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夏の危険と冒険
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夏だ。
夏だ! 夏休みだ!!
弐条会との小競り合いも、終わってしまえばこちらのもの。何事もなかったように彼らの輪に入ればすぐに受け入れられる。今はただ、それが心地良い。
『もうすぐ到着だからね~』
そして今日は、海の日…海の親睦会だ!
朝早くからアジトに集まると犬飼さんの運転する車に乗り込む。三列の座席の二列目には魚神兄弟。そして一番後ろには俺と猿石が乗っている。最初こそ猿石とはしゃいでいたが、お互い段々と眠くなってまだ海すら見ていないのにほぼ寝てしまった。
『んで注意事項がそんなもんで。ああ、海流には気を付けるように。結構場所とか時間帯によっても変わるから。えーそれ、と…』
マズイ…、ワクワクして眠れなかったからかなり寝てしまった。
『ボスと刃斬サンがいないからって、羽目を外し過ぎないようにね。ビーチはプライベートビーチだから他に人がいたら締め出して良いよ不法侵入だから』
なんかスゲー物騒なこと言ってる。
『最後に、一部からの提案で急遽花火もやるから。天気も良いしね』
花火?!
座席から背中を離して反応するとバックミラー越しに犬飼さんと目が合って微笑まれる。
『…連中が宋平くんの元気がないからって、五月蝿くてさ。一発花火でも上げてみたら喜ぶんじゃないかって。良かったね』
あ、兄貴たちぃ…!!
涙ぐんでいると視界の横に何かがキラキラと光る。ふと見ればそこは、夏一色。青い海が待っている。
『ぅ熱ゥッ?!?』
次々と車が停まる中で駆け出せば、あの日見たのとはまるで違う景色が広がる。サンダルのままビーチを駆けたがサンダル越しでもとんでもなく熱い!
熱い熱いと騒いでいたら、ヌッと横から現れた猿石に持ち上げられて回収される。今日の猿石は最強装備のゴーグルを着用しているから無敵だ。
『熱い! サンダル溶けちゃうよ!』
『はは。君、足の皮薄そうだもん。…あれ見な』
顔を引き攣らせる犬飼が指差す先には、まるで彫像のような見事な筋肉を晒した双子が裸足のままスタスタとビーチを歩いている。
しかも奴等の水着は、…ブーメランタイプだ。
『アイツらだけ競泳でもすんのかよ…』
『まぁ毎年ああだし、慣れだよね。ていうか待った! 宋平くん日焼け止めは?!』
ズボンを脱ぎ、水着になって準備を終えた俺に待ったをかける犬飼さん。日焼け止め? と首を傾げる俺をグイグイとパラソルの下まで戻す。
早く海に入りたいのに…。
『くそっ、一番ボスに怒られない奴に塗らせるか…。ちょい覚! こっち来て!』
小さなコテージから出て来たのは覚さんだ。だけど彼は水着の上にパーカーを羽織って髪もポニーテールにしている。
『この子の日焼け止め塗ってやってよ』
『…いや、自分でも怒られるでしょ…』
覚さん! 元気になったんだ…、良かった!
顔色も良く、あれから無事にヒートを終えたらしい。彼の首には真新しいチョーカーがつけられていて身に付けているアクセサリーとも合っていて違和感がない。
『ダメだよ! アルファの連中に肌に直接なんて触らせたらどうなるかっ』
『…まぁ、一理あります。しょうがないですね。何かあったら連帯責任で頼みます。
宋平。こっちにおいで』
この人たちは一体何を言っているのかと浮き輪を抱えながら見ていたら覚さんに手を引かれてコテージの中へと入る。中には体調不良者用のベッドや救急セット。冷蔵庫やクーラーボックスなど所狭しと置かれてる。勿論冷房完備だ。
ベッドに座った俺の身体に丁寧に日焼け止めを塗ってくれる覚さん。くすぐったくて笑っていたらそのままクリームの付いた手で頬をぐりぐりと混ぜられた。
『覚さん、元気になって良かった!』
『ええ。お陰様で快調です。そういえば…寝てる間、君に似た声を聞いたような気がするんですが…なんだったんでしょうね』
最後に頸の辺りをササっと塗られると、覚の衝撃的な発言に海に向き始めていた意識がギュルンと目の前の人に向く。
…よし、話を逸らそう!!
『えーなんだったんでしょうね! それより覚さんっ、お昼ご飯ってどうするんですか俺すごい気になります凄く!!』
『もうお腹空いたんですか? お昼は焼きそばですよ。鉄板出して焼くからきっと美味しいかと。たくさんお腹空かせておいで。…あ。海に入る前にここでちゃんと体操してね』
夏の海で焼きそば?! 最高じゃん!
