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夏の最後の約束
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『ワタシが来たのは様子見と、監視。そこの双子は前科持ちだからね』
食後のお茶を飲む犬飼が双子に視線を向ける。その視線から逃れるように二人して明後日の方を向くもんだから犬飼の深い溜め息が響いた。
『あ。宋平くん、都合の良い日教えて。夏休みだしお泊まりしてくれても良いんだよ』
『特に予定ないから、いつでも大丈夫です。お泊まり…も、したいです』
もっと皆と一緒にいたい。
そう申し出れば隣に座っていた犬飼が勿論、と言ってからスケジュールを作ってくれる。その間に作っておいたものを取りに行くとテーブルに並べた。
『お弁当は危ないから、クッキー作っておいたんだ。他の皆にあげてくれますか?』
海に連れて行ってくれた友だちにあげると言って兄さんに習ったクッキー。初めて作ったから少し歪な形もあるが、味は良かったので大丈夫だろう。
三人のリボンを探して渡せば嬉しそうに受け取ってもらえた。
『あ、ボスの分は毒味もあるだろうから大きくていっぱい入れたやつを…』
『君からのなら要らないよ。一応刃斬サンには見せるけど、きっと綺麗なまま受け取ってもらえるよ』
赤いリボンのものを取り出したら犬飼から言われた言葉を脳内で復唱し、聞き間違いではないか確かめる。本当だよ、と後押しを貰って嬉しくて丁寧にクッキーを袋に仕舞うと双子がニヤニヤしながら頬杖をついて様子を見ていた。
『うーん。手放すのは惜しいネ、愚弟』
『ねー。手元に置きたいヨ、兄者』
自分たちの分のクッキーを眺めて暫く経ってから、双子は突然切り出す。
『そう言えば風の噂でボスが初恋って聞いたネ?』
『おやおや? 随分と遅咲きの初恋だヨ~』
ひいっ! とんでもない二人に聞かれてるじゃないか!!
『ボスもスミに置けないネ~。こぉんな健気な子からこんなに想われちゃって!』
『いやぁ、キスした責任くらい取ってもらわないと困るヨ~』
『な、なんでそのこと知って…?!』
ガタ、と椅子から降りて動揺するとすぐに犬飼の焦ったような声がしてハッと口を塞ぐ。だけど既に時遅し。双子は大変楽しそうに笑ってから、ふーん? と声を漏らす。
は、ハメられた…! 誘導尋問!!
『…勘弁して…』
耐えるしか出来ない。耳の先まで真っ赤になったことだろう、顔から火が出そうなくらい熱い。
『お。耐えたネ、犬飼に助けを求めないとは意外な』
『あ。でも涙目だヨ、可愛いから食べちゃいたいヨ』
そんな物騒なことを言いつつ白澄が胸ポケットから小さな封筒を取り出してテーブルに置く。犬飼に慰められる俺はそれを見てから二人に視線を移す。
『イジメたお詫びネ。ペアだから誰か誘いな』
『日付は決まってるから気を付けてヨ?』
開けて良いのか確認してから手を伸ばす。封筒の中には二枚のチケットが入っていて、それを読んだ俺は思わず悲鳴を上げる。
『…キミチキ!コラボカフェ? それって確か宋平くんが好きで、アンタらもやってるっていうゲームのこと?』
そう!
正にそれはキミと旅するチキチキ道中! 略してキミチキ! のコラボカフェのペアチケットだった。
『ど、どうして…?! だってこれ凄い倍率で俺も外れちゃったのに!』
『課金勢のが応募券あったからネ。当たったけど我々、カフェには興味ないから宋平ちゃんが行きな』
『グッズも売るらしいヨ! 店内もかなり気合い入ってるらしいから楽しんで来なヨ』
今までの意地悪な態度なんて吹き飛ぶくらいの嬉しさで先程までとは違う涙が出てくる。
このコラボカフェ行きたかったんだ…! 最高過ぎる、双子様々だ!!
『ってことで』
チケットを手に喜んでた俺だが、どちらともなく言われた言葉にビクッと反応する。
『それが欲しけりゃ、もー少しボスとの馴れ初めについて聞かせてもらうヨ?』
『仕方ないよネ? 受け取っちゃったんだから!』
あわあわとしながら迫る双子に追い込まれ…、チケットも手放せず泣く泣く一人ボスとの思い出を語ることになってしまう。
古城でのことは多少の嘘を詰め込み、誤魔化す。
『えー。いつから好きになっちゃったのかネー?』
『そ、そんなのわかんないっ』
『どんなところが好き?』
『…すぐに会いに来てくれるところとか、手が…あったかいところ…』
なんだよこれ、なにこの拷問っ!?
