悪役無双

四季

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第6話

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 おはようみんな、ノアです。僕は今日も元気に遊んでいる。
 僕はまだ子供、2歳にも満たないから、できることがほんとに少ない。だから、兄か父、母がいないとやることがない。たまに執事長のセバスも遊んでくれるけど。

 そして今日、僕は魔法を教えてもらえることになった。


 つい先ほど、

 「だーりぇだ!」

 「おやおや、坊ちゃまはいたずらっ子ですね」

 廊下を歩いていると、セバスを発見した。すごく暇で、ちょっといたずらしてみようと思った。後ろから近づいて行って、飛びついた。
 セバスは、笑顔でなでてくれる。ほんとのこと言うと、かまってほしかった。

 「シェバシュ、あそぼ?」

 「少々お待ちいただけますかな、すぐに用を済ませますので。」

 「うん、まってりゅね」

 セバスを遊びに誘うと、忙しいはずなのにいやな顔ひとつせず、笑顔で遊んでくれる。
 セバスは、まだ専属の使用人がついていない僕の世話をしてくれることが多い。でも、セバスは執事長だから、お父様の仕事も手伝ったり、屋敷内のことを取り仕切ったりしていて、すごく忙しいはずだ。それなのに、お父様たちが、信用できる人でないとだめだと言ったのだ。
 
 ちなみに、僕に専属の使用人がいないのも、お兄様やお父様、お母様が自分で世話をしたがったからだ。まったく、過保護すぎるよね。
 


 「お待たせしました坊ちゃま。さて、何をしましょうか。」

 「うーんとねぇ、僕、魔法使いたいの!」

 今日は、お父様は王宮、お母様はお茶会、お兄様は授業と、セバス以外周りにはいない。だから、止める者はいない。


 つい先日、お母様に魔法を見せてもらった。そのとき、僕も使いたいと言ってみた。でも。ノアにはまだ早いわよ、と軽くあしらわれてしまった。
 でも僕はあきらめない。


 「坊ちゃま、もう少し大きくなってからにしましょうね。」

 「や!僕も使いたいの!」

 最初断られることは想定内。だから聞き分けのない子供を演出してみる。
 セバスは、僕のわがままは大体何でも聞いてくれる。甘々な執事だ。まあ、家族もみんな僕のことをかわいがってくれてるから、大体のことは聞いてくれるけどね。

 「魔法というのは危険なものなのです。坊ちゃまにもしものことがあれば、旦那様や奥様はもちろん、多くの人が悲しみます。」

 セバスは本当に悲しそうな顔をしている。
 うっ、そういう顔をされると頼みづらい。

「じゃ、じゃあね、使わないから!使わないけど、魔法についてお勉強すりゅ!」

 これくらいなら譲歩してくれるかもしれない。せっかく異世界に来て、魔法が存在してるのに、使えない期間が長すぎる。
 僕の目には、涙が溜まってきた。

 「、、、分かりました。理論的なことはお教えしましょう。ただし、魔力の操作などはまだ教えられません。よろしいですね?」

 「うん!ありゃりゃと、セバス。」

 「はあ、坊っちゃま、そういったお顔はあまり人に向けてはなりませんよ。」

 ん?どういうことだ?
 え、もしかして今ディスられた?

 「まあ、いいでしょう。」










今日はもう一話更新します。
15時更新です。




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