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兄と弟
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『やっぱりアルファが良いんじゃないか? 宋平は賢い子だし、バース性に理解が深い。そういう関連の仕事に就くにはアルファの方が利点が多い』
『えー。でも宋ちゃんは普通の人生が良いみたいだしベータの方が似合うよ。僕たちみんなベータだしねぇ』
高校生としての生活が始まり、クラスにも少しずつ馴染んできた頃。閑静な住宅街にある我が家に帰ると双子の兄に囲まれて夕飯を食べている最中、話題は俺の将来の話になってた。
『まぁ…、兄弟全員ベータになるのも、良いか…』
『そーそー! 僕たち四兄弟、一番下の宋ちゃんだけ違うなんて殺生だ。まさかバランサーだなんて夢にも思わなかったけどさぁ』
どんだけ前の遺伝子拾ってきたの? と言いながらケラケラ笑う弟の頭を兄が軽く叩く。
丁寧な口調で保守的なのが双子の兄である蒼士。間伸びした喋り方と少しチャラついた弟の蒼二。
今はいない長兄である創一郎を加えた三人の兄を持つ俺は、四番目の末っ子だ。
『兄貴、お醤油取って』
『はぁい。あ…宋ちゃん、カーディガンの裾に付けないようにね? それイッチーから貰ったお気にっしょ?』
『宋平、こっちに手を出しなさい。捲ってあげるから』
昔っから兄ちゃんたちは、一番幼くて、且つ…唯一バース性が違う俺を思って大切に…そう。本当に大切に守ってきてくれた。兄ちゃんたちだって両親がいなくなって寂しいに決まってるのに、いつだって俺を優先してきてくれたんだ。
だから、幸せにしてあげたいのに。
最近創一郎兄ちゃんの帰りが遅くなる。以前までは遅くても二十時には帰っていたのに今では深夜になっても帰って来ない日ばかり。
ある時、夕飯が終わり部屋でゲームをしていて、そろそろ寝ようかと下に降りると二人の兄が小さな声で話し合っているのがリビングから聞こえたので少しだけ引き戸を開いてから話を聞いた。
『…っだからもう限界だって言ったのに。いくら昔から面倒見てくれた会社だからって、あんな連中に関わってたらどうなるかっ』
『あそこの社長さん夫婦には良くしてもらったからな。俺たちが幼い頃は授業参観にも来てくれたし…、宋平の頃は兄さんが行けるようにってイベントの度に休みを調整してくれたから…簡単な話じゃないさ』
『わかってるけど…。イッチーが居座ったところで、ただサンドバッグが増えてるだけじゃん。警察だって介入出来っこないんだから、逃げる一択だよ』
なんだ?
兄ちゃんの話だろうけど、全然話が見えないな。
『…何があっても良いように備えるしかない。大学に影響が出ないレベルで、バイトを増やすか。
俺たちには大切な弟もいるんだ。だけど大学は手を抜くなよ、お互い特待生なんだから…折角兄さんが行かせてくれたんだ。無駄にするなよ』
『モチ! いざとなったらイッチーと宋ちゃん抱えてトンズラな!』
足音を殺して階段を駆け上がる。家族で住んでいた一軒家を今もそのまま使えるのは、一番上の兄がずっと頑張って働いてくれたから。それを支えるために双子の兄たちも勉強を頑張って苦労をかけないようにと必死だった。
そっと部屋を見渡せば、兄ちゃんたちが買ってくれたゲームに本…似合うからと渡されたのはお下がりではなく新品の洋服。大好きなゲームのキャラクターが散りばめられたパジャマをそっと引っ張り、ベッドに沈む。
…やっぱ、兄ちゃんになんかあったのかな。
悶々と考えを巡らせていたら、部屋の扉が静かに開くような気配があった。床が軋む音に慌てて目を閉じるも背中を向けていたせいで誰が来たかわからないが必死に寝息っぽいものを鳴らす。
『酷ぇ寝相…。布団落ちてんじゃねぇか』
兄ちゃんだ!
いつの間にか落ちていたらしい布団を拾い、しっかりと俺に被せてくれる。きちんと布団を直した後で…兄ちゃんは無言のままそこにいた。
なんだ? まさか座ったまま寝たか?
