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鉄の壁の章
何、この子?☆
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リリが俺達と暮らし始めてから一週間が経つ。
彼女も村の暮らしに慣れてきた……っていうか慣れ過ぎてるかもしれない。
今は朝食の時間なのだが、リリは自分の席に座らずになぜか俺の膝に座ってごはんを食べている。
「ねえリリちゃん?」
「リリって呼んでー」
「リリ、自分の席に座らない?」
「いやー。ライトのお膝がいいのー」
なんてことを言ってそのまま俺の膝に座り続ける。
その光景を見てリディア達は楽しそうに笑っていた。シャニはなんか面白くなさそうだけど。
「ふふ、親子みたいです」
「ライト様はいいお父さんになれますね」
なんてことを言ってくる。
リリは一応女性ではあるが、やはり子供なので俺に甘えてくるのを問題無いと思ってくれているのだろう。
でもやっぱり気になるのはシャニの態度だ。
「リリ、ソースが口についてますよ」
「むぐー。ありがと、アーニャ姉《ねえ》」
リリもシャニに習ってリディア達の名前に姉《ねえ》を付けている。
こうして見ると本当に姉妹のようで微笑ましい。
でもちょっと気になることがあるんだよなぁ。
まぁそれはきっと俺の気のせいなのだろう。
食事を終え、俺達はいつもの仕事に向かう。
リディアは探索、アーニャは服飾生産、そしてシャニは牧畜だ。
ちなみにシャニは対異形の近接戦闘部隊の訓練なんかもしている。今度見学にでも行ってみるか。
んで俺はいつもの壁の補修に行くわけだが。
「ねー、ライトー。早く私達も行こうよー」
「ん? あぁそうだな」
リリが俺の仕事に付き合ってくれるようになった。
彼女はまだ子供だし肉体労働はさせるべきじゃないと思ってな。
俺にしか出来ないことが多いので手伝うっていうよりは見学って言ったほうがいいかな。
昨夜も異形の襲撃があったが、鉄壁の防御力はやはり高い。
修復は必要無いかな。
「ライト、あそこの壁だけど錆びてるよ」
「ん? 本当だ」
見学していたリリが壁の一部を指差す。
しかし1cmにも満たない箇所なので特に補修は……。
「錆びは放っておくと周りも劣化させていくの。今はいいかもしれないけど、数日後には強度は三割は落ちるはずだよ」
「はぁ。分かった。直すことにするよ」
俺は彼女のアドバイスに従い錆びた鉄壁を消してから当たらない壁を建てる。
しかし不思議だな。
リリは何故か子供らしくない知識を知っている。
もしかして天才キッズなのだろうか?
それだけではない。先日の超防音シートの他にリリは数々の生活用品を作りだした。
例えばランタンなんかがある。
キャンプなんかで使う油を使った照明器具だな。
しかし明るさがどう考えてもおかしい。
ランタンに火を灯すだけで家中が昼間みたいに明るくなるのだ。
あれが噂に名高い魔道具というものだろうか?
でもリディアとアーニャもこれ程高性能なランタンはお目にかかったことがないと言っていたし。
ランタンだけではなく、他にも生活を豊かにする道具や知識を俺達に教えてくれるのだ。
「なぁリリ。君はどうしてそんなことを知ってるんだ?」
「秘密だよー」
なんてリリは少女のように笑う。まぁ少女なんだけどな。
これが不思議に思っていることの一つだ。
不思議に思いつつ他の仕事を終えて家に戻る。
さすがに昼を回ったところだったのでリディア達はいなかった。
「ふー、疲れたな」
「ねー。リリも疲れちゃった。お風呂に入りたいなー。ねぇライト、お風呂に行こーよー」
「こら、リリは働いてないだろ」
「えへへ、ばれちゃった」
こういったところは子供らしいんだけどな。
でも風呂か。確かに俺も一汗流したい気分ではある。
風呂は全部で四つあり、朝に沸かしてある。
一応ではあるが、いつでも入れるようにはしてあるのだ。
せっかく時間も空いたことだしな。
「まぁいいかな。リリも入りたいんだろ?」
「やったー!」
ジャンプしながら喜ぶ。
ははは、そんなに嬉しかったか。
「ねぇ、手を繋いで行こ?」
「いいよ」
リリは俺と外に向かう度に手を繋いでくる。
まだ子供だ、親御さんが恋しいのかもな。
俺はリリと手を繋ぐが……。
どうも握り方が違う気がする。
これって俗に言う恋人繋ぎだろ?