だけど話していく内にどんどん会いたい気持ちが広がっていく。話して、声を聞きたい。笑って、触れてほしい。
諦めなきゃ、ダメなのに…もっと好きになってしまって、どうしよう。
『…よーしよし。このくらいネ』
『…んー、良いヨ~。恋してる顔してるヨ~』
『アンタら悪魔か』
それからすぐに帰り支度をする三人。少しスマホを貸してほしいと犬飼に言われて部屋に取りに行き、手渡す。少しスマホを弄ってから返してもらうとスケジュールに出勤日が刻まれた。
『コラボカフェは夏休みの終わり際。そこそこ食べれて金銭面に余裕のある奴を連れて行ってネ』
『写真いっぱい撮ってヨ? あ。因みに儂ら三人は外せない仕事だヨ!』
なんだ、このまま犬飼さんに頼みたかったのに。
残念だと肩を落とすと犬飼にも意図が伝わったようで軽く謝罪される。気にしないでくれと言って別の人を探そうと、呑気なことを思う。
これが本当に呑気だった。
それから俺は暫くして弐条会のアジトにてペアの一人を探そうとしていた。兄たちはダメだ。何故ならあの人たちはすぐに俺の為にグッズなんかにも手を出して買ってくれようとする、特に最近は色々あったし財布の紐が緩むのは間違いない。だからダメ。
だが。
『あ。アニキ、今度俺と』
『ごめん宋平!! オレその日は無理ーッ!!』
まだ全て話し切ってもいないのに全速力で駆け出して逃げた猿石から始まり…覚や兄貴たちに至るまでほぼ全員に断られる。
学校の友だちにも、キミチキ! を共有する友だちがいないし途方に暮れた。
『…仕方ない』
最後の砦である刃斬を呼び、カフェに一緒に行ってくれないか誘うも…断られる。全敗の事実を受け止めきれずにショボくれた。
もう良い。一人で行くんだ。
『というか、宋平よ』
『なんですか兄貴…。俺は傷心中なんですから優しくしてください…』
あーあ。折角のチケットが無駄になってしまう。
『その日、休みなのボスだけだぞ』
『…へ?』
刃斬の言葉から数秒後、ロビーにエレベーターの到着音が鳴り響く。一番左のエレベーターの独特な到着音に周囲にいた者はすぐに整列して中から出て来る方を出迎えるべく頭を下げる。
中から出て来たのは、やはりボスだった。
足早にエレベーターから出て来たボスの本日の服装は着物。藍色の着流しに下駄を履いたボスは真っ直ぐと歩き、慌てて刃斬に倣って頭を下げる俺の元に来ると自然な流れで自分の方に抱き寄せてから片手で俺を抱き上げ腕に乗せる。
『わっ?! ぼ、ボス…』
『…ちょっと来い。テメェは暫く見張りに付け』
『御意』
そのままエレベーターまで戻るボスに抱き上げられたままの俺。刃斬を置いて上へと向かうエレベーター。あっという間にボスのフロアに到着すると、二人で一緒にソファに座った。
『わっ。す、すみませ…!』
座った時の勢いで身体が跳ねる。ボスの身体にしがみ付くと、その手を取られてしまう。
『…構わねェ。
で? 何か言いたいことでもあンのかい?』
これバレてるな。
下手に隠して前のようになるのは御免だ。潔くポケットからチケットを出してボスに見せると彼はそれを受け取って内容を確認している。
『…貰ったんです。だけど、その…誰も行けなくて。ボスはこういうのあんまり興味ないんですよね?』
『興味はねェが、お前は行きてェんだろ? これの礼だ。いくらでも付き合ってやるよ』
ボスが懐から出したのは、クッキーのリボンだ。赤いリボンを目にしてすぐにボスを見上げて美味しかったかと問い掛ける。
『ああ。俺のがデケェって散々、どっかの猿が騒がしくてな。甘過ぎなくて丁度良い。お前の作るモンはなんでも美味いな』
…こんなに幸せでも良いんだろうか。こんな、妄想していた褒め言葉がまんま聞けてしまって…俺はもう幸福過ぎてどうにかなりそう。
『抗争の合間に、良いんですか?』
『お前っていう最強の護衛がいるなら、なんとでもなるだろ。午前中は仕事で外にいるから待ち合わせるぞ。早く着き過ぎて暑さにやられンな?』
スケジュール帳に足された予定。
きっと、この夏に起こる最強の思い出。この日までに足を治してみせると意気込めばボスは代わりのドライバーを探さなければと笑っていた。
もう爆弾は打ち返さないって…。
それから夏休みは沢山アジトに通い、何度も起こる奇襲やら騙し討ちやらを乗り越える。そんな夏休みも終わりそうな八月の終わり。
大事件の始まりが近付いている。
.
