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勇者の証
ジゼの真実
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Side:ジゼルヴァ
『謝礼と、未来…?』
『そうだ。だがその前に、何かナラに言うことがあるなら今この場で言え。…何か言うことがあるんじゃないのか、人族よ』
言う、こと…。
魔王に抱き上げられたナラは心配そうにこちらを見ている。何かあったらすぐ飛び出しそうな気配に、目の前が魔族だらけにも関わらず笑いそうになった。
すっかり、立場が逆転してしまったな。
『…ナラと、呼んでも良いか?』
『っうん! 好きなように呼んで!』
嬉しい! と顔にデカデカと書いてあるような表情で本当に安心する。
この子が、キングオークであろうと…中身はまるで変わらない。
『儂も嘘を付いていた。おあいこ、というやつか。賢いお前は気付いていただろうが、儂は隣国の王子でな。
ジゼルヴァ・アガーネス。それが儂の名前だ。だから騙していたなんて気負うな。お互い様なんだ。確かに魔族は恨めしいがな…お前だけは、特別だ。
今でも愛おしく思う。…オイ待て、恋愛的な意味ではないッ! か、家族愛だ!!』
後半の台詞から何故か殺気立つ二体のキングオーク。魔王と、もう一体は比較的小型なキングオーク。即座に弁明を申し開けば二体は何事もなかったかのように顔を背ける。
な、なんだってんだ…。
『なるほど。これでこちらの連中も納得出来ただろう。そちらはナラを大切に保護してくれていた上に身の内も明かした。
魔王軍より正式にアガーネス王国への侵攻を中止。
その対価として、ラック・ラバースを魔王様へ輿入れしてもらう。…心配は要らない。以前から魔王様はナラへ猛アタックをしていて御執心でな、先程ようやく纏まったところだ』
…侵攻を、中止…?
戦争が終わる…? 何故、あんなに頼んでも受け入れられず何年も経ったのに。しかもナラが魔王に、嫁に行くということか?!
あまりの展開に理解が追いつかないが、ふと視界の端でダイダラが何かを持ち上げた。
ペンダントだ。ナラのペンダントには、未だに身分証のタグが通されている。
『適当な言い訳だ。タダで侵攻を止めたとなると、今度はどうせ人族同士で争う。全く面倒な種族だ。
だから建前が必要と考え、コレだ。ナラは人族に身分を証明された人でもある。だから人としてのナラを魔王様が気に入った…という設定だ。大丈夫か?』
魔王はこちらの話には一切興味がないようで、飽きずナラの頭を撫でたり後ろから髪を弄ったりと好き放題。一方のナラは一緒にこの言い訳を考えたのか少し誇らし気に見える。
…あの子が、魔王に取り入ってくれたのか…。
『何故今更…お前たちは、それで良いのか…?』
『お前は何か根本的な間違いをしているな。
我々にとって侵攻を止めることは不利益になんてならない。そちらが仕掛けた戦だからと暇潰し程度に、時間を掛けて滅ぼしていたに違いない。
それをナラが嫌がった。…どうやら我が軍の王様は、最愛のキングオークの嫌がることはしないと約束をしてしまったらしい。魔王が止めると言えば止めるんだ。別に誰も不満なんてない。
お前たちを滅ぼすのは、カンタンだしツマラナイ』
『ランツァー!!』
無表情のまま淡々と話す魔族の名を呼び、無言のまま非難の眼差しを向けるのは勿論ナラだった。後ろに背後霊の如く佇む魔王も同調するように首を左右に振る。
『失礼した。
だが、昔のこととは言え、仕掛けて来たのはそちら。二度と無意味なことをしないように。我々の実力は既に伝わっているな?』
そのキングオークの含みのある言い方に、あることを思い出す。魔王といえば勇者…。
まさか、勇者を殺したのも…。
