上 下
7 / 51
第十一王子と、その守護者

月の団長と、白い生き残り

しおりを挟む
『……私に、ですか?』


 ある日突然投げ渡された、これまた真っ黒な衣装。まだ貰った服は一度も破いたり汚したりしていないし、広げてみればいつものとは違うものとわかる。


 まさか!? ここ最近の秘密のトレーニングによりオレの強さ的なやつが上がり……衣装まで変われるのか!!


『それは正装だ』


『あ、なるほど正装……正装?』


 違ったわ。


『公式な場でその服はない。よって、今渡したそれは僕が王族として正式な式典などに参加する際にお前が着る正装だ。

 今着ているそれは普段着。だから今すぐそれに着替えろ』


『……あの、殿下。正装を着るというのはつまり』


『予定が変わった。

 今すぐ身支度を整えて出発する。喜べ、予定より早くお前はその服に袖を通せる』


 見れば確かに王子の服はいつものギンギラギンな服よりも黒が多い。靴が厚底なのでいつもと目線が違って新鮮だ。今は細工が凝った難しそうな黒い手袋をしている。


 因みにオレは小学生の下級生と言っても納得されるほど小さいが、十五歳の王子は厚底なしでも身長は百六十後半はある。


 待ってろよ……三年後にはオレだって!!


『早く着替えろ、鈍間のろまが』


『……あの、殿下。非常に申し訳ないのですが……この服、複雑で着方がっ』


 なんでノースリーブなのにアームカバーついてんの? ここについてるリボンとか何? ボタン付きすぎ、どこにどう付けるんだ!!


『で、殿下~っ』


『……はぁ。良い、早くこちらに来い』


 両手に抱えた服を持って王子の元へ駆け寄る。着ていた服を脱いではそこらにポンポン投げ捨てて正装を身に付けた。手際良く整えられ、ズボンを穿く際には軽く視線を逸らされた。


 この王子にも気遣いとか出来るのか!


 感動しつつ、取り敢えず新しいズボンを穿くだけ穿いてみたが何故か調整のためにあるのがいつものようなボタンではなく大きなリボンだった。はて? と首を傾げていれば王子にそれを奪われ背後に回って丁寧にそれが結ばれた。


 え? あのリボン結構デカかったぞ……。


『ほら、腕を上げろ』


『ええ?! 手袋も取るのですか?』


 やだー。オレこのカッコイイ手袋お気に入りー。


『その手袋では服に合わぬ。今日はこちらをして行くのだ』


 ぶーぶー文句を言っても手は止まらず、更には髪にまで黒いリボンが付けられた。長くレースの綺麗なそれの先には鈴のようなものが付けられているが、待っている間ずっと揺らしていたけど音が鳴らなかった。


 どうして? こっちの世界でも、こういうのはチリチリ音が鳴るやつが多いのに。


『それは持ち主の魔力によって音が鳴る。と言っても戦闘の際に邪魔になったりはせぬ。

 ……お前の魔力と、一応僕の魔力を覚えさせたからな、僕もどんな音かは知らぬぞ』


 そして着替えは無事に終わった。頭の先から爪先までオレは真っ黒けだ。たまに金色や青が混じっているがほぼ黒。


 ま。別に服装とか何でも良いけど。でもなんというか……カッコイイというか、可愛いというか。ぶっちゃけ、可愛らしい寄りだ。


『私の様な年齢だから、このような服装なのですか? あまり服装には関心がなく勿論このような服は初めて着るのですが……似合うでしょうか』


 カッコイイ? 似合う? どう? どうよ!


