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第二話 王子様になれなかった幼稚園
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幼稚園の時に出会ったのは隣町のマイちゃんという髪の長い女の子だった。
同じ幼稚園バスで同じ幼稚園に通う。
ただそれだけの関係だった。
ある日、お遊戯会でボクとマイちゃんはペアになった。
先生が勝手に決めただけで特に深い理由は無かったと思う。
ガッチガチに緊張していたボクにマイちゃんは優しく「一緒に頑張ろうね」と言ってくれたんだ。
恋をするきっかけなんてそんなもの。
ボクは意識するあまり散々失敗してしまったけれどマイちゃんは最後まで優しかった。
マイちゃんを好きになって一ヶ月後くらいだろうか?
その日、朝から次のお遊戯発表会について先生のおしらせがあったんだ。
今度はパパやママたちに見せるための劇をやるらしい。
先生がホワイトボードに劇の役名をずらっと書き並べた後ボクたちに聞いた。
「この中のどの役かやりたい人はいるかなー?」
何人かが手を上げて先生に自分がやりたい役を告げていった。
その中に元気よく手を上げるマイちゃんもいた。
「私、お姫様の役をやりたい」
今考えるとマイちゃんの勇気は凄いね。
女の子の誰もが憧れるであろうお姫様、しかしそれゆえにプレッシャーも強いだろうその役に立候補したんだから。
先生は一通りの希望を聞いてからそれぞれの役の横に子供たちの名前を書いていった。
このときボクに勇気があれば「王子様をやりたいです」と言えたはずなんだ。
でももちろんボクにはそんなことは言えなかった。
心の中で王子様をやりたいとずっと思いながら先生がその役をボクに与えてくれることを待っていただけだった。
もちろんボクは王子様になれなかった。
王子様に選ばれたのは組でも一番かっこいいマサムネくんだった。
先生としても劇を見学に来る保護者に対する見栄えとか考えたんだろうな。
結局ボクの役は街人Aに決まった。
台詞は一言だけ。
「王子様がいらっしゃったぞー」
もちろん練習なんてほとんど必要なかったのはわかるだろ?
それから発表会までの間、練習でボクは一言だけ言って脇に消え、マサムネくんとマイちゃんは仲良く舞台上で輝いていた。
脇役になってしまったボクと主役に躍り出たマサムネくん。
マイちゃん争奪戦は戦いにすらならなかったよ。
同じ幼稚園バスで同じ幼稚園に通う。
ただそれだけの関係だった。
ある日、お遊戯会でボクとマイちゃんはペアになった。
先生が勝手に決めただけで特に深い理由は無かったと思う。
ガッチガチに緊張していたボクにマイちゃんは優しく「一緒に頑張ろうね」と言ってくれたんだ。
恋をするきっかけなんてそんなもの。
ボクは意識するあまり散々失敗してしまったけれどマイちゃんは最後まで優しかった。
マイちゃんを好きになって一ヶ月後くらいだろうか?
その日、朝から次のお遊戯発表会について先生のおしらせがあったんだ。
今度はパパやママたちに見せるための劇をやるらしい。
先生がホワイトボードに劇の役名をずらっと書き並べた後ボクたちに聞いた。
「この中のどの役かやりたい人はいるかなー?」
何人かが手を上げて先生に自分がやりたい役を告げていった。
その中に元気よく手を上げるマイちゃんもいた。
「私、お姫様の役をやりたい」
今考えるとマイちゃんの勇気は凄いね。
女の子の誰もが憧れるであろうお姫様、しかしそれゆえにプレッシャーも強いだろうその役に立候補したんだから。
先生は一通りの希望を聞いてからそれぞれの役の横に子供たちの名前を書いていった。
このときボクに勇気があれば「王子様をやりたいです」と言えたはずなんだ。
でももちろんボクにはそんなことは言えなかった。
心の中で王子様をやりたいとずっと思いながら先生がその役をボクに与えてくれることを待っていただけだった。
もちろんボクは王子様になれなかった。
王子様に選ばれたのは組でも一番かっこいいマサムネくんだった。
先生としても劇を見学に来る保護者に対する見栄えとか考えたんだろうな。
結局ボクの役は街人Aに決まった。
台詞は一言だけ。
「王子様がいらっしゃったぞー」
もちろん練習なんてほとんど必要なかったのはわかるだろ?
それから発表会までの間、練習でボクは一言だけ言って脇に消え、マサムネくんとマイちゃんは仲良く舞台上で輝いていた。
脇役になってしまったボクと主役に躍り出たマサムネくん。
マイちゃん争奪戦は戦いにすらならなかったよ。
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