一人にするのは心配らしい。兄たちには友人宅にお世話になると言えば向こうも心配していたようで喜んで送り出してくれた。
あれから弐条会の幹部は探し当てた過激派の本拠地やら攻めていてちょくちょく誰かしらいない。今日は双子がいない。
『おいでおいでー?』
『……』
木曜日の夜。荷物を持ってアジトにやって来た俺は溜まり部屋の近くで猿石を見つけたのだが、この男は最近様子がおかしい。
今もこうして俺から距離を取って廊下の曲がり角からチラチラと様子を窺っている。
…なんか飼ったばかりの子犬みたいだ。こんなデカイ子犬はいないだろうけど。
『どうしたの、アニキ? もしかして俺、なんかアニキの嫌がることしちゃった?』
『…違ぇけど…』
一歩近付けば二歩下がり、二歩近付けば姿を眩ませる。見失ってしまいトボトボと溜まり部屋に戻ると丁度覚が迎えに来てくれた。
『あー…、それは恐らく以前ボスが聞いた宋平の体質についてでしょう』
『体質?』
以前のキミチキ! コラボカフェの帰り道、ボスに俺のバース性の数値について聞かれた。だけどそれについては昔からエラー続きで成人に近付くに連れて正常化すると誤魔化してある。
辰見による数値の計測も頻繁にやっているから平気だと伝えたら、ボスが安心したように顔を綻ばせて笑い、その話は終わった。
実は数値はバランサー以外だと安定化するのは難しいのだ。いつかバランサーではなくなれば、勿論そのバース性による数値に落ち着く。
例えコントローラーで転換しても、根っこはバランサーであることは変わらない。
『未だに自分のせいで数値を乱しているのではないかと不安なんでしょう。…彼は強過ぎるアルファ性である故に昔からそういう現象に悩まされた回数も多いでしょうから、仕方ないですよ』
だから最近あんまり近付いて来なかったんだ。
折角お泊まりに来たのに、背中にあの重みがないことが少し寂しい。甘えん坊のくせに。
『はい、到着です』
ボスのフロアに辿り着くと刃斬とボスが出迎えてくれた。フロアに着いてすぐに何か違和感があったような気がするが、すぐにはわからない。
…なんだろう? でも、何かが…。
『あーっ!!』
少しして皆が座った瞬間、俺がそこそこデカい声を出すもんだから皆がビクッと反応して俺を見る。しかし俺はそんなことは気にせずソファから立ち上がるとバタバタと小走りでボスの元へ行く。
くんくん、と社長椅子に腰掛けるボスの胸元辺りを嗅ぎ回る俺の姿に全員が動きを止める。
『いつもの煙草の匂いがしないッ! なんで…ん? そういえば、この間のカフェの時もなんか匂いが薄かったような…スーツから全然匂いしなかったな…。
なんでですか、ボス!』
『…やっぱ犬か。お前は』
手が伸びてボスの膝の上に座らされる。しかし、そんなことに構わず座れたのを良いことにくんくん、と再び嗅ぎ回るがやっぱりダメ。
ど、どうして…なんだってこんなことに!
『まさか煙草辞めちゃったんですか?!』
『…少し控えてただけだ。なんだってンだ、お前は』
控えてた…。
その言葉を聞いて真っ先に思い浮かんだのは、やはり許嫁。許嫁とは将来的に結婚する。そして結婚をしたらつまり…いつかは子どもに恵まれる可能性。そうなれば夫として、ボスは禁煙するだろう。
つまり、これは…今から禁煙し始めて未来に備えている…間違いないッ!!
