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平日。今日も今日とて、俺のバイトが始まる。
今は五限目の終わり際。今日は五限までで早く帰る日だからと刃斬に連絡をしておいた。最後列の窓際に座る俺は暢気に良い天気だなぁと外を見た、その時だ。
ブォン、ブォン、と昼過ぎの学校に鳴り響く轟音。眠気に襲われていた生徒たちも一斉に飛び起きただろう。俺もその一人だ。
な、なんの音だ…?!
『なに? えっ、ヤバくない?』
『校庭から…?』
先生もクラスメートも慌てて窓から校庭を見下ろす。一年生の教室は三階だからよく見えるだろう。俺も少し身を乗り出して窓から下を見た。
瞬間、悲鳴を飲み込んだ。
そこには校庭に堂々と大型バイクに乗って侵入する猿石の姿があった。
あ、アイツ何やってんだ…!?!
『誰?! え、バイクすご…てか不法侵入?』
『ノーヘルだし…。あ、降りた! …え、身長高っ…ガタイ良過ぎ』
そして振り向いた猿石がサングラスをしているのを見て、更に周囲が騒つく。やれヤンキーだのマフィアだの、意外と的を得ているから頭を抱える。
正解はヤクザです…。
『なんか電話してないか?』
『本当だ。耳に当ててる』
ハッとしてポケットを押さえるとすぐにスマホが振動し出す。仕事用だから普段はマナーモードにしているから助かった。
あの馬鹿猿石~ッ!!
みんなが窓に集まるのを利用してそっと教室から抜け出すとすぐに振動するスマホを取り出して通話のボタンを押す。
【ソーヘー! 迎え来たー。なぁ学校まだ終わんねぇの? 早く行こうぜ。オレずっと待ってたんだぜ、ちょー偉くね?】
電話口から聞こえる声に、すぐに怒鳴ろうとしていたのに存外甘えたような声なもんで思わず聞き入ってしまった。なぁまだぁ? と未だ聞こえる声の主人は今日一日、ずっと待ってたんだろう。
…迎え来いって言ったの、俺だしなぁ。
『…アニキ。お迎えは嬉しいけど、校庭はダメだよ。みんなビックリしてるし』
【なら何処にいれば良いわけ。あんま離れらんねー。ソーヘーのこと一人にすんなってボス命令もあっから】
出て来ないから苛立っているのだろう。声にもそれが滲み出ているから刺激しないよう注意して言葉を選ぶ。
『裏に小さい公園があるから、そこで待っててほしいな。すぐ行くからさ…、ね? お願いだよアニキ』
【…すぐだからな。早く来いよ】
電話が切られると急いで教室に戻った。どうやら先生だけいないようだが、みんなまだ窓の外を見ているしなんなら俺が教室に入ってすぐにバイクの轟音が再び鳴り響き騒がしくなる。
先生たちに囲まれそうになっていた猿石だが、また威嚇フェロモンを容赦なく振り撒いてから逃走したらしい。それから暫く学校は騒ついたけど猿石が何もしないで出たから気を付けて帰るようにと放送が入って無事に外に出ることができた。
誰よりも早く学校から駆け出した俺は裏手にある公園を目指して必死に走る。公園の入り口には大型バイクがあり、鞄からマスクを取り出してから付ける。公園を囲うパイプに猿石が座っているのを見つけるとすぐに速度を上げた。
『アニキごめ、…』
『…やっと来た』
サングラスをズラして俺をしっかりと見つめると、不機嫌そうな顔から一転。コロっと笑顔になった猿石がギュウギュウと抱き着いてくる。
『このオレを待たせるとは良い度胸だなぁ~』
『ごめんって! わ、なに?』
ヒョイと抱き上げられると鞄を取られ、代わりにヘルメットが渡される。そしてバイクの後ろに乗せられるとしっかりとヘルメットを付けられて猿石もバイクに跨る。振り向いた猿石が俺の手を掴んで自分の腰にしっかりと回す。
『しっかり掴まってろよー』
あ。やっぱバイクで…行きますよね…。ていうことは、やっぱ…
『すぅぐ着くからな!』
俺の鼓膜が、死する…!!
