その瞳には映らない

雨霧れいん

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思い出せない記憶

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《ねぇ”っ..いかないで....!!俺を置いてかないでよ..っ!!__!!!》夢の中の少年が床に泣き崩れている。腕には何かを抱えているがもやがかかっていて何にも見えない。ゆっくり歩いて近づくとガラスのようにはじけ飛んだ。

「ん”ッ...はぁっ....はぁっ...」

布団をくしゃっと握り飛び起きる。心臓の鼓動がうるさくて周りの音が聞こえないカーテンから差し込む夕日、部屋がオレンジ一色に染まっている。深呼吸をして目を瞑るすると、とくん、とくん、と落ち着いてきたようだった。

「おい、クソ朔夜さくや。任務だぞ」
「わかってるぞ北斗ほくと優穂ゆうほは?」
「めんどくせぇって嘆いてる...あんのクソが...」

相変わらず仲わりぃな、と苦笑して準備をする。今日の任務は悪質な人体実験所の壊滅であり殺しも問わない任務。ポケットにナイフ、銃を入れて部屋を出る。

「北斗~。遠くからスナイプよろしくなっ!優穂は刀で切りかかって、俺は中距離を維持しながら全員に指令を出す。研究児はなるべく殺さずに保護しろということだ」
「えぇ~、もう任務ー?めんどくさーい、」
「うるせぇよ、クソ怠け野郎。行くぞ」

拒否権なしー?と優穂が文句を言いながらも立ち上がり準備を進める。真っ黒なパーカーに黒い銃。作ってもらった味方の証を手首につけて向かった。

____________________

廃墟では銃声がよく響く。こだまして奥まで伝わっていく音のせいで敵が自分から向かい合ってくるようになった。

「おらぁ"ッッ!!殺せ!!実験動物に手を出させるな!」

必死に叫ぶ隊長のような人。それらをすべて無視して無慈悲に殺していく。

「キモ...ねぇ~帰りたい。」
「じゃぁ早く殺せよ~。」

軽く雑談をしながらも短剣を投げ、銃を撃ち倒していく。後方支援としてスナイプしてくれている北斗のところまで行かせるわけにはいかないのだ。
大体の敵を殲滅し終わったところで奥の研究室に足を進めると、ぐすっ、ぐすっと泣き声のような声がした。

「おい朔夜。俺はもう戻るからな。中のチェックは2人でしろ。」

通信機でそれだけ告げると北斗は戻ってしまった。

「え~、俺も帰りたい...だめー?」
「泣き声聞こえてんのにお前帰るのかよ...。探しに行くぞ~。」

嫌だ嫌だと駄々をこねる優穂の手を引いて奥まで進んで行った。


______

《キャラ一覧》

朔夜 春  (さくや・はる)
七星 北斗 (ななせ・ほくと)
皇  優穂 (すめらぎ・ゆうほ)
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