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勇者の証
愛する同盟者
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Side:ジゼルヴァ
人生での山場を迎えたと思う。
魔王軍によって祖国へ送られるとすぐに終戦の報せを持ち帰り、アガーネスは歓喜に震えた。家族たちと喜びを分かち合うも現実は酷く残酷だ。
疲弊した民たちと有能な人間が消えた城。ガタガタなアガーネスにトドメを刺すべく各国から送られる書状の内容は属国になれだの、金を出せば助けてやるだの…そんなことばかりだった。
そこに現れたのはキングオークのランツァー・フォイヤネルと我らが神…ではなく、天界族。そしてナラの父親であるカシーニ・ラクシャミーだ。
『内側は私が補ってやる。外からの外敵はカシーニが担当だ、彼は変身能力で人族に近い見た目になるから。
天界族はとっとと国に祝福を与えて実りを増やせ。暫くはウチから何でも持って行って構わないが、自立は早ければ早い方が良い』
魔族は有能だった。
なんたって彼らは睡眠も食事も摂らない。ならば無礼かもしれないが、夜の相手は…と問えばフォイヤネルは苦笑いで断る。
『ナラの意見を取り入れ、他種族間の性行為は必ず双方の同意を得て必要なら金銭や報酬を交えてやり取りをするとした。戦場でも同じだ。相手の尊厳を踏み躙るようなことは避け、どちらかがルール違反をしたら罰すること。
オークは金の使い道なんて酒か食事くらいしかなかったから不満もほぼないし、彼らへの給金も上げる予定だ』
だから必要ない、…そうオークは言う。
彼らにとってナラは、それまでの常識を覆してでも側に置いておきたい…そんな印象を与えた。彼を置いて行った自分たちと対比するようにオークたちはナラの言うことに従い、決して離れないように言い聞かせるほどの執着。
フォイヤネルとナラの父親は、どんなに忙しくても二日に一回は帰省してナラの顔を見に行ったり近況を報告しているらしい。
…儂らも、早く逢えるよう頑張らねばな。
盟約に従い儂は父から王位を受け継いだ。誰もが死んだ目をする中で再び国を立て直すのはかなり厳しい道のりだったが、オークの国からの支援が大きく一年後にはかなり改善した。
そんなある日、ダイダラが儂を呼びに来ると執務室にナラの父親がいて静かに紅茶を啜っている。
『そろそろ国も落ち着いただろ。ナラがお前たちに会いたがってるんだよ。…あのクソ魔王と番になって周りはエルフと前魔王が守って、ナラを狙う輩も少なくなったからね。
アガーネスに招待してあげてよ。同盟国の魔王とその番ってことでさ。人族の国も見たいらしくて、そわそわしてるんだ』
儂らに一番友好的なラクシャミーが言うのであれば、真実だろう。
ダイダラと顔を合わせれば今にも笑みが溢れそうな顔で儂を見ていて、ラクシャミーに了承を伝える。すぐに日程を決めると周囲にもナラたちを迎える準備を手伝ってもらう。
アガーネスは周囲を山々に囲まれた自然の砦のようでそれが長らく魔族の侵攻を防ぐのに役立ってくれた。一部の山は自然災害により枯れ始めていたが、オークの国の助力と天界族の祝福によりどんどん緑が芽吹く。
そんな緑が深く、どんどん広がって来た頃にナラと魔王がアガーネスにやってきた。
『…相変わらず物凄いな』
『ですね…。あの中にナラが…』
王宮の窓から見えた魔王軍の列。オークの兵たちが何体も並び、馬車ではなく巨大な魔獣が引く魔獣車を護衛している。キャビンから最初に出て来たのは黄色い髪をオールバックにして以前よりもかなり明るい表情になった魔王だ。
黒地に内側が赤のマントを羽織り、それが汚れるのも気にせず傅くと降りて来たもう一人に片手を伸ばす。
『あ、殿下…!』
中から現れた小さな生き物はキングオークになっても未だ幼いまま。嬉しそうに魔王の手を取ろうと階段を降りたのに浮かれていたのか足を踏み外したのを魔王が素早く抱き上げる。
幸せそうに魔王に抱かれるナラの姿に、目頭が熱くなってつい天を仰ぐ。
…なんだ、あの尊い光景は。
『良かった…。幸せそうで、本当に良かったです…』
