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意中のオメガ
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Side:刃斬
この方は、こんな表情もできたのか。
一番若く、愛嬌のある舎弟ができてから我らが弐条会は良い変化を迎えつつあると思う。事実、今回もあの子どもがいなければどうなっていたかはわからない。
『あー…面白ェ…、ってて。あんま笑うと開くな…』
傷口が開きそうになったらしい。急いで医師に連絡をするも、ワン切りされた。すぐに折り返しかかってくると数分で向かうと手短に伝えられて切られる。
あの医者…いや、宋平が小せぇ頃から診てたらしいから宋平の方にいるか。
『ボス。早く横になって下さい。数分後に辰見が来ます』
『ああ』
この程度の傷で済んだのは奇跡でしかない。まさか今回の会合を襲撃した者の中にあんな化け物がいたと、誰が予想出来たか。
『捕らえた連中を尋問にかけていますが、その中に奴がいるかは不明です。恥ずかしながら自分も対峙した時に得た情報は皆無でして…』
『向き合えばわかる。…しかし、妙な話だ』
そう。奇妙奇天烈な話。
襲撃者の中に、仮に…バランサーと呼ばれる者がいたとして。バランサーに勝てる性別は存在しない。あるとすれば、同じくバランサーか…今回の宋平のようなバース性が元々狂っていた場合。
バランサーに与えられた権限である調和とやらを破り、実力行使したとして。
何故。
あの子どもは生き残ったのか。
『怪我はしていたが、どれも致命傷にも届かねェようなモンだ。俺たちが受けてりゃかすり傷』
静かにベッドに座るボスが自身の手を見つめる。先程までは恐らく宋平もいたであろうベッドは随分と荒らされた形跡があった。
…全く、本当にこの方は。
『宋平は終わった後は助けを求めて彷徨っていた、と…。
俺を助けたオメガについての情報はあったか』
『いえ。ありませんが、会場にいたオメガをリスト化して該当しそうな者を犬飼が探ってます。あの場にいたのであれば必ず会合にもいたはずかと』
タチが悪い。
頭を抱えるこちらのことなど無視してボスはスマホを手に取り、犬飼から送られているであろうデータに目を通す。
『…本気でないのなら手を出さないで頂きたい。あれは純粋な子どもです。手中に置いておきたいから先ずは心から、なんて…あんまりですよ』
『さぁな。…感謝はしてる。宋平が推定バランサー野郎を上手く追い払って助けを呼びに行ってる間、俺の命を繋いだであろうオメガがいるのは確かだ』
真っ赤な顔をして慌てふためく顔。
少し怒ったようにジト目で睨む顔。
好いた人間に見せる恥じらいの顔を思い出して、殴られる覚悟を決めて主人に向き合った。
『そんな見ず知らずの…、本当にいたかもわからないオメガがなんだと言うんです。それとあの子どもに色目を使うのに何の関係が?』
ボスを裏切るつもりはない、だが。
『…下手なことをすれば奴が噛み付きますよ。もうアレは宋平からの愛情を与えられて、受け入れた。
子どもは親を害されたと知れば鬼になるんです』
皮肉な話だ。
宋平の家族構成を知ったのは出会ってすぐだ。奴には両親がいなかった。事故でもう何年も前に亡くした上、当時の宋平はまだ幼児だ。だが、アイツは実の兄から大切に育てられ愛情を与えられ真っ直ぐと育った。
そして猿石はその逆。両親や親族も健在でありながら上位アルファという肩書きに執着され、歪んだものを押し付けられ捻くれて育った。愛なんて与えられるはずもなく、与えられたのは最凶の血と肉体と性別。
精神的に成熟した子どもと、精神的に未熟な怪物が出会って奇妙な繋がりを得ている。
『テメェは手を出さねェ代わりに、猿が暴れるって? なんの脅しにもならねェなァ』
『二人同時に抜けるのは弐条会にとって大損失です』
確かに、と薄ら笑いで対応するボスに俺は益々訳がわからなくなる。
いつかは堅気に帰さなきゃならない。それにしても、こんなことをして一体…何の意味がある?
