議論をしない議論部

ryuki

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議論部へようこそ

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 俺はただの高校生だったはずだった。
 しかし、突然目覚める力。
 それに戸惑いながらも世界を救う旅に向かう。

 これは俺が現代社会の授業の時に見た夢だ。

 正直に言って現代社会が6時間目というのは生徒を夢の世界へ送り、そこで能力に目覚めさせる。

 つまり、寝ながら目覚める。つまり起きてる。だから先生、俺の成績を下げんといてー。

 それはそうと、俺は先週の土曜日だから…3日前いや、4日前に議論部に入部した。あの、背伸びしながらの上目遣いは俺も落とされた。受験の話じゃないよ。
 自分の失敗をギャグにできるのが一流だ。う、目から汗が。

 議論部の活動は基本月曜から土曜まである。昨日までは体調不良でサボっ…もとい、休ませてもらった。無断で。

 するとどうだろう。担任から一枚の紙が渡されたのだ。「死にたくなければ、議論部の部室にきたまえ」と楽しく部活に誘う紙が。

 なので今、俺は引きつった笑顔で議論部の部室に向かっている。もちろん、余裕はなく、少し小走りだ。

 まず、入ったら謝ろうそう思った俺は震えた右手でドアノブをひとひねり、そして引く。

 なんということでしょう。そこにはあの手紙のような重々しさはなく。壁には新入部員歓迎会と綺麗な字で書かれた紙が貼られてあります。右端には匠の心遣いでとても小さな字で高橋大貴と僕の名前が書いてあります。

 「入部おめでとう」
 誰もいないのに声が聞こえる。俺は疲れてるんだなあ。この椅子に座ろう。
 「おっと、部長こんなところにいたんですか」
 「あんた、バカにしてんの?」
 「すみません。10パーセント冗談です。」
 「90パーも本気なの??」
 「これはなんですか?」
 「ああ、これ?招待状送ったじゃん」
 「そうですね」
 先輩は殺害予告を招待状というらしい。
 「これが議論部名物新入生歓迎会だよ」
 たしかに壁には紙がしっかり貼ってあるし、お菓子やジュースなども置いてある。
 
 しかし、絶対足りないものがある。

 それは……
  「ほかの部員の方はいないんですか?」

 「わたしとあんたとあんたと私がいるじゃない」
 「二人だけなんですか⁉︎」
 「冗談よ。部員は後3人いるわ。」
 「そうなんですか。今日は来てないんですか?」
 「見ての通りよ」
 
 僕たちはこんな会話をした後、お菓子を食べながらいろんな話をした。
 
    議論部は結構面白いかもしれない。
                 
                   議論はしてないが

 
 
 
 
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