食後のお茶を飲む犬飼が双子に視線を向ける。その視線から逃れるように二人して明後日の方を向くもんだから犬飼の深い溜め息が響いた。
『あ。宋平くん、都合の良い日教えて。夏休みだしお泊まりしてくれても良いんだよ』
『特に予定ないから、いつでも大丈夫です。お泊まり…も、したいです』
もっと皆と一緒にいたい。
そう申し出れば隣に座っていた犬飼が勿論、と言ってからスケジュールを作ってくれる。その間に作っておいたものを取りに行くとテーブルに並べた。
『お弁当は危ないから、クッキー作っておいたんだ。他の皆にあげてくれますか?』
海に連れて行ってくれた友だちにあげると言って兄さんに習ったクッキー。初めて作ったから少し歪な形もあるが、味は良かったので大丈夫だろう。
三人のリボンを探して渡せば嬉しそうに受け取ってもらえた。
『あ、ボスの分は毒味もあるだろうから大きくていっぱい入れたやつを…』
『君からのなら要らないよ。一応刃斬サンには見せるけど、きっと綺麗なまま受け取ってもらえるよ』
赤いリボンのものを取り出したら犬飼から言われた言葉を脳内で復唱し、聞き間違いではないか確かめる。本当だよ、と後押しを貰って嬉しくて丁寧にクッキーを袋に仕舞うと双子がニヤニヤしながら頬杖をついて様子を見ていた。
『うーん。手放すのは惜しいネ、愚弟』
『ねー。手元に置きたいヨ、兄者』
自分たちの分のクッキーを眺めて暫く経ってから、双子は突然切り出す。
『そう言えば風の噂でボスが初恋って聞いたネ?』
『おやおや? 随分と遅咲きの初恋だヨ~』
ひいっ! とんでもない二人に聞かれてるじゃないか!!
『ボスもスミに置けないネ~。こぉんな健気な子からこんなに想われちゃって!』
『いやぁ、キスした責任くらい取ってもらわないと困るヨ~』
『な、なんでそのこと知って…?!』
ガタ、と椅子から降りて動揺するとすぐに犬飼の焦ったような声がしてハッと口を塞ぐ。だけど既に時遅し。双子は大変楽しそうに笑ってから、ふーん? と声を漏らす。
は、ハメられた…! 誘導尋問!!
『…勘弁して…』
耐えるしか出来ない。耳の先まで真っ赤になったことだろう、顔から火が出そうなくらい熱い。
『お。耐えたネ、犬飼に助けを求めないとは意外な』
『あ。でも涙目だヨ、可愛いから食べちゃいたいヨ』
そんな物騒なことを言いつつ白澄が胸ポケットから小さな封筒を取り出してテーブルに置く。犬飼に慰められる俺はそれを見てから二人に視線を移す。
『イジメたお詫びネ。ペアだから誰か誘いな』
『日付は決まってるから気を付けてヨ?』
開けて良いのか確認してから手を伸ばす。封筒の中には二枚のチケットが入っていて、それを読んだ俺は思わず悲鳴を上げる。
『…キミチキ!コラボカフェ? それって確か宋平くんが好きで、アンタらもやってるっていうゲームのこと?』
そう!
正にそれはキミと旅するチキチキ道中! 略してキミチキ! のコラボカフェのペアチケットだった。
『ど、どうして…?! だってこれ凄い倍率で俺も外れちゃったのに!』
『課金勢のが応募券あったからネ。当たったけど我々、カフェには興味ないから宋平ちゃんが行きな』
『グッズも売るらしいヨ! 店内もかなり気合い入ってるらしいから楽しんで来なヨ』
今までの意地悪な態度なんて吹き飛ぶくらいの嬉しさで先程までとは違う涙が出てくる。
このコラボカフェ行きたかったんだ…! 最高過ぎる、双子様々だ!!
『ってことで』
チケットを手に喜んでた俺だが、どちらともなく言われた言葉にビクッと反応する。
『それが欲しけりゃ、もー少しボスとの馴れ初めについて聞かせてもらうヨ?』
『仕方ないよネ? 受け取っちゃったんだから!』
あわあわとしながら迫る双子に追い込まれ…、チケットも手放せず泣く泣く一人ボスとの思い出を語ることになってしまう。
古城でのことは多少の嘘を詰め込み、誤魔化す。
『えー。いつから好きになっちゃったのかネー?』
『そ、そんなのわかんないっ』
『どんなところが好き?』
『…すぐに会いに来てくれるところとか、手が…あったかいところ…』
なんだよこれ、なにこの拷問っ!?
