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第二章 楽しい(?)異世界新生活
第27話 悪い子にはお仕置き
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呪いを発動させたリリアの口調は、思いの外はっきりしていた。
語尾に媚びるような響きがあるが、まともな思考力を保っているように感じられる。
「ふう……やっと表に出てこられたわぁ。こんばんは、エイジさん。はじめましてぇ」
やっと出てきた?
はじめまして?
いったいどういう意味だ?
「リリアの身体に巣食っている呪いが、お前なのか?」
そう問うと、リリアの身体を乗っ取ったそれは、ぽかんとした表情を浮かべた。
一瞬の間をおいて、リリアは「きゃはははは!」と火が点いたかのように哄笑する。
「なにがおかしい!」
「あは、あはははっ! なにそれ! 呪いが人格を持ったのが、あたしってことぉ? 面白い推理だし、わたしもそう思っていたみたいだけどぉ、残念ながら不正解!」
リリアはそう言いながら、右手で俺の頬を、左手で腰のあたりを愛おしそうに撫で回した。
「あたしはリリアよ。さっきわたしが言ったでしょう? もう一人の自分。それがあたしなの。まぁ呪いと無関係じゃないけど」
面白がるような口調で、それは囁く。
「わたしは、呪いによって暴走した自分の性欲に抗い続け、無理に抑圧しようとした。そのせいで、心が壊れそうになったの。その結果として生まれたのが、あたし。あたしはリリアの心の防衛機構として生まれたの。リリアの理性を唆し、性欲の解放を促して、精神の崩壊を食い止めるための安全弁。表のわたしと表裏をなす、もうひとつの人格。それがあたし」
「なんだと——」
さっきリリアは言っていた。「自分の中から声がする」と。俺は——そしてリリア自身も、それは呪いの効果だと思っていたが、間違っていたということか。
「あたし、いままでずっとリリアの理性で押さえ込まれていて、ほとんど表に出てこられなかったんだけどぉ、エイジさんがイイカンジにリリアを叱ってくれたおかげで、こうやってハッキリ出てこられた——というわけ。うふふ!」
リリアの指が艶めかしく蠢き、俺の首筋や、足の付け根の部分を愛撫する。
「さぁ、早くあたしを抱いて。それがリリアの願い。ほらぁ、エイジさんの身体だって、もうこんなになってるじゃない? すごぉい、ここがもうガッチガチ! キャハハ!」
「くっ……!」
リリアの指による愛撫に耐えながら、俺は急いで考えを巡らせていた。
俺はどうするべきだろうか?
表と裏、双方のリリアが言うことを総合すると、リリアは自分の性欲に上手く向き合えないことで、精神的な危機に陥っている。
俺がここで彼女を抱き、性的な満足感を与えてやれば、一時的に危機は回避されるかもしれない。
俺の本能は、リリアを抱きたがっている。
あの細く引き締まった美しい身体の奥に、自分をねじ込み、衝動を打ちつけ、欲望を炸裂させたい。いますぐにでも。
だが、俺の理性がそれを押しとどめる。
いまリリアを抱くことで、彼女の心を一時的に救えるかもしれない。
だがそれでいいのか? 何か違う気がする。こんな風に、なし崩し的に身体を重ねても長期的には良い結果を生まないのではないか?
たとえことに及ぶにしても、もっと信頼を育んだ上で、きちんと合意をもってやらなければ、今後しこりを残すことになるのではないか——リリアの心にも、俺の心にも。
「ねえぇ、エイジさんー! なんでずっと黙っているのぉ? 早くやりましょうよぉ。意気地無しじゃないんだった。あれ? もしかして、リリアのことが嫌いなのぉ?」
悩み続ける俺に、リリアが責めるような口調で言う。
クソ、どうすればいいんだ……!
「リリアが悪い子だから、嫌いになったのぉ? だったらぁ、早くお仕置きしてぇ。そしたら、惨めったらしい声で、無様に、可愛らしく泣いてあげる。エイジさんをいっぱいいっぱい、楽しくさせてあげる」
このとき、俺の脳裏に一つのアイデアが浮かんだ。
以前、たしか表のリリアが言っていた。彼女は、痛みや屈辱を快感に感じるのだと——
一か八かだが、この場を切り抜けられるかもしれない。
俺はリリアの両手首を掴んだ。
「あはっ! ついにその気になったのね!」
「ああ。やってやるとも。悪い子にはお仕置きが必要だ」
俺はリリアの手を持ったまま、ベッドに腰掛けた。
そして、油断していたリリアの背中に手をかけて体勢を崩し、左太腿の上に腹ばいにさせる。
リリアは「きゃっ!」と小さい悲鳴をあげた、その隙に、左手でリリアの右手を背中側に捻りあげ、自分の右脚でリリアの両足をガッチリ挟み込んだ。
「あらぁ! エイジさん、やるじゃない! そうかぁ、それをやるのね!」
リリアは、これから自分が受ける行為に期待を膨らませ、嬌声をあげた。
「いいわ、いいわ、いいわぁ! あたしのお尻を打つのね! そういうの大好きよ。でも、やるなら全力でね。中途半端はダメよ! 下手に生殺しにすると、この子がますます苦しんじゃうからぁ。ちゃんと満足させるのよぉ?」
「ちくしょう、分かったよ!」
こうなれば行くところまで行くまでだ。
覚悟を決め、俺は右手を大きく振りかぶり。
リリアの剥き出しの尻に向けて、全力で振り下ろした。
語尾に媚びるような響きがあるが、まともな思考力を保っているように感じられる。
「ふう……やっと表に出てこられたわぁ。こんばんは、エイジさん。はじめましてぇ」
やっと出てきた?