『似合うに決まっているだろ』


 バカめ。と一言言い残して王子は部屋を出てしまった。


 チリン、と小さな鈴が鳴る音。両手に掴んでいた鈴を放して少し熱を持った頬に触れる。きっと真っ赤になってしまったであろう顔を叩いて急いで王子を追って部屋を出た。


 ……なんだよ……、調子狂うなぁもう。


『あ。酷いです殿下!! 普段は離れるだけで殿下が怒るのに、置いて行かないで下さい!』


『喧しい。さっさと僕の後ろにつけ、愚か者』


 

 そして現在、オレたちは竜車に運ばれている。あの時の地竜たちがオレに気付いて盛大に戯れたものだから再び王子に怒られた。


 解せねー。


『偶には外で騒いでいろ、お前が中にいると僕がゆっくり休めない』


 なんでやねん。しかし異議申し立てはしない。何故だって……決まっている。オレはお外が大好きだからだ!


 竜車を出て日輪の下を駆ける。今日一緒に護衛をしてくれているのは何を隠そう前回の生き残りと、あの日の輪騎士団と長年張り合うほどの実力者集団でもある超強者揃いの団。

 名を、月の宴つきのえ騎士団。古くから王家に忠誠を誓う厳格を重んじるお堅いところだ。


『タタラ様』


 そう。だからオレとは相性が悪いはずだ、下民な上に孤児院を抜け出してスラムで生きてきたような人間とは相容れない。


 ……はず、なんだが……。


 振り向けば奴がいる。御伽噺おとぎばなしから出てきて、動いて息してるような信じられない美丈夫。しかし顔立ちは正直悪寄りというか、貼り付けた様な笑顔に常に弧を描いた口。コイツが真の悪役です、と言われればなるほど確かにと頷くかもしれない。


 日輪に照らされても負けることなく輝く銀の髪に翡翠のような美しい瞳を持った彼こそ、月の宴騎士団団長 トワイシー・ペンタ・ロロクロウム。


『ロロクロウム騎士団長……』


『どうか私のことはトワイシーと。ハルジオン殿下の直属であられるタタラ様の方が立場は上ですよ』


 立場は上でも、呼べるわきゃねーよ。


 ロロクロウムと言えば昔むかーしを辿れば王族の血筋ですらあった由緒正しき家柄だ。今ではその血は薄れてしまったが、その権威と立場は未だ揺るがずロロクロウムの人間は誰も彼もが優秀で強か。いつかロロクロウムが王位に……なんて密かに噂されるほど。


『全体の士気を落とすわけにはいきませんから……、私は殿下の直属と言ってもその身をお守りするだけでこれだけの騎士たちを統率したりも出来ません。

 でも、その……口に馴染むので、騎士団長殿がお許しになられるのであればトワイシー殿と、お呼びしたいです』


 波風立てないで!! オレの初めての公式なデビューなんだぞ!


『……ご謙遜を。しかし、ふふっ……可愛らしい守護魔導師様にそう言われてはどうにも上手く丸め込まれたくなります。

 目的地の魔導師学園はすぐです。あまり竜車を離れぬ様、ご注意を』


 出発の挨拶から魔楼道を通り、遠く離れた魔導師学園に至るまでの時間はそこまでかからなかった。何故なら城から魔導師学園までは王族が何人か通っているためこうして滞りなく進んでいるのだ。


 今回の急な出立は魔導師学園のある特別授業の参加のため。何せ我らがハルジオン王子は来年からその学園へ通う。同じく王族である数人の兄姉が特別授業を行うため一応見学と、ある儀式のために向かっている、ということ。道中の道でトワイシー殿から聞いた。


 だからって昨日の夜に急に決めんなよ……、今日のおやつはフルーツたっぷりケーキって料理長が言ってたのになぁ。


『どうしました? 些か元気がないご様子……僭越ながら私がおぶって』


『やめて!! ……違う! お止め下さい、私は正常です!』


 ひょっこりと横から現れた巨体から逃れるように地竜たちの元へと駆け寄る。歩く速度を緩めることなく地竜によって首元を咥えられると、背中に放り投げられた。ギャーギャーと嬉しそうに鳴く地竜にヒシリ、と掴まって巨体を睨み付けた。