だけど話していく内にどんどん会いたい気持ちが広がっていく。話して、声を聞きたい。笑って、触れてほしい。
諦めなきゃ、ダメなのに…もっと好きになってしまって、どうしよう。
『…よーしよし。このくらいネ』
『…んー、良いヨ~。恋してる顔してるヨ~』
『アンタら悪魔か』
それからすぐに帰り支度をする三人。少しスマホを貸してほしいと犬飼に言われて部屋に取りに行き、手渡す。少しスマホを弄ってから返してもらうとスケジュールに出勤日が刻まれた。
『コラボカフェは夏休みの終わり際。そこそこ食べれて金銭面に余裕のある奴を連れて行ってネ』
『写真いっぱい撮ってヨ? あ。因みに儂ら三人は外せない仕事だヨ!』
なんだ、このまま犬飼さんに頼みたかったのに。
残念だと肩を落とすと犬飼にも意図が伝わったようで軽く謝罪される。気にしないでくれと言って別の人を探そうと、呑気なことを思う。
これが本当に呑気だった。
それから俺は暫くして弐条会のアジトにてペアの一人を探そうとしていた。兄たちはダメだ。何故ならあの人たちはすぐに俺の為にグッズなんかにも手を出して買ってくれようとする、特に最近は色々あったし財布の紐が緩むのは間違いない。だからダメ。
だが。
『あ。アニキ、今度俺と』
『ごめん宋平!! オレその日は無理ーッ!!』
まだ全て話し切ってもいないのに全速力で駆け出して逃げた猿石から始まり…覚や兄貴たちに至るまでほぼ全員に断られる。
学校の友だちにも、キミチキ! を共有する友だちがいないし途方に暮れた。
『…仕方ない』
最後の砦である刃斬を呼び、カフェに一緒に行ってくれないか誘うも…断られる。全敗の事実を受け止めきれずにショボくれた。
もう良い。一人で行くんだ。
『というか、宋平よ』
『なんですか兄貴…。俺は傷心中なんですから優しくしてください…』
あーあ。折角のチケットが無駄になってしまう。
『その日、休みなのボスだけだぞ』
『…へ?』
刃斬の言葉から数秒後、ロビーにエレベーターの到着音が鳴り響く。一番左のエレベーターの独特な到着音に周囲にいた者はすぐに整列して中から出て来る方を出迎えるべく頭を下げる。
中から出て来たのは、やはりボスだった。
足早にエレベーターから出て来たボスの本日の服装は着物。藍色の着流しに下駄を履いたボスは真っ直ぐと歩き、慌てて刃斬に倣って頭を下げる俺の元に来ると自然な流れで自分の方に抱き寄せてから片手で俺を抱き上げ腕に乗せる。
『わっ?! ぼ、ボス…』
『…ちょっと来い。テメェは暫く見張りに付け』
『御意』
そのままエレベーターまで戻るボスに抱き上げられたままの俺。刃斬を置いて上へと向かうエレベーター。あっという間にボスのフロアに到着すると、二人で一緒にソファに座った。
『わっ。す、すみませ…!』
座った時の勢いで身体が跳ねる。ボスの身体にしがみ付くと、その手を取られてしまう。
『…構わねェ。
で? 何か言いたいことでもあンのかい?』
これバレてるな。
下手に隠して前のようになるのは御免だ。潔くポケットからチケットを出してボスに見せると彼はそれを受け取って内容を確認している。
『…貰ったんです。だけど、その…誰も行けなくて。ボスはこういうのあんまり興味ないんですよね?』
『興味はねェが、お前は行きてェんだろ? これの礼だ。いくらでも付き合ってやるよ』
ボスが懐から出したのは、クッキーのリボンだ。赤いリボンを目にしてすぐにボスを見上げて美味しかったかと問い掛ける。
『ああ。俺のがデケェって散々、どっかの猿が騒がしくてな。甘過ぎなくて丁度良い。お前の作るモンはなんでも美味いな』
…こんなに幸せでも良いんだろうか。こんな、妄想していた褒め言葉がまんま聞けてしまって…俺はもう幸福過ぎてどうにかなりそう。
『抗争の合間に、良いんですか?』
『お前っていう最強の護衛がいるなら、なんとでもなるだろ。午前中は仕事で外にいるから待ち合わせるぞ。早く着き過ぎて暑さにやられンな?』
スケジュール帳に足された予定。
きっと、この夏に起こる最強の思い出。この日までに足を治してみせると意気込めばボスは代わりのドライバーを探さなければと笑っていた。
もう爆弾は打ち返さないって…。
それから夏休みは沢山アジトに通い、何度も起こる奇襲やら騙し討ちやらを乗り越える。そんな夏休みも終わりそうな八月の終わり。
大事件の始まりが近付いている。
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