それに何故かリリと手を繋いだ後は手がヌルヌルしているのだが。
特に匂いとかはないが、汗ではないよなぁ。
これが不思議に思うことの二つ目だ。
そして三つ目なのだが……。
「ねぇ、一緒に入ってもいい?」
「んー。女の子と一緒に入るのは……。まぁ子供だし変な噂は立たないだろ」
リリは必ず俺と一緒に風呂に入りたがるのだ。
とりあえず服を脱いで風呂に向かうとスッポンポンのリリが待っていた。
一応レディなんだから前を隠して欲しいなぁ。
「ほら、入ろ」
「はいよ」
しっかり体を洗ってから風呂に浸かる。
そしてこれが不思議に思っていることの三つ目だ。
食事の時もそうだが、風呂に入っている時も必ずといっていい程俺の膝に乗ってくる。
それだけではない。
――サワッ クリクリッ
押し付けてくるのだ。俺のマグナムに小さなアワビを。
これってなんなの? 実はこの行為は俺の膝に乗る度に毎回やっている。
朝食の時も同じように擦り付けてきていた。
「えへへ、くすぐったいよ」
「押し付けてるのはリリだろ。いたずらするなら降ろすぞ」
そう言ってリリの肩に手をかけた瞬間。
――ビククッ!
リリの体が激しく痙攣する!
え!? この反応ってまさか!?
「あ、あのさ、大丈夫か?」
「はぁはぁ……。え? な、なんのこと?」
とリリは言うが、その顔はいっちゃった時の顔だろ。
最近の子はませてるなとかの問題ではないぞ。
これは事案になる。異世界に地球と同じような法律など無いだろうが、超えてはいけない一線だ。
YESロリータNOタッチ。日本ではこの言葉を守ってきた。
それに俺はこんな幼女に欲情するほど飢えてはいない。
「ほ、ほら、これ以上はのぼせるぞ。もう出ようか」
「う、うん……。うぐっ!?」
肩に手を置いただけでまたいっちゃったんだが?
本当にリリって何者なんだ?
彼女も村の暮らしに慣れてきた……っていうか慣れ過ぎてるかもしれない。
今は朝食の時間なのだが、リリは自分の席に座らずになぜか俺の膝に座ってごはんを食べている。
「ねえリリちゃん?」
「リリって呼んでー」
「リリ、自分の席に座らない?」
「いやー。ライトのお膝がいいのー」
なんてことを言ってそのまま俺の膝に座り続ける。
その光景を見てリディア達は楽しそうに笑っていた。シャニはなんか面白くなさそうだけど。
「ふふ、親子みたいです」
「ライト様はいいお父さんになれますね」
なんてことを言ってくる。
リリは一応女性ではあるが、やはり子供なので俺に甘えてくるのを問題無いと思ってくれているのだろう。
でもやっぱり気になるのはシャニの態度だ。
「リリ、ソースが口についてますよ」
「むぐー。ありがと、アーニャ姉《ねえ》」
リリもシャニに習ってリディア達の名前に姉《ねえ》を付けている。
こうして見ると本当に姉妹のようで微笑ましい。
でもちょっと気になることがあるんだよなぁ。
まぁそれはきっと俺の気のせいなのだろう。
食事を終え、俺達はいつもの仕事に向かう。
リディアは探索、アーニャは服飾生産、そしてシャニは牧畜だ。
ちなみにシャニは対異形の近接戦闘部隊の訓練なんかもしている。今度見学にでも行ってみるか。
んで俺はいつもの壁の補修に行くわけだが。
「ねー、ライトー。早く私達も行こうよー」
「ん? あぁそうだな」
リリが俺の仕事に付き合ってくれるようになった。
彼女はまだ子供だし肉体労働はさせるべきじゃないと思ってな。
俺にしか出来ないことが多いので手伝うっていうよりは見学って言ったほうがいいかな。
昨夜も異形の襲撃があったが、鉄壁の防御力はやはり高い。
修復は必要無いかな。
「ライト、あそこの壁だけど錆びてるよ」
「ん? 本当だ」
見学していたリリが壁の一部を指差す。
しかし1cmにも満たない箇所なので特に補修は……。
「錆びは放っておくと周りも劣化させていくの。今はいいかもしれないけど、数日後には強度は三割は落ちるはずだよ」
「はぁ。分かった。直すことにするよ」
俺は彼女のアドバイスに従い錆びた鉄壁を消してから当たらない壁を建てる。
しかし不思議だな。
リリは何故か子供らしくない知識を知っている。
もしかして天才キッズなのだろうか?