『…どうすっかなぁ』
兄ちゃんの手が顔の近くにきて、首元までしっかり布団を直された。だけどその時。兄ちゃんの手から確かに鉄の匂いを嗅ぎ取ったのだ。よくよく確認すると部屋全体が微かにその匂いがする。
兄ちゃんが去った後の部屋で、俺は動揺する心を落ち着かせるように布団に潜り込んだ。
…違う、絶対違う。兄ちゃんの会社は建設系だし…怪我しちゃうこともあるかもしれない。そうだよ、きっとお風呂入るし絆創膏とか取ったのかも…!
『っ…きっと、そうだよ…』
後日。なんとか朝早く起きることに成功して慌てて出勤する兄ちゃんの後ろ姿を二階の窓から見送った俺はその変わり果てた姿に絶句した。
頭に巻かれた包帯に、灰色の作業着には薄らと赤い汚れが付着したまま。足も悪いのか歩き方に違和感があり、車に乗り込む時は少し辛そうだった。
…怪我してる…、兄ちゃんが…なんで?
『俺に説明できない怪我ってこと?』
昨日の会話からしても兄ちゃんの身に何か起きているのは明白だ。現場で怪我をしたなら教えてくれるはずなのに、それがないと言うことは自分たちからは極力説明したくないということ。
とても、よくないことなんだろう。
確かに俺はまだ子どもで、一番末の弟で…兄たちが守りたいという気持ちは理解できる。それでも引き下がることは出来ない。大切な兄が傷付けられて…家族がしんどい時に何もしないなんて嫌だ。
『…よし』
お気に入りのカーディガンを着て、何日も前から立てた計画を実行する。
学校終わりのこの日はテスト明け。しかも午前中のみで午後はなし。仲良くなったクラスメートから遊びに行こうと誘われるが苦渋の思いでそれを断る。気にしないでと笑う彼らにお礼を言いつつ、兄さんに午後は友人と遊ぶから少し遅くなると連絡を入れた。
『地図だとこの駅から、向こうの信号を渡って…』
昼時で混雑する駅付近を抜けてスマホと睨めっこ。兄ちゃんの作業着に刺繍された会社名を検索し、問題となっているであろう本拠地へとやって来た。
ちょっと見るだけ…。そう、ちょっとだけ…そもそも兄ちゃんいないかもだし?
『…、ん?』
ふと立ち止まってから辺りを見渡す。別に変なところなんてない、そのはずなのに。でも妙な違和感を感じて感覚を研ぎ澄ませると密かにセンサーに引っかかるものがある。
頭の中でイメージしたコントローラーを握り、今までのベータからバランサーへと自分を切り替えて存在を薄くした。
『…ビルやお店もあるのに、人が少ないような』
昼間なのに人通りが少なくなって静かだ。駅も近いしそれなりに店もあるのに。不安になりながら何度も世話になったスタッフ帽子を握りしめて歩いていると、ようやく目当ての建物を見つけた。古い建物のようだが看板はピカピカで敷地は結構広い。
良かった! ちゃんと見つけられた!
『兄ちゃんいるかな…』
入るべきが歩道で暫く悩んでいたが、会社から響いたガラスが割れる音に自然と足が動いた。裏に回ってみると窓ガラスの破片が地面に散らばっていて、建物からは男の怒声が響く。
『こっちはなぁ、テメェんとこの息子の金回収すんのがお仕事なわけだ。いつまでも若い社員どついてる程…暇でもねぇ』
人生で初めて聞くドスの効いた低く、恐ろしい声。耳に馴染まないそれに足が震えそうになる。
…これ、アルファの威嚇…?
『払えねぇってんなら、会社は勿論のこと社員も使えるのは貰って行く。ベータの男共に用はねぇが女は使える。
テメェは女房も家も、家財道具にその身全てを支払ってもらう。それでも足りなきゃ関係者からキッチリ回収するぜ。その判を書類にしろってだけの話だ。簡単なことだろ?』
『や、やめてくれっ…! 金は必ず払う、払うから…社員たちや妻には手を出さないでくれ!』
『その期限がとうの昔に切れたってんだろ。逃げなかったことは褒めてやる。
その場合この会社の社員は全員、問答無用で今回の清算に協力してもらってただろうからなァ』
これはアレか、もしかして…
『ヤクザから金を借りるってのは、つまりそういうことだ』
裏社会の…人間。しかも複数いる内の大半がアルファな上に、上位のが紛れてる…!
『ウチのボスからもそろそろ終わりにしろってな、お達しが来てんだよ。だから俺が来た。わかるな?