 真っ白な筋肉ゴリラを。


『おや、地竜に先を越されてしまうとは。しかし地竜が人間の……それも子どもが背に触れることを許すとは、流石守護魔導師たるタタラ様だ。

 先日の一件で、彼らとの絆をこうも簡単に結んでしまうとは』


 ニコニコ笑う真っ白ゴリラ。


 正確には、ノルエフリン・ポーディガー。前回のあの討伐組でナルバサラさんと共に生き残った騎士。そして気を失ったオレの側でずっと面倒を見てくれていたという……恩人でもある。


 しかし、オレはどうにもこの人が苦手だ。


『命の恩人であるタタラ様に我が背中に乗っていただきたかったのですが、また次の楽しみということに致しましょう』


『……変態か』


 銀色のニコニコいじわる悪魔に、真っ白変態ゴリラ……なんだここは地獄なのか?

 
 身の危険を感じる。地竜の背から糸を出し、竜車の入り口へと飛ばす。上手く入り口の突っ張りにくっ付いた糸を手繰り、一気にその場から離脱した。地面に一度だけ足を付けてすぐに扉を開いて中へと転がるように逃げ込む。


『なんだ。随分早い帰還だな』


 本を広げていた王子が顔を上げて不思議そうに問いかける姿に、こんなにも安心感を覚える日が来るとは思わなかった。


『殿下……、早く大きくなりたいです……』


『は? 

 ……まさかとは思うが僕の守護魔導師たるお前を侮辱するような不届き者がいたのではあるまいな?』


 車内が凍る様に。全ての音が遠く意識の向こうへ消えるようだ。凡そ子どもが浮かべてはいけない、冷たい瞳を細めては足を組み替える。


 の異名持ち。


 全ての王子、王女にはの字が含まれた言葉が王から贈られる。といった言葉がある中でハルジオン王子が贈られたのは……、その言葉だったらしい。


『月の宴も、生き残りも……浮かれ切った頭を斬り伏せれば少しは残る騎士団もまともになるか? どいつもこいつも……不愉快極まりない』


 オレはいつも、この王子に中々の暴言を吐かれている。だけど気にしたことはない。だって口ばっかりでオレがどんなにはしゃいだり、騒いだりしても決して罰せられることはなかったんだ。一度だけ本気で怒らせてみようかとバカなことを思って、部屋でダラダラしている時に王子の手を取って手相を見たことがある……自分でもマジでバカだと思う。


 だけど、王子は王族の手を勝手に触られたにも関わらず何も言わずそのままデカい図鑑を眺めたままで声すら上げなかった。一瞬だけオレを驚いたように見つめたものの、特に何もしない姿に興味を失ったように視線は逸らされた。


『今すぐ城に戻り、断頭台に並べてやる』


 ただし……他人に対するそれだけは、違う。


『どうした? 首を残すのも嫌か? ならば魔獣にでも喰わせるか……』


 他人に対する発言だけは、有言実行だ。


『……殿下、違うのです』


 少しだけ、勘違いしてしまう。隣にいればいるほど。言葉を交わせば交わすほど。このどうしようもない最悪な王子に心を許されているような気がして、オレは烏滸がましくも舞い上がってしまいそうで。


『地竜が……地竜が首根っこを掴んで私を背に乗せるんです!! 背中に人間が乗ることは稀です、しかし! 首を咥えて背に乗せるのは、親が子どもにする行為です!

