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弐条会VSバランサー
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その夜、俺はある人物からバランサーとしての依頼を受けていた。依頼主は辰見先生。そして患者は覚さんだった。
『彼は番を失っている。番のアルファは弐条会の普通の構成員だったが、ある日…事故死している。残された彼は未だに番の契約を残したまま過ごし、段々ヒート周期が乱れているんだ』
こっそりと弐条会のアジトに入れてもらった俺はフードと通常のマスクを取って辰見の医務室にいる。
万が一にもバランサーだとバレない為の変装で全身真っ黒な服に身を包んでいる。
『それは…可能なんですか? 普通は番を失った場合、強制解除されるはずなのに』
『自分を騙して抗っていたらしい。番がいればオメガのヒートはかなり楽になる。彼自身も、元はヒートの影響が少なく熱っぽくなるくらいだった。
番を失うとフェロモンのバランスが崩れる可能性が高い。それを危惧したんだろう。番の喪失に悲しんでいたが、彼もヤクザだからな』
切り替えたんだろう、と言ってから辰見は俺を見る。
『すまない。貴重なバランサーの力をヤクザの幹部を治す為に使わせるなど』
本当に申し訳なさそうに目を伏せる辰見は白衣を揺らして俺に手袋と帽子を差し出す。頭髪や指紋を残さない為だ。
『いえ。これもバランサーの務めですよ。それに、先生が頼るんだからこれはもう他に手の施しようがないってこと。
覚さんを助けてくれてありがとう、先生』
ニット帽を深く被ってからフードを被り直す。ここからは時間の勝負となるので、迷いなくアルファの力を開放する為にコントローラーを握り直してボタンを連打してから階段を駆け上がった。
夜風が身体に容赦なく襲い掛かるが、最大まで出力を上げた力であっという間に目的の階に到着した。先生の目印であるテープを剥がして中に入るとオメガの独特の匂いに身体が硬直するのでバランサーに戻る。
コツリ、コツリと厚底のブーツを鳴らして部屋を歩く。このフロアはヒートの覚さんの為にワンフロアが丸ごと彼の居場所になっている。
『此処か』
とある一室で足を止めると、部屋に入る。流石にフロアに誰もいないのだから鍵は掛けていなかったようで安心した。
部屋には簡素なベッドが置かれ、調度品も最低限しかないような部屋。それでもサイドチェストには大量の抑制剤の空やペットボトル…そして、写真立てが置いてあった。
程よい距離感で寄り添う二人。見知らぬ男と、今よりも髪が短い覚さんの姿。
『…番の契約は切れかかってる。戻すことは誰にも出来ない。俺に出来るのは、精々…壊れかけの貴方の身体を調整するくらいだ』
ベッドで苦しそうに眠る人に触れて、バランサーのフェロモンを浴びせる。崩れていた彼のオメガとしての機能が復活していき、元の形になった。
番の契約はなくなってしまったが元通りにしたので、きちんと薬の用法・容量を守れば今まで通りの仕事が出来るはずだ。
『んー…こんなもんか。久しぶりにやるから感覚鈍ってんな。
あんまり無理しちゃダメですからね』
切れる寸前とはいえ、番契約を断ってしまったことを謝罪しながら部屋を出ようとして彼の布団を掛け直してから静かに退室した。再び外に出た俺はアルファに切り替え、辰見に処置が終わったことを連絡するとそのままアジトを抜け出すために逃走を図るが。
無事に一階にジャンプしてから地面に降り立った瞬間、その場所が抉り取られる。同時に鳴り響く発砲音。僅かな人の気配を察知した俺はなんとかそれを避けることができた。
…マズイ…。
『こんな夜中にどこの襲撃者かと思えば…! テメェはあの時のアルファじゃねぇか、嬉しい再会じゃねぇの!!』
マズイ!!
おいおい、ボスと刃斬は不在で幹部もある程度いないんじゃないのかよ先生!!
アジトの裏に待ち構えていたのは刃斬と、猿石…少し遠くには犬飼と何人かの構成員。この場にいない三名を思い出し、恐らく双子が刃斬と代わってボスの側付きになっているのだろう。
…くそ、予定の変更があったのか。流石に先生じゃ急な変更は気付けないよな。
『おっと。動くなよ、蜂の巣にするぜ』
僅かに動かした右足のすぐ近くに再び発砲される。なんとか逃げ場を探すがアジトの裏の道路一つ挟んだ向こうにある雑木林まで行くしかないが、難しい。
アルファの威嚇フェロモンを放つが、同じく猿石のそれによって相殺されてしまう。
『襲撃までして来るたぁ、見上げた度胸だ。とっ捕まえてバックにいる連中も吐いてもらおうか』
…これはきっと、罰だ。
ゆらりと立ち上がって中腰になる。元の体型をカバーするよう、より強いアルファ性を流す。長居は無用だと一気に走り出せば次々と追手がかかる。それでも足を動かして道路に飛び出した、
刹那。
腹を掠めた弾丸に、走る車を止めるように降り掛かる障害物。暗闇の中で視界を遮る車のライト。けれど足は止めない。
っ来る…!!