はじめまして?
いったいどういう意味だ?
「リリアの身体に巣食っている呪いが、お前なのか?」
そう問うと、リリアの身体を乗っ取ったそれは、ぽかんとした表情を浮かべた。
一瞬の間をおいて、リリアは「きゃはははは!」と火が点いたかのように哄笑する。
「なにがおかしい!」
「あは、あはははっ! なにそれ! 呪いが人格を持ったのが、あたしってことぉ? 面白い推理だし、わたしもそう思っていたみたいだけどぉ、残念ながら不正解!」
リリアはそう言いながら、右手で俺の頬を、左手で腰のあたりを愛おしそうに撫で回した。
「あたしはリリアよ。さっきわたしが言ったでしょう? もう一人の自分。それがあたしなの。まぁ呪いと無関係じゃないけど」
面白がるような口調で、それは囁く。
「わたしは、呪いによって暴走した自分の性欲に抗い続け、無理に抑圧しようとした。そのせいで、心が壊れそうになったの。その結果として生まれたのが、あたし。あたしはリリアの心の防衛機構として生まれたの。リリアの理性を唆し、性欲の解放を促して、精神の崩壊を食い止めるための安全弁。表のわたしと表裏をなす、もうひとつの人格。それがあたし」
「なんだと——」
さっきリリアは言っていた。「自分の中から声がする」と。俺は——そしてリリア自身も、それは呪いの効果だと思っていたが、間違っていたということか。
「あたし、いままでずっとリリアの理性で押さえ込まれていて、ほとんど表に出てこられなかったんだけどぉ、エイジさんがイイカンジにリリアを叱ってくれたおかげで、こうやってハッキリ出てこられた——というわけ。うふふ!」
リリアの指が艶めかしく蠢き、俺の首筋や、足の付け根の部分を愛撫する。
「さぁ、早くあたしを抱いて。それがリリアの願い。ほらぁ、エイジさんの身体だって、もうこんなになってるじゃない? すごぉい、ここがもうガッチガチ! キャハハ!」
「くっ……!」
リリアの指による愛撫に耐えながら、俺は急いで考えを巡らせていた。
俺はどうするべきだろうか?
表と裏、双方のリリアが言うことを総合すると、リリアは自分の性欲に上手く向き合えないことで、精神的な危機に陥っている。
俺がここで彼女を抱き、性的な満足感を与えてやれば、一時的に危機は回避されるかもしれない。
俺の本能は、リリアを抱きたがっている。
あの細く引き締まった美しい身体の奥に、自分をねじ込み、衝動を打ちつけ、欲望を炸裂させたい。いますぐにでも。
だが、俺の理性がそれを押しとどめる。
いまリリアを抱くことで、彼女の心を一時的に救えるかもしれない。
だがそれでいいのか? 何か違う気がする。こんな風に、なし崩し的に身体を重ねても長期的には良い結果を生まないのではないか?
たとえことに及ぶにしても、もっと信頼を育んだ上で、きちんと合意をもってやらなければ、今後しこりを残すことになるのではないか——リリアの心にも、俺の心にも。
「ねえぇ、エイジさんー! なんでずっと黙っているのぉ? 早くやりましょうよぉ。意気地無しじゃないんだった。あれ? もしかして、リリアのことが嫌いなのぉ?」
悩み続ける俺に、リリアが責めるような口調で言う。
クソ、どうすればいいんだ……!
「リリアが悪い子だから、嫌いになったのぉ? だったらぁ、早くお仕置きしてぇ。そしたら、惨めったらしい声で、無様に、可愛らしく泣いてあげる。エイジさんをいっぱいいっぱい、楽しくさせてあげる」
このとき、俺の脳裏に一つのアイデアが浮かんだ。
以前、たしか表のリリアが言っていた。彼女は、痛みや屈辱を快感に感じるのだと——
一か八かだが、この場を切り抜けられるかもしれない。
俺はリリアの両手首を掴んだ。
「あはっ! ついにその気になったのね!」
「ああ。やってやるとも。悪い子にはお仕置きが必要だ」
俺はリリアの手を持ったまま、ベッドに腰掛けた。
そして、油断していたリリアの背中に手をかけて体勢を崩し、左太腿の上に腹ばいにさせる。
リリアは「きゃっ!」と小さい悲鳴をあげた、その隙に、左手でリリアの右手を背中側に捻りあげ、自分の右脚でリリアの両足をガッチリ挟み込んだ。
「あらぁ! エイジさん、やるじゃない! そうかぁ、それをやるのね!」
リリアは、これから自分が受ける行為に期待を膨らませ、嬌声をあげた。
「いいわ、いいわ、いいわぁ! あたしのお尻を打つのね! そういうの大好きよ。でも、やるなら全力でね。中途半端はダメよ! 下手に生殺しにすると、この子がますます苦しんじゃうからぁ。ちゃんと満足させるのよぉ?」
「ちくしょう、分かったよ!」
こうなれば行くところまで行くまでだ。
覚悟を決め、俺は右手を大きく振りかぶり。
リリアの剥き出しの尻に向けて、全力で振り下ろした。
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