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本編
10.合流
しおりを挟むガチャ
「戻ったぞー」
『…』
「?…イオ?何やってんだ?」
『…おかえり、色々確認してた』
そう返しつつ顔を上げず作業を続ける
その手元には調合セットと薬草、近くには完成品を入れる瓶が転がっていた
「それってクラフターズ内のやつか?」
『そうそう、なんかこっちでもやれるみたいだし、こっちでの効能も良いから常備薬がわりに作っとこうかなって』
「へぇ…色々家から持ってきたのと途中で買い出しもしてきたぞ」
『サンキュー、よし、これでオッケー』
手を止め後ろを振り向くが特に荷物を持っているようには見えない
『あれ?荷物は?それにゲーム内での呼び方?』
「ここだよ、呼び方はまぁ知っている人にばれないようにだな」
アイテムBOXを開きパソコンとWi-Fi機器を取り出す
『じゃあ俺もジュランって呼ぶわ、んでスキル使えるようになってるんだな』
「そうなんだよ…これ見てくれよ」
届いていたメールを見せる
『ふーん、スキルはすぐにでも使えるようになってるのか、外見の変化は明日の朝になればわかるか』
「あ、あぁ」
『…ジュランの種族ってさ、狼だったっけ?』
「正確には人狼だな」
『プフ…狼耳としっぽつくじゃんw』
「笑うなよ…だが人狼だからな、スキルに人化があるんだよほら」
そういってスキル一覧を見せてくれた
『…えーいいなー』
「ま、これで俺は仕事休まなくて済むってわけだ」
『ほとんど外出る気無いからいいけどさ、なんて理由つけるつもり?』
「…んー…そーいやお前って既に高校の勉強内容全部覚えてるよな」
『そりゃ当然でしょ』
「特別措置が使えるんじゃないか?」
『特別措置?』
「おう、難題テストを95点以上で繰り上がり卒業的なのができるはずだ」
『楽勝じゃん』
「まぁ、それやるには一度学校行かなきゃならないわけだが…そうだな、校長にだけ今回のこと説明してもいいか?」
『他に情報漏れないようにしてくれるならいいよ』
「よし、後で連絡しとくわ」
『羽とかしっぽはなんとかなるけど…これ、どうしよう』
髪を弄りつつ耳を伏せる
「ゲーム内で人化のスキル的なの取れないのか?猫だから変幻か?」
『…あ、それ探そうと思ってたんだった、忘れてた』
「おいおい…とりあえず飯食うか、何がいい?」
『ジュランって料理できるの?』
「独り身で毎日ご飯作ってるからまあまあいけるぞ、それにスキルに調理があるし、材料も大量に確保してあるしな」
『あ、そうだった、材料ってクラフターズ内のやつ?』
「それ以外も買ってきたからあるぞ、だが、試してみないか?」
『…ハハ』
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