身体にビシビシと伝わる恐怖。きっと当たると、そう覚悟を決めて唇を噛み締めた。だけどその時、物凄いスピードで一台の車が俺と刃斬たちの間に滑り込んで来た。
思わず足を止めると、車から降りてきた人物に声を漏らしそうになる。
『ボス! そいつが例のアルファです!!』
着物姿のボスが車の横に立ち、中から魚神兄弟も出てきた。ボスは刃斬の叫び声に何も応えずただ、俺を暫く見つめてくる。
な、なんだ一体…!? 流石にバレてない…よね、アレこれバレてんの?
『…随分と強そうなアルファだな』
『あーダメですネ。ボスってば、すぅぐそうやって強いアルファを勧誘しようとして』
『そうだヨ。こんな得体の知れない華奢なアルファ、使えないヨ』
ジリジリと道路の向こうに下がるが傷が痛んで仕方ない。じわじわと傷が広がる腹部を手で押さえつつ、やっと治った腹にまた傷を負ったと内心かなりガッカリしている。
『…興が乗らねェ。とっとと失せろ。二度目はねェよ、行きな』
…え?
み、見逃してもらえる…のか?
まだわからない。安心したところで後ろからズドン、かもしれない。なんたってヤクザだもん。
『心配しなくても動かねェよ。そこまで姑息じゃねェんでな』
『ボスっ! 何を…、捕えるなら今です』
刃斬が慌てるということは本気でボスが俺を逃す気だという証拠だ。一歩、二歩と下がりやがて俺は全力で走って雑木林へと逃げ込む。
なんで逃してもらえた…? いや、考えてもわかんねー。それにすぐ魚神兄弟が追い掛けて来るかもだし、早く逃げるに越したことはない!
今度は監視カメラでも追えないような場所を逃げて、落ち着いた頃に辰見に迎えに来てもらう。ワンコールで電話に出て、既に車に乗って周囲を捜索してくれていた辰見は再会してすぐに走って来て俺を抱えてまた走り、病院に突っ込んだ。
『怪我の具合は…?! すまないっ、奴等のスケジュールが大幅に変更したんだ…君を危険な目に遭わせたっ…本当にすまない』
真夜中の病院が怖くて震えていたのに、いつも通り裏口から入った辰見は迷うことなく進み診察台の上に俺を下ろして怪我の具合を見た。
『お腹ちょっと掠っただけ。めっちゃヒリヒリしたけど、大丈夫。今の俺ならすぐ治るよ』
火傷のようになった小さな傷を処置してもらう。この程度ならアップデート後の今の俺なら呆気なく治せるだろうに、辰見の顔は苦渋を飲まされたような表情だ。
『…弐条会に囲まれてこの程度の傷で済んだのは不幸中の幸いだろう。あの男が何かの気まぐれを起こしたのも奇跡的だ』
本当に…どういう心境の変化だろう。
見知った診療室の天井を見ながら、敵として対峙したボスを思い出す。どちらかと言うと刃斬の方が血の気が多かったなと思い出しながら目を閉じた。
『本当にすまない…、私が浅慮だったばかりに』
『先生は悪くないよ。覚さん、凄く衰弱してたし危ないって思ったんでしょ? 良い判断だよ、きっと』
例えヤクザでも、憎むべき相手でも、医師として向き合い治療する辰見は尊敬すべき人だ。自信を持ってくれと伝えると彼は困ったように眉をハの字にしてゆっくりと俺の頭を撫でる。
が。
何故か突然キリキリと頭を掴まれてしまう。
『…それで? 何故早くバランサーにならなかった?』
それとこれとは別、とばかりに険しい表情になる辰見。寝転がったまま彼を見ればそれだけで少しは伝わったのか向こうが先に目を逸らす。
『貴方は最強のバランサーだ。…ですが、それは相手が人間である時だけ。拳銃で撃たれれば死ぬ。建物が崩れれば、死ぬ。
だから必ずその力を使って下さい。それは神が貴方に授けた…貴方だけの力だ。その力以上に貴方を護るものなどない』
『…わかってる。
弐条会怖かったね。いつも味方だから全然よくわかんなかった』
『あれでこの国で一番の規模と勢力ですから』
辰見のその言葉は、今の俺に重くのし掛かった。
.