茶番は終いだ。払うモンとっとと払ってもらおうか』
.
『えー。でも宋ちゃんは普通の人生が良いみたいだしベータの方が似合うよ。僕たちみんなベータだしねぇ』
高校生としての生活が始まり、クラスにも少しずつ馴染んできた頃。閑静な住宅街にある我が家に帰ると双子の兄に囲まれて夕飯を食べている最中、話題は俺の将来の話になってた。
『まぁ…、兄弟全員ベータになるのも、良いか…』
『そーそー! 僕たち四兄弟、一番下の宋ちゃんだけ違うなんて殺生だ。まさかバランサーだなんて夢にも思わなかったけどさぁ』
どんだけ前の遺伝子拾ってきたの? と言いながらケラケラ笑う弟の頭を兄が軽く叩く。
丁寧な口調で保守的なのが双子の兄である蒼士。間伸びした喋り方と少しチャラついた弟の蒼二。
今はいない長兄である創一郎を加えた三人の兄を持つ俺は、四番目の末っ子だ。
『兄貴、お醤油取って』
『はぁい。あ…宋ちゃん、カーディガンの裾に付けないようにね? それイッチーから貰ったお気にっしょ?』
『宋平、こっちに手を出しなさい。捲ってあげるから』
昔っから兄ちゃんたちは、一番幼くて、且つ…唯一バース性が違う俺を思って大切に…そう。本当に大切に守ってきてくれた。兄ちゃんたちだって両親がいなくなって寂しいに決まってるのに、いつだって俺を優先してきてくれたんだ。
だから、幸せにしてあげたいのに。
最近創一郎兄ちゃんの帰りが遅くなる。以前までは遅くても二十時には帰っていたのに今では深夜になっても帰って来ない日ばかり。
ある時、夕飯が終わり部屋でゲームをしていて、そろそろ寝ようかと下に降りると二人の兄が小さな声で話し合っているのがリビングから聞こえたので少しだけ引き戸を開いてから話を聞いた。
『…っだからもう限界だって言ったのに。いくら昔から面倒見てくれた会社だからって、あんな連中に関わってたらどうなるかっ』
『あそこの社長さん夫婦には良くしてもらったからな。俺たちが幼い頃は授業参観にも来てくれたし…、宋平の頃は兄さんが行けるようにってイベントの度に休みを調整してくれたから…簡単な話じゃないさ』
『わかってるけど…。イッチーが居座ったところで、ただサンドバッグが増えてるだけじゃん。警察だって介入出来っこないんだから、逃げる一択だよ』
なんだ?
兄ちゃんの話だろうけど、全然話が見えないな。
『…何があっても良いように備えるしかない。大学に影響が出ないレベルで、バイトを増やすか。
俺たちには大切な弟もいるんだ。だけど大学は手を抜くなよ、お互い特待生なんだから…折角兄さんが行かせてくれたんだ。無駄にするなよ』
『モチ! いざとなったらイッチーと宋ちゃん抱えてトンズラな!』
足音を殺して階段を駆け上がる。家族で住んでいた一軒家を今もそのまま使えるのは、一番上の兄がずっと頑張って働いてくれたから。それを支えるために双子の兄たちも勉強を頑張って苦労をかけないようにと必死だった。
そっと部屋を見渡せば、兄ちゃんたちが買ってくれたゲームに本…似合うからと渡されたのはお下がりではなく新品の洋服。大好きなゲームのキャラクターが散りばめられたパジャマをそっと引っ張り、ベッドに沈む。
…やっぱ、兄ちゃんになんかあったのかな。
悶々と考えを巡らせていたら、部屋の扉が静かに開くような気配があった。床が軋む音に慌てて目を閉じるも背中を向けていたせいで誰が来たかわからないが必死に寝息っぽいものを鳴らす。
『酷ぇ寝相…。布団落ちてんじゃねぇか』
兄ちゃんだ!
いつの間にか落ちていたらしい布団を拾い、しっかりと俺に被せてくれる。きちんと布団を直した後で…兄ちゃんは無言のままそこにいた。
なんだ? まさか座ったまま寝たか?