 完全に地竜に我が子認定をされてます!! 酷いです、絶対すぐに大きくなってやります!』


『……っ、くく……あっははははは! お前は本当にバカな奴だ! ふっ、くくっ』


 幸せ、だなんて。


 オレは幸せだなんて思っても良いのだろうか。最悪とされながらも側に居させてくれるこの人を騙して、嘘を吐き続けるようなオレは。


 いつか……立派に護り切ることが出来たのなら、許されるかな。


『ほら、こっちに来い。背中のリボンが解けかけている。お前が動き回り過ぎないよう月の宴を付けたが、意味はなかったな。

 身長の件は諦めろ。……例えお前の成長が止まっていようが、魔導師としての腕は確かだ。背の高さや年齢など関係ない。魔導師の強さは持っている魔力と、その中にある覚悟……そういうことだからな』


『魔力と、覚悟……?』
 

『我ら王族は、訳あって魔力があろうが魔法を滅多に使えぬ。だからこそ守護者に護らせるのだ。

 言ったであろう、お前は僕の唯一の盾であり剣なのだ。……例え千の魔導師を、万の騎士を失っても、お前だけは僕の隣にいろ』


 王子の顔を見たかったのに、リボンを結んでもらうために後ろを向いたせいで叶わなかった。


 オレが裏切るとか思わないのかな? だってこういうのは普通、幼い頃から付き従う信頼できる者とかに任せるんじゃないか?


『ですが殿下、私は下民の……』


『着いたな。

 今回の催しはあまり好まぬ。側にいて、精々僕を飽きさせるなよ』


 いつの間にか止まっていた竜車から一人出て行く王子の背中を見て、オレも慌てて追い掛ける。外には王子の不穏な気配を感じ取っていたのか全員が地面に膝を付けたまま一切物音を立てない。


 騎士なら気付いちゃうよなぁ……。


『あまり僕の物で巫山戯た真似をするな。城門に侮辱罪で吊るされたくなければ、精々弁えた態度で言葉を交わせ。

 団長だろうが団員全員だろうが余さず刑に処す。自分たちだけの命で事が収まるのだ、光栄に思え』


 月の宴騎士団団長のすぐ傍らでそう吐き捨てた王子は、誰の起立も認めることなく魔導師学園の門を潜った。自分たちが責められているわけでもないのに門番たちまで地に膝を付け、一切顔を上げない。


 オレのご主人様だけだよな、こんなに厳しいの。まさか王族ってみんなこうなのか?


『タタラ』


『殿下っ』


 待って待ってと言うように王子の後ろに付けば、よしと頷き敷地内へと足を運ぶ。顔面蒼白の案内役らしき職員に先導されて魔導師学園へと入るが、騎士団はここまでのようで誰もついて来ない。


 まるで城のような黒の建物。周りの空気がもう少し暗ければ魔王の居城ではないのかと勘違いしそうなくらいだ。


『ここが……魔導師学園リベラベンジ……』





 
 


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】雨を待つ隠れ家

エウラ
BL
VRMMO 『Free Fantasy online』通称FFOのログイン中に、異世界召喚された桜庭六花。しかし、それはその異世界では禁忌魔法で欠陥もあり、魂だけが召喚された為、見かねた異世界の神が急遽アバターをかたどった身体を創って魂を容れたが、馴染む前に召喚陣に転移してしまう。 結果、隷属の首輪で奴隷として生きることになり・・・。 主人公の待遇はかなり酷いです。(身体的にも精神的にも辛い) 後に救い出され、溺愛されてハッピーエンド予定。 設定が仕事しませんでした。全員キャラが暴走。ノリと勢いで書いてるので、それでもよかったら読んで下さい。 番外編を追加していましたが、長くなって収拾つかなくなりそうなのでこちらは完結にします。 読んでくださってありがとう御座いました。 別タイトルで番外編を書く予定です。

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

【完結】だから俺は主人公じゃない!

美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。 しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!? でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。 そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。 主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱! だから、…俺は主人公じゃないんだってば!