文字通り風となった俺たちは、すぐにアジトへと到着した。だがあまりの爆音と速度にやられた俺は到着後にぶっ倒れ、猿石におんぶされながら建物へと入る。
が。
入った直後に仁王立ちの刃斬が迎え、全てを悟った俺は即座に周囲の兄貴たちに回収されると…背後からバイクの轟音にも負けない罵声が響くのだった。
…まぁ、バレるよなぁ。
『あれは天性のバカだよな』
『バカだけどアイツ強いからなぁ。暴れたらマジで誰にも手が付けられないんだ。務所にぶち込まれたのも暴れ回るアイツを回収し切れなくてだったから』
兄貴たちに溜まり部屋に連れて来られると、何故か大富豪大会が開催された。最初は麻雀とかやってたみたいだけど、俺がまるでルールを知らないもんだからトランプを渡され大富豪開始。
その間に弐条会について色々聞いた。
『トップは勿論ボスだし、此処はその直属で刃斬さん。後は殆どいないけど作戦実行部隊の隊長と、処理部隊っつー二つのデカい部隊があるからその隊長二人が刃斬さんと同列。
後は構成員だけど、何人か小さな部隊もある。解析班とか専門的なやつな。…猿石? あー…アイツは別枠。本来なら実行部隊の隊長レベルの力があるけど、アイツは組織に収まらない問題児だもん』
『この県以外にも散らばってるんですか?』
『モチ。ウチは全国トップクラスの人数と実績がある。スゲーとこなんだからなぁ?』
わかってんのかぁ? とグリグリと頭を撫でられてキャイキャイしていると皆が溜息を吐く。それがなんだか嬉しさを押し殺したような絶妙な雰囲気。
『…いやわかってねぇって。どーするよ、ウチの末弟』
『可愛いんだから良いだろ。ボスがあんなに気に入るなんて滅多にねぇんだ。此処にいる間はどこの野郎だろうが手出しなんざさせねぇよ』
人数が多かったのか革命もなく呆気なく終わった大富豪。次はダウトにでもしようかと話していたら扉が勢いよく開いて巨体が転がり込んで来た。
咄嗟に隣にいた、顔に傷のあるガラの悪さ全開のオヤジが庇う様に俺を隠してくれる。だけど転がり込んで来たのが猿石だったので安心する俺だが周りはそうでもないようで速やかに支度をしていた。
『あーあ。此処も戦場になるわ。どーするよ、何処逃げる?』
『ああなると刃斬の兄貴も止まんねーからなぁ。階を変えるぞ。同じ階層だと不安だわ』
わらわらと逃げ出す兄貴たちにさり気なく担がれ、今度はロビーへと逃げた。ロビーには大きな黒いソファが円になって置かれていて、色んな人が寛いでる。他にも立派な花が生けてあったり、高そうな壺とか盆栽が置かれている。
たまーにドスン、とか…ミシィ…とか不吉な音が色んなところからして大変不安だ。
『あの二人っていつもこうなんですか?』
そう問い掛ければ大半の人がしみじみと頷く。
『…水と油だな。刃斬さんはアルファの中でも典型的な完璧主義だ。それに引き換え、猿石は最凶のアルファの系譜から産まれた自由奔放な天才型だからな。合わないんだよな、絶望的に。ボスが上に立つからなんとかしてるけど、たまーにこうしてお互いの堪忍袋がブチ切れて戦争になんの』
たまに発散しないとダメってことか。それほどにアルファ性の強い者同士というのは拗れると厄介だ。互いに縄張り意識が強い故の種の特性。
『…じゃあ、ボスは?』
『あの人もアルファだから強ぇのは間違いねぇのさ。だがな、ボスに至ってはアルファとかバース性ってのより人間としての格…ってのが違ぇのさ。
個としての存在感、カリスマ性…力。それら全てが周りより一つ二つ飛び抜けてる。お前もわかるようになる。俺たちよりよっぽど近くで、お前はそれを実感するんだろうよ』
よく、わからない。人間として? どれだけ近くにいれば知れるんだろう。
近くにいることを、あの人は許してくれるだろうか。
『そういえば今日はボスは』
『こんだけ騒いでもお咎め無しってことは、多分寝てるか風呂だな。あの人スゲー風呂好きだから』
お風呂…?
そういえば、この間もお風呂行ってたな。まぁアレは俺が汚したからか。
『良いですねぇ。俺、銭湯とか行ったことないから大きいお風呂入ってみたいです』
『此処にあるぞ。風呂屋と同じくらいのスケールだからな。今度入ってみろよ』
そうだ! このビル、銭湯まで完備されてるんだった!
広い広いとは思っていたけど、まさか銭湯まであるなんて驚いたものだ。よっぽど入りたそうな顔をしていたんだろう。みんなが口々にアヒルを…、いや柚子を…なんて言うから面白くて全部入れてくれと頼んだ。
それからも戦争は止まず、兄貴たちに見てもらいながらスーツの試着を終えて帰宅した。
全ては金曜日
初・ヤクザの会合のために。
.
