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鉄の壁の章
改築 其の四
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「ほら! 水路を作るんでしょ! 早く行こうよ!」
とリリは勢い良く俺の手を取る。
さっき何故かリリから告白されてしまった。
告白っていうか将来はお嫁さんになるーといった感じの子供がよく言うやつだな。
俺も歳の離れた従妹に言われたことがある。
歳上に憧れでも持っているのだろう。
なので適当に返事をしておいた。
「ねえライト。子供は何人欲しい?」
「えぇ……?」
なんかリアルな話をしてきたんだが。
これは真面目に答えたほうがいいのだろうか?
リリとの将来を話していると湖の前に到着。
「話は後でな。ほら、水路を作らなくっちゃ」
「はーい! 手伝うから今日中にお風呂に入ろうね!」
水路自体は壁を作ればすぐに終わるからな。
問題は水路を作る場合、地面に埋まっていることだ。
土を取り除かなければならない。
これは人力でやるしかないからな。
「ライト! これを使えばすぐに終わるよ!」
リリが何やら差し出してくる。
おぉ、いつの間に作ったのやら。
これは鍬だ。しかも先端は金属……っていうかダマスカス鋼の刃がついてるな。
俺に鍬を手渡した後、リリは用事があると走り去っていった。
手伝うんじゃなかったのかよ。
まぁいいさ。力仕事は俺にしか出来ないからな。
まずは水路作りだな。
湖から自宅まで壁を発動し水路を繋げる。
壁は石で出来ておりかなり頑丈なものとなっている。
手入れは最小限でいいだろうな。
さてと、これからが大変なんだ。
水路の中にはみっちりと土が入っている。
こいつを退かさないとな。
――ブンッ! ザクッ!
鍬を振り上げ土に突き立てる!
おお、さすがはダマスカス鋼だ。ほとんど抵抗を感じずに土に刃が刺さるよ。
っていうかダマスカス鋼をこんなことに使っていいのだろうか?
あまり詳しくはないが、地球では製法が分からない伝説の金属なんだよな。
それをリリはその作り方を知っている。
本当に何者なんだろうか? 天才キッズという括りとは違う気がする。
そんなことを考え作業を続けていると……。
「グルル。私は暇ではないのだぞ」
「いいじゃーん。特別にダマスカス鋼の銛を作ってあげるからさー」
なんとリリはデュパを連れてきた。
手伝わせる気だな?
「なにやら連れてこられてしまった。リリよ、今の約束を忘れるでないぞ」
「うふふ、ありがとね」
蜥蜴のおっさんと一緒に水路を掘ることになった。
道具がいいのとデュパも何気にステータスが高いのでみるみる内に水路が完成していく。
最後に仕切りを外すと水路からは湖からの水が流れ始める。
少し放っておけば残った土を水が洗い流してくれるだろう。
そのまま既存の排水路に新たに作ったものを繋げれば完成だ。
「グルル、これで終わりだな?」
「うん! 今度銛を作って持ってくから! デュパさん、ありがとね!」
デュパは喉を鳴らして帰っていった。
思わぬ助けもあり予定してたより早く完成したな。
これで今日の仕事はおしまいだ。
特にやることもないので新しい家に戻ることにした。
「ねえライト、せっかくだしお風呂を試してみない?」
「一緒には入らんぞ」
最初に断っておいた。
リリはおませさんなので一緒に入るとアレを擦り付けてくる可能性がある。
「いいじゃん、減るもんじゃないでしょー?」
「それ男が言う台詞な。とにかく駄目なの!」
ブー垂れるリリを連れて自宅に戻る。
家に繋がる水路は順調に流れ残った土を完全に洗い流してくれていた。
ふむ、これなら今日から風呂を楽しめそうだな。
どれ、リディア達が帰ってくる前に風呂を沸かしておくか。
ついでに俺も入り心地を確かめてみよう。
「今から風呂を沸かすけど、リリも先に入るか?」
「入るー」
楽しみにしてたもんな。
一番風呂はリリに譲るとしよう。
水路の仕切りを開くと水が勢い良く湯船にたまっていく。
ちょうどいい水位になったところで俺はいつものように摩擦熱を利用してお湯を沸かしていく。
一日の仕事に村民のために風呂を沸かす仕事がある村長って俺ぐらいだろうな。
村には大きな露天風呂が四つあり、村民達の憩いの場となっている。
俺もあの解放感が好きなのだが、家風呂も出来たことだし。
これからは自宅で風呂を楽しむとしよう。
しばらくすると湯船からもうもうも湯気が上がってくる。
手を入れると、ちょうど良い温度になっていた。
「リリー、もういいぞー」
「はーい」
リリが脱衣場に入ってきた。