ズーン…、という効果音が似合うほどに肩を落とした俺はそっと膝から降りてトボトボと歩き出す。
…辛い。自分の妄想に自分で大ダメージ受けた。
『あれ? 宋平、どうし…、あらら』
お茶を置いて再び給湯室に行こうとしていた覚にぶつかり、そのまま停止する。後ろに回って俺の肩を持ってソファに連れて行くと、座らせてお茶とお菓子を出してくれた。
…優しい。覚さん好き…。
『お前…、もしかしてボスの煙草の匂い、気に入ってたのか?』
隣に座る刃斬の鋭い指摘に緩く頷くとお茶を持ち上げて喉を潤す。玄米茶美味しいな、と現実逃避をしていれば刃斬が驚いたように見ていた資料をテーブルに放ってからボスの方を見る。
…はぁ。あの煙草の匂いとボスの匂いが混ざった感じが…好きだったのに。どっちもあるとなんかこう、凄く胸の奥から幸福度が溢れ出すんだよな。仮眠室とか正にその匂いで溢れてるから一番お気に入りの場所だってのに。
…実は、いつか貰った羽織も匂いが薄まってしまったから今日辺り仮眠室に放り込んで匂いの補充をしようと画策していたのに、もう出来なくなってしまう。
『宋平! 夕飯作るなら自分も手伝いますよ、そろそろ取り掛かりますか?』
『あ。はーい! 今行きまーす!』
泊めてもらう見返りではないが、料理については任されている。今日のお手伝いは覚。と言っても簡単な補助と洗い物しか出来ないと申告は受けていた。
覚と一緒に調理をして、出来上がった鶏のソテーをメインにしたプレートを持って行けば…何ということだ。そこにいたのは煙管を片手にパソコンを扱うボスの姿。
あれー?!
『ボス…!』
プレートをテーブルに置いてからパタパタと走ってボスの元に飛んでいけば、くるりと椅子を動かしてから膝を叩くボスに飛び付く。ピョンと膝に飛び乗ってくんくん、と再び鼻を動かせば大好きな匂いに身体の芯から喜びに震えて首に腕を回す。
『危ね…。おい、あんま吸うな。お前にゃ害のあるモンに違ェねェんだからな…って聞いてやしねェ』
良い匂い…! 最高!
『まァ吸う回数は減らす程度にするか。…ったく、ゲンキンな奴。お前の為に控えてたってのによォ』
『ボスの匂いがします!』
『…俺ァいつからマタタビを吸わせたんだ…』
やれやれ、と言いながらそのまま俺を抱えてボスがテーブルに向かうと夕食の準備をしていた二人から生温かい視線を感じて静かにボスから離れて席に着く。
…やらかした。恥ずかしい…。
『ん。おいしい! シンプルだけど、肉の旨みが引き立っていて最高ですね。この香草のせいですか』
『ああ。米もこれは…バターライスか? コーンが入ってて美味いな』
覚と刃斬からの言葉に喜んでいると、隣の席に座るボスに視線を向ける。お肉を食べた後に俺の視線に気付いたボスは、ふわっと優しく微笑んでから俺の頭を撫でる。
『今日も美味いな。明日も頼む、宋平』
『喜んで!!』
『宋平、居酒屋さんみたいになってますよ』
その日。
深夜に帰る犬飼と、未だ顔を出さない猿石の為に夕飯を置いて次の日の弁当の為に早めの就寝にした。ボスの羽織を抱いて安眠した次の日。
用意していた二人の夕飯は、綺麗になくなっていた。
.
アルファ野郎としての俺について調査はされているらしいが、監視カメラの電源も落ちていて調査は難航しているし辰見がなんとか誤魔化してる。
そんな中、夏も終わりが見えてきた時…俺の高校では間もなく体育祭が始まる。
『出張…?』
『そうなんだよ…。宋平の体育祭の日、一週間の出張が入っちゃってな。社長も頑張ってズラそうとしてくれたんだけどなぁ…本当にごめん!』
仕事から帰って来た兄ちゃんに開口一番に謝罪され、その内容を知る。ショックを受ける俺に兄ちゃんは申し訳なさそうに手を合わせるが、実はこの話をされたのは本日三度目。
『…兄さんと蒼二兄も大学の用事で体育祭のある金曜日から土曜日までいないんだって…』
『なにっ?!』
家族全員が来れなくなった体育祭。まぁ、俺ももう高校生。それくらいなら親が来ないのなんて珍しくないし今まで来てくれていたのが凄いくらいだ。
だから今年は大丈夫だよ、と兄ちゃんに言ったけど兄ちゃんは申し訳なさそうに頷くのみだった。
『…あ。兄貴、この日は体育祭の予備日なんでもしかしたら午後からになるかも』
『体育祭?』
バイトのスケジュールを組む中、刃斬にそう伝えるとソファに座っていた俺の後ろから日取りを確認するように覗き込む。
