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竹の壁の章
満月の死闘
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「満月だ……」
夜空を不気味なほど赤く染める月が昇る。
この月を見るのは二回目だ。
「リディア! エルフに指示! 櫓に登ってくれ!」
「はい!」
新たに拠点に建てた櫓は四つ。
どの方位から攻められても各自が対応出来る。
以前は小屋の屋根から矢を放っていたが、櫓はその三倍以上の高さを持つ。
「異形を見つけら撃ちまくれ! 頼むぞ!」
「任せて下さい! みんな! 遠慮はしないで! 全部矢を使うつもりでいいから!」
「arrrrray!」
何を言っているか分からんがエルフ達から気合いの入った声が聞こえてくる。
エルフ達は俺の言葉を伝えることが出来るリディアをリーダーとしているようだ。
彼女の指示を受け、戦闘態勢に入る。
「そ、そろそろ来るのでしょうか?」
「怖いか?」
アーニャが俺の隣で震えていた。
そりゃ怖いよな。でも俺達が生きるためには戦いは避けられない。
そして勝つ以外に道は無い。
「ライト様は勇敢ですね。私は駄目ですね。怖くて体が動きません……」
「勇敢だって? ははは、その逆だよ。俺は臆病だ。皆の力に頼らないと生きていけない。そして皆が頼ってくれる。だから諦めない。だから戦うのさ」
そう言ってアーニャに笑顔を向ける。
不思議そうにしていたが、すぐに彼女の顔に笑みが戻る。
「ふふ、そうそう。アーニャはその顔が一番可愛いと思うよ」
「は、はい! ライト様ありがとうございます! 私も戦えます!」
アーニャは竹槍を持ち直す。
もう大丈夫そうだな。
「あ、あの……。一つ聞いても良いでしょうか?」
「ん? いいよ。どうしたんだ?」
「以前もライト様の口からお聞きしましたが、今ライト様は私のことを可愛いと……」
みたいなことを聞いてきた。
うーん、これはどう伝えるべきか。
そりゃアーニャは可愛いと思う。
さらに言うなら先日の「俺をおんぶしてたらいっちゃった事件」をきっかけにアーニャを女として意識してしまっている。
彼女は蛇人……ラミアだが、それは俺にとって彼女を避ける理由にはならないし。
むしろリディアと付き合ってなかったら好きになってたかもしれん。
難しいなー。下手に期待させては彼女をかわいそうな目に会わせてしまうかも。
まぁ、容姿を誉めるくらいは大丈夫かな?
「うん。すごく可愛いと思うよ」
「ほ、本当ですか!? わ、私、実は背中に大きな痣があるのですが……」
痣? そういえばラミアは背中の美しさが美の基準だったっけ?
それってそんなに重要か?
「痣ねぇ。別にほくろみたいなもんだろ。誰にだってあるでしょ。気にする必要無いんじゃないか?」
「ラ、ライト様……」
あれー? 鈍い俺でも分かるぞ。
アーニャの目がハートになってる。
これは一度リディアに相談しなくちゃだな。
「ほ、ほら。もうすぐ異形が来るぞ。そろそろ構えて……」
と言いかけた瞬間……。
――ドドドドドドッ
地響きが聞こえ、全身に鳥肌が立った。
「来ます! か、数が多いです! 前回よりも多いですって!?」
リディアが櫓の上から叫ぶ!
とうとう来たか!
しかもさらなる団体様のご到着ってか!?
もてなしてやるよ! 渾身のブービートラップを喰らいな!
――ザクッ! ドチャッ!
『ウバァッ!?』
『グゥゥッ!』
パンジスティックを踏み抜き、異形の動きが止まる。
しかし後続に押され、パンジスティックに体を貫かれる個体もいる。
よし! 第一陣は成功だ!
パンジスティック地帯を抜ければ今度はブービートラップゾーンに入る。
上手くいってくれよ!
――ビュンッ! ザクッ!
『ウバァァァッ……?』
トラップが発動し棘が異形の顔を貫いた。
小窓から戦況を見ていたアーニャが興奮したように。
「す、すごいです! 異形が倒れていきます!」
「あぁ! だが油断するな! そろそろ来るぞ!」
トラップはあくまで敵の数を減らす手段でしかかない。
罠にかからなかった異形はとうとう本丸である拠点にたどり着いてから……。
――ドスンッ! バンッ!
体当たりを仕掛け、壁を破ろうとしてくる。
やらせるかよ。俺は竹槍を手に取り、小窓から勢い良く突き立てる!
「アーニャ! 君も突くんだ!」
「は、はい!」
アーニャは俺の横で槍を振るう。
やはり彼女の力は強いようで、次々に異形を貫いていく。
櫓からは矢の雨。そして異形を近づかせんとする槍での攻撃。
異形の数は次第と減っていく。
だが俺が槍を突き立てようとした時……。
――バァンッ!
「うわぁっ!?」
突きと同時に壁が破られた。
俺はカウンターを喰らう形となり、地面に叩きつけられる。
背中をしこたま打ち付けたせいでまともに息が出来ない。
「か、壁ぇ……」
とにかく破られた壁を補修しなくては。
壁はすぐに元に戻ったが……。
『ウルルォォォォィッ……』
今回も異形の浸入を許してしまった。
だが今の俺はまだダメージから回復しておらず、まともに動ける状態ではない。
「ライト様!」
「アーニャ……? に、逃げろ……」
アーニャは俺を守るように抱き起こす。
「我が主人に近づいてはなりません!」
とアーニャは気丈に異形を睨む。
だが異形は俺達を見下ろした後、両手を天に向ける。
そのまま俺達を叩き潰すつもりだな。
くそ、このままでは……。
リディア、アーニャ、ごめんな。
君達を守ってあげられないくて。
俺はアーニャに抱きしめられながらゆっくりと目を閉じる。
「せいっ!」
『ウゴォッ!?』
――ドゴォンッ!!!!
ん? ドゴォンッって何?
やっぱり目を開けてみる。
するとアーニャは俺を抱きしめていたものの、その尻尾を使って異形を殴り飛ばしていた。
異形は壁を突き破り、拠点の外へとぶっ飛んでいった。
って、壁がまた破れたー!?
「か、壁!」
「ライト様、ご無事で!? 良かったですー!」
――ギュウウッ シュルルッ ギュウウッ
アーニャは蛇の尻尾を俺に巻き付け無事を喜ぶ!
く、苦しい! 蛇に巻き付かれるってこんな感じなのか!?
無事だから! もう離してくれって!
あばらが折れるー!?
「げ、げほぉ!? アーニャ! 離してくれ! まだ戦いは終わってないぞ!」
「し、失礼しました!」
アーニャは俺を解放し、また槍を振るう。
俺は異形から受けたダメージは回復したが、アーニャの攻撃の方が脅威だった。
ようやく俺も動けるようになり再び槍を突き立てる。
そして数時間が経った頃……。
「終わりです! 異形は全て倒しました!」
とリディアが櫓の上から叫ぶ。
ふー、ようやく終わったか。
俺の手から無意識に竹槍が落ちる。
もう握力が無くなっちゃったよ。
だがアーニャは聞こえていないのか、未だに槍を構えている。
アーニャの肩に手を置く。
「終わったよ。もう大丈夫だ。アーニャ、良くやったな……」
「え? ほ、本当ですか? 良かったです、ライト様がご無事で……。本当に良かった……」
と言ってアーニャは涙を流す。
吊り橋効果っていうのかな?
共に危険を乗り越えたこと、そして自分の身以上に俺を心配してくれたこと。
自分の命を省みず、俺を守ってくれたこと。
無意識にアーニャを抱きしめてしまう。
「アーニャ……。ありがとう……」
「ラ、ライトさ……。ん……」
アーニャは抱きしめられながら俺の顔を不思議そうに見上げる。
そのまま彼女と唇を合わせてしまった。
アーニャは何が起こったのか分からないようだったが、次第と俺の唇を吸い始める。
また尻尾が俺に巻き付いてきて少し苦しかった。
そしてアーニャの舌だが、蛇のように二股に分かれていた。
初めて味わう感覚に酔いしれ、俺達はしばらくお互いの唇と舌の感触を味わっていた。
夜空を不気味なほど赤く染める月が昇る。
この月を見るのは二回目だ。
「リディア! エルフに指示! 櫓に登ってくれ!」
「はい!」
新たに拠点に建てた櫓は四つ。
どの方位から攻められても各自が対応出来る。
以前は小屋の屋根から矢を放っていたが、櫓はその三倍以上の高さを持つ。
「異形を見つけら撃ちまくれ! 頼むぞ!」
「任せて下さい! みんな! 遠慮はしないで! 全部矢を使うつもりでいいから!」
「arrrrray!」
何を言っているか分からんがエルフ達から気合いの入った声が聞こえてくる。
エルフ達は俺の言葉を伝えることが出来るリディアをリーダーとしているようだ。
彼女の指示を受け、戦闘態勢に入る。
「そ、そろそろ来るのでしょうか?」
「怖いか?」
アーニャが俺の隣で震えていた。
そりゃ怖いよな。でも俺達が生きるためには戦いは避けられない。
そして勝つ以外に道は無い。
「ライト様は勇敢ですね。私は駄目ですね。怖くて体が動きません……」
「勇敢だって? ははは、その逆だよ。俺は臆病だ。皆の力に頼らないと生きていけない。そして皆が頼ってくれる。だから諦めない。だから戦うのさ」
そう言ってアーニャに笑顔を向ける。
不思議そうにしていたが、すぐに彼女の顔に笑みが戻る。
「ふふ、そうそう。アーニャはその顔が一番可愛いと思うよ」
「は、はい! ライト様ありがとうございます! 私も戦えます!」
アーニャは竹槍を持ち直す。
もう大丈夫そうだな。
「あ、あの……。一つ聞いても良いでしょうか?」
「ん? いいよ。どうしたんだ?」
「以前もライト様の口からお聞きしましたが、今ライト様は私のことを可愛いと……」
みたいなことを聞いてきた。
うーん、これはどう伝えるべきか。
そりゃアーニャは可愛いと思う。
さらに言うなら先日の「俺をおんぶしてたらいっちゃった事件」をきっかけにアーニャを女として意識してしまっている。
彼女は蛇人……ラミアだが、それは俺にとって彼女を避ける理由にはならないし。
むしろリディアと付き合ってなかったら好きになってたかもしれん。
難しいなー。下手に期待させては彼女をかわいそうな目に会わせてしまうかも。
まぁ、容姿を誉めるくらいは大丈夫かな?
「うん。すごく可愛いと思うよ」
「ほ、本当ですか!? わ、私、実は背中に大きな痣があるのですが……」
痣? そういえばラミアは背中の美しさが美の基準だったっけ?
それってそんなに重要か?
「痣ねぇ。別にほくろみたいなもんだろ。誰にだってあるでしょ。気にする必要無いんじゃないか?」
「ラ、ライト様……」
あれー? 鈍い俺でも分かるぞ。
アーニャの目がハートになってる。
これは一度リディアに相談しなくちゃだな。
「ほ、ほら。もうすぐ異形が来るぞ。そろそろ構えて……」
と言いかけた瞬間……。
――ドドドドドドッ
地響きが聞こえ、全身に鳥肌が立った。
「来ます! か、数が多いです! 前回よりも多いですって!?」
リディアが櫓の上から叫ぶ!
とうとう来たか!
しかもさらなる団体様のご到着ってか!?
もてなしてやるよ! 渾身のブービートラップを喰らいな!
――ザクッ! ドチャッ!
『ウバァッ!?』
『グゥゥッ!』
パンジスティックを踏み抜き、異形の動きが止まる。
しかし後続に押され、パンジスティックに体を貫かれる個体もいる。
よし! 第一陣は成功だ!
パンジスティック地帯を抜ければ今度はブービートラップゾーンに入る。
上手くいってくれよ!
――ビュンッ! ザクッ!
『ウバァァァッ……?』
トラップが発動し棘が異形の顔を貫いた。
小窓から戦況を見ていたアーニャが興奮したように。
「す、すごいです! 異形が倒れていきます!」
「あぁ! だが油断するな! そろそろ来るぞ!」
トラップはあくまで敵の数を減らす手段でしかかない。
罠にかからなかった異形はとうとう本丸である拠点にたどり着いてから……。
――ドスンッ! バンッ!
体当たりを仕掛け、壁を破ろうとしてくる。
やらせるかよ。俺は竹槍を手に取り、小窓から勢い良く突き立てる!
「アーニャ! 君も突くんだ!」
「は、はい!」
アーニャは俺の横で槍を振るう。
やはり彼女の力は強いようで、次々に異形を貫いていく。
櫓からは矢の雨。そして異形を近づかせんとする槍での攻撃。
異形の数は次第と減っていく。
だが俺が槍を突き立てようとした時……。
――バァンッ!
「うわぁっ!?」
突きと同時に壁が破られた。
俺はカウンターを喰らう形となり、地面に叩きつけられる。
背中をしこたま打ち付けたせいでまともに息が出来ない。
「か、壁ぇ……」
とにかく破られた壁を補修しなくては。
壁はすぐに元に戻ったが……。
『ウルルォォォォィッ……』
今回も異形の浸入を許してしまった。
だが今の俺はまだダメージから回復しておらず、まともに動ける状態ではない。
「ライト様!」
「アーニャ……? に、逃げろ……」
アーニャは俺を守るように抱き起こす。
「我が主人に近づいてはなりません!」
とアーニャは気丈に異形を睨む。
だが異形は俺達を見下ろした後、両手を天に向ける。
そのまま俺達を叩き潰すつもりだな。
くそ、このままでは……。
リディア、アーニャ、ごめんな。
君達を守ってあげられないくて。
俺はアーニャに抱きしめられながらゆっくりと目を閉じる。
「せいっ!」
『ウゴォッ!?』
――ドゴォンッ!!!!
ん? ドゴォンッって何?
やっぱり目を開けてみる。
するとアーニャは俺を抱きしめていたものの、その尻尾を使って異形を殴り飛ばしていた。
異形は壁を突き破り、拠点の外へとぶっ飛んでいった。
って、壁がまた破れたー!?
「か、壁!」
「ライト様、ご無事で!? 良かったですー!」
――ギュウウッ シュルルッ ギュウウッ
アーニャは蛇の尻尾を俺に巻き付け無事を喜ぶ!
く、苦しい! 蛇に巻き付かれるってこんな感じなのか!?
無事だから! もう離してくれって!
あばらが折れるー!?
「げ、げほぉ!? アーニャ! 離してくれ! まだ戦いは終わってないぞ!」
「し、失礼しました!」
アーニャは俺を解放し、また槍を振るう。
俺は異形から受けたダメージは回復したが、アーニャの攻撃の方が脅威だった。
ようやく俺も動けるようになり再び槍を突き立てる。
そして数時間が経った頃……。
「終わりです! 異形は全て倒しました!」
とリディアが櫓の上から叫ぶ。
ふー、ようやく終わったか。
俺の手から無意識に竹槍が落ちる。
もう握力が無くなっちゃったよ。
だがアーニャは聞こえていないのか、未だに槍を構えている。
アーニャの肩に手を置く。
「終わったよ。もう大丈夫だ。アーニャ、良くやったな……」
「え? ほ、本当ですか? 良かったです、ライト様がご無事で……。本当に良かった……」
と言ってアーニャは涙を流す。
吊り橋効果っていうのかな?
共に危険を乗り越えたこと、そして自分の身以上に俺を心配してくれたこと。
自分の命を省みず、俺を守ってくれたこと。
無意識にアーニャを抱きしめてしまう。
「アーニャ……。ありがとう……」
「ラ、ライトさ……。ん……」
アーニャは抱きしめられながら俺の顔を不思議そうに見上げる。
そのまま彼女と唇を合わせてしまった。
アーニャは何が起こったのか分からないようだったが、次第と俺の唇を吸い始める。
また尻尾が俺に巻き付いてきて少し苦しかった。
そしてアーニャの舌だが、蛇のように二股に分かれていた。
初めて味わう感覚に酔いしれ、俺達はしばらくお互いの唇と舌の感触を味わっていた。
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