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衝突
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奥まで歩みを進めていくごとに泣き声の声量は大きくなっていく。痛い痛いと叫ぶ様子はまだ実験中なのかと思わせるほどだった。
「おーい、誰がそこで泣いてんだ~?」
カーテンを開けて中を覗いてみるとぼろぼろの洋服を着ている長髪の子が泣いていた。
「だれ、?」
「あー、君年齢は?」
裏社会のルールとして特例以外は15歳以上には責任能力があるとして敵側だと殺害する決まりとなっている。
「僕は13、奏遊陽、」
「んぁ、どーする?朔夜?」
「15以上じゃないなら保護でいいだろー?それを見越して司令部もだしてんだし。」
一緒に行こうぜ、と手を取り帰路に着く。丁度廃墟から出たあたりで後ろから声をかけられた。
「随分と呑気だな、優穂。」
「んぁ、祈!ねぇ、そっちのチームはどう?祈は最近楽しい?」
久しぶりに祈を見つけてテンションが上がっている優穂を他所に祈は冷えた目でこっちを見ていた。
「うるせぇよ、コンビ解散した原因のくせに、」
2階の吹き抜けから見下すように話しかけている祈の目にはハイライトが入っていなかった。
「祈ー。回収品見つけたし帰るぞ、って朔夜!久しぶり。」
「暁月!上層部にバラバラにされて以来だな、」
祈を探しにきていたであろう暁月は朔夜を見つけて話しかける。少し沈黙が流れ祈が行こうぜ、と暁月に声をかけその場は解散となった。
「あっちが勝手に拗らせてるだけじゃん...俺祈に嫌われた...?」
俯いて動かなくなってしまった優穂の手を引いて朔夜は帰路に着く。ずっとぶつぶつと自問自答を繰り返す様子はまるで呪いのようで少し怖いと思った。隣で一緒に歩いていた奏にも怪奇なものを見る目を向けられていた。
「考えたって仕方ないだろ~、普通に歩け。」
はーい、と気だるけな返事が返ってきた。
______
《キャラ一覧》
朔夜 春 (さくや・はる)
・暁月と面識がある。 ・チームのリーダー的存在
七星 北斗 (ななせ・ほくと)
・生き残れると確信があったため置いてきた。 ・意外と優しい
皇 優穂 (すめらぎ・ゆうほ)
・祈とコンビを組んでいた。
水葉 祈 (みずは・いのり)
・優穂とコンビを組んでいた。 ・優穂が原因で解散したらしい
暁月 紫緒 (あかつき・しお)
・朔夜と面識がある。 ・祈と仲がいい。
「おーい、誰がそこで泣いてんだ~?」
カーテンを開けて中を覗いてみるとぼろぼろの洋服を着ている長髪の子が泣いていた。
「だれ、?」
「あー、君年齢は?」
裏社会のルールとして特例以外は15歳以上には責任能力があるとして敵側だと殺害する決まりとなっている。
「僕は13、奏遊陽、」
「んぁ、どーする?朔夜?」
「15以上じゃないなら保護でいいだろー?それを見越して司令部もだしてんだし。」
一緒に行こうぜ、と手を取り帰路に着く。丁度廃墟から出たあたりで後ろから声をかけられた。
「随分と呑気だな、優穂。」
「んぁ、祈!ねぇ、そっちのチームはどう?祈は最近楽しい?」
久しぶりに祈を見つけてテンションが上がっている優穂を他所に祈は冷えた目でこっちを見ていた。
「うるせぇよ、コンビ解散した原因のくせに、」
2階の吹き抜けから見下すように話しかけている祈の目にはハイライトが入っていなかった。
「祈ー。回収品見つけたし帰るぞ、って朔夜!久しぶり。」
「暁月!上層部にバラバラにされて以来だな、」
祈を探しにきていたであろう暁月は朔夜を見つけて話しかける。少し沈黙が流れ祈が行こうぜ、と暁月に声をかけその場は解散となった。
「あっちが勝手に拗らせてるだけじゃん...俺祈に嫌われた...?」
俯いて動かなくなってしまった優穂の手を引いて朔夜は帰路に着く。ずっとぶつぶつと自問自答を繰り返す様子はまるで呪いのようで少し怖いと思った。隣で一緒に歩いていた奏にも怪奇なものを見る目を向けられていた。
「考えたって仕方ないだろ~、普通に歩け。」
はーい、と気だるけな返事が返ってきた。
______
《キャラ一覧》
朔夜 春 (さくや・はる)
・暁月と面識がある。 ・チームのリーダー的存在
七星 北斗 (ななせ・ほくと)
・生き残れると確信があったため置いてきた。 ・意外と優しい
皇 優穂 (すめらぎ・ゆうほ)
・祈とコンビを組んでいた。
水葉 祈 (みずは・いのり)
・優穂とコンビを組んでいた。 ・優穂が原因で解散したらしい
暁月 紫緒 (あかつき・しお)
・朔夜と面識がある。 ・祈と仲がいい。
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