『相変わらず頭が固ェな、テメェは』
片足に肘を乗せたボスはどこか遠くを見つめ、普段よりも穏やかな口調で喋り始める。
『…宋平は俺の恩人になったわけだ』
『そ、そうです! それなのに』
『はー…いつものキレはどうした、ったく。
お前は俺の命がたかが数千万だとでも言いてェかよ。今回の一件で既に宋平は借金なんざチャラにできるような働きをした。
俺たちは今すぐにでも、アイツを解放しなきゃなんねェんだよ』
ヤクザの世界で何よりも大切なのは金だ。それよりも大切なものといえば、面子だろう。弐条会はそれと同等に義理も厳しいもんだ。
命を救われたなんていう最大の恩義を受けたからには、返さねばならない。それが身内以外なら尚更。
『…です、が…護衛は宋平の仕事です』
『それを俺は一度は断ち切った。アイツが来たのは完全なる善意だ。
まさか一ヶ月程度でこれ程の手柄を上げられるとは、参ったモンだ。優秀だぜ』
あまりにも自然と馴染んでいるから、頭では理解していても時々忘れそうになる。宋平は兄の会社の借金を肩代わりして働いているに過ぎない。
いつも笑顔で人懐っこい子ども。好きで自分たちと一緒にいるのではないと今一度、心に刻むべきだった。
『年内には解放してやるつもりだ。…最初こそ、その体質でどれだけ稼いでくれるか期待したもんだがな。
仕方ねェだろ。情が湧いちまったんなら、後は手放すだけだ。深入りさせる前に切り離す』
話は終わりだとばかりにボスはベッドに横になって目を閉じる。
きっとこの方はもう、不用意にあの子どもに触れないつもりだ。この短い時間で宋平をボスなりに最大限可愛がり、触れ合った。その反応を存分に堪能したかったのだろう。
宋平を手放した後にボスは近く、身を固める予定だ。
『…今回の件で何か言われたのですか』
『しつけェ。
…いつ何時、何があるかわからねェからとっとと血を繋げとよ。大分肝を冷やしたらしいな。あのゴーグル野郎の素性も少なからず、知ってやがる。テメェも用心しとけ』
今後こそ出て行けと、軽く手を払われる。きちんと背中を曲げて挨拶をしてから退室するとローテーブルに置かれたボスのスマホが通知を報せるように画面が点いた。
『二台目か、…は?』
複数ある内の一台。何の変哲もないスマホ。
異質だったのは、その画面だ。
『…宋平?』
待ち受けにされていたのはボスの椅子で暢気に眠る宋平の写真だった。何故宋平なのかと疑問に思うが、それはすぐにわかる。
『、ふ…すげぇ間抜けな寝顔…』
思わずこちらの力が抜けるような締まりのない顔で幸せそうに眠る姿。いつも何を考えているのかわからないあの方が、これを見る時だけはきっと自分と同じことを思っているはずだとハッキリわかる。
まぁ。これでボスの心労が軽くなるなら、安いもんだ。
『俺も良いの撮れたらお見せするかな』
ヤクザのボスであれば嫁となるのは同じような出自のオメガが望ましい。だからボスは今回の件で自分を助けたと予想するオメガを探している。
だが。
『…せめて配偶者くらいは、心から望む方を選べたら良かったんだがな…』
通知を報せていたスマホの画面も暗くなる。目を逸らしてソファに座ると溜まっていた仕事を処理するためにパソコンを開いて片付けていた。
それから数分後。部屋にやって来た医者は特に挨拶もなくボスの仮眠室へ入って行く。一応近くで待機していると恨み節のような言葉が聞こえた。
『とっととあの子を解放しろ。要求が通らなければこちらにも考えがある』
言葉はアレだが、その間も黙々と治療を進めていく手腕は見事だった。
『おまけにマーキングだと? ヤクザが面白半分であの子に手を出して、どういうつもりだ。あの子はお前のオモチャじゃない』
バース性専門でもあるこの医者に、バース性の狂った宋平が世話になっていたのも頷ける。だが、医者の方は随分と感情的でそれがコイツの怒りの高さを物語っているようだった。
『あの子との契約を打ち切らなければ、今ここで貴様を殺す』
声が震えるわけでもなく淡々と喋る様子に驚愕しつつ、後ろから拳銃を抜いて無防備な背中に標準を合わせる。
『すぐに対象を撃ち殺そうなど低俗だな。こちらの役職が医師だということを肝に銘じることだ』
『っ…既にボスに何か小細工をしやがったのか?!』
『貴様らに質問の権利はない。早く答えろ』
どうする…?!
ボスが辰見に何かを言おうと口を開いた時だ。静かな室内に不釣り合いな運命が鳴り響く。辰見が首から下げたスマホを手に取ると暫くそれを見つめた後に耳に当てる。
『…どうしましたか』
【ねぇ先生? 俺、ベッドに縛り付けられてるけどトイレってどうしたら良いわけ?! 漏らしますよ?】
.