『…どうすっかなぁ』
兄ちゃんの手が顔の近くにきて、首元までしっかり布団を直された。だけどその時。兄ちゃんの手から確かに鉄の匂いを嗅ぎ取ったのだ。よくよく確認すると部屋全体が微かにその匂いがする。
兄ちゃんが去った後の部屋で、俺は動揺する心を落ち着かせるように布団に潜り込んだ。
…違う、絶対違う。兄ちゃんの会社は建設系だし…怪我しちゃうこともあるかもしれない。そうだよ、きっとお風呂入るし絆創膏とか取ったのかも…!
『っ…きっと、そうだよ…』
後日。なんとか朝早く起きることに成功して慌てて出勤する兄ちゃんの後ろ姿を二階の窓から見送った俺はその変わり果てた姿に絶句した。
頭に巻かれた包帯に、灰色の作業着には薄らと赤い汚れが付着したまま。足も悪いのか歩き方に違和感があり、車に乗り込む時は少し辛そうだった。
…怪我してる…、兄ちゃんが…なんで?
『俺に説明できない怪我ってこと?』
昨日の会話からしても兄ちゃんの身に何か起きているのは明白だ。現場で怪我をしたなら教えてくれるはずなのに、それがないと言うことは自分たちからは極力説明したくないということ。
とても、よくないことなんだろう。
確かに俺はまだ子どもで、一番末の弟で…兄たちが守りたいという気持ちは理解できる。それでも引き下がることは出来ない。大切な兄が傷付けられて…家族がしんどい時に何もしないなんて嫌だ。
『…よし』
お気に入りのカーディガンを着て、何日も前から立てた計画を実行する。
学校終わりのこの日はテスト明け。しかも午前中のみで午後はなし。仲良くなったクラスメートから遊びに行こうと誘われるが苦渋の思いでそれを断る。気にしないでと笑う彼らにお礼を言いつつ、兄さんに午後は友人と遊ぶから少し遅くなると連絡を入れた。
『地図だとこの駅から、向こうの信号を渡って…』
昼時で混雑する駅付近を抜けてスマホと睨めっこ。兄ちゃんの作業着に刺繍された会社名を検索し、問題となっているであろう本拠地へとやって来た。
ちょっと見るだけ…。そう、ちょっとだけ…そもそも兄ちゃんいないかもだし?
『…、ん?』
ふと立ち止まってから辺りを見渡す。別に変なところなんてない、そのはずなのに。でも妙な違和感を感じて感覚を研ぎ澄ませると密かにセンサーに引っかかるものがある。
頭の中でイメージしたコントローラーを握り、今までのベータからバランサーへと自分を切り替えて存在を薄くした。
『…ビルやお店もあるのに、人が少ないような』
昼間なのに人通りが少なくなって静かだ。駅も近いしそれなりに店もあるのに。不安になりながら何度も世話になったスタッフ帽子を握りしめて歩いていると、ようやく目当ての建物を見つけた。古い建物のようだが看板はピカピカで敷地は結構広い。
良かった! ちゃんと見つけられた!
『兄ちゃんいるかな…』
入るべきが歩道で暫く悩んでいたが、会社から響いたガラスが割れる音に自然と足が動いた。裏に回ってみると窓ガラスの破片が地面に散らばっていて、建物からは男の怒声が響く。
『こっちはなぁ、テメェんとこの息子の金回収すんのがお仕事なわけだ。いつまでも若い社員どついてる程…暇でもねぇ』
人生で初めて聞くドスの効いた低く、恐ろしい声。耳に馴染まないそれに足が震えそうになる。
…これ、アルファの威嚇…?
『払えねぇってんなら、会社は勿論のこと社員も使えるのは貰って行く。ベータの男共に用はねぇが女は使える。
テメェは女房も家も、家財道具にその身全てを支払ってもらう。それでも足りなきゃ関係者からキッチリ回収するぜ。その判を書類にしろってだけの話だ。簡単なことだろ?』
『や、やめてくれっ…! 金は必ず払う、払うから…社員たちや妻には手を出さないでくれ!』
『その期限がとうの昔に切れたってんだろ。逃げなかったことは褒めてやる。
その場合この会社の社員は全員、問答無用で今回の清算に協力してもらってただろうからなァ』
これはアレか、もしかして…
『ヤクザから金を借りるってのは、つまりそういうことだ』
裏社会の…人間。しかも複数いる内の大半がアルファな上に、上位のが紛れてる…!
『ウチのボスからもそろそろ終わりにしろってな、お達しが来てんだよ。だから俺が来た。わかるな?
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