口に出して問いただそうとしたが目の前のキングオークから放たれた僅かな殺気にふと視線を移す。いつの間にか他のキングオークたちに囲まれたナラは久しぶりの再会を楽しんでいるようだった。
…水を差すな、ということか。
『約束しよう。二度と魔王軍に…魔族に戦など仕掛けないと』
『理解が早くて助かるな。因みに魔王軍以外は別に向かって来たら潰して構わない。早いところ和平なり同盟なり話を進めたいが、急過ぎるとそちらの国も複雑だろう』
『同盟…? 何故そんな、それでは対等な関係になるのでは…』
戦争が終わるどころか国のバックに魔王軍がいるということになってしまう。キングオークはその後もオークは貸せないが、食料や回復薬…更には衣服などあらゆるものを支援すると言う。
『こちらもアガーネスに早く復興してもらいたい理由がある。ナラは人族を気に入っているから、交流の場を設けてやりたい。
よく知る奴が統治する国なら安全だろう? こちらからの最後の要求はジゼルヴァ・アガーネスの王位継承だ。とっととナラが遊びに行くのに相応しい国にしてくれ』
何処からか取り出した書類にサラサラと記述を済ませ、儂に寄越すキングオーク。今回のナラを嫁に寄越せという内容や侵攻の中止を宣言し、速やかに軍を退くこと…要望があれば物資の輸送など必要なことが全て記された重要な書類だった。
今まで滅ぼそうとしていたくせに、今度は豊かにしろなど…なんて横暴なのか。だが、それを夢見て何年も経った。
やっと、儂らの戦争は終わりを迎えた。
『…ねぇ。ナラに母と呼ばれていたのはどっち?』
複雑な心境のまま書類を抱えていれば、今まで話していたキングオークと入れ替わるように小型のキングオークが声を掛けて来た。儂とマキヤがダイダラを見れば、それだけで伝わったようで両者が向かい合う。
小型なキングオークは、オークでありながらダイダラ…否、三人の中で市一番背が低い儂よりも小さかった。
『そう、お前か。
礼を言うよ。ボクちゃんの名はカシーニ・ラクシャミー。あの子の父だ。特殊な産まれだから母はいないんだけど、まさかこんな大男に母性を感じるとはねぇ…、大切にしてくれてたみたいだから良いんだけどさ』
『お父上でしたか…。いえ、知らなかったとはいえ御子息に対して大変失礼を…』
『良いって。まだ少ししか聞いてないけど、楽しかったって…見たこともないくらい嬉しそうな顔で話すんだ。そこに関しては、感謝してる。
キングオークとはいえ…あの子はまだ見た目通り子どもでね。これからも仲良くしてあげてよ、きっとその方が…あの子には良かったんだもんね』
手を伸ばすキングオーク、カシーニ・ラクシャミーにダイダラが少し焦りつつもぎこちなく握手を交わす。そのすぐ後に儂にも手を伸ばされ、恐縮しつつそれを握った。
小さな身体とは似ても似つかない握力に、度肝を抜かれる。
『ははっ、良い気味! ボクちゃんは普通に強いよ。裏切ったら寝首掻くのボクちゃんだから、忘れないでよね?』
軽やかな足取りで戻るカシーニ・ラクシャミーを見送っていたらまたまた入れ替わるようにナラが走って来た。父親と元気にハイタッチをしてから元気よく突っ込んできたナラをダイダラがいつものように受け止め、抱きしめる。
『そんなことしないもんね!
だってダイダラは裸になってナラのことずっとあっためてくれたこともあるし、ジゼと三人でお風呂に入ったこともあるもんね~っ』
ねーっ、と無邪気な顔で同意を求めてくるナラ。しかし後ろの連中にその無邪気さは多分通用しない。とんでもない魔力を放ち、とてもナラには見せられないような顔をした魔王が背後に超巨大な双剣を出現させて剣先を真っ直ぐこちらに向けた。
『まぁ、お風呂はダイダラとはほぼ毎日だったっけ』
節水の為…、というナラが放った重要な単語を魔王がスルーしたのを確認するとナラを抱えて一目散に逃げ出した。
『待ちやがれクソ人族がァッ!!!』
これ本当に終戦したのか?!?
.
『謝礼と、未来…?』
『そうだ。だがその前に、何かナラに言うことがあるなら今この場で言え。…何か言うことがあるんじゃないのか、人族よ』
言う、こと…。
魔王に抱き上げられたナラは心配そうにこちらを見ている。何かあったらすぐ飛び出しそうな気配に、目の前が魔族だらけにも関わらず笑いそうになった。
すっかり、立場が逆転してしまったな。
『…ナラと、呼んでも良いか?』
『っうん! 好きなように呼んで!』
嬉しい! と顔にデカデカと書いてあるような表情で本当に安心する。
この子が、キングオークであろうと…中身はまるで変わらない。
『儂も嘘を付いていた。おあいこ、というやつか。賢いお前は気付いていただろうが、儂は隣国の王子でな。
ジゼルヴァ・アガーネス。それが儂の名前だ。だから騙していたなんて気負うな。お互い様なんだ。確かに魔族は恨めしいがな…お前だけは、特別だ。
今でも愛おしく思う。…オイ待て、恋愛的な意味ではないッ! か、家族愛だ!!』
後半の台詞から何故か殺気立つ二体のキングオーク。魔王と、もう一体は比較的小型なキングオーク。即座に弁明を申し開けば二体は何事もなかったかのように顔を背ける。
な、なんだってんだ…。
『なるほど。これでこちらの連中も納得出来ただろう。そちらはナラを大切に保護してくれていた上に身の内も明かした。
魔王軍より正式にアガーネス王国への侵攻を中止。
その対価として、ラック・ラバースを魔王様へ輿入れしてもらう。…心配は要らない。以前から魔王様はナラへ猛アタックをしていて御執心でな、先程ようやく纏まったところだ』
…侵攻を、中止…?
戦争が終わる…? 何故、あんなに頼んでも受け入れられず何年も経ったのに。しかもナラが魔王に、嫁に行くということか?!
あまりの展開に理解が追いつかないが、ふと視界の端でダイダラが何かを持ち上げた。
ペンダントだ。ナラのペンダントには、未だに身分証のタグが通されている。
『適当な言い訳だ。タダで侵攻を止めたとなると、今度はどうせ人族同士で争う。全く面倒な種族だ。
だから建前が必要と考え、コレだ。ナラは人族に身分を証明された人でもある。だから人としてのナラを魔王様が気に入った…という設定だ。大丈夫か?』
魔王はこちらの話には一切興味がないようで、飽きずナラの頭を撫でたり後ろから髪を弄ったりと好き放題。一方のナラは一緒にこの言い訳を考えたのか少し誇らし気に見える。
…あの子が、魔王に取り入ってくれたのか…。
『何故今更…お前たちは、それで良いのか…?』
『お前は何か根本的な間違いをしているな。
我々にとって侵攻を止めることは不利益になんてならない。そちらが仕掛けた戦だからと暇潰し程度に、時間を掛けて滅ぼしていたに違いない。
それをナラが嫌がった。…どうやら我が軍の王様は、最愛のキングオークの嫌がることはしないと約束をしてしまったらしい。魔王が止めると言えば止めるんだ。別に誰も不満なんてない。
お前たちを滅ぼすのは、カンタンだしツマラナイ』
『ランツァー!!』
無表情のまま淡々と話す魔族の名を呼び、無言のまま非難の眼差しを向けるのは勿論ナラだった。後ろに背後霊の如く佇む魔王も同調するように首を左右に振る。
『失礼した。
だが、昔のこととは言え、仕掛けて来たのはそちら。二度と無意味なことをしないように。我々の実力は既に伝わっているな?』
そのキングオークの含みのある言い方に、あることを思い出す。魔王といえば勇者…。
まさか、勇者を殺したのも…。
口に出して問いただそうとしたが目の前のキングオークから放たれた僅かな殺気にふと視線を移す。いつの間にか他のキングオークたちに囲まれたナラは久しぶりの再会を楽しんでいるようだった。
…水を差すな、ということか。
『約束しよう。二度と魔王軍に…魔族に戦など仕掛けないと』
『理解が早くて助かるな。因みに魔王軍以外は別に向かって来たら潰して構わない。早いところ和平なり同盟なり話を進めたいが、急過ぎるとそちらの国も複雑だろう』
『同盟…? 何故そんな、それでは対等な関係になるのでは…』
戦争が終わるどころか国のバックに魔王軍がいるということになってしまう。キングオークはその後もオークは貸せないが、食料や回復薬…更には衣服などあらゆるものを支援すると言う。
『こちらもアガーネスに早く復興してもらいたい理由がある。ナラは人族を気に入っているから、交流の場を設けてやりたい。
よく知る奴が統治する国なら安全だろう? こちらからの最後の要求はジゼルヴァ・アガーネスの王位継承だ。とっととナラが遊びに行くのに相応しい国にしてくれ』
何処からか取り出した書類にサラサラと記述を済ませ、儂に寄越すキングオーク。今回のナラを嫁に寄越せという内容や侵攻の中止を宣言し、速やかに軍を退くこと…要望があれば物資の輸送など必要なことが全て記された重要な書類だった。
今まで滅ぼそうとしていたくせに、今度は豊かにしろなど…なんて横暴なのか。だが、それを夢見て何年も経った。
やっと、儂らの戦争は終わりを迎えた。
『…ねぇ。ナラに母と呼ばれていたのはどっち?』
複雑な心境のまま書類を抱えていれば、今まで話していたキングオークと入れ替わるように小型のキングオークが声を掛けて来た。儂とマキヤがダイダラを見れば、それだけで伝わったようで両者が向かい合う。
小型なキングオークは、オークでありながらダイダラ…否、三人の中で市一番背が低い儂よりも小さかった。
『そう、お前か。
礼を言うよ。ボクちゃんの名はカシーニ・ラクシャミー。あの子の父だ。特殊な産まれだから母はいないんだけど、まさかこんな大男に母性を感じるとはねぇ…、大切にしてくれてたみたいだから良いんだけどさ』
『お父上でしたか…。いえ、知らなかったとはいえ御子息に対して大変失礼を…』
『良いって。まだ少ししか聞いてないけど、楽しかったって…見たこともないくらい嬉しそうな顔で話すんだ。そこに関しては、感謝してる。
キングオークとはいえ…あの子はまだ見た目通り子どもでね。これからも仲良くしてあげてよ、きっとその方が…あの子には良かったんだもんね』
手を伸ばすキングオーク、カシーニ・ラクシャミーにダイダラが少し焦りつつもぎこちなく握手を交わす。そのすぐ後に儂にも手を伸ばされ、恐縮しつつそれを握った。
小さな身体とは似ても似つかない握力に、度肝を抜かれる。
『ははっ、良い気味! ボクちゃんは普通に強いよ。裏切ったら寝首掻くのボクちゃんだから、忘れないでよね?』
軽やかな足取りで戻るカシーニ・ラクシャミーを見送っていたらまたまた入れ替わるようにナラが走って来た。父親と元気にハイタッチをしてから元気よく突っ込んできたナラをダイダラがいつものように受け止め、抱きしめる。
『そんなことしないもんね!
だってダイダラは裸になってナラのことずっとあっためてくれたこともあるし、ジゼと三人でお風呂に入ったこともあるもんね~っ』
ねーっ、と無邪気な顔で同意を求めてくるナラ。しかし後ろの連中にその無邪気さは多分通用しない。とんでもない魔力を放ち、とてもナラには見せられないような顔をした魔王が背後に超巨大な双剣を出現させて剣先を真っ直ぐこちらに向けた。
『まぁ、お風呂はダイダラとはほぼ毎日だったっけ』
節水の為…、というナラが放った重要な単語を魔王がスルーしたのを確認するとナラを抱えて一目散に逃げ出した。
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