コテージから出ると再び灼熱の浜辺に降り立つが、後ろから魚神兄弟が現れておんぶをされたまま海に入り歓声を上げる。浮き輪で遊んだりバナナボートに乗ってみたり、浜に戻って皆でチーム分けをしてビーチバレーもした。
海からナマコを拾ってずっとパラソルの下で涼む覚さんに見せに行ったら、ニッコリと笑顔を浮かべて俺ごと海に放り込む。
『全く…。そろそろお昼ですよ!』
鉄板は危ないからと慣れたメンバーで設置するらしく、大人しく近くで遊んでいる。浜に穴を掘って海で集めたものを次々と入れて満足していたら兄貴たちに何をしているか聞かれ、海のものを集めてると言ったら次々と似たようなものが持ってこられた。
貝に空き瓶に、海藻に良い感じの枝。大量の成果に満足していると後ろで魚神兄弟が大爆笑している。
『犬ネ! やってること、ほぼ犬のそれネ!!』
『嬉しそうに尻尾振ってたヨ! 絶対そうだヨ!』
ギャハハ、と笑う双子を見つめていると背後から猿石が現れる。無表情のままスッと彼らを指差すと、しゃがんだ猿石に飛び乗って号令を掛けた。
『負け犬にしてアニキっ!!』
『それ得意』
突撃する俺たちと海まで逃げる双子。そこから海水の掛け合いになったり、いつの間にか泳ぎ対決になっていた。双子と猿石が競うように何処かに行ってしまい、浮き輪に掴まって漂う俺は静かに空を見上げる。
…楽しいなぁ。
『…ボス、今頃何してるかなぁ…』
今日は何処にいるんだろう。お出掛けだろうか、お呼ばれだろうか。刃斬とお昼は食べたか。
…楽しんでいるかな。
『なんで喧嘩してんだろ…、その上いないし。ボスがいたらきっともっと楽しかったのに』
黄昏れてると遠くで何かが聞こえる。海に浸かっていた身体を起こすと浜で多くの人が集まって何か叫んでいた。何をしているのかとボーっと眺めていたら犬飼さんらしき人が再び叫ぶ。
『そうへーくーんっ!?! ちょっと、帰って来なさいよ! 君! 流されてるよ!!』
流されてる…?
ふと周りを見ると猿石たちはいないし、随分と沖に流されていることに気が付く。騒がしくなる浜の様子を無視して頭の中にコントローラーを呼び出す。すぐにアルファになって沖に流れる海流から抜け出す為に横に泳げば、比較的穏やかな流れになる。
バランサーに切り替えて浜に向かってゆっくり犬かきで泳いでいたら、突然下から何かに突き上げられた。
『ぶはっ! よく帰って来たネ~偉い偉い』
『ただいま。黒河さん、泳ぐの上手だね』
『っはは。流されたにしちゃ度胸座ってるネ、流石は我らが弟分。
そりゃネ。我ら産まれは島だから。泳ぎは得意なんだよネ』
黒河に浮き輪ごと持ち上げられるとすぐに浜まで帰る。たった数分の出来事に皆からは、しこたま心配されて海に入る時は必ず誰かしらの視線が向くようになった。
焼きそばを食べた後は砂遊びに夢中になっていたが、猿石に洞窟探検に行こうと誘われる。どうやら洞窟では運が良ければ魚が見れるらしい。
『魚捕まえたい! 晩ご飯!』
『なんか海から行けるんだと。浅瀬から泳いで行くと、ちょっと深い場所があって…そこからすぐ洞窟の入口があるとよ』
なるほど。普通の人なら深いってレベルなら猿石なら余裕かもしれない。浮き輪を置いて猿石とビーチの端まで歩く。途中で会った覚さんに洞窟に行くことを告げれば気を付けてね、と言われ返事をしてから手を振る。
海に入ると猿石が心配するもんだから、泳ぐ彼の背中に乗るような形で進む。穏やかな海と鳥の声に癒されていたら突然猿石が何か喋る。
『…いや、結構深ぇ。オレでも全然足届かねーよ』
『本当? …あ。でもアレじゃない? 見えてきた!』
大きな岩の陰にある洞窟。入口は少し狭いがそれっぽい雰囲気に俺のテンションは上がる。陸地に上がると結構な石が敷き詰められていて足場が悪い。
『あれ? サンダル履いてたのに…いつの間にか片方流れちゃったみたいだ』
そう言ったと同時に、尖った石を踏んでしまって慌てて足を引っ込める。声は出さなかったがズキズキとした痛みが襲う。
『ソーヘー!! 魚いたぞ!』
『…っ、本当…? 見せて~』
折角ここまで来たのに、すぐに帰るのが惜しかった。だから痛みを誤魔化して猿石の方へゆっくりと歩き、一緒に魚を見たり洞窟を見て歩く。
自分が歩いた場所に血が落ちているとも知らず、今は一時の冒険の思い出に浸るのだ。
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夏だ! 夏休みだ!!