今は五限目の終わり際。今日は五限までで早く帰る日だからと刃斬に連絡をしておいた。最後列の窓際に座る俺は暢気に良い天気だなぁと外を見た、その時だ。
ブォン、ブォン、と昼過ぎの学校に鳴り響く轟音。眠気に襲われていた生徒たちも一斉に飛び起きただろう。俺もその一人だ。
な、なんの音だ…?!
『なに? えっ、ヤバくない?』
『校庭から…?』
先生もクラスメートも慌てて窓から校庭を見下ろす。一年生の教室は三階だからよく見えるだろう。俺も少し身を乗り出して窓から下を見た。
瞬間、悲鳴を飲み込んだ。
そこには校庭に堂々と大型バイクに乗って侵入する猿石の姿があった。
あ、アイツ何やってんだ…!?!
『誰?! え、バイクすご…てか不法侵入?』
『ノーヘルだし…。あ、降りた! …え、身長高っ…ガタイ良過ぎ』
そして振り向いた猿石がサングラスをしているのを見て、更に周囲が騒つく。やれヤンキーだのマフィアだの、意外と的を得ているから頭を抱える。
正解はヤクザです…。
『なんか電話してないか?』
『本当だ。耳に当ててる』
ハッとしてポケットを押さえるとすぐにスマホが振動し出す。仕事用だから普段はマナーモードにしているから助かった。
あの馬鹿猿石~ッ!!
みんなが窓に集まるのを利用してそっと教室から抜け出すとすぐに振動するスマホを取り出して通話のボタンを押す。
【ソーヘー! 迎え来たー。なぁ学校まだ終わんねぇの? 早く行こうぜ。オレずっと待ってたんだぜ、ちょー偉くね?】
電話口から聞こえる声に、すぐに怒鳴ろうとしていたのに存外甘えたような声なもんで思わず聞き入ってしまった。なぁまだぁ? と未だ聞こえる声の主人は今日一日、ずっと待ってたんだろう。
…迎え来いって言ったの、俺だしなぁ。
『…アニキ。お迎えは嬉しいけど、校庭はダメだよ。みんなビックリしてるし』
【なら何処にいれば良いわけ。あんま離れらんねー。ソーヘーのこと一人にすんなってボス命令もあっから】
出て来ないから苛立っているのだろう。声にもそれが滲み出ているから刺激しないよう注意して言葉を選ぶ。
『裏に小さい公園があるから、そこで待っててほしいな。すぐ行くからさ…、ね? お願いだよアニキ』
【…すぐだからな。早く来いよ】
電話が切られると急いで教室に戻った。どうやら先生だけいないようだが、みんなまだ窓の外を見ているしなんなら俺が教室に入ってすぐにバイクの轟音が再び鳴り響き騒がしくなる。
先生たちに囲まれそうになっていた猿石だが、また威嚇フェロモンを容赦なく振り撒いてから逃走したらしい。それから暫く学校は騒ついたけど猿石が何もしないで出たから気を付けて帰るようにと放送が入って無事に外に出ることができた。
誰よりも早く学校から駆け出した俺は裏手にある公園を目指して必死に走る。公園の入り口には大型バイクがあり、鞄からマスクを取り出してから付ける。公園を囲うパイプに猿石が座っているのを見つけるとすぐに速度を上げた。
『アニキごめ、…』
『…やっと来た』
サングラスをズラして俺をしっかりと見つめると、不機嫌そうな顔から一転。コロっと笑顔になった猿石がギュウギュウと抱き着いてくる。
『このオレを待たせるとは良い度胸だなぁ~』
『ごめんって! わ、なに?』
ヒョイと抱き上げられると鞄を取られ、代わりにヘルメットが渡される。そしてバイクの後ろに乗せられるとしっかりとヘルメットを付けられて猿石もバイクに跨る。振り向いた猿石が俺の手を掴んで自分の腰にしっかりと回す。
『しっかり掴まってろよー』
あ。やっぱバイクで…行きますよね…。ていうことは、やっぱ…
『すぅぐ着くからな!』
俺の鼓膜が、死する…!!
