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第11章 モンスター

教会の戦い 2

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深い、深い、暗い穴を落ちる。
1分経っても地面の底に着かないのだ。

「底は何処だ?」

ただ、そう呟いて目を閉じた。
さて、落下又は高所からの自殺(飛び降り)やフライダイビングの落下速度はご存知だろうか?

落下時、240メートルまでは加速するので、最高速度が約160キロになる。

だが、240メートルからはどんな人でも120キロで落下してしまう。

物理の法則は、異世界でも通じる法則なのだ。

だから、魔法は物理に反してると言われるかもしれないが、実は物理的になる。

それは、魔素と云う不可思議な力が作用するからだ。

例えば火の魔法は、魔素により火を具現化する。そう、魔素とは、火、水、風、土などは元より、空間、次元も利用可能になる。

だが、これ等の利用するには、火とは何か?どんな物質が必要で、どんな作用するのか?の結果を知っておかなくてはならない。

この知識、物理科学などの魔法がない世界の知識は、この世界では理解されないものだ。

だから、篤郎は一分につき約1、3キロは落ちる計算となる。10分で13キロだ。

長ければ長いほど、マントルに近くなるのだ。
そんな事は無いと、信じたい。







ーーーーーーー





「おー、少し溜まった。」

「鎧武者も頑張っていますな。」

「しかし。」

「うむ、復活するのに時間が掛かるな。」

「それでも、我等の神の為ですよ。」

そんな雑談をしながら、闇達の祈りは続いた。
ただ、神の復活を願っての事も、止めるとは思っていなかったのだ。

深い地下に、神アルテウルの視覚に入らない様に、特殊な結界をしき、儀式を邪魔されない様にもした。

長年閉じ込められていたので、準備は入念に出来たのだ。

決行するのにも、細心の準備と確認もした。

もちろん、入口まで硬めたので人間の手出しなどは不可能だと確信している。

この世の世界で、龍より強い生き物が居ない限り邪魔は出来ない。

龍も、干渉しなければ、何にもしない事も知っている。

だから、それ以外の事に関心も無いし、備えもしてない。

それでも、鎧武者を城に配置してのカモフラージュはしたのだ。


そんなに準備をしても、不測の事態は起こる。
それは、理解出来ない事が多い。

だから、外からのドーン!と云う音と、地響きに驚く事になる。

闇とて、自分でも思って無い事が起きれば驚くのだ。

「な、何事!」

「この揺れは?」

「何が、何が起きているのだ!」

「なんだ!」

「皆、落ち着け!はっ!」

突如の事に、誰もが自分の事を忘れて音と揺れに気を奪われていた。

声を出して気がついたモノも居るが、自分が何をしてるのか理解出来てなかったのだ。

その結果として、術式が中断したのだから。
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