『彼は番を失っている。番のアルファは弐条会の普通の構成員だったが、ある日…事故死している。残された彼は未だに番の契約を残したまま過ごし、段々ヒート周期が乱れているんだ』
こっそりと弐条会のアジトに入れてもらった俺はフードと通常のマスクを取って辰見の医務室にいる。
万が一にもバランサーだとバレない為の変装で全身真っ黒な服に身を包んでいる。
『それは…可能なんですか? 普通は番を失った場合、強制解除されるはずなのに』
『自分を騙して抗っていたらしい。番がいればオメガのヒートはかなり楽になる。彼自身も、元はヒートの影響が少なく熱っぽくなるくらいだった。
番を失うとフェロモンのバランスが崩れる可能性が高い。それを危惧したんだろう。番の喪失に悲しんでいたが、彼もヤクザだからな』
切り替えたんだろう、と言ってから辰見は俺を見る。
『すまない。貴重なバランサーの力をヤクザの幹部を治す為に使わせるなど』
本当に申し訳なさそうに目を伏せる辰見は白衣を揺らして俺に手袋と帽子を差し出す。頭髪や指紋を残さない為だ。
『いえ。これもバランサーの務めですよ。それに、先生が頼るんだからこれはもう他に手の施しようがないってこと。
覚さんを助けてくれてありがとう、先生』
ニット帽を深く被ってからフードを被り直す。ここからは時間の勝負となるので、迷いなくアルファの力を開放する為にコントローラーを握り直してボタンを連打してから階段を駆け上がった。
夜風が身体に容赦なく襲い掛かるが、最大まで出力を上げた力であっという間に目的の階に到着した。先生の目印であるテープを剥がして中に入るとオメガの独特の匂いに身体が硬直するのでバランサーに戻る。
コツリ、コツリと厚底のブーツを鳴らして部屋を歩く。このフロアはヒートの覚さんの為にワンフロアが丸ごと彼の居場所になっている。
『此処か』
とある一室で足を止めると、部屋に入る。流石にフロアに誰もいないのだから鍵は掛けていなかったようで安心した。
部屋には簡素なベッドが置かれ、調度品も最低限しかないような部屋。それでもサイドチェストには大量の抑制剤の空やペットボトル…そして、写真立てが置いてあった。
程よい距離感で寄り添う二人。見知らぬ男と、今よりも髪が短い覚さんの姿。
『…番の契約は切れかかってる。戻すことは誰にも出来ない。俺に出来るのは、精々…壊れかけの貴方の身体を調整するくらいだ』
ベッドで苦しそうに眠る人に触れて、バランサーのフェロモンを浴びせる。崩れていた彼のオメガとしての機能が復活していき、元の形になった。
番の契約はなくなってしまったが元通りにしたので、きちんと薬の用法・容量を守れば今まで通りの仕事が出来るはずだ。
『んー…こんなもんか。久しぶりにやるから感覚鈍ってんな。
あんまり無理しちゃダメですからね』
切れる寸前とはいえ、番契約を断ってしまったことを謝罪しながら部屋を出ようとして彼の布団を掛け直してから静かに退室した。再び外に出た俺はアルファに切り替え、辰見に処置が終わったことを連絡するとそのままアジトを抜け出すために逃走を図るが。
無事に一階にジャンプしてから地面に降り立った瞬間、その場所が抉り取られる。同時に鳴り響く発砲音。僅かな人の気配を察知した俺はなんとかそれを避けることができた。
…マズイ…。
『こんな夜中にどこの襲撃者かと思えば…! テメェはあの時のアルファじゃねぇか、嬉しい再会じゃねぇの!!』
マズイ!!
おいおい、ボスと刃斬は不在で幹部もある程度いないんじゃないのかよ先生!!
アジトの裏に待ち構えていたのは刃斬と、猿石…少し遠くには犬飼と何人かの構成員。この場にいない三名を思い出し、恐らく双子が刃斬と代わってボスの側付きになっているのだろう。
…くそ、予定の変更があったのか。流石に先生じゃ急な変更は気付けないよな。
『おっと。動くなよ、蜂の巣にするぜ』
僅かに動かした右足のすぐ近くに再び発砲される。なんとか逃げ場を探すがアジトの裏の道路一つ挟んだ向こうにある雑木林まで行くしかないが、難しい。
アルファの威嚇フェロモンを放つが、同じく猿石のそれによって相殺されてしまう。
『襲撃までして来るたぁ、見上げた度胸だ。とっ捕まえてバックにいる連中も吐いてもらおうか』
…これはきっと、罰だ。
ゆらりと立ち上がって中腰になる。元の体型をカバーするよう、より強いアルファ性を流す。長居は無用だと一気に走り出せば次々と追手がかかる。それでも足を動かして道路に飛び出した、
刹那。
腹を掠めた弾丸に、走る車を止めるように降り掛かる障害物。暗闇の中で視界を遮る車のライト。けれど足は止めない。
っ来る…!!
