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第10話
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「皆様、シュラ殿がおつきになりました。」
家族みんなで団らんしていると、メイド長のセレナが呼びに来た。
とうとう来てしまったようだ。できればや優しい人がいいな。本当に恨まれていないことを祈るしかない。
「応接室に通してくれ。そこで顔合わせをしよう。さあ、私たちも行こうか。」
当様が指示を出すと、セレナはかしこまりましたと言って、シュラさんを呼びに行った。
僕も、父様に抱きかかえられて応接室へ向かう。
「父様、大丈夫でしょうか。」
「ははは、そんなに緊張するな。だめなら違うやつを連れてくる。ノアは普通にしていればいいよ。」
応接室にいると緊張がどんどん高ぶってきて、少し震えてくるくらいだ。お父様は大丈夫だと元気づけてくれるが、やっぱり不安。でも父様も母様も兄様もいるから、何とか耐えられる。
コンコンコン
「入れ」
「失礼いたします」
そういって入ってきたのは、茶髪で緑色の目をした、若い青年だった。真面目そうな顔つきで、程よく筋肉のついた体つきだ。
シュラさんが部屋に入ってくると、僕と目が合った。
なぜか固まっているシュラさん。
もしかして僕の従者になるのが嫌なのかな。もう数秒固まったままなんだけど。
顔?何?何が気に入らないのかな?確かに家族のみんなと比べたら地味な顔してるけど、不快感を感じるほどではないはずだ。いや、そう信じたい。
「あ、あの、、、」
「おいシュラ、何をしている。お前のせいでノアが不安になっているだろうが。」
「はっ、もも、申し訳ありません。
本日よりノア様の護衛と身の回りのお世話をさせていただきます、シュラと申します。よろしくお願いします。」
僕がオロオロし始めると、父様が怒ってしまった。
父様が怒気を含んだ声でシュラさんを威圧すると、シュラさんはハッとして自己紹介をし、深々と頭を下げた。
「こ、こちらこそよろしくね。」
僕も一応立ち上がって、挨拶だけはした。
僕は主人だから、シュラさんに敬語を使ったりしてはいけないらしい。セバスが教えてくれた。
「さあ、シュラも座りなさい。これからのことを説明するから。」
シュラさんは初々しい感じがあって、緊張しているようで、見ている僕の緊張はどこかへいってしまった。
父様が、シュラさんに僕のことや、家でのことを一通り説明し終わる頃には、夕方になっていた。
「ノア、そろそろ魔力が解放されるね。ノアもこれからは魔法が使えるよ。僕が教えてあげるからね。」
そうだった。今日は魔力解放もあるんだ。シュラさんのことですっかり忘れていた。
「また緊張してきました。ふぅ。」
「ノア、大丈夫かい?」
「はい、大丈夫です。ちょっと暑くて。」
なんだか暑くなってきた。興奮しすぎかな?でも、ちょっとフラフラする気もするし、風邪かな?せっかくの魔力解放なのに。
そんなふうに考えていると、瞼が重くなってきた。あれ、おかしいな。
「ノア?
ノア?え?
の、ノア!