弐条会との小競り合いも、終わってしまえばこちらのもの。何事もなかったように彼らの輪に入ればすぐに受け入れられる。今はただ、それが心地良い。
『もうすぐ到着だからね~』
そして今日は、海の日…海の親睦会だ!
朝早くからアジトに集まると犬飼さんの運転する車に乗り込む。三列の座席の二列目には魚神兄弟。そして一番後ろには俺と猿石が乗っている。最初こそ猿石とはしゃいでいたが、お互い段々と眠くなってまだ海すら見ていないのにほぼ寝てしまった。
『んで注意事項がそんなもんで。ああ、海流には気を付けるように。結構場所とか時間帯によっても変わるから。えーそれ、と…』
マズイ…、ワクワクして眠れなかったからかなり寝てしまった。
『ボスと刃斬サンがいないからって、羽目を外し過ぎないようにね。ビーチはプライベートビーチだから他に人がいたら締め出して良いよ不法侵入だから』
なんかスゲー物騒なこと言ってる。
『最後に、一部からの提案で急遽花火もやるから。天気も良いしね』
花火?!
座席から背中を離して反応するとバックミラー越しに犬飼さんと目が合って微笑まれる。
『…連中が宋平くんの元気がないからって、五月蝿くてさ。一発花火でも上げてみたら喜ぶんじゃないかって。良かったね』
あ、兄貴たちぃ…!!
涙ぐんでいると視界の横に何かがキラキラと光る。ふと見ればそこは、夏一色。青い海が待っている。
『ぅ熱ゥッ?!?』
次々と車が停まる中で駆け出せば、あの日見たのとはまるで違う景色が広がる。サンダルのままビーチを駆けたがサンダル越しでもとんでもなく熱い!
熱い熱いと騒いでいたら、ヌッと横から現れた猿石に持ち上げられて回収される。今日の猿石は最強装備のゴーグルを着用しているから無敵だ。
『熱い! サンダル溶けちゃうよ!』
『はは。君、足の皮薄そうだもん。…あれ見な』
顔を引き攣らせる犬飼が指差す先には、まるで彫像のような見事な筋肉を晒した双子が裸足のままスタスタとビーチを歩いている。
しかも奴等の水着は、…ブーメランタイプだ。
『アイツらだけ競泳でもすんのかよ…』
『まぁ毎年ああだし、慣れだよね。ていうか待った! 宋平くん日焼け止めは?!』
ズボンを脱ぎ、水着になって準備を終えた俺に待ったをかける犬飼さん。日焼け止め? と首を傾げる俺をグイグイとパラソルの下まで戻す。
早く海に入りたいのに…。
『くそっ、一番ボスに怒られない奴に塗らせるか…。ちょい覚! こっち来て!』
小さなコテージから出て来たのは覚さんだ。だけど彼は水着の上にパーカーを羽織って髪もポニーテールにしている。
『この子の日焼け止め塗ってやってよ』
『…いや、自分でも怒られるでしょ…』
覚さん! 元気になったんだ…、良かった!
顔色も良く、あれから無事にヒートを終えたらしい。彼の首には真新しいチョーカーがつけられていて身に付けているアクセサリーとも合っていて違和感がない。
『ダメだよ! アルファの連中に肌に直接なんて触らせたらどうなるかっ』
『…まぁ、一理あります。しょうがないですね。何かあったら連帯責任で頼みます。
宋平。こっちにおいで』
この人たちは一体何を言っているのかと浮き輪を抱えながら見ていたら覚さんに手を引かれてコテージの中へと入る。中には体調不良者用のベッドや救急セット。冷蔵庫やクーラーボックスなど所狭しと置かれてる。勿論冷房完備だ。
ベッドに座った俺の身体に丁寧に日焼け止めを塗ってくれる覚さん。くすぐったくて笑っていたらそのままクリームの付いた手で頬をぐりぐりと混ぜられた。
『覚さん、元気になって良かった!』
『ええ。お陰様で快調です。そういえば…寝てる間、君に似た声を聞いたような気がするんですが…なんだったんでしょうね』
最後に頸の辺りをササっと塗られると、覚の衝撃的な発言に海に向き始めていた意識がギュルンと目の前の人に向く。
…よし、話を逸らそう!!
『えーなんだったんでしょうね! それより覚さんっ、お昼ご飯ってどうするんですか俺すごい気になります凄く!!』
『もうお腹空いたんですか? お昼は焼きそばですよ。鉄板出して焼くからきっと美味しいかと。たくさんお腹空かせておいで。…あ。海に入る前にここでちゃんと体操してね』
夏の海で焼きそば?! 最高じゃん!
