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第11章 モンスター

子犬神を連れて

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新たなる神は、子犬でした。

と言えば良いのか?そもそも、子犬が邪神とかになるのだろうか?
そもそも、そんな神が居ても良いのかが不安でしかない。
で、子犬だが、

「はぁ、はぁ、わんわん!」

「いやー!止めてニャー!」

ペットはペット同士の分かち合いで、遊んでいるようだ。
決して、猫又が虐められてるのではない。
遊んでいるだけなのだ!

九尾の狐もぬらりひょんもお茶を啜りながら、微笑ましく見ているからな。

「何で、邪神とか破壊神みたいなのが生まれないのだろう?」

などと、篤郎は普通に聞いた。
それを、固まりながらぬらりひょんと九尾の狐は聞いていた。自分でやった事を知っているなら白々しい話になる。

それを知らずにやっているのだから、篤郎と云う存在に胆を冷やしていた。

「な、ぬらりひょん。」

「そ、そうですね。」

「主様の力が強かったどすやろー。」

九尾の狐は、お茶を口に運びながら、

「主様ぬしさまの込めた力が、私達の込めた怨みを流した結果どすな。」

お茶で、喉を潤した。

「そんな力、俺が?」

腕を組ながら、悩む篤郎。
無自覚であり、何でもやってしまう存在が、無知な振りをして悩んでいるのだ。

それを理解した、九尾の狐とぬらりひょんは機微を正した。

「無自覚ですな。」

「無自覚どすな。」

「えっ?」

「何でもおへん。主様は、そのままが良いどすなー。」

「えっ?」

「そうですな、それでこそ魔王様です。」

「ええっ!」

九尾の狐とぬらりひょんは笑顔なのが、篤郎が余計に悩む結果となる。

「それと、名付けですな。」

「そやね。それは忘れてましたわ。」

「名付け?」

「ええ。名前は必要ですから。」

「そうなの?いや、そうだな。」

「わちらの神ですから、何かエエのをお願いしやす。」

「エエのって。難しくないか?」

「魔王様なら無駄な名前は着けないですよ。」

何気に、ハードルを上げられているのな。
名前かー、てか名前何か着けるのが俺で良いのか?良いとしても、何にするかだ。
例えば、犬で思い付くのは里見八剣伝のやつふさだろう。だが、やつふさと違って白黒な犬に着ける名前ではない。
他にとなれば、犬神になってしまう。某マンガの如く、どんなに偉くなっても、ふんぞり反る存在だろうが名前は悲惨な話があったな。

うん、それが良いな。ブチとか白黒とかでは無くて、何が良いのか?末々はもう着いているからな。ポチとかは童話に使ってるしな。
いや、待てよ。

「・・・・シラクラ。」

「ん?なんですと?」

「シラクラと名付けよう。」

「しらくらどすか?成る程なー。良い事と悪い事が混ざっているもんな。神の名前にしては弱いどすが、偉くなってもシラクラと言われれば笑えますな。」

意外と九尾の狐には受け入れた。
長年の生き・・・・・

「何どすか?」

目が恐いです!

篤郎は汗を流して、場を見る。

「犬!お前の名前はシラクラに決めたからな!」

「聞いてますのか?」

背中の視線が恐いです!

子犬神が篤郎の足元に駆け寄った。

「よしよし、シラクラだからな。」

「わん!」

と鳴いたと同時に、眩い光が辺りを埋め尽くした。

『目がー!』
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