ち、父上!ノアがすごい熱で、呼んでも返事がなくて!」
ノアの意識がなくなり、ノアがウィリアムにもたれかかると、ウィリアムも様子がおかしいことに気がついた。
ノアを読んでも返事がなく、顔が赤いので額を触ってみると随分熱いことに気づく。
父と母はシュラと話していて、ノアの異変に気づいていなかった。
「どうした、診せなさい。」
「あなた、ノアの魔力が!」
ノアの魔力は、少しずつ少しずつ大きくなっていた。魔力が解放されたのだ。
「これは、魔力が大きくなりすぎて体に異常が出ている。
セバス!すぐに医者を呼べ!」
「かしこまりました。」
普段は温厚で、冷静なセバスも少し焦っているのか、急いで部屋を出て行った。
ウィリアムとシュラに至っては、何が起きているのかわかっていない。
アイザックは急いでノアを部屋まで運び、できる限りの処置はした。
医者が到着しても、ノアの意識が戻ることはなく、医師がもう一度封印を施そうとするも、ノアの魔力に跳ね返されてしまう。
それからもノアはこんこんと眠り続けた。
家族みんなで団らんしていると、メイド長のセレナが呼びに来た。
とうとう来てしまったようだ。できればや優しい人がいいな。本当に恨まれていないことを祈るしかない。
「応接室に通してくれ。そこで顔合わせをしよう。さあ、私たちも行こうか。」
当様が指示を出すと、セレナはかしこまりましたと言って、シュラさんを呼びに行った。
僕も、父様に抱きかかえられて応接室へ向かう。
「父様、大丈夫でしょうか。」
「ははは、そんなに緊張するな。だめなら違うやつを連れてくる。ノアは普通にしていればいいよ。」
応接室にいると緊張がどんどん高ぶってきて、少し震えてくるくらいだ。お父様は大丈夫だと元気づけてくれるが、やっぱり不安。でも父様も母様も兄様もいるから、何とか耐えられる。
コンコンコン
「入れ」
「失礼いたします」
そういって入ってきたのは、茶髪で緑色の目をした、若い青年だった。真面目そうな顔つきで、程よく筋肉のついた体つきだ。
シュラさんが部屋に入ってくると、僕と目が合った。
なぜか固まっているシュラさん。
もしかして僕の従者になるのが嫌なのかな。もう数秒固まったままなんだけど。
顔?何?何が気に入らないのかな?確かに家族のみんなと比べたら地味な顔してるけど、不快感を感じるほどではないはずだ。いや、そう信じたい。
「あ、あの、、、」
「おいシュラ、何をしている。お前のせいでノアが不安になっているだろうが。」
「はっ、もも、申し訳ありません。
本日よりノア様の護衛と身の回りのお世話をさせていただきます、シュラと申します。よろしくお願いします。」
僕がオロオロし始めると、父様が怒ってしまった。
父様が怒気を含んだ声でシュラさんを威圧すると、シュラさんはハッとして自己紹介をし、深々と頭を下げた。
「こ、こちらこそよろしくね。」
僕も一応立ち上がって、挨拶だけはした。
僕は主人だから、シュラさんに敬語を使ったりしてはいけないらしい。セバスが教えてくれた。
「さあ、シュラも座りなさい。これからのことを説明するから。」
シュラさんは初々しい感じがあって、緊張しているようで、見ている僕の緊張はどこかへいってしまった。
父様が、シュラさんに僕のことや、家でのことを一通り説明し終わる頃には、夕方になっていた。
「ノア、そろそろ魔力が解放されるね。ノアもこれからは魔法が使えるよ。僕が教えてあげるからね。」
そうだった。今日は魔力解放もあるんだ。シュラさんのことですっかり忘れていた。
「また緊張してきました。ふぅ。」
「ノア、大丈夫かい?」
「はい、大丈夫です。ちょっと暑くて。」
なんだか暑くなってきた。興奮しすぎかな?でも、ちょっとフラフラする気もするし、風邪かな?せっかくの魔力解放なのに。
そんなふうに考えていると、瞼が重くなってきた。あれ、おかしいな。
「ノア?
ノア?え?
の、ノア!
ち、父上!ノアがすごい熱で、呼んでも返事がなくて!」
ノアの意識がなくなり、ノアがウィリアムにもたれかかると、ウィリアムも様子がおかしいことに気がついた。
ノアを読んでも返事がなく、顔が赤いので額を触ってみると随分熱いことに気づく。
父と母はシュラと話していて、ノアの異変に気づいていなかった。
「どうした、診せなさい。」
「あなた、ノアの魔力が!」
ノアの魔力は、少しずつ少しずつ大きくなっていた。魔力が解放されたのだ。
「これは、魔力が大きくなりすぎて体に異常が出ている。
セバス!すぐに医者を呼べ!」
「かしこまりました。」
普段は温厚で、冷静なセバスも少し焦っているのか、急いで部屋を出て行った。
ウィリアムとシュラに至っては、何が起きているのかわかっていない。
アイザックは急いでノアを部屋まで運び、できる限りの処置はした。
医者が到着しても、ノアの意識が戻ることはなく、医師がもう一度封印を施そうとするも、ノアの魔力に跳ね返されてしまう。
それからもノアはこんこんと眠り続けた。
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