コテージから出ると再び灼熱の浜辺に降り立つが、後ろから魚神兄弟が現れておんぶをされたまま海に入り歓声を上げる。浮き輪で遊んだりバナナボートに乗ってみたり、浜に戻って皆でチーム分けをしてビーチバレーもした。
海からナマコを拾ってずっとパラソルの下で涼む覚さんに見せに行ったら、ニッコリと笑顔を浮かべて俺ごと海に放り込む。
『全く…。そろそろお昼ですよ!』
鉄板は危ないからと慣れたメンバーで設置するらしく、大人しく近くで遊んでいる。浜に穴を掘って海で集めたものを次々と入れて満足していたら兄貴たちに何をしているか聞かれ、海のものを集めてると言ったら次々と似たようなものが持ってこられた。
貝に空き瓶に、海藻に良い感じの枝。大量の成果に満足していると後ろで魚神兄弟が大爆笑している。
『犬ネ! やってること、ほぼ犬のそれネ!!』
『嬉しそうに尻尾振ってたヨ! 絶対そうだヨ!』
ギャハハ、と笑う双子を見つめていると背後から猿石が現れる。無表情のままスッと彼らを指差すと、しゃがんだ猿石に飛び乗って号令を掛けた。
『負け犬にしてアニキっ!!』
『それ得意』
突撃する俺たちと海まで逃げる双子。そこから海水の掛け合いになったり、いつの間にか泳ぎ対決になっていた。双子と猿石が競うように何処かに行ってしまい、浮き輪に掴まって漂う俺は静かに空を見上げる。
…楽しいなぁ。
『…ボス、今頃何してるかなぁ…』
今日は何処にいるんだろう。お出掛けだろうか、お呼ばれだろうか。刃斬とお昼は食べたか。
…楽しんでいるかな。
『なんで喧嘩してんだろ…、その上いないし。ボスがいたらきっともっと楽しかったのに』
黄昏れてると遠くで何かが聞こえる。海に浸かっていた身体を起こすと浜で多くの人が集まって何か叫んでいた。何をしているのかとボーっと眺めていたら犬飼さんらしき人が再び叫ぶ。
『そうへーくーんっ!?! ちょっと、帰って来なさいよ! 君! 流されてるよ!!』
流されてる…?
ふと周りを見ると猿石たちはいないし、随分と沖に流されていることに気が付く。騒がしくなる浜の様子を無視して頭の中にコントローラーを呼び出す。すぐにアルファになって沖に流れる海流から抜け出す為に横に泳げば、比較的穏やかな流れになる。
バランサーに切り替えて浜に向かってゆっくり犬かきで泳いでいたら、突然下から何かに突き上げられた。
『ぶはっ! よく帰って来たネ~偉い偉い』
『ただいま。黒河さん、泳ぐの上手だね』
『っはは。流されたにしちゃ度胸座ってるネ、流石は我らが弟分。
そりゃネ。我ら産まれは島だから。泳ぎは得意なんだよネ』
黒河に浮き輪ごと持ち上げられるとすぐに浜まで帰る。たった数分の出来事に皆からは、しこたま心配されて海に入る時は必ず誰かしらの視線が向くようになった。
焼きそばを食べた後は砂遊びに夢中になっていたが、猿石に洞窟探検に行こうと誘われる。どうやら洞窟では運が良ければ魚が見れるらしい。
『魚捕まえたい! 晩ご飯!』
『なんか海から行けるんだと。浅瀬から泳いで行くと、ちょっと深い場所があって…そこからすぐ洞窟の入口があるとよ』
なるほど。普通の人なら深いってレベルなら猿石なら余裕かもしれない。浮き輪を置いて猿石とビーチの端まで歩く。途中で会った覚さんに洞窟に行くことを告げれば気を付けてね、と言われ返事をしてから手を振る。
海に入ると猿石が心配するもんだから、泳ぐ彼の背中に乗るような形で進む。穏やかな海と鳥の声に癒されていたら突然猿石が何か喋る。
『…いや、結構深ぇ。オレでも全然足届かねーよ』
『本当? …あ。でもアレじゃない? 見えてきた!』
大きな岩の陰にある洞窟。入口は少し狭いがそれっぽい雰囲気に俺のテンションは上がる。陸地に上がると結構な石が敷き詰められていて足場が悪い。
『あれ? サンダル履いてたのに…いつの間にか片方流れちゃったみたいだ』
そう言ったと同時に、尖った石を踏んでしまって慌てて足を引っ込める。声は出さなかったがズキズキとした痛みが襲う。
『ソーヘー!! 魚いたぞ!』
『…っ、本当…? 見せて~』
折角ここまで来たのに、すぐに帰るのが惜しかった。だから痛みを誤魔化して猿石の方へゆっくりと歩き、一緒に魚を見たり洞窟を見て歩く。
自分が歩いた場所に血が落ちているとも知らず、今は一時の冒険の思い出に浸るのだ。
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