鴉喰の華 ～日本に転生したのに、異世界に転移させられた！～

第１１章 モンスター

罰

神とて罰はある。

人と同じで、事象があれば結果がある。結果で成功すれば何も無いが、失敗すれば当然何かはある。

何かとは、罪だったり罰になる。

神は人を生み出す程なので、成功して当然なのだ。失敗には、相当の罰を与えた。

罰を与えられた神は、それは悲惨な目に逢うらしい。
神だから、罰は絶対にある。
それは、逃れられない定めなのだから。

「くぅ．．．」

罰は苦しくて辛い。
それは、残酷でありながら戒めでもあり、次の為の生け贄になったりもする。

「・・・い・やぁ・・・・」

定めなのか、歴史の一頁なのか名を刻まれて一生残るのは、名誉よりも恥である。

一番良いのは、名を残さない事である。

名を残さなければ、不名誉な事をしてたことが後世に残らない。

それが一番良いのだ。

そして、名を残した者はすべからず、隠したい醜悪を晒す事になる。

例えば、ゼウスだ。

神話で醜悪を晒した神の代表だ。
現在の評価は、一番偉いと叫ぶ酔いどれおっさんゼウスとなる。
その事については、この世界の神は知らない。
何故なら、自分は賢い神と自称してるのだから。



ミネルシルバが行っているのは、日本古来の拷問具を使った遊びである。

「石抱き」なる言葉を聞いた事があるだろうか？

三角状の板の上に正座して、石板を乗せる拷問である。
石の重さは約３６キロ程で二枚乗せられたら何でも喋ると言う器具になる。
もちろん、石ならばそうなるのだが、篤郎の知識によりタングステンを同じサイズだとしたら？

神でも拷問になるのか？となる。
そんな実験を体現してる。

「どうですか、ミネルシルバ？」

「う・・ふぅ。レディ！後で消してあげるわ！」

「それは、脅しですか？」

「貴女達も知ってるでしょ！篤郎が居ない事を！」

レディは、悲しい目付きをしていた。
ミネルシルバの悪態は続いていたのだが、そこにルナが入ってきた。

「軽いみたいですね、レディ。」

「はい、ルナ御姉様。」

タングステンの板が追加された。

「ふぎぃぃぃぃぃぃ！」

タングステンの重量は、各辺が３．８センチの立方体で１キロ。
石の大きさは長さ約１メートル２５センチ、幅が約４０センチ厚みが５センチになる。その重さは約１トンを超える。
それが８枚乗っているのだが、二枚追加されたのだ。

「マスターがどうしました？」

「もう！篤郎は居ないのよ！」

「レディ、彼女は何を言ってるのでしょう？」

「寝惚けていますね、追加を二枚。」

「がぐぐぅぅぅぅ！」

ルナの顔に感情は無い。
ミネルシルバの言葉に、怒りしか無いのだ。

「マスターは？」

「部屋に寝ねいます。」

「はぁ？」

「お疲れですから。」

「明日は団欒できますね。」

「ええ。それまでにやる事をしないと。」

「解りました。」

「ちょ、ちょっと！篤郎、さまが生きているの？」

「はい。」

ルナの口元が、笑みを作る。
ミネルシルバは、そこで気がついたのだ。

「この事は、マスターに伝えますね。」

「いぃぃ！やあぁぁぁぁぉぁ！」

「明日のマスターの怒れる姿を見れますね。」

「うぅぅぅぅそぉぉぉぉぉぉ！」

「血の摂関かしら？」

「生き地獄の摂関ですわ。」

「いやよ！言わないでェェェェェエ！」

此を、篤郎が起きるまで続くのだった。

「いぃぃ！やあぁぁぁぁぉぁ！」