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第11章 モンスター

足下がボロボロ

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最短で、旧アルテウル神国の首都を目指す一行。

馬車では、エメリアの高笑いの声が高くなっていた。
それは、アンデットが出ないからだ。

もちろん、周辺の探索に部隊の半数を使っているのだが、アンデットの発見はまだ無い。
無惨な町や村の跡地は在るのだが。

出立して4日も出なければ、ビビりなエメリアも気が大きくなっていた。
こうなると、誰も口答えせずに笑顔で相手しなくてはならない。

「そうですね。」

「流石です、エメリア様。」

「おっしゃる通りです。」

「なんと、凄いです。」

の言葉が、相手から多く発せられたのだが、エメリアは気にもしなかった。

抑揚も無い言葉だと、普段なら気付く。気付く事が無いほどに、浮かれていたのだ。

恐がるから、誰かを頼る。頼る相手が聖女だから誰もが従っていたが、結構そのウザさに参っていたのだ。

ワンブーヘ王やリザリテが聖女の暗殺を考えるよりも