上 下
492 / 505
二部1章 ラビニット

のんびりとしてる陰で

しおりを挟む
王を帰すに帰せない事になって3日。
奴隷達の結束も強くなってる、村長兼主の篤郎です。

途方もない広さだった土地も、七千人の人手があれば開墾が進んでおります。
もちろん、居住区の建設も同時平行ですが、仲良く働いているようです。

奴隷達の中でも、村長の家を知っていても屋上や地下に詳しく知っている者は少ないです。

よって、新たなブレーンが此処を管理してくます。

情報収集担当のトトメス、攻防担当のアテナ、管理運営担当のクリカラですね。

これで、空きが出来たので色々な物を作りれますね。

ストレージだけでも何でも作れるのだが、そこは誰でも作れるにしたい。つか、物造りは素人から育て無いと、俺一択では幅が広がらない。

その為の下地は、俺が作る。いずれは、職人が出れば良いのだ。

楽をする為には、面倒を逃げずにこなさないといけない。

工房を作る事が、夢の一歩に繋がるのだ。

こうして、篤郎は地下に籠る事になる。







ーーーーーーー





「リバクゼル、座りなさい。」

「は、はい。」

クリカラに呼び出されたリバクゼルは、ただビビっていた。この女の姿をした人形に。

「な、何ですか?」

「単刀直入に言います、国を差し出しなさい。」

「そんな事ですか!あー、驚いた!はー。もう、全然良いですよ。差し上げます!」

「龍人にしては、簡単ですね?」

クリカラは、トトメスの知識とリバクゼルの考えに違いが有ることに注意していた。
が、

「ご主人様の力を見たら、龍人なんてただのトカゲですから!」

笑顔で言うリバクゼルに、嘘は無かった。

「金龍討伐を目指して、龍になるのが龍人の夢でしたが、ご主人様の金龍を痛め付ける姿を見て気持ちが変わりました。夢よりも下策だったのです。」

「なるほど。」

「おかげさまで、何もかにもしがらみから外れて、気ままな暮らしを手にしてます。それも、考えられないくらいに夢の暮らしをさせてもらえて最高です!」

「解りました。では、今後の展開の為の助力をお願いします。」

「助力とは、何故でしょうか?」

リバクゼルは、何故と理由が分からないようだ。

「差し出すにも、此処は貴方の王都では在りませんよ。」

「あっ!」

「まだ王なのですよ。」

「失念してました!」

「捜索の軍隊が来るでしょう。」

「無駄な死者が!どうすれば!」

「共の者を10名選び、戻りなさい。」

「か、帰るのですか?」

リバクゼルは、驚いた。

「そして、また軍隊を連れて来なさい。家族や有力な貴族とかも連れて。」

「な、何をするのですか?」

「1言うよりも簡単な事です。」

クリカラの表情は変わらない。それを見ていた、リバクゼルは恐れていた。龍を屈服させる篤郎と、この壁の戦力に。

「後、確認したい事があります。」

「わ、私の答えは?いえ、決定なんですね。」

「龍の宝を持ち出された事は、頭に聞こえて来たのですね?」

「はい。知らせて来ました。」

「解りました。では、直ぐに準備に掛かりなさい。」

「分かりました、失礼します。」

リバクゼルは頭を下げて、部屋から出て行った。

《アテナに連絡します。》

《何でしょうか?》

《他の国にも魔石の事が知れ渡っています。》

《警戒レベルを上げます。》

《プランAルートに確定ですね、クリカラ。》

《紋章と魔法に関しても、マスターから貰いましょう。アテナはゴーレムの増員も頼みます。》

《了解しました。》

《マスターの記録を開示。共有ファイルにコピーします。》

《了解しました。》

篤郎の知らない所で、戦が始まっていた。

篤郎がその事を知るのは、まだまだ先の話しだ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト) 前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した 生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ 魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する ということで努力していくことにしました

悪役令嬢リティシア

如月フウカ
ファンタジー
ある日小説の悪役令嬢「リティシア」に転生してしまったリティシアは、その世界で前世で大好きだった男主人公の王子、アレクシスと出会う。しかし悪役と主人公は決して結ばれない運命であることを悟り、リティシアは自分の望まない婚約破棄を目指そうと奮闘していく。大好きな王子様に、幸せな結末を。その為なら、悪役になっても構わない。

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍2巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

チートをもらえるけど戦国時代に飛ばされるボタン 押す/押さない

兎屋亀吉
ファンタジー
チートはもらえるけど戦国時代に強制トリップしてしまうボタン。そんなボタンが一人の男の元にもたらされた。深夜に。眠気で正常な判断のできない男はそのボタンを押してしまう。かくして、一人の男の戦国サバイバルが始まる。『チートをもらえるけど平安時代に飛ばされるボタン 押す/押さない』始めました。ちなみに、作中のキャラクターの話し方や人称など歴史にそぐわない表現を使う場面が多々あります。フィクションの物語としてご理解ください。

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

じいちゃんから譲られた土地に店を開いた。そしたら限界集落だった店の周りが都会になっていた。

ゆうらしあ
ファンタジー
死ぬ間際、俺はじいちゃんからある土地を譲られた。 木に囲まれてるから陽当たりは悪いし、土地を管理するのにも金は掛かるし…此処だと売ったとしても買う者が居ない。 何より、世話になったじいちゃんから譲られたものだ。 そうだ。この雰囲気を利用してカフェを作ってみよう。 なんか、まぁ、ダラダラと。 で、お客さんは井戸端会議するお婆ちゃんばっかなんだけど……? 「おぉ〜っ!!? 腰が!! 腰が痛くないよ!?」 「あ、足が軽いよぉ〜っ!!」 「あの時みたいに頭が冴えるわ…!!」 あ、あのー…? その場所には何故か特別な事が起こり続けて…? これは後々、地球上で異世界の扉が開かれる前からのお話。 ※HOT男性向けランキング1位達成 ※ファンタジーランキング 24h 3位達成 ※ゆる〜く、思うがままに書いている作品です。読者様もゆる〜く呼んで頂ければ幸いです。カクヨムでも投稿中。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

処理中です...