『まぁウチの高校、体育祭にはそこまで力入れてないし練習も最低限だから。俺も個人競技と一年全員参加のしか出ませんし』
『なるほどな。お前んとこのことだ、兄貴たちも張り切ってんだろ?』
刃斬の言葉に微妙な反応をしていると、何かあったのかと聞かれたので正直に話せば刃斬が俺の隣に座ってきた。
『兄貴三人が全員いない? …そりゃあ、随分とタイミングが悪いこったな。しかもそれだと金曜から双子の兄貴たちも出掛けて泊まりがけってことだろ。
長兄は一週間出張で…、お前帰ったら一人か?』
あー、そうか。そういうことか。
今気付いたと言いながら曖昧に笑ってみせると刃斬が少し何かを考えるように顎に手を当ててからソファから立ち上がる。どこかに電話を掛ける背中を見ていると覚がお茶を淹れてきてくれた。
『宋平。ボスから許可を頂いたから、お前さえ良ければ木曜日の学校終わりから此処に泊まれ。弁当も作って行けば良いし、学校にも送ってやる』
『え?!』
そんなこんなで始まった体育祭お泊まり計画。弐条会としては襲撃に遭い、誘拐未遂になった俺を自宅に一人にするのは心配らしい。兄たちには友人宅にお世話になると言えば向こうも心配していたようで喜んで送り出してくれた。
あれから弐条会の幹部は探し当てた過激派の本拠地やら攻めていてちょくちょく誰かしらいない。今日は双子がいない。
『おいでおいでー?』
『……』
木曜日の夜。荷物を持ってアジトにやって来た俺は溜まり部屋の近くで猿石を見つけたのだが、この男は最近様子がおかしい。
今もこうして俺から距離を取って廊下の曲がり角からチラチラと様子を窺っている。
…なんか飼ったばかりの子犬みたいだ。こんなデカイ子犬はいないだろうけど。
『どうしたの、アニキ? もしかして俺、なんかアニキの嫌がることしちゃった?』
『…違ぇけど…』
一歩近付けば二歩下がり、二歩近付けば姿を眩ませる。見失ってしまいトボトボと溜まり部屋に戻ると丁度覚が迎えに来てくれた。
『あー…、それは恐らく以前ボスが聞いた宋平の体質についてでしょう』
『体質?』
以前のキミチキ! コラボカフェの帰り道、ボスに俺のバース性の数値について聞かれた。だけどそれについては昔からエラー続きで成人に近付くに連れて正常化すると誤魔化してある。
辰見による数値の計測も頻繁にやっているから平気だと伝えたら、ボスが安心したように顔を綻ばせて笑い、その話は終わった。
実は数値はバランサー以外だと安定化するのは難しいのだ。いつかバランサーではなくなれば、勿論そのバース性による数値に落ち着く。
例えコントローラーで転換しても、根っこはバランサーであることは変わらない。
『未だに自分のせいで数値を乱しているのではないかと不安なんでしょう。…彼は強過ぎるアルファ性である故に昔からそういう現象に悩まされた回数も多いでしょうから、仕方ないですよ』
だから最近あんまり近付いて来なかったんだ。
折角お泊まりに来たのに、背中にあの重みがないことが少し寂しい。甘えん坊のくせに。
『はい、到着です』
ボスのフロアに辿り着くと刃斬とボスが出迎えてくれた。フロアに着いてすぐに何か違和感があったような気がするが、すぐにはわからない。
…なんだろう? でも、何かが…。
『あーっ!!』
少しして皆が座った瞬間、俺がそこそこデカい声を出すもんだから皆がビクッと反応して俺を見る。しかし俺はそんなことは気にせずソファから立ち上がるとバタバタと小走りでボスの元へ行く。
くんくん、と社長椅子に腰掛けるボスの胸元辺りを嗅ぎ回る俺の姿に全員が動きを止める。
『いつもの煙草の匂いがしないッ! なんで…ん? そういえば、この間のカフェの時もなんか匂いが薄かったような…スーツから全然匂いしなかったな…。
なんでですか、ボス!』
『…やっぱ犬か。お前は』
手が伸びてボスの膝の上に座らされる。しかし、そんなことに構わず座れたのを良いことにくんくん、と再び嗅ぎ回るがやっぱりダメ。
ど、どうして…なんだってこんなことに!
『まさか煙草辞めちゃったんですか?!』
『…少し控えてただけだ。なんだってンだ、お前は』
控えてた…。
その言葉を聞いて真っ先に思い浮かんだのは、やはり許嫁。許嫁とは将来的に結婚する。そして結婚をしたらつまり…いつかは子どもに恵まれる可能性。そうなれば夫として、ボスは禁煙するだろう。
つまり、これは…今から禁煙し始めて未来に備えている…間違いないッ!!