身体にビシビシと伝わる恐怖。きっと当たると、そう覚悟を決めて唇を噛み締めた。だけどその時、物凄いスピードで一台の車が俺と刃斬たちの間に滑り込んで来た。
思わず足を止めると、車から降りてきた人物に声を漏らしそうになる。
『ボス! そいつが例のアルファです!!』
着物姿のボスが車の横に立ち、中から魚神兄弟も出てきた。ボスは刃斬の叫び声に何も応えずただ、俺を暫く見つめてくる。
な、なんだ一体…!? 流石にバレてない…よね、アレこれバレてんの?
『…随分と強そうなアルファだな』
『あーダメですネ。ボスってば、すぅぐそうやって強いアルファを勧誘しようとして』
『そうだヨ。こんな得体の知れない華奢なアルファ、使えないヨ』
ジリジリと道路の向こうに下がるが傷が痛んで仕方ない。じわじわと傷が広がる腹部を手で押さえつつ、やっと治った腹にまた傷を負ったと内心かなりガッカリしている。
『…興が乗らねェ。とっとと失せろ。二度目はねェよ、行きな』
…え?
み、見逃してもらえる…のか?
まだわからない。安心したところで後ろからズドン、かもしれない。なんたってヤクザだもん。
『心配しなくても動かねェよ。そこまで姑息じゃねェんでな』
『ボスっ! 何を…、捕えるなら今です』
刃斬が慌てるということは本気でボスが俺を逃す気だという証拠だ。一歩、二歩と下がりやがて俺は全力で走って雑木林へと逃げ込む。
なんで逃してもらえた…? いや、考えてもわかんねー。それにすぐ魚神兄弟が追い掛けて来るかもだし、早く逃げるに越したことはない!
今度は監視カメラでも追えないような場所を逃げて、落ち着いた頃に辰見に迎えに来てもらう。ワンコールで電話に出て、既に車に乗って周囲を捜索してくれていた辰見は再会してすぐに走って来て俺を抱えてまた走り、病院に突っ込んだ。
『怪我の具合は…?! すまないっ、奴等のスケジュールが大幅に変更したんだ…君を危険な目に遭わせたっ…本当にすまない』
真夜中の病院が怖くて震えていたのに、いつも通り裏口から入った辰見は迷うことなく進み診察台の上に俺を下ろして怪我の具合を見た。
『お腹ちょっと掠っただけ。めっちゃヒリヒリしたけど、大丈夫。今の俺ならすぐ治るよ』
火傷のようになった小さな傷を処置してもらう。この程度ならアップデート後の今の俺なら呆気なく治せるだろうに、辰見の顔は苦渋を飲まされたような表情だ。
『…弐条会に囲まれてこの程度の傷で済んだのは不幸中の幸いだろう。あの男が何かの気まぐれを起こしたのも奇跡的だ』
本当に…どういう心境の変化だろう。
見知った診療室の天井を見ながら、敵として対峙したボスを思い出す。どちらかと言うと刃斬の方が血の気が多かったなと思い出しながら目を閉じた。
『本当にすまない…、私が浅慮だったばかりに』
『先生は悪くないよ。覚さん、凄く衰弱してたし危ないって思ったんでしょ? 良い判断だよ、きっと』
例えヤクザでも、憎むべき相手でも、医師として向き合い治療する辰見は尊敬すべき人だ。自信を持ってくれと伝えると彼は困ったように眉をハの字にしてゆっくりと俺の頭を撫でる。
が。
何故か突然キリキリと頭を掴まれてしまう。
『…それで? 何故早くバランサーにならなかった?』
それとこれとは別、とばかりに険しい表情になる辰見。寝転がったまま彼を見ればそれだけで少しは伝わったのか向こうが先に目を逸らす。
『貴方は最強のバランサーだ。…ですが、それは相手が人間である時だけ。拳銃で撃たれれば死ぬ。建物が崩れれば、死ぬ。
だから必ずその力を使って下さい。それは神が貴方に授けた…貴方だけの力だ。その力以上に貴方を護るものなどない』
『…わかってる。
弐条会怖かったね。いつも味方だから全然よくわかんなかった』
『あれでこの国で一番の規模と勢力ですから』
辰見のその言葉は、今の俺に重くのし掛かった。
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