さぁ、ゆっくり楽しんでくれよ。
「ねぇ、良かったら一緒に……」
「入らんぞ」
俺は脱衣場の扉をしめ、一人リビングに向かう。
全く何を考えているのやら。こんなおっさんと風呂に入っても面白くないぞ。
リリが俺に好意を抱いているのは子供特有の大人への憧れからだろう。
後数年もすれば恥ずかしい思い出に変わるだけだ。
さてと、リリが風呂に入っている間に仕事でもするかな。
まだ家具の配置とか考えないといけないのだ。
ソファーの位置を直したり、テーブルの場所を決めていると脱衣場から扉が開く音がする。
もう出たのか。意外と早かったな。
リリはタオルで頭を拭きながら俺のもとに。
とてもいい笑顔なので気持ち良かったということだろう。
「ふふ、すごく気持ち良かったよ。ライトも入ってきたら?」
「だな。それじゃお言葉に甘えるとするか」
リリとバトンタッチで風呂に向かう。
さっと服を脱いで……ってあれ? なんか見慣れない道具があるぞ。
木箱が湯船の中に沈んでありそれにはレバーが付いている。
そして木箱からはホースのようなものが伸びており、壁かけにはシャワーベッドのようなものが。
っていうかシャワーだぞ、これ。
なるほど、構造は理解した。
多分レバーを上下するも木箱の中にお湯が入って、それがシャワーベッドまで繋がる仕掛けなんだ。
短時間でこんな道具を作るとは。
試しにシャワーを使ってみたが、地球のものと同じ性能だった。
リリって本当に何者なんだろうか?
シャワーを使い体を洗ってから湯船に浸かる。
うぅ……。これは染みるぜ。最高の入り心地だ。
きっとリディア達は喜ぶだろうな。
――バタンッ
なんてことを考えていると突然扉が開く。
「お背中を流します」
「リリ……。一緒には入らないって言った……?」
ん? なんか違和感が。
その顔はリリそのものだが雰囲気がまるで違う。
リリはそのまま風呂に入ってきて俺と向かい合う。
「ど、どうした?」
「…………」
少女の表情ではない。
まるで別人だ。一体何があったのだろうか?
「ライト様、黙っていて申し訳ございません。実は私は子供ではありません。これでも実年齢は35歳で成人はとっくに迎えています」
リリの言葉を聞いても理解が追い付かない。
こんな少女みたいな見た目なのに大人だっていうのか?
「信じられないが……。でもなんで先に言わなかった?」
「正直に話します。私はシャニ姉……隊長の率いる暗殺部隊の一員でした。対異形用の兵器開発を任されていた研究員でもあります。あなたが信用たる人物かどうかこの目で確かめねばならなかったのです」
とリリらしくない言葉使いで話す。
いや、これが本来のリリの姿なのか?
それなら話の辻褄が合う。
彼女が知っている知識は到底子供では思い付かないものばかりだ。
魔道具にしてもダマスカス鋼にしてもそうだ。
リリは言った。シャニのことを隊長だと。
つまり二人は面識はあったということか。
そして今になって俺を信用してくれた。
だから真実の告白をしたのだろう。
し、しかしだよ。目の前にいる美少女は既に大人であり、俺と大して歳が変わらない。
そんな子が俺のマグナムにアワビを擦り付けていた。
ということはだよ?
「リリは合法ロリっていうことか?」
「どういうことですか?」
「い、いや、もう大人ってことでいいんだよな?」
「はい……。ライト様はこのような幼子のような体はお嫌いですか?」
――スッ
リリは俺に体を預けてくる。
子犬のような瞳で俺を見つめ、そして顔を近づけてくる。
い、いかん。流されては。
俺には既に三人の恋人がいる。
これ以上増えるのは……。
「ライト様は言いました。大人になったら私を嫁に貰ってくれると。あの言葉は嘘だったのですか?」
「い、いや……。嘘なんかじゃ……」
リリはさらに顔を近づけ、小さな唇が重なってきた。
もう知らんぞ。俺はそのままリリを抱きしめキスをする……んだが、ここまでだ。
「ん……? ラ、ライト様?」
「リリ、今は駄目だ。先にやることがあるだろ。この先に進めるかは家族……リディア達に本当のことを言ってからだ」
ここでリリを抱くのは簡単だ。だがそれは騙し討ちと同じこと。
リリと肌を合わせるのは全てをみんなに話してからだ。
とリリは勢い良く俺の手を取る。
さっき何故かリリから告白されてしまった。
告白っていうか将来はお嫁さんになるーといった感じの子供がよく言うやつだな。
俺も歳の離れた従妹に言われたことがある。
歳上に憧れでも持っているのだろう。
なので適当に返事をしておいた。
「ねえライト。子供は何人欲しい?」
「えぇ……?」
なんかリアルな話をしてきたんだが。
これは真面目に答えたほうがいいのだろうか?