この方は、こんな表情もできたのか。
一番若く、愛嬌のある舎弟ができてから我らが弐条会は良い変化を迎えつつあると思う。事実、今回もあの子どもがいなければどうなっていたかはわからない。
『あー…面白ェ…、ってて。あんま笑うと開くな…』
傷口が開きそうになったらしい。急いで医師に連絡をするも、ワン切りされた。すぐに折り返しかかってくると数分で向かうと手短に伝えられて切られる。
あの医者…いや、宋平が小せぇ頃から診てたらしいから宋平の方にいるか。
『ボス。早く横になって下さい。数分後に辰見が来ます』
『ああ』
この程度の傷で済んだのは奇跡でしかない。まさか今回の会合を襲撃した者の中にあんな化け物がいたと、誰が予想出来たか。
『捕らえた連中を尋問にかけていますが、その中に奴がいるかは不明です。恥ずかしながら自分も対峙した時に得た情報は皆無でして…』
『向き合えばわかる。…しかし、妙な話だ』
そう。奇妙奇天烈な話。
襲撃者の中に、仮に…バランサーと呼ばれる者がいたとして。バランサーに勝てる性別は存在しない。あるとすれば、同じくバランサーか…今回の宋平のようなバース性が元々狂っていた場合。
バランサーに与えられた権限である調和とやらを破り、実力行使したとして。
何故。
あの子どもは生き残ったのか。
『怪我はしていたが、どれも致命傷にも届かねェようなモンだ。俺たちが受けてりゃかすり傷』
静かにベッドに座るボスが自身の手を見つめる。先程までは恐らく宋平もいたであろうベッドは随分と荒らされた形跡があった。
…全く、本当にこの方は。
『宋平は終わった後は助けを求めて彷徨っていた、と…。
俺を助けたオメガについての情報はあったか』
『いえ。ありませんが、会場にいたオメガをリスト化して該当しそうな者を犬飼が探ってます。あの場にいたのであれば必ず会合にもいたはずかと』
タチが悪い。
頭を抱えるこちらのことなど無視してボスはスマホを手に取り、犬飼から送られているであろうデータに目を通す。
『…本気でないのなら手を出さないで頂きたい。あれは純粋な子どもです。手中に置いておきたいから先ずは心から、なんて…あんまりですよ』
『さぁな。…感謝はしてる。宋平が推定バランサー野郎を上手く追い払って助けを呼びに行ってる間、俺の命を繋いだであろうオメガがいるのは確かだ』
真っ赤な顔をして慌てふためく顔。
少し怒ったようにジト目で睨む顔。
好いた人間に見せる恥じらいの顔を思い出して、殴られる覚悟を決めて主人に向き合った。
『そんな見ず知らずの…、本当にいたかもわからないオメガがなんだと言うんです。それとあの子どもに色目を使うのに何の関係が?』
ボスを裏切るつもりはない、だが。
『…下手なことをすれば奴が噛み付きますよ。もうアレは宋平からの愛情を与えられて、受け入れた。
子どもは親を害されたと知れば鬼になるんです』
皮肉な話だ。
宋平の家族構成を知ったのは出会ってすぐだ。奴には両親がいなかった。事故でもう何年も前に亡くした上、当時の宋平はまだ幼児だ。だが、アイツは実の兄から大切に育てられ愛情を与えられ真っ直ぐと育った。
そして猿石はその逆。両親や親族も健在でありながら上位アルファという肩書きに執着され、歪んだものを押し付けられ捻くれて育った。愛なんて与えられるはずもなく、与えられたのは最凶の血と肉体と性別。
精神的に成熟した子どもと、精神的に未熟な怪物が出会って奇妙な繋がりを得ている。
『テメェは手を出さねェ代わりに、猿が暴れるって? なんの脅しにもならねェなァ』
『二人同時に抜けるのは弐条会にとって大損失です』
確かに、と薄ら笑いで対応するボスに俺は益々訳がわからなくなる。
いつかは堅気に帰さなきゃならない。それにしても、こんなことをして一体…何の意味がある?
