議論をしない議論部

ryuki

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リレーをする議論部!

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 「みんな頑張って!議論部はリレーのためにあるのよ!」
 おいおい違うだろとツッコミたいところだが、本当にそうなのかもしれない。だって、ここ最近ずっとリレーの練習しかしてないもん!いや、マジで。
 実をいうと猛練習の話をしたいところだが、この小説はスポ根小説ではないのでやめておく。
 この小説って何言ってんだ俺は。まあ、本当にきつかったです。
 
「これから部活動対抗リレーを始めます。選手のみなさんは位置についてください」
 放送委員1の美人のアナウンスという名の美声が聞こえる。この人はアナウンサーになりたいのかな?
 関係ないけどアナウンサーとなんくるないさーって似てるよね!似てない?ごめんなさい。
 試合を直前にテンションが上がってしまっている。
 初めてだから優しくしてほしい。

 「バンっ」
 ピストルの音が聞こえる。涼さんが恐ろしいスピードでグランドを駆ける。その姿はとてもキラキラしていてカッコいい。そうこうしてるうちに俺の番が来る。そうこうしてたけど、走行してなかったからね!

 陸上部との差は軽く開いている。だが、陸上部の走者は部内2位の城之内さんだ。体がでかいからか走る音が大きい。

 走って走って走りまくってなんとか城之内さんより先に部長にバトンを渡すことが……できなかった。俺は部長にバトンを渡そうとした時に城之内さんとぶつかって転んでしまったのだ。
 恥ずかしさや悔しさなど様々な感情が湧いてくる。
 勝手に出てきた目からの汗で前が見えない。

 「立つのよ!高橋大貴、あんたの練習はそんなもんだったの?」
 そうだ俺、いや俺たちは今日まで頑張ってきた。ここでそれを無駄にするわけにはいけないんだ!
 もういま立ち上がったところで陸上部には勝てないだろう。しかし、ここで止めるわけにはいけない!体は限界に近いけどなんくるないさー!

 ありったけの力で立ち上がる。そして3歩這いつくばるように走った。
 「はい」
 部長にバトンを渡す。部長はほほえみ、よく頑張ったわねと言った気がした。
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