【完】悪女と呼ばれた悪役令息〜身代わりの花嫁〜

BL
公爵家の長女、アイリス 国で一番と言われる第一王子の妻で、周りからは“悪女”と呼ばれている それが「私」……いや、 それが今の「僕」 僕は10年前の事故で行方不明になった姉の代わりに、愛する人の元へ嫁ぐ 前世にプレイしていた乙女ゲームの世界のバグになった僕は、僕の2回目の人生を狂わせた実父である公爵へと復讐を決意する 復讐を遂げるまではなんとか男である事を隠して生き延び、そして、僕の死刑の時には公爵を道連れにする そう思った矢先に、夫の弟である第二王子に正体がバレてしまい……⁉︎ 切なく甘い新感覚転生BL! 下記の内容を含みます ・差別表現 ・嘔吐 ・座薬 ・R-18❇︎ 130話少し前のエリーサイド小説も投稿しています。(百合) 《イラスト》黒咲留時(@kurosaki_writer) ※流血表現、死ネタを含みます ※誤字脱字は教えて頂けると嬉しいです ※感想なども頂けると跳んで喜びます! ※恋愛描写は少なめですが、終盤に詰め込む予定です ※若干の百合要素を含みます

【完結】《BL》拗らせ貴公子はついに愛を買いました!

白雨 音
BL
ウイル・ダウェル伯爵子息は、十二歳の時に事故に遭い、足を引き摺る様になった。 それと共に、前世を思い出し、自分がゲイであり、隠して生きてきた事を知る。 転生してもやはり同性が好きで、好みも変わっていなかった。 令息たちに揶揄われた際、庇ってくれたオースティンに一目惚れしてしまう。 以降、何とか彼とお近付きになりたいウイルだったが、前世からのトラウマで積極的になれなかった。 時は流れ、祖父の遺産で悠々自適に暮らしていたウイルの元に、 オースティンが金策に奔走しているという話が聞こえてきた。 ウイルは取引を持ち掛ける事に。それは、援助と引き換えに、オースティンを自分の使用人にする事だった___  異世界転生:恋愛:BL(両視点あり) 全17話+エピローグ 《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

噂の冷血公爵様は感情が全て顔に出るタイプでした。

春色悠
BL
多くの実力者を輩出したと云われる名門校【カナド学園】。  新入生としてその門を潜ったダンツ辺境伯家次男、ユーリスは転生者だった。  ___まあ、残っている記憶など塵にも等しい程だったが。  ユーリスは兄と姉がいる為後継者として期待されていなかったが、二度目の人生の本人は冒険者にでもなろうかと気軽に考えていた。  しかし、ユーリスの運命は『冷血公爵』と名高いデンベル・フランネルとの出会いで全く思ってもいなかった方へと進みだす。  常に冷静沈着、実の父すら自身が公爵になる為に追い出したという冷酷非道、常に無表情で何を考えているのやらわからないデンベル___ 「いやいやいやいや、全部顔に出てるんですけど…!!?」  ユーリスは思い出す。この世界は表情から全く感情を読み取ってくれないことを。いくら苦々しい表情をしていても誰も気づかなかったことを。  寡黙なだけで表情に全て感情の出ているデンベルは怖がられる度にこちらが悲しくなるほど落ち込み、ユーリスはついつい話しかけに行くことになる。  髪の毛の美しさで美醜が決まるというちょっと不思議な美醜観が加わる感情表現の複雑な世界で少し勘違いされながらの二人の行く末は!?    

【完結】薄幸文官志望は嘘をつく

七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。 忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。 学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。 しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー… 認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。 全17話 2/28 番外編を更新しました

最愛を亡くした男は今度こそその手を離さない

竜鳴躍
BL
愛した人がいた。自分の寿命を分け与えても、彼を庇って右目と右腕を失うことになっても。見返りはなくても。親友という立ち位置を失うことを恐れ、一線を越えることができなかった。そのうちに彼は若くして儚くなり、ただ虚しく過ごしているとき。彼の妹の子として、彼は生まれ変わった。今度こそ、彼を離さない。 <関連作> https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/745514318 https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/186571339 R18にはなりませんでした…! 短編に直しました。

処理中です...