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石の壁の章

娯楽☆

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「すー……。すー……」

 俺の隣では裸のシャニが眠っている。
 茶色いブチのついた長い髪、大きな犬耳。
 形のいい胸に引き締まった体。
 そして女の子なのにオチン◯ンがついている。
 シャニはフタナリちゃんなのだ。

 しかし厳密に両性具有かと言われたら、そうではないと思う。
 昔◯ィスカバリーチャンネルで見たことがある。
 ものすごく珍しい動物についてだ。
 その動物はメスのほうが強く、かつその体には秘密があった。
 オチン◯ンがついているのだ。フェイクのだがね。
 たしかハイエナだったかな? 

 もしかしたらシャニはハイエナのような、もしくはハイエナに近い獣の特性を継いでしまったのかもしれないな。
 
 それにしてもシャニは美しい。リディア、アーニャクラスの美人だ。
 俺は幸せだな。三人もの美人に囲まれて生活出来るなんて。
 この世界に来て正解だったのかもな。

 シャニが愛おしくなり彼女の頬を撫でると。

「お、おはようございます」
「おはよ、シャニ」

 目を覚ましたようだ。
 無表情だが恥ずかしいのだろう。耳を伏せ、目をそらし、そして顔は真っ赤だ。
 可愛かったのでそのまま彼女を抱きしめる。

「だ、駄目です」

 と抵抗する。理由は分かる。
 だっておっきくなってるんだもの。
 ハイエナのと違って機能的には男性のソレとかなり近いんだろうな。
 要は朝立ちである。

 シャニのオチン◯ンにはタマタマはついていない。
 出るものは俺のとは違う。しかし性的興奮を感じた時や生理現象として勃起しちゃうのは俺と同じみたいだな。

「出したい?」
「聞かないでくだ……。あん」

 男性、女性の両方の性欲が彼女にはある。
 昨日エッチして分かった。それ故に我慢はかなり辛いみたいだ。
 なので彼女を助けてあげることにした。
 まぁ昨日の感動を味わいたくなっただけなんだけどね。

 果てを迎えるシャニ。
 ようやく通常のサイズに戻った。
 シャニは俺の胸を枕にしながら肩で息をしている。
 時々ピクピクと痙攣しているのが愛らしい。

「酷いです。ライト殿には責任を取ってもらいます」
「責任かー。具体的には?」

「私からは伝えていませんでした。恋人になってもらいます」
「喜んで」

 ――ブンブンブンブンッ!

 毛布の中でシャニの尻尾が暴れまわった。

 さて、いつまでも裸でいるわけにはいかない。
 今日からまた仕事の日々が始まるからな。
 ベッドから出ようとするタイミングでリディア達が二階から降りてきた。
 すごくいい笑顔をしている。

「うふふ、楽しめたみたいですね」
「シャニ、これからは家族です。よろしくお願いしますね」
「はい、リディア姉、アーニャ姉」

 二人はまだベッドから出られないシャニの頬にキスをした。
 うーん、絵になるなぁ。

「ライト様、提案があります」

 とアーニャが言ってくる。
 提案とはなんだろうか?
 どうやら部屋割りについてのようだ。
 今俺達が住んでいるのは三階建ての小屋だ。
 一階はリビングダイニングと俺の……というかエッチ専用のベッド。
 二階はリディアとアーニャの部屋。 
 そして三階はシャニの部屋と物置だ。

「今のままですとシャニが一人ぼっちですから。なるべく一緒にいてあげたいんです」

 これはリディアも同意見のようだ。
 要は俺と平等に接して欲しいということだろう。
 例え数メートルとはいえ、家族として距離が離れるのは嫌なんだろうな。
 でもアーニャの案だと全体的な改築……というか小屋を建て直さなければならない。
 敷地面積も広くしなくちゃなのだ。今のままだと二階に三部屋は作れない。
 土地は限られてるし、村長宅だけ大きくするってのも……。
 しかし恋人の願いを叶えるのも大切なことだ。

「少し時間をくれ。でも必ず何とかするから」
「はい! ふふ、良かったですね、シャニ」
「アーニャ姉、ありがとうございます」

 無表情だがシャニも喜んでいる。 
 シャニも気にしてたのかもな。
 
「それともう二つあります」

 今度はリディアからだ。
 っていうかちょっと険しい顔をしている。
 な、何か怒らせることをしただろうか?

「村民から提案がありました。一つはそろそろお酒が飲みたいと言っていました」

 酒かー。それは考えてなかったな。
 でも俺も酒は飲みたいかも。
 この世界に来てまだ三ヶ月しか経っていないが、その間ずっとノンアル生活を続けている。
 肝臓に優しい生活だった。

 しかしそろそろ村民の娯楽として嗜好品の生産に乗り出してもいい頃かもしれん。
 酒造りの知識なんか1ミリもないんだけどね。

「リディアとアーニャはお酒飲みたい?」
「「飲みたーい!」」

 へー、二人とも好きなんだなぁ。
 
「シャニは?」
「あれば飲む程度です」

 ――ブンブンブンブンッ!

 嘘つけ。めっちゃ好きなんじゃねえか。
 よし、酒造りはマストとして取り組むとしよう。

「リディア、アーニャ。村民の中で酒について知識がある者がいたら集めてくれ」
「はい! ふふ、これからはお酒が楽しめそうです! それともう一つなんですが……」
「私もそれについては聞いておきたいです」

 アーニャも怖い顔をしている。
 な、何なのだろうか。

「村民が言っていました。ライト様の笛とシャニの歌を聞かせてくれって」
「ずるいです! いつの間にそんなことを! 私達はまだ聞いたことないのに!」

 あちゃー、それでしたか。
 そういえば二人には聞かせたことがなかったな。
 二人の話では昨日俺とシャニが歌っているのを聞いた村民がいたらしい。
 村民の中でも音楽の心得がある者もいて、俺が作った笛が欲しいという者まで現れたそうだ。

「ねぇシャニ。すごく綺麗な歌だって聞いたよ。私にも聞かせて!」
「ライト様の笛も聞きたいです!」

 んー、どうするかなー。
 まだ仕事前だし……。

「シャニ、どうする?」
「私は構いません」

 よし、歌い手さんもこう言ってることですし。
 せっかくだし村民達にも聞かせてあげよう。

 俺達は家を出て広場に向かう。
 そろそろ朝食の時間なので村民も集まってくるだろ。

 広場にはやはり多くの村民がいた。
 みんないい笑顔で挨拶をしてくる。 
 今日も一日頑張ってくれよ。

 それじゃ愛すべき村民のために一曲披露してやるか!

「シャニ」
「はい」

 シャニは歌い出す。
 曲はアメージンググレイス。
 歌詞は無いんだけどね。だがそれがかえってシャニの声の綺麗さが分かる。

 ――ラーラー♪ ララララー♪ ラララー♪ ラーラー♪

「「「…………」」」

 シャニの歌声を聞いて村民は言葉もないようだ。
 俺も真面目に音楽の授業を受けてて良かったよ。
 担当楽器はトロンボーンだったが、小、中学で吹奏楽をやってて良かったとも思う。
 
 シャニは歌い続け、最後のパートに入る。

 ――ラーラー♪ ララララー……♪

 歌は終わり、唖然としていた村民が動き始める。

 ――パチパチパチパチパチパチパチパチッ!

 割れんばかりの拍手だ。みんなシャニの涼やかな声に夢中になってしまったみたいだ。

「シャニ、すごいわ! もう一回歌って!」
「ライト様もお見事です! 私にも笛を教えて下さい!」

 リディア達だけではなく一気に村民達が俺とシャニの前に集まってきた。
 歌はともかく笛を作るのはなー。かなり大変なんだ。
 しかしこれは断れる雰囲気ではないな。

「よし! みんなのためだ! 少し人を借りるぞ! 笛の生産を始める!」

 こうしてラベレ村に風呂以外の娯楽が産まれるのだった。


◇◆◇

☆次のスタンピード大規模襲撃まで残り165日。

☆総配偶者満足度:36116/100000
リディア:14005/100000
アーニャ:13582/100000
シャニ:8529/100000

☆総村民数56人
・エルフ:21人
・ラミア:16人
・コボルト:9人
・リザードマン:20人

☆総村民満足:3085/10000

☆現在のラベレ村
・石壁
・敷地面積:8000㎡

☆設備
・村長宅:シャニが住むようになったので三階建てに改装。
・家屋:15棟
・倉庫:4棟
・櫓:8基
・畑:2000㎡
・牧草地:2000㎡
・露天風呂:2つ
・水路
・養殖場
・兵器廠:金剛石の矢と槍

☆生産品
・ナババ:パンの原料。
・ミンゴ:果物。
・ヤマイモ:生食可。ねっとりしてる。
・茶葉:薬の原料。嗜好品としても優秀。
・カエデ:樹液が貴重な甘味となる。
・豆:保存がきく。大豆に近い。
・キャ采:葉野菜。鍋にいれたい味。
・牛乳:地球のものより濃厚。

☆総村民数56人。各仕事の人員配置。
・農業:二割の村民に担当してもらう。雑草の除去、作物の収穫が主な仕事。
・狩猟:一割の村民に担当してもらう。肉はまだ生産出来ないので狩りは継続。
・服飾:一割の村民に担当してもらう。狩りで得た毛皮を服、寝具に加工。
・調理:二割の村民に担当してもらう。朝、昼、晩、三食の食事作り。
・製造:一割の村民に担当してもらう。竹を使った生活用品や家具の生産、武器の生産も含む。娯楽として笛の生産も開始。
・探索:一割の村民に担当してもらう。森を探索し遭難者を見つける。他に村にとって有効な動植物がいたら取得、または報告してもらう。
・村の整備:来人のみの担当に。
・牧畜:軌道に乗るまではシャニが一人で担当する。
・養殖などその種族にしか任せられない仕事は要相談。
 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


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