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14話 メイドさん大作戦よ
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私は今、ローレンの部屋の前まで来ている。
この豪邸、各自の部屋、応接室、食堂はもちろんメイドや執事の部屋とかめっちゃ待遇がいい。
ここのメイドとして働くのも悪くないだろうな。
まあ、私はこの家の娘として生まれたわけだから、当然メイドなんてさせてもらえないというか、シナリオ通りに進めば第一王子もといアオトの妻っていう役職になってしまうのだが…。
そんなことは関係ない、今はさほど重要じゃない。
いざローレンの部屋の前に来てみたものの、人見知りらしいから話がうまく広げられるだろうか。
まあ、話っていうかお礼を伝えたいのと、もう一つ重要なことが伝えたいのだが…。
とりあえず、この扉を開けないことには始まらない。
コンコンコン、と扉を叩く。少しすると、中から
「どうぞ」
という声が聞こえたので扉を開ける。
ローレンの部屋はとてもシンプルで必要最低限の物しか置かれていなかった。
奥にベッドと本棚があり、手前には椅子と机がある。それだけ。
ローレン自身は手前の椅子に座っていて、その向かい側に椅子があった。
ここに座ればいいのだろうか。
私は、椅子を引くとそこに腰を掛けた。
「それで、ご用件はなんでしょうか?」
業務用スタイルで攻めてきたか。
確かにテンプレートを言えてしまえば相手が初対面であれ、話を円滑に進めることが出来る。私はそう冷静に分析した後、質問に答える。
「今日は、いつもお料理を作ってくれているあなたにお礼を言おうと思って」
「お、お礼?」
「いつも美味しいご馳走を作ってくれてありがとう」
「え、いや、そ、その、あれは私が、しゅ、趣味で作っている、ので…」
すごいきょどってる。あたふたしているところ、本当に人との関係が無いんだろうな。
けど、私にはローレンと仲良くなっておきたい理由がある。ここで引いたら意味がないのだ。 そのためにも、ここでちゃんと次の約束を取り付けねば。
「私も、お料理を作ってみたいわ」
ローレンは少し戸惑ったようだったが、すぐに決断をした。
「ええ、良ければ」
この豪邸、各自の部屋、応接室、食堂はもちろんメイドや執事の部屋とかめっちゃ待遇がいい。
ここのメイドとして働くのも悪くないだろうな。
まあ、私はこの家の娘として生まれたわけだから、当然メイドなんてさせてもらえないというか、シナリオ通りに進めば第一王子もといアオトの妻っていう役職になってしまうのだが…。
そんなことは関係ない、今はさほど重要じゃない。
いざローレンの部屋の前に来てみたものの、人見知りらしいから話がうまく広げられるだろうか。
まあ、話っていうかお礼を伝えたいのと、もう一つ重要なことが伝えたいのだが…。
とりあえず、この扉を開けないことには始まらない。
コンコンコン、と扉を叩く。少しすると、中から
「どうぞ」
という声が聞こえたので扉を開ける。
ローレンの部屋はとてもシンプルで必要最低限の物しか置かれていなかった。
奥にベッドと本棚があり、手前には椅子と机がある。それだけ。
ローレン自身は手前の椅子に座っていて、その向かい側に椅子があった。
ここに座ればいいのだろうか。
私は、椅子を引くとそこに腰を掛けた。
「それで、ご用件はなんでしょうか?」
業務用スタイルで攻めてきたか。
確かにテンプレートを言えてしまえば相手が初対面であれ、話を円滑に進めることが出来る。私はそう冷静に分析した後、質問に答える。
「今日は、いつもお料理を作ってくれているあなたにお礼を言おうと思って」
「お、お礼?」
「いつも美味しいご馳走を作ってくれてありがとう」
「え、いや、そ、その、あれは私が、しゅ、趣味で作っている、ので…」
すごいきょどってる。あたふたしているところ、本当に人との関係が無いんだろうな。
けど、私にはローレンと仲良くなっておきたい理由がある。ここで引いたら意味がないのだ。 そのためにも、ここでちゃんと次の約束を取り付けねば。
「私も、お料理を作ってみたいわ」
ローレンは少し戸惑ったようだったが、すぐに決断をした。
「ええ、良ければ」
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