リリとの将来を話していると湖の前に到着。
「話は後でな。ほら、水路を作らなくっちゃ」
「はーい! 手伝うから今日中にお風呂に入ろうね!」
水路自体は壁を作ればすぐに終わるからな。
問題は水路を作る場合、地面に埋まっていることだ。
土を取り除かなければならない。
これは人力でやるしかないからな。
「ライト! これを使えばすぐに終わるよ!」
リリが何やら差し出してくる。
おぉ、いつの間に作ったのやら。
これは鍬だ。しかも先端は金属……っていうかダマスカス鋼の刃がついてるな。
俺に鍬を手渡した後、リリは用事があると走り去っていった。
手伝うんじゃなかったのかよ。
まぁいいさ。力仕事は俺にしか出来ないからな。
まずは水路作りだな。
湖から自宅まで壁を発動し水路を繋げる。
壁は石で出来ておりかなり頑丈なものとなっている。
手入れは最小限でいいだろうな。
さてと、これからが大変なんだ。
水路の中にはみっちりと土が入っている。
こいつを退かさないとな。
――ブンッ! ザクッ!
鍬を振り上げ土に突き立てる!
おお、さすがはダマスカス鋼だ。ほとんど抵抗を感じずに土に刃が刺さるよ。
っていうかダマスカス鋼をこんなことに使っていいのだろうか?
あまり詳しくはないが、地球では製法が分からない伝説の金属なんだよな。
それをリリはその作り方を知っている。
本当に何者なんだろうか? 天才キッズという括りとは違う気がする。
そんなことを考え作業を続けていると……。
「グルル。私は暇ではないのだぞ」
「いいじゃーん。特別にダマスカス鋼の銛を作ってあげるからさー」
なんとリリはデュパを連れてきた。
手伝わせる気だな?
「なにやら連れてこられてしまった。リリよ、今の約束を忘れるでないぞ」
「うふふ、ありがとね」
蜥蜴のおっさんと一緒に水路を掘ることになった。
道具がいいのとデュパも何気にステータスが高いのでみるみる内に水路が完成していく。
最後に仕切りを外すと水路からは湖からの水が流れ始める。
少し放っておけば残った土を水が洗い流してくれるだろう。
そのまま既存の排水路に新たに作ったものを繋げれば完成だ。
「グルル、これで終わりだな?」
「うん! 今度銛を作って持ってくから! デュパさん、ありがとね!」
デュパは喉を鳴らして帰っていった。
思わぬ助けもあり予定してたより早く完成したな。
これで今日の仕事はおしまいだ。
特にやることもないので新しい家に戻ることにした。
「ねえライト、せっかくだしお風呂を試してみない?」
「一緒には入らんぞ」
最初に断っておいた。
リリはおませさんなので一緒に入るとアレを擦り付けてくる可能性がある。
「いいじゃん、減るもんじゃないでしょー?」
「それ男が言う台詞な。とにかく駄目なの!」
ブー垂れるリリを連れて自宅に戻る。
家に繋がる水路は順調に流れ残った土を完全に洗い流してくれていた。
ふむ、これなら今日から風呂を楽しめそうだな。
どれ、リディア達が帰ってくる前に風呂を沸かしておくか。
ついでに俺も入り心地を確かめてみよう。
「今から風呂を沸かすけど、リリも先に入るか?」
「入るー」
楽しみにしてたもんな。
一番風呂はリリに譲るとしよう。
水路の仕切りを開くと水が勢い良く湯船にたまっていく。
ちょうどいい水位になったところで俺はいつものように摩擦熱を利用してお湯を沸かしていく。
一日の仕事に村民のために風呂を沸かす仕事がある村長って俺ぐらいだろうな。
村には大きな露天風呂が四つあり、村民達の憩いの場となっている。
俺もあの解放感が好きなのだが、家風呂も出来たことだし。
これからは自宅で風呂を楽しむとしよう。
しばらくすると湯船からもうもうも湯気が上がってくる。
手を入れると、ちょうど良い温度になっていた。
「リリー、もういいぞー」
「はーい」
リリが脱衣場に入ってきた。
さぁ、ゆっくり楽しんでくれよ。
「ねぇ、良かったら一緒に……」
「入らんぞ」
俺は脱衣場の扉をしめ、一人リビングに向かう。
全く何を考えているのやら。こんなおっさんと風呂に入っても面白くないぞ。
リリが俺に好意を抱いているのは子供特有の大人への憧れからだろう。
後数年もすれば恥ずかしい思い出に変わるだけだ。
さてと、リリが風呂に入っている間に仕事でもするかな。
まだ家具の配置とか考えないといけないのだ。
ソファーの位置を直したり、テーブルの場所を決めていると脱衣場から扉が開く音がする。
もう出たのか。意外と早かったな。
リリはタオルで頭を拭きながら俺のもとに。
とてもいい笑顔なので気持ち良かったということだろう。
「ふふ、すごく気持ち良かったよ。ライトも入ってきたら?」
「だな。それじゃお言葉に甘えるとするか」
リリとバトンタッチで風呂に向かう。
さっと服を脱いで……ってあれ? なんか見慣れない道具があるぞ。
木箱が湯船の中に沈んでありそれにはレバーが付いている。
そして木箱からはホースのようなものが伸びており、壁かけにはシャワーベッドのようなものが。
っていうかシャワーだぞ、これ。
なるほど、構造は理解した。
多分レバーを上下するも木箱の中にお湯が入って、それがシャワーベッドまで繋がる仕掛けなんだ。
短時間でこんな道具を作るとは。
試しにシャワーを使ってみたが、地球のものと同じ性能だった。
リリって本当に何者なんだろうか?
シャワーを使い体を洗ってから湯船に浸かる。
うぅ……。これは染みるぜ。最高の入り心地だ。
きっとリディア達は喜ぶだろうな。
――バタンッ
なんてことを考えていると突然扉が開く。
「お背中を流します」
「リリ……。一緒には入らないって言った……?」
ん? なんか違和感が。
その顔はリリそのものだが雰囲気がまるで違う。
リリはそのまま風呂に入ってきて俺と向かい合う。
「ど、どうした?」
「…………」
少女の表情ではない。
まるで別人だ。一体何があったのだろうか?
「ライト様、黙っていて申し訳ございません。実は私は子供ではありません。これでも実年齢は35歳で成人はとっくに迎えています」
リリの言葉を聞いても理解が追い付かない。
こんな少女みたいな見た目なのに大人だっていうのか?
「信じられないが……。でもなんで先に言わなかった?」
「正直に話します。私はシャニ姉……隊長の率いる暗殺部隊の一員でした。対異形用の兵器開発を任されていた研究員でもあります。あなたが信用たる人物かどうかこの目で確かめねばならなかったのです」
とリリらしくない言葉使いで話す。
いや、これが本来のリリの姿なのか?
それなら話の辻褄が合う。
彼女が知っている知識は到底子供では思い付かないものばかりだ。
魔道具にしてもダマスカス鋼にしてもそうだ。
リリは言った。シャニのことを隊長だと。
つまり二人は面識はあったということか。
そして今になって俺を信用してくれた。
だから真実の告白をしたのだろう。
し、しかしだよ。目の前にいる美少女は既に大人であり、俺と大して歳が変わらない。
そんな子が俺のマグナムにアワビを擦り付けていた。
ということはだよ?
「リリは合法ロリっていうことか?」
「どういうことですか?」
「い、いや、もう大人ってことでいいんだよな?」
「はい……。ライト様はこのような幼子のような体はお嫌いですか?」
――スッ
リリは俺に体を預けてくる。
子犬のような瞳で俺を見つめ、そして顔を近づけてくる。
い、いかん。流されては。
俺には既に三人の恋人がいる。
これ以上増えるのは……。
「ライト様は言いました。大人になったら私を嫁に貰ってくれると。あの言葉は嘘だったのですか?」
「い、いや……。嘘なんかじゃ……」
リリはさらに顔を近づけ、小さな唇が重なってきた。
もう知らんぞ。俺はそのままリリを抱きしめキスをする……んだが、ここまでだ。
「ん……? ラ、ライト様?」
「リリ、今は駄目だ。先にやることがあるだろ。この先に進めるかは家族……リディア達に本当のことを言ってからだ」
ここでリリを抱くのは簡単だ。だがそれは騙し討ちと同じこと。
リリと肌を合わせるのは全てをみんなに話してからだ。
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