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深まる仲と、祝福された力

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 なんか、あったかい。

 凄く、安心する。

『…おい。擽ってェ』

 なんか良い匂いがする。もっとこっち、ああそうそう、この辺だ。

『人の胸ン中に入り込むなんざ、よっぽどの助平か』

 そう。

 暗闇で、今にも消えそうで頭に刻み込んだこの匂いと終わりそうになった鼓動。後何回。これを聴いたら安心できるだろう。

 もう暫く聴いておこう。

『宋平…、お前夢の中でまで泣くのかよ。勘弁しろ。そこまでは慰めに行けねェだろ』

 随分と耳触りの良い声がする。さっきまでは何か暖かいものに触れていたのに、今はまるで包み込まれているようだ。

 嬉しい。ずっと此処にいたい。

『んぁ…?』

 あれ? 何処だろう。

 ぼやぼやする視界のまま、暗い部屋の中を見渡す。思考を整理しようとしつつまだ眠たい頭が覚醒してくれない。

 うん、もうちょっと寝たい…。

『んんん、ちがう、これ違う』

 自分の頭を支えていた枕をペイ、と押し出して他の場所を手探りで探してみるがお目当てのものが見つからない。

『ない、なぃ…』

 見つからない。見つからないよ、なんでだ?

 あれがないと眠れないのにと半ばヤケになって手を伸ばし、どんどん語尾が短くなると今まで離れていた抱き枕がようやく見つかった。

 そう! これだよ、これ。これがないとちゃんと眠れないんだ。

『ぁった』

 頭を支える、なんか硬くて人肌な枕。抱きしめるとちょっと大きくて腕が回らないけど凄く温かいもの。しかも、なんか高級なお香っぽい匂いがするし何故か若干、煙草臭い。

 でも、それが好き。

『…勘弁してくれ』

 やだこの枕ってば喋る。さては、夢だな!

 そう自己完結してすぐにまた夢の世界に旅立った俺は知らない。いつの間にか俺の布団にいたボスの怪我をしていない方の腕を枕にしていたなんて。しかもしっかりと、その身にしがみ付きながら。

 それに気付いたのは土曜の夜に起きた時。ボスの胸にしっかりとくっ付き、二の腕を枕にしている状況を理解したと同時に声にならない悲鳴を上げつつ抜け出してから静かに部屋を逃げ出す。

『、えぇ…?』

 な、なんでボスが一緒に? あれって俺のベッドだよな…?

『これも揶揄われてるのか…』

 わかんねー。

 最低限しか他人と距離を詰めなかった臆病な自分への報いだろう。こういう時にどんな反応をするのが正解なのかわからない。

 すっかり目も覚めてしまって扉に背を預けて座っていると、明るい方のエリアから誰かが歩いて来た。

『なんだ、宋平じゃねぇか。そんなとこ座ってどうした? 丁度良い。さっき犬飼が着替え買って来たから着替えな。そろそろ着替えたい頃合いかと思ってな』

 一番重傷だった疑惑のある刃斬が一番元気というのは、どうなんだ?

 この人もアルファ性、強いからなー。こっちはバランサーになってチマチマ治してるってのに…。

『あ。すまんすまん、お前足痛めてるんだったな。よっと』

 まだ何も言ってないのに体育座りをしていた姿勢のまま軽々と横抱きにされる。怪我をしていることを忘れてしまうような振る舞いに困惑していると背を向けたソファから突然顔が生えた。

『ソーヘー!! ソーヘー起きた! 起きたのか、ソーヘー!』

『騒がしいわ。落ち着けバカ、後お前は力加減が信用ならねぇから触るな』

 まるで帰宅した飼い主を全力で迎えるような熱烈な歓迎っぷりの猿石。思わず尻尾を振る姿が見えるようだ。ソファに座る刃斬の膝に乗せられた俺を嬉しそうに見つめる猿石に手を振る。