ズーン…、という効果音が似合うほどに肩を落とした俺はそっと膝から降りてトボトボと歩き出す。
…辛い。自分の妄想に自分で大ダメージ受けた。
『あれ? 宋平、どうし…、あらら』
お茶を置いて再び給湯室に行こうとしていた覚にぶつかり、そのまま停止する。後ろに回って俺の肩を持ってソファに連れて行くと、座らせてお茶とお菓子を出してくれた。
…優しい。覚さん好き…。
『お前…、もしかしてボスの煙草の匂い、気に入ってたのか?』
隣に座る刃斬の鋭い指摘に緩く頷くとお茶を持ち上げて喉を潤す。玄米茶美味しいな、と現実逃避をしていれば刃斬が驚いたように見ていた資料をテーブルに放ってからボスの方を見る。
…はぁ。あの煙草の匂いとボスの匂いが混ざった感じが…好きだったのに。どっちもあるとなんかこう、凄く胸の奥から幸福度が溢れ出すんだよな。仮眠室とか正にその匂いで溢れてるから一番お気に入りの場所だってのに。
…実は、いつか貰った羽織も匂いが薄まってしまったから今日辺り仮眠室に放り込んで匂いの補充をしようと画策していたのに、もう出来なくなってしまう。
『宋平! 夕飯作るなら自分も手伝いますよ、そろそろ取り掛かりますか?』
『あ。はーい! 今行きまーす!』
泊めてもらう見返りではないが、料理については任されている。今日のお手伝いは覚。と言っても簡単な補助と洗い物しか出来ないと申告は受けていた。
覚と一緒に調理をして、出来上がった鶏のソテーをメインにしたプレートを持って行けば…何ということだ。そこにいたのは煙管を片手にパソコンを扱うボスの姿。
あれー?!
『ボス…!』
プレートをテーブルに置いてからパタパタと走ってボスの元に飛んでいけば、くるりと椅子を動かしてから膝を叩くボスに飛び付く。ピョンと膝に飛び乗ってくんくん、と再び鼻を動かせば大好きな匂いに身体の芯から喜びに震えて首に腕を回す。
『危ね…。おい、あんま吸うな。お前にゃ害のあるモンに違ェねェんだからな…って聞いてやしねェ』
良い匂い…! 最高!
『まァ吸う回数は減らす程度にするか。…ったく、ゲンキンな奴。お前の為に控えてたってのによォ』
『ボスの匂いがします!』
『…俺ァいつからマタタビを吸わせたんだ…』
やれやれ、と言いながらそのまま俺を抱えてボスがテーブルに向かうと夕食の準備をしていた二人から生温かい視線を感じて静かにボスから離れて席に着く。
…やらかした。恥ずかしい…。
『ん。おいしい! シンプルだけど、肉の旨みが引き立っていて最高ですね。この香草のせいですか』
『ああ。米もこれは…バターライスか? コーンが入ってて美味いな』
覚と刃斬からの言葉に喜んでいると、隣の席に座るボスに視線を向ける。お肉を食べた後に俺の視線に気付いたボスは、ふわっと優しく微笑んでから俺の頭を撫でる。
『今日も美味いな。明日も頼む、宋平』
『喜んで!!』
『宋平、居酒屋さんみたいになってますよ』
その日。
深夜に帰る犬飼と、未だ顔を出さない猿石の為に夕飯を置いて次の日の弁当の為に早めの就寝にした。ボスの羽織を抱いて安眠した次の日。
用意していた二人の夕飯は、綺麗になくなっていた。
.
84
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

【完結】元騎士は相棒の元剣闘士となんでも屋さん営業中
きよひ
BL
ここはドラゴンや魔獣が住み、冒険者や魔術師が職業として存在する世界。
カズユキはある国のある領のある街で「なんでも屋」を営んでいた。
家庭教師に家業の手伝い、貴族の護衛に魔獣退治もなんでもござれ。
そんなある日、相棒のコウが気絶したオッドアイの少年、ミナトを連れて帰ってくる。
この話は、お互い想い合いながらも10年間硬直状態だったふたりが、純真な少年との関わりや事件によって動き出す物語。
※コウ(黒髪長髪/褐色肌/青目/超高身長/無口美形)×カズユキ(金髪短髪/色白/赤目/高身長/美形)←ミナト(赤髪ベリーショート/金と黒のオッドアイ/細身で元気な15歳)
※受けのカズユキは性に奔放な設定のため、攻めのコウ以外との体の関係を仄めかす表現があります。
※同性婚が認められている世界観です。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる