上 下
81 / 93
鉄の壁の章

改築 其の一

しおりを挟む
「えへへ、あのね。お家の中にお風呂を作って欲しいの。また一緒に入ろ」

 リリは笑顔で自分のお願いを言った。
 今しがた彼女はダマスカス鋼で槍を作り出した。
 そのご褒美としてお願いがあると言ったのだが、まさかそれだったとは。

 うーん、どうしよ。昨日はリリと風呂に入ってとんでもないことになった。
 また一緒に入るのはあまりよろしくないだろう。
 っていうか絶対駄目だ。だってリリはまだ12、3歳なわけだ。
 もしかしたらだがリリは俺に好意を持っているかもしれん。
 そりゃ俺のマグナムにアワビを擦り付けて気持ち良くなっちゃうんだもん。
 好きでもない相手にそんなこと出来るはずはないだろう。

 いかん、いかんぞ。
 俺は生前それなりにだが女性とのお付き合いはあった。
 特殊な性癖の持ち主もいたが、特に問題ではなかった。
 胸の大きさも様々でAカップの女性とエッチしたことだってある。
 そんな俺だが絶対に守ってきた、超えてはならない一線がある。
 それが幼女だ。17歳以下の女の子には絶対に手を出してはならないのだ。
 それが紳士の嗜みなのだー! 合法ロリは大好物なんだけどね。

 少なくともリリのような女の子に欲情……。

「ねぇ、お願い……。またライトとお風呂に入りたいの……」

 と悲しげにお願いをしてきた。
 そりゃリリは可愛いよ。
 特徴的な目をしてはいるが、かえってそれがリリの可憐さを引き立てている。
 後10年経てば絶世の美女になるのは間違いないだろう。
 しかし俺はYESロリータNOタッチは守らなければならない。
 男は紳士たらねばならんのだ。
 
 かといってこのまま彼女の願いを断るのもかわいそうかも。
 リリが作ったダマスカス鋼の槍の威力は凄まじい。
 絶対に異形との戦いに役に立つはずだ。
 せっかく俺達の役に立つため頑張ってくれたんだ。
 風呂は駄目でも他のお願いを聞いてやろう。

「他のお願いじゃ駄目?」
「いやー。お風呂がいいのー」

 あっさり断られてしまった。
 ここはデュパに助けを求めよう。

「なぁデュパ。お前もさ、村長の家だけに風呂があるのは問題だと思わないか? これは完全なる専横だよな。俺は権力を振りかざすつもりは……」
「グルル。問題無いぞ。私は風呂に入らんから気にならん」

 聞いた俺が馬鹿だったよ。
 そういえばデュパは熱いのが苦手だったんだよな。
 蜥蜴が風呂に入るわけないか。

「それにな、村民も言っているぞ。ライトはラベレ村を治める立場なのだからもっと広い家に住んで欲しいと。お前こそ自分の立場をわきまえるべきだ。村長はお前なのだ。お前が村民と同じ家に住むことで萎縮している者もいることを考えろ」
「マジすか……」

 どうやら俺は村民達に気を遣わせていたようだ。
 詳しく聞くと家風呂だけではなく、もっと豪華な家に住んで欲しいそうだ。
 むむむ、リリを説得しようと思ったのだが話が変な方向に進んできたぞ。

 仕方ないか。これも村民のためだと思って改築を考えるとするか。
 
「分かった。すぐには動けないだろうが、改築をしてみるよ」
「やったー。おっふろー。ライトとお風呂に入れるんだー」

 と元気良く喜ぶリリ。
 まぁ一緒に風呂に入ることになっても同じ事が起こらないように注意すればいいさ。

「それじゃ帰ろうか。リディア達にも伝えなくちゃいけないからな」
「はーい」

 リリは帰り道でも俺の手を握ってくる。
 もちろん握り方は恋人繋ぎだった。

 そして夕方になりリディア達が戻ってくる。
 俺はまずリリが新しい武器を作ってくれたことを彼女達に伝えた。
 みんな……いやシャニ以外は驚いた顔をしているな。

「へー、リリってそんなことも出来るんだね! これからはリリの矢で異形をやっつけられるんだ!」
「ふふ、本当にすごいですね。ライト様の槍も充分な威力だったのに、それ以上だなんて」
「えへへ、リディア姉、アーニャ姉、ありがとね」