文字通り風となった俺たちは、すぐにアジトへと到着した。だがあまりの爆音と速度にやられた俺は到着後にぶっ倒れ、猿石におんぶされながら建物へと入る。
が。
入った直後に仁王立ちの刃斬が迎え、全てを悟った俺は即座に周囲の兄貴たちに回収されると…背後からバイクの轟音にも負けない罵声が響くのだった。
…まぁ、バレるよなぁ。
『あれは天性のバカだよな』
『バカだけどアイツ強いからなぁ。暴れたらマジで誰にも手が付けられないんだ。務所にぶち込まれたのも暴れ回るアイツを回収し切れなくてだったから』
兄貴たちに溜まり部屋に連れて来られると、何故か大富豪大会が開催された。最初は麻雀とかやってたみたいだけど、俺がまるでルールを知らないもんだからトランプを渡され大富豪開始。
その間に弐条会について色々聞いた。
『トップは勿論ボスだし、此処はその直属で刃斬さん。後は殆どいないけど作戦実行部隊の隊長と、処理部隊っつー二つのデカい部隊があるからその隊長二人が刃斬さんと同列。
後は構成員だけど、何人か小さな部隊もある。解析班とか専門的なやつな。…猿石? あー…アイツは別枠。本来なら実行部隊の隊長レベルの力があるけど、アイツは組織に収まらない問題児だもん』
『この県以外にも散らばってるんですか?』
『モチ。ウチは全国トップクラスの人数と実績がある。スゲーとこなんだからなぁ?』
わかってんのかぁ? とグリグリと頭を撫でられてキャイキャイしていると皆が溜息を吐く。それがなんだか嬉しさを押し殺したような絶妙な雰囲気。
『…いやわかってねぇって。どーするよ、ウチの末弟』
『可愛いんだから良いだろ。ボスがあんなに気に入るなんて滅多にねぇんだ。此処にいる間はどこの野郎だろうが手出しなんざさせねぇよ』
人数が多かったのか革命もなく呆気なく終わった大富豪。次はダウトにでもしようかと話していたら扉が勢いよく開いて巨体が転がり込んで来た。
咄嗟に隣にいた、顔に傷のあるガラの悪さ全開のオヤジが庇う様に俺を隠してくれる。だけど転がり込んで来たのが猿石だったので安心する俺だが周りはそうでもないようで速やかに支度をしていた。
『あーあ。此処も戦場になるわ。どーするよ、何処逃げる?』
『ああなると刃斬の兄貴も止まんねーからなぁ。階を変えるぞ。同じ階層だと不安だわ』
わらわらと逃げ出す兄貴たちにさり気なく担がれ、今度はロビーへと逃げた。ロビーには大きな黒いソファが円になって置かれていて、色んな人が寛いでる。他にも立派な花が生けてあったり、高そうな壺とか盆栽が置かれている。
たまーにドスン、とか…ミシィ…とか不吉な音が色んなところからして大変不安だ。
『あの二人っていつもこうなんですか?』
そう問い掛ければ大半の人がしみじみと頷く。
『…水と油だな。刃斬さんはアルファの中でも典型的な完璧主義だ。それに引き換え、猿石は最凶のアルファの系譜から産まれた自由奔放な天才型だからな。合わないんだよな、絶望的に。ボスが上に立つからなんとかしてるけど、たまーにこうしてお互いの堪忍袋がブチ切れて戦争になんの』
たまに発散しないとダメってことか。それほどにアルファ性の強い者同士というのは拗れると厄介だ。互いに縄張り意識が強い故の種の特性。
『…じゃあ、ボスは?』
『あの人もアルファだから強ぇのは間違いねぇのさ。だがな、ボスに至ってはアルファとかバース性ってのより人間としての格…ってのが違ぇのさ。
個としての存在感、カリスマ性…力。それら全てが周りより一つ二つ飛び抜けてる。お前もわかるようになる。俺たちよりよっぽど近くで、お前はそれを実感するんだろうよ』
よく、わからない。人間として? どれだけ近くにいれば知れるんだろう。
近くにいることを、あの人は許してくれるだろうか。
『そういえば今日はボスは』
『こんだけ騒いでもお咎め無しってことは、多分寝てるか風呂だな。あの人スゲー風呂好きだから』
お風呂…?
そういえば、この間もお風呂行ってたな。まぁアレは俺が汚したからか。
『良いですねぇ。俺、銭湯とか行ったことないから大きいお風呂入ってみたいです』
『此処にあるぞ。風呂屋と同じくらいのスケールだからな。今度入ってみろよ』
そうだ! このビル、銭湯まで完備されてるんだった!
広い広いとは思っていたけど、まさか銭湯まであるなんて驚いたものだ。よっぽど入りたそうな顔をしていたんだろう。みんなが口々にアヒルを…、いや柚子を…なんて言うから面白くて全部入れてくれと頼んだ。
それからも戦争は止まず、兄貴たちに見てもらいながらスーツの試着を終えて帰宅した。
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