『おはよう、アニキ。…ん? 今って夜? じゃあこんばんはか』

『ソーヘーが起きたんならなんでも良い。退屈で死ぬとこだった! 遊ぼうぜ、ソーへー!』

 ポカン、と頭を殴られる猿石。ムッとした表情で殴った主人を睨む猿石だがすぐに殴られたことを忘れたようにソファで伸びを始める。

 うーん。自由人…。

『このバカは放っておけ。ほら、ずっと病人の服着てんのもアレだろ。寝汗も気持ち悪ぃだろうしな』

 渡された紙袋から出てきたのは俺の好きなゲームのコラボパジャマ。パジャマといっても胸元に控えめに刺繍されたゲームロゴと、背中にはマスコットキャラクターの可愛らしい足跡が印刷された半袖パーカーに短パンの動きやすそうな服だ。

 思わずそれを胸に抱きながら刃斬を振り返れば、煙草を吸っていた男がニヤリと笑ってから俺の頭を撫で回す。

『そのゲーム、暇な時にやってるって聞いてな。出先にそれ扱ってる店あったから犬飼に取りに行かせてたんだよ。サイズは大丈夫そうか?』

 首元にあるサイズ表記を見ると普段着ているサイズだった。勢いよく首を振ってから再び服を広げるとあまりの感激さから言葉を失う。

 ポロポッチの足跡だ…! すごい、こんな商品まで出てるなんて!

『ソーヘー喜んでる~』

『…だな。目ぇ、キラッキラさせてやがる』

 しかもパーカーの中には同じブランドのTシャツまで付いていて、しっかりとした生地の丈夫そうなタイプのやつ。

『あ、あにあに兄貴これっ! 貰って良いんですか?!』

『おう。お前の為に買ってやったんだからな。必需品ってモンよ。なんならアジトに置いときゃ良い。一つくらい着替えがなきゃな。…いや、もう二、三着は揃えるか。

 まぁ、なんだ。今回のボーナスってことよ。これくらい貰ってもらわなきゃ困るぜ?』

 臨時ボーナス!!

『めっちゃ嬉しい! 兄貴ありがとー!!』

 刃斬の膝の上で騒ぎ、嬉しさからギュウギュウとしがみつけば慌てて煙草を遠ざけてから抱きしめ返される。抱き付いても弾かれるような逞しい筋肉は頼り甲斐があり、温い。

 早速服を着替えるとサイズも丁度良いし最高に気分が上がるしで言う事なし。未だ煙草を吸いながら全身を見た刃斬も満足気に頷き、ソファにダラーっと横になる猿石もパチパチとまばらに拍手をする。

『勿体無くて汚したくない…保存したい…』

『別に汚れたら同じの買ってやるから安心しろ』

『兄貴ー!』

 キャッキャ騒ぎながら再び刃斬に飛び付けばまたか、なんて言いつつもしっかりと煙草を遠ざけて軽く腕を開く姿に嬉しくなる。

 だが、その時。戯れ付く刃斬の顔に勢いよく飛んで来た何かが容赦なく当たる。いや、当たったというかブチ当たるみたいな表現力が正しい。

 枕飛んで来た…。

 刃斬の顔にクリーンヒットした枕。因みに固まる刃斬の手から落ちそうになっていた煙草は無言で灰皿を掲げた猿石によって無事に消された。

『お。ボスも起きたじゃん』

 そう。枕をぶん投げたのは寝ていたはずのボスだった。まだ寝惚けているのか少し乱れた着流しを直すこともせずに片手で目を塞いでいる。

 電気眩しいのか?

『騒がしいんだよクソが。テメェら大人しく仕事もできねェのか』

 ひえ。超不機嫌。

 うやうやしく頭を下げてから速やかにパソコンに向き合う刃斬に、必死になってソファの背もたれに隠れようとするが容赦なくボスに上からスマホを落とされ、それが直撃した猿石は小さな悲鳴を上げて沈んだ。

 俺は!? 俺はなんの仕事をしたら!

