なんとなく、世界一周

hitty

文字の大きさ
上 下
16 / 23

【2ヵ国目】インドネシア

しおりを挟む
昨日の楽しかった飲み会から一夜明け、ついに2週間滞在したオーストラリアも今日で最後である。

前回来た時は、すべて周れなかったこの北西部を周り切り、この広大な大地を一周できた事は感慨深い。
そんな思いを噛みしめながら、最後ダーウィンの街を歩く。

散歩しながら海岸沿いに。ふと防波堤から下を覗くと、壁際に魚が集まり、どれも日本では考えられないサイズ。

以前も述べたが、私は釣り好きである。
こんなところで、釣りできたらなぁと思いを馳せながら、改めてオーストラリアの自然に喜びを感じる。

そのうち、ツアーメンバーのアジモネ、ジョーと偶然会う。
2人とも私と同じくブラブラ散歩してたそう。
せっかくなので、3人でそのままディナーに行くことに。

少し早めのディナータイムは、海岸沿いのオシャレなレストランで、ビール片手にサンセットを見ながら始まった。 

少しだけ奮発して、さっき見た魚に影響受けたせいかフィッシュスペシャルなるものを注文。

あまりうまくはなかった。

相変わらず、2人の会話にはロクに入っていけてはないが、いつもより居心地もいい。

1人で過ごす最後の夜と思ってたから、こうしてみんなでいれる事に嬉しさもある。

ダーウィンの水平線に、夕日が沈んでいく。

やっとオーストラリアを一周できた達成感。
そんな気持ちは2人にうまく伝えられなかったけど、こんな孤独な気持ちも全て旅の醍醐味で、つらいことも楽しいことも、全部味わいながら全て受け入れて進んでいきたいと、ひとり思った。

とても気持ちいい時間だった。
アジモネ、ジョーと別れ、ユースホテルに戻る。
明日の朝は早い。
 
朝、6時の空港行きのバスに無事乗り込む。
見慣れたオーストラリアの街並みを眺めながら、日本からの旅人を迎え入れてくれたことに感謝し、飛行機のチェックインへ。

いよいよ、インドネシア入国である。
プロローグにも書いたが、この国には遺恨がある。
今回、2度と同じ轍は踏むわけにはいかない。

気を引き締めて、入国手続きを進める。

さて、これからどうするか…
前回同様ノープランである。

しかし、先程飛行機内で一緒だった女性と話す機会が。
日本人の方で名前は失念したが、今回バリへはトランジットで立ち寄り、数時間の滞在後また空港へ戻り日本へ帰るという。
その数時間、せっかくだから一緒にクタで食事でもということで、その提案にのった。

当初のプランではバリの中心地であるクタに行き、しばらくこの国に慣れるか、はたまた田舎のウブドに直行し、ゆっくり過ごすか…などと考えていたが、慣れさえすれば、あとは自分のペースに持っていける。

むしろ、内心怯えていた私にとっては非常にありがたい話だった。

一緒にクタへ行きましょう。

彼女は何度かバリにも来ているようで、慣れた感がある。

当初、ビビっていた私もすっかり平常心を取り戻すことができた。

久しぶりに見る物売り、客引き…相変わらずの騒がしさだが、どこか懐かしい。
鬱陶しいのは間違いないが、なぜか優しい気持ちの自分もいる。

1人じゃない余裕があるのか。

女性に、ホテル探しも手伝ってもらい、無事にチェックイン。

これだけでも本当に助かった。
まずはここを拠点にこれからのプランを練ろう。
お礼にご飯をご馳走し、色々な情報を聞きながらバリのビール、ビンタンで乾杯。

いやぁ、会えてよかったと思いながら、ふとした瞬間、彼女のノースリーブからのぞく剛毛のワキ毛が目に入った。

色々な価値観があるのだろう。欧米人には特に多い。自然のまま。ナチュラル志向。

しかし、私にとっては刺激がまだ強すぎる。 


もうこの先は、ワキ毛しか目に入らな
い。

彼女は決してブサイクなわけではない。
むしろキレイな部類に入るのではないか。

しかし、名前もなかったこの女性のスペースに、しっかりとワキ毛がハマった。

なぜノースリーブを着るのだろう。見せたいのか?ワキ毛を。

ワキ毛はひとしきり飯を食らったあと、空港へと慣れた感じで帰って行った。
 
明日から楽しい旅になるよう計画を練ろう。

そのあと屋台で食べた美味しいナシゴレンに腹も満たされて、とても気持ちいい夜になった。
 
 
 
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

学校であった怖い話の思い出語り【ネタバレ前提】

よもぎ
エッセイ・ノンフィクション
ファミコンソフト「学校であった怖い話」の思い出語りです。話の内容のネタバレ等が含まれますので、内容を知らない人向けではございません。

君は妾の子だから、次男がちょうどいい

月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

アルンの日々の占いや駄文【5】

譚音アルン
エッセイ・ノンフィクション
タイトル通り。

ハピエン厨になったわけ

華抹茶
エッセイ・ノンフィクション
執筆を初めて二年半。いろいろな物語を書いてきたものの、その全ては必ずハッピーエンド。 それ以外を書かない理由をただつらつらと書いたものになります。

【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。

紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。 アルファポリスのインセンティブの仕組み。 ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。 どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。 実際に新人賞に応募していくまでの過程。 春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)

昭和・平成のアニメソングを掘り起こそう

くろねこ教授
エッセイ・ノンフィクション
昭和・平成のアニメソングを掘り起こそう。 全てのアニソン好きに捧ぐ。 みんなが知っているアニソンから一部の人しか知らないマイナー曲まで。 忘れ去られるには惜しい歌がたくさんあります。 そんなアニメソングを掘り起こそう。 YOUTUBE、投稿動画、『昭和・平成のアニメソングを掘り起こそう』の姉妹版、補足、宣伝用です。 曲自体を聞きたい方はYOUTUBEの方へどうぞ。

処理中です...