『相変わらず頭が固ェな、テメェは』
片足に肘を乗せたボスはどこか遠くを見つめ、普段よりも穏やかな口調で喋り始める。
『…宋平は俺の恩人になったわけだ』
『そ、そうです! それなのに』
『はー…いつものキレはどうした、ったく。
お前は俺の命がたかが数千万だとでも言いてェかよ。今回の一件で既に宋平は借金なんざチャラにできるような働きをした。
俺たちは今すぐにでも、アイツを解放しなきゃなんねェんだよ』
ヤクザの世界で何よりも大切なのは金だ。それよりも大切なものといえば、面子だろう。弐条会はそれと同等に義理も厳しいもんだ。
命を救われたなんていう最大の恩義を受けたからには、返さねばならない。それが身内以外なら尚更。
『…です、が…護衛は宋平の仕事です』
『それを俺は一度は断ち切った。アイツが来たのは完全なる善意だ。
まさか一ヶ月程度でこれ程の手柄を上げられるとは、参ったモンだ。優秀だぜ』
あまりにも自然と馴染んでいるから、頭では理解していても時々忘れそうになる。宋平は兄の会社の借金を肩代わりして働いているに過ぎない。
いつも笑顔で人懐っこい子ども。好きで自分たちと一緒にいるのではないと今一度、心に刻むべきだった。
『年内には解放してやるつもりだ。…最初こそ、その体質でどれだけ稼いでくれるか期待したもんだがな。
仕方ねェだろ。情が湧いちまったんなら、後は手放すだけだ。深入りさせる前に切り離す』
話は終わりだとばかりにボスはベッドに横になって目を閉じる。
きっとこの方はもう、不用意にあの子どもに触れないつもりだ。この短い時間で宋平をボスなりに最大限可愛がり、触れ合った。その反応を存分に堪能したかったのだろう。
宋平を手放した後にボスは近く、身を固める予定だ。
『…今回の件で何か言われたのですか』
『しつけェ。
…いつ何時、何があるかわからねェからとっとと血を繋げとよ。大分肝を冷やしたらしいな。あのゴーグル野郎の素性も少なからず、知ってやがる。テメェも用心しとけ』
今後こそ出て行けと、軽く手を払われる。きちんと背中を曲げて挨拶をしてから退室するとローテーブルに置かれたボスのスマホが通知を報せるように画面が点いた。
『二台目か、…は?』
複数ある内の一台。何の変哲もないスマホ。
異質だったのは、その画面だ。
『…宋平?』
待ち受けにされていたのはボスの椅子で暢気に眠る宋平の写真だった。何故宋平なのかと疑問に思うが、それはすぐにわかる。
『、ふ…すげぇ間抜けな寝顔…』
思わずこちらの力が抜けるような締まりのない顔で幸せそうに眠る姿。いつも何を考えているのかわからないあの方が、これを見る時だけはきっと自分と同じことを思っているはずだとハッキリわかる。
まぁ。これでボスの心労が軽くなるなら、安いもんだ。
『俺も良いの撮れたらお見せするかな』
ヤクザのボスであれば嫁となるのは同じような出自のオメガが望ましい。だからボスは今回の件で自分を助けたと予想するオメガを探している。
だが。
『…せめて配偶者くらいは、心から望む方を選べたら良かったんだがな…』
通知を報せていたスマホの画面も暗くなる。目を逸らしてソファに座ると溜まっていた仕事を処理するためにパソコンを開いて片付けていた。
それから数分後。部屋にやって来た医者は特に挨拶もなくボスの仮眠室へ入って行く。一応近くで待機していると恨み節のような言葉が聞こえた。
『とっととあの子を解放しろ。要求が通らなければこちらにも考えがある』
言葉はアレだが、その間も黙々と治療を進めていく手腕は見事だった。
『おまけにマーキングだと? ヤクザが面白半分であの子に手を出して、どういうつもりだ。あの子はお前のオモチャじゃない』
バース性専門でもあるこの医者に、バース性の狂った宋平が世話になっていたのも頷ける。だが、医者の方は随分と感情的でそれがコイツの怒りの高さを物語っているようだった。
『あの子との契約を打ち切らなければ、今ここで貴様を殺す』
声が震えるわけでもなく淡々と喋る様子に驚愕しつつ、後ろから拳銃を抜いて無防備な背中に標準を合わせる。
『すぐに対象を撃ち殺そうなど低俗だな。こちらの役職が医師だということを肝に銘じることだ』
『っ…既にボスに何か小細工をしやがったのか?!』
『貴様らに質問の権利はない。早く答えろ』
どうする…?!
ボスが辰見に何かを言おうと口を開いた時だ。静かな室内に不釣り合いな運命が鳴り響く。辰見が首から下げたスマホを手に取ると暫くそれを見つめた後に耳に当てる。
『…どうしましたか』
【ねぇ先生? 俺、ベッドに縛り付けられてるけどトイレってどうしたら良いわけ?! 漏らしますよ?】
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