 あわあわと周囲を見渡していると背後から気配を感じる。チラッと振り向けば無表情のまま俺を見下ろすボスの姿。

『お前はこっちだ』

『わ?!』

 ボスに俵担ぎにされると、無言のまま歩き出すボスの背中に手を置いて呆然と遠ざかる二人を見つめる。苦笑いで手を振る刃斬に少々不満気にこちらを睨む猿石。

 着いた先はさっきまでいた仮眠室。壁に取り付けられた照明が僅かにベッドの周辺のみを照らす薄暗い室内で二つ仲良く並べられたベッド。それなのにボスは自分の方のベッドに俺を下ろすと自分もすぐ隣に横になってしまう。

 ベッド繋げた意味なくないか?! ていうか、なんでまた抱き枕にされてるんだよ!

『あ、あの…俺は自分のベッドに』

『…あ゛?』

 ぎゃあ!! ごめんなさい!!

『…チッ。服替えたせいで新品の服の匂いしかしねェ』

 ぐい、と背中を押されて更にボスの身体に密着すると何故か首筋をスン、と嗅がれたような気がする。

 待って!!? ちょっと待ってくれ、こっちは身体こそ拭かれたけどお風呂入ってないんですよ?!

『まっ?! や、止めて下さい!!』

『はぁ…? テメェが先に引っ付いてきたんだろォがよ。それを今更生娘みてェな反応しやがって』

『嫌です断固拒否します!! こちとら川に入ったんですよ? いや、潜ったりはしてませんけど…兎に角っ絶対臭いから嫌です! 嗅がないで下さい!!』

 絶対臭いでしょうが!!

 ボ、ボスにそういう風に思われて嫌われたりしたくないし…。

『…恥ずかしいです…』

 そうポツリと漏らして俯くと暫く部屋が静まり返ってしまう。ちょっと拒絶が激し過ぎたかな、とかいやでも、やっぱり無理だよとか考えつつボスの顔を見上げてみると怖いくらいに無表情だった。

『今更匂いくらいでお前を嫌うわけねェだろ』

『だ、だってしょうがないじゃないですかっ。ボスはいつも高級シャンプーの残り香を撒き散らしてるから良いですけど、こっちは儚い石鹸の香りなんですからね?!』

 そんなのもう硝煙やら埃やら血やら、終いには川の生臭さで打ち消されてるんですよ。

『なるほどねェ…? つまりお前はダメだが、俺は良いと。ならお前がこっち来な。どうにも抱き心地が良くてな。しっかりと枕の役割を果たしてもらうぜ』

 え? 枕…?

 意味がよくわからないが、横になって手を広げるボスを凝視する。

 …うーん…。どういうことだ? 枕…抱き心地、ハッ。閃いた。完全に理解した。

 人肌!! そうか、ボスは人肌を求めてらっしゃると! なるほどね。俺がベスト抱き枕ってことか。ははーん、さてはさっき寝惚けて抱き着いてたのがトリガーになって昨日のことがフラッシュバックしたのか…、

 違いないな! あの時は体温が下がりまくって危なかったからな、トラウマになるのも仕方ない!

『お、お邪魔します』

 そうとなれば自分の役目を果たすのみ。もぞもぞと移動して慎重に触れれば向こうから距離を詰めてきて、呆気なく俺たちの間に隙間はなくなる。

 静かな部屋に自分の鼓動が鳴り響いてやしないかと心配するくらい、ドキドキする。ボスはずっと俺の髪を梳くように優しく撫で、たまに耳たぶや頬など色々と触れたり突いたりするんだ。

 それが、なんだか…恥ずかしくて。俺はずっと寝たふりをする。

『宋平』

 だけど段々と眠くなってしまって、ヤバいと思った時にはもう半分意識を手放していた。意識を落とす寸前、もう一度だけボスが俺の名前を言ってから、何か…柔らかなものが唇を掠めたような気がした。

 そしてその夜、俺は夢を見た。

 見たこともない大輪の花が咲く真っ白な空間。そして手には神様から貰った大切なコントローラー。姿こそ見えないが、近くにいるような気がして…ああ自分もその時が来たのかと覚悟してコントローラーを捧げたら、声にならない意思のようなものが伝わる。

 …え? ちがう?

 キラキラとコントローラーの紫が光り輝く。

 自分の目も、少しだけ…熱い。

 












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