 と二人に誉められリリはとても満足そうだ。
 だがシャニは時々リリを睨んでいるように思えるのだが。
 ちょっと空気が重くなったので話題を変えることに。

「あのさ、実はデュパから聞いたんだが……」

 村民が俺に気を使っていることを話す。
 すると代表もしてリディアがこんなことを言った。

「今まで黙ってたんですが、その通りなんです。むしろ村長なんだからもっとしっかりした家に住んで欲しいって」

 知らないのは俺だけだったようだ。
 もう改築は必須事項だな。
 
「それじゃ近いうちに自宅の改築にとりかかる。でさ、新しい家は家風呂を作ろうと思うんだけど……」
「家風呂ですか!?」
「賛成です!」
「早速とりかかるとしましょう」

 三人とも家風呂については大賛成だった。
 っていうかシャニ。もう夜だし今すぐは無理だって。

「残念です。自宅のお風呂があればマットプレイが楽しめたのに」
「シャニ、子供の前でマットプレイとか言わないの」

 まぁ俺もちょっとは興味があるけどね。
 村民達のことを考えると俺達だけ家風呂を楽しむのは気が引けるが、彼らも望んでるみたいだしな。  

「それじゃ新しい家はどんなデザインにするか話し合おう」

 住むのは俺だけじゃないしな。
 せっかく建てるのであればみんなの意見を聞いて、それを叶えてあげたい……と思ったんだけどねぇ。

「鏡張りの寝室がいいです! それとライトさんとイチャイチャしてもゆったり浸かれる大きなお風呂!」
「リディアさん、いいアイディアです! 」
「寝室も大きい部屋がいいです。三人同時に寝ても余裕があるベッドもお願いします。ベッドは水に強い素材で作りましょう」
「一回エロいことから離れようか?」

 しかしテンションの上がってしまったリディア達は俺の言葉を無視して新しい家のアイディアを次から次に出してくる。
 なんか最終的には俺との子供が何人いて、その数だけ子供部屋が必要だとか言い始めた。
 
「あ、ありがと。そこまででいいよ。ほら、もうすぐ異形が来るぞ。みんな準備してくれ」
「はーい!」
「さっさと終わらせて会議の続きをしましょう!」
「五分で終わらせる」

 と命を狙われるとも思えないほど気楽に返事をするリディア達だった。


◇◆◇


☆次のスタンピード大規模襲撃まで残り85日。

☆総配偶者満足度:135610/1000000
リディア:45859/1000000
アーニャ:46223/1000000
シャニ:43528/1000000

☆総村民満足:28596/1000000
・総村民数:225人

☆現在のラベレ村
・鉄壁
・敷地面積:60000㎡


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ここまで読んで頂き誠にありがとうございます!
 お気に召しましたらお気に入り登録お願いいたします!
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

二度目の勇者の美醜逆転世界ハーレムルート

猫丸
恋愛
全人類の悲願である魔王討伐を果たした地球の勇者。 彼を待っていたのは富でも名誉でもなく、ただ使い捨てられたという現実と別の次元への強制転移だった。 地球でもなく、勇者として召喚された世界でもない世界。 そこは美醜の価値観が逆転した歪な世界だった。 そうして少年と少女は出会い―――物語は始まる。 他のサイトでも投稿しているものに手を加えたものになります。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

異世界エステ〜チートスキル『エステ』で美少女たちをマッサージしていたら、いつの間にか裏社会をも支配する異世界の帝王になっていた件〜

福寿草真@植物使いコミカライズ連載中!
ファンタジー
【Sランク冒険者を、お姫様を、オイルマッサージでトロトロにして成り上がり!?】 何の取り柄もないごく普通のアラサー、安間想介はある日唐突に異世界転移をしてしまう。 魔物や魔法が存在するありふれたファンタジー世界で想介が神様からもらったチートスキルは最強の戦闘系スキル……ではなく、『エステ』スキルという前代未聞の力で!? これはごく普通の男がエステ店を開き、オイルマッサージで沢山の異世界女性をトロトロにしながら、瞬く間に成り上がっていく物語。 スキル『エステ』は成長すると、マッサージを行うだけで体力回復、病気の治療、バフが発生するなど様々な効果が出てくるチートスキルです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

処理中です...