それだけではない。先日の超防音シートの他にリリは数々の生活用品を作りだした。
例えばランタンなんかがある。
キャンプなんかで使う油を使った照明器具だな。
しかし明るさがどう考えてもおかしい。
ランタンに火を灯すだけで家中が昼間みたいに明るくなるのだ。
あれが噂に名高い魔道具というものだろうか?
でもリディアとアーニャもこれ程高性能なランタンはお目にかかったことがないと言っていたし。
ランタンだけではなく、他にも生活を豊かにする道具や知識を俺達に教えてくれるのだ。
「なぁリリ。君はどうしてそんなことを知ってるんだ?」
「秘密だよー」
なんてリリは少女のように笑う。まぁ少女なんだけどな。
これが不思議に思っていることの一つだ。
不思議に思いつつ他の仕事を終えて家に戻る。
さすがに昼を回ったところだったのでリディア達はいなかった。
「ふー、疲れたな」
「ねー。リリも疲れちゃった。お風呂に入りたいなー。ねぇライト、お風呂に行こーよー」
「こら、リリは働いてないだろ」
「えへへ、ばれちゃった」
こういったところは子供らしいんだけどな。
でも風呂か。確かに俺も一汗流したい気分ではある。
風呂は全部で四つあり、朝に沸かしてある。
一応ではあるが、いつでも入れるようにはしてあるのだ。
せっかく時間も空いたことだしな。
「まぁいいかな。リリも入りたいんだろ?」
「やったー!」
ジャンプしながら喜ぶ。
ははは、そんなに嬉しかったか。
「ねぇ、手を繋いで行こ?」
「いいよ」
リリは俺と外に向かう度に手を繋いでくる。
まだ子供だ、親御さんが恋しいのかもな。
俺はリリと手を繋ぐが……。
どうも握り方が違う気がする。
これって俗に言う恋人繋ぎだろ?
それに何故かリリと手を繋いだ後は手がヌルヌルしているのだが。
特に匂いとかはないが、汗ではないよなぁ。
これが不思議に思うことの二つ目だ。
そして三つ目なのだが……。
「ねぇ、一緒に入ってもいい?」
「んー。女の子と一緒に入るのは……。まぁ子供だし変な噂は立たないだろ」
リリは必ず俺と一緒に風呂に入りたがるのだ。
とりあえず服を脱いで風呂に向かうとスッポンポンのリリが待っていた。
一応レディなんだから前を隠して欲しいなぁ。
「ほら、入ろ」
「はいよ」
しっかり体を洗ってから風呂に浸かる。
そしてこれが不思議に思っていることの三つ目だ。
食事の時もそうだが、風呂に入っている時も必ずといっていい程俺の膝に乗ってくる。
それだけではない。
――サワッ クリクリッ
押し付けてくるのだ。俺のマグナムに小さなアワビを。
これってなんなの? 実はこの行為は俺の膝に乗る度に毎回やっている。
朝食の時も同じように擦り付けてきていた。
「えへへ、くすぐったいよ」
「押し付けてるのはリリだろ。いたずらするなら降ろすぞ」
そう言ってリリの肩に手をかけた瞬間。
――ビククッ!
リリの体が激しく痙攣する!
え!? この反応ってまさか!?
「あ、あのさ、大丈夫か?」
「はぁはぁ……。え? な、なんのこと?」
とリリは言うが、その顔はいっちゃった時の顔だろ。
最近の子はませてるなとかの問題ではないぞ。
これは事案になる。異世界に地球と同じような法律など無いだろうが、超えてはいけない一線だ。
YESロリータNOタッチ。日本ではこの言葉を守ってきた。
それに俺はこんな幼女に欲情するほど飢えてはいない。
「ほ、ほら、これ以上はのぼせるぞ。もう出ようか」
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