一番最初にあの子を見つけたダイダラにとっては更にクリティカルダメージを与えたのか既にハンカチが一枚べちょべちょになっていた。
すると、キングオークの身体能力の高さか随分と離れた距離にも関わらずナラがこちらを向いた。目が合うと途端に頬を緩め満面の笑みを浮かべてこちらに手を振ると名前を呼んでいるのか忙しなく口が動いている。
『ナラぁっ!! 今行きますよー!!』
儂を置いて全速力で駆け出したダイダラは瞬く間にナラの元へ辿り着き、その身を腕に抱いた。すぐ側で般若の如き顔で睨み付ける魔王もなんのその…、ダイダラは自慢の胸筋にナラを埋めていた。
『…はぁ。まぁた窒息させそうだ…』
ガヤガヤと騒がしい場所の中心にはナラがいる。ダイダラに抱っこをされた彼が儂を見つけると笑顔で両手を伸ばす。
『ジゼ!!』
『ラ、っ…たく。昔の癖がまだ抜けん…』
ダイダラからナラを受け取って小さな身体を抱きしめると懐かしい感触に昔に戻ったような錯覚すら覚える。不思議な瞳に儂を写すナラはじっくりと顔を合わせるともう一度しっかりと抱き付いた。
『別にラックでも構わないけど? その名前だって二人から貰った大切な名前だよ』
その提案は正直、有り難かった。良いのかと魔王の顔色を窺えば別に構わないのか簡単に頷く。
『ナラがそういうなら構わねぇ。アガーネスではそう呼んでやれば良い』
許しを得て久しぶりに名前を呼べば元気に返事をしてくれるラックに目頭が熱くなる。目の前にいるはずなのに、何故かやっと…愛する子どもが帰って来たような不思議な感覚。
『ラック…、ラック』
『なぁに。ママ?』
ダイダラも感極まったようにラックにしがみ付き、子どもはそんな儂らに寄り添ってくれる。
まるであの日々が続いているような、夢のような時間。笑い声と愛おしさに溢れた数日間は何よりの宝物。それが現実だったと保証されるようで嬉しかった。
『お前らの暮らしてた家があるだろ』
再会を喜んで応接間に移動すると、魔王が徐ろに口を開く。フォイヤネルから受け取った資料を見ながらアガーネス栽培の茶葉で淹れた茶を啜る魔王はこちらには目を合わせず話を進める。
『管理者から許可を得て丸ごとオークの国にある森に移動させた。城からも割と近い立地に周囲もある程度は土地を均したから、別荘くらいにはなる。
…俺様たちが不在の間、ナラの相手をするのにそこを使え。たまには人族と留守番してる方がナラも退屈しないで済む』
家を、丸ごと…?!
空になったカップを置いた魔王は、幾つか資料を抜き取ってからラックの頭を撫でる。
『カシーニが影武者を用意してくれるとよ。何かあればすぐに使者も出すそうだ。
で? 要らねぇなら、返すまでだが?』
魔王が不敵に笑うとラックがキラキラと輝いた瞳をこちらに向ける。
…嘘だろ、あの日々を…儂らはまた過ごしても良いと言うのか? そんなの、答えは決まってる。
その答えにラックは飛び上がって喜び魔王に何度もお礼を言い、儂らも深く頭を下げた。一日中ラックと一緒に城で過ごし国も落ち着いて来たと話せば胸を撫で下ろして良かった、と呟くラックは心優しいままだ。
それから儂らはたまに魔王軍からの連絡を受けると二人でオークの城へ転移魔法で運んでもらい、ラックと共に小さな我が家へとお忍びで過ごすようになった。
『ジゼ!』
近くに湖があるそこは、前住んでいた洞窟があった場所にそっくりで二倍懐かしさが募る。
ダイダラに抱き上げられたラックが湖の光を受けてエメラルドグリーンの髪を更に際立たせる。まるで天から降りて来た遣いのような姿に惚けるが、中身はあのラックだ。
『随分とお転婆な天使だ』
『天使…? オレ、キングオークなんだけど?』
そうだ。お前は欲が深い、強欲で傲慢なオーク。
儂らとの未来も手放さなかった…欲しがりな子だ。
『ほら、家に戻るぞ。ラクシャミーからきちんと夕食を多めに摂らせるようにと言われてる。準備するぞ、ダイダラ』
『はいはい。…あ、夕食の前にお風呂を沸かさなくては…。ラック、着替え持って来ましたー?』
あるー。という声が家の奥から聞こえて来たが何処からか殺気が放たれたような気配がして儂は己の未来を憂いて叫んだ。
『待てッ!!
風呂はダメだ、絶対に殺されるから止めろ、…止めなさい!!』
夢のような時間は今、再び巡り始めた。
.
人生での山場を迎えたと思う。
魔王軍によって祖国へ送られるとすぐに終戦の報せを持ち帰り、アガーネスは歓喜に震えた。家族たちと喜びを分かち合うも現実は酷く残酷だ。
疲弊した民たちと有能な人間が消えた城。ガタガタなアガーネスにトドメを刺すべく各国から送られる書状の内容は属国になれだの、金を出せば助けてやるだの…そんなことばかりだった。
そこに現れたのはキングオークのランツァー・フォイヤネルと我らが神…ではなく、天界族。そしてナラの父親であるカシーニ・ラクシャミーだ。
『内側は私が補ってやる。外からの外敵はカシーニが担当だ、彼は変身能力で人族に近い見た目になるから。
天界族はとっとと国に祝福を与えて実りを増やせ。暫くはウチから何でも持って行って構わないが、自立は早ければ早い方が良い』
魔族は有能だった。
なんたって彼らは睡眠も食事も摂らない。ならば無礼かもしれないが、夜の相手は…と問えばフォイヤネルは苦笑いで断る。
『ナラの意見を取り入れ、他種族間の性行為は必ず双方の同意を得て必要なら金銭や報酬を交えてやり取りをするとした。戦場でも同じだ。相手の尊厳を踏み躙るようなことは避け、どちらかがルール違反をしたら罰すること。
オークは金の使い道なんて酒か食事くらいしかなかったから不満もほぼないし、彼らへの給金も上げる予定だ』
だから必要ない、…そうオークは言う。
彼らにとってナラは、それまでの常識を覆してでも側に置いておきたい…そんな印象を与えた。彼を置いて行った自分たちと対比するようにオークたちはナラの言うことに従い、決して離れないように言い聞かせるほどの執着。
フォイヤネルとナラの父親は、どんなに忙しくても二日に一回は帰省してナラの顔を見に行ったり近況を報告しているらしい。
…儂らも、早く逢えるよう頑張らねばな。
盟約に従い儂は父から王位を受け継いだ。誰もが死んだ目をする中で再び国を立て直すのはかなり厳しい道のりだったが、オークの国からの支援が大きく一年後にはかなり改善した。
そんなある日、ダイダラが儂を呼びに来ると執務室にナラの父親がいて静かに紅茶を啜っている。
『そろそろ国も落ち着いただろ。ナラがお前たちに会いたがってるんだよ。…あのクソ魔王と番になって周りはエルフと前魔王が守って、ナラを狙う輩も少なくなったからね。
アガーネスに招待してあげてよ。同盟国の魔王とその番ってことでさ。人族の国も見たいらしくて、そわそわしてるんだ』
儂らに一番友好的なラクシャミーが言うのであれば、真実だろう。
ダイダラと顔を合わせれば今にも笑みが溢れそうな顔で儂を見ていて、ラクシャミーに了承を伝える。すぐに日程を決めると周囲にもナラたちを迎える準備を手伝ってもらう。
アガーネスは周囲を山々に囲まれた自然の砦のようでそれが長らく魔族の侵攻を防ぐのに役立ってくれた。一部の山は自然災害により枯れ始めていたが、オークの国の助力と天界族の祝福によりどんどん緑が芽吹く。
そんな緑が深く、どんどん広がって来た頃にナラと魔王がアガーネスにやってきた。
『…相変わらず物凄いな』
『ですね…。あの中にナラが…』
王宮の窓から見えた魔王軍の列。オークの兵たちが何体も並び、馬車ではなく巨大な魔獣が引く魔獣車を護衛している。キャビンから最初に出て来たのは黄色い髪をオールバックにして以前よりもかなり明るい表情になった魔王だ。
黒地に内側が赤のマントを羽織り、それが汚れるのも気にせず傅くと降りて来たもう一人に片手を伸ばす。
『あ、殿下…!』
中から現れた小さな生き物はキングオークになっても未だ幼いまま。嬉しそうに魔王の手を取ろうと階段を降りたのに浮かれていたのか足を踏み外したのを魔王が素早く抱き上げる。
幸せそうに魔王に抱かれるナラの姿に、目頭が熱くなってつい天を仰ぐ。
…なんだ、あの尊い光景は。
『良かった…。幸せそうで、本当に良かったです…』
一番最初にあの子を見つけたダイダラにとっては更にクリティカルダメージを与えたのか既にハンカチが一枚べちょべちょになっていた。
すると、キングオークの身体能力の高さか随分と離れた距離にも関わらずナラがこちらを向いた。目が合うと途端に頬を緩め満面の笑みを浮かべてこちらに手を振ると名前を呼んでいるのか忙しなく口が動いている。
『ナラぁっ!! 今行きますよー!!』
儂を置いて全速力で駆け出したダイダラは瞬く間にナラの元へ辿り着き、その身を腕に抱いた。すぐ側で般若の如き顔で睨み付ける魔王もなんのその…、ダイダラは自慢の胸筋にナラを埋めていた。
『…はぁ。まぁた窒息させそうだ…』
ガヤガヤと騒がしい場所の中心にはナラがいる。ダイダラに抱っこをされた彼が儂を見つけると笑顔で両手を伸ばす。
『ジゼ!!』
『ラ、っ…たく。昔の癖がまだ抜けん…』
ダイダラからナラを受け取って小さな身体を抱きしめると懐かしい感触に昔に戻ったような錯覚すら覚える。不思議な瞳に儂を写すナラはじっくりと顔を合わせるともう一度しっかりと抱き付いた。
『別にラックでも構わないけど? その名前だって二人から貰った大切な名前だよ』
その提案は正直、有り難かった。良いのかと魔王の顔色を窺えば別に構わないのか簡単に頷く。
『ナラがそういうなら構わねぇ。アガーネスではそう呼んでやれば良い』
許しを得て久しぶりに名前を呼べば元気に返事をしてくれるラックに目頭が熱くなる。目の前にいるはずなのに、何故かやっと…愛する子どもが帰って来たような不思議な感覚。
『ラック…、ラック』
『なぁに。ママ?』
ダイダラも感極まったようにラックにしがみ付き、子どもはそんな儂らに寄り添ってくれる。
まるであの日々が続いているような、夢のような時間。笑い声と愛おしさに溢れた数日間は何よりの宝物。それが現実だったと保証されるようで嬉しかった。
『お前らの暮らしてた家があるだろ』
再会を喜んで応接間に移動すると、魔王が徐ろに口を開く。フォイヤネルから受け取った資料を見ながらアガーネス栽培の茶葉で淹れた茶を啜る魔王はこちらには目を合わせず話を進める。
『管理者から許可を得て丸ごとオークの国にある森に移動させた。城からも割と近い立地に周囲もある程度は土地を均したから、別荘くらいにはなる。
…俺様たちが不在の間、ナラの相手をするのにそこを使え。たまには人族と留守番してる方がナラも退屈しないで済む』
家を、丸ごと…?!
空になったカップを置いた魔王は、幾つか資料を抜き取ってからラックの頭を撫でる。
『カシーニが影武者を用意してくれるとよ。何かあればすぐに使者も出すそうだ。
で? 要らねぇなら、返すまでだが?』
魔王が不敵に笑うとラックがキラキラと輝いた瞳をこちらに向ける。
…嘘だろ、あの日々を…儂らはまた過ごしても良いと言うのか? そんなの、答えは決まってる。
その答えにラックは飛び上がって喜び魔王に何度もお礼を言い、儂らも深く頭を下げた。一日中ラックと一緒に城で過ごし国も落ち着いて来たと話せば胸を撫で下ろして良かった、と呟くラックは心優しいままだ。
それから儂らはたまに魔王軍からの連絡を受けると二人でオークの城へ転移魔法で運んでもらい、ラックと共に小さな我が家へとお忍びで過ごすようになった。
『ジゼ!』
近くに湖があるそこは、前住んでいた洞窟があった場所にそっくりで二倍懐かしさが募る。
ダイダラに抱き上げられたラックが湖の光を受けてエメラルドグリーンの髪を更に際立たせる。まるで天から降りて来た遣いのような姿に惚けるが、中身はあのラックだ。
『随分とお転婆な天使だ』
『天使…? オレ、キングオークなんだけど?』
そうだ。お前は欲が深い、強欲で傲慢なオーク。
儂らとの未来も手放さなかった…欲しがりな子だ。
『ほら、家に戻るぞ。ラクシャミーからきちんと夕食を多めに摂らせるようにと言われてる。準備するぞ、ダイダラ』
『はいはい。…あ、夕食の前にお風呂を沸かさなくては…。ラック、着替え持って来ましたー?』
あるー。という声が家の奥から聞こえて来たが何処からか殺気が放たれたような気配がして儂は己の未来を憂いて叫んだ。
『待てッ!!
風呂はダメだ、絶対に殺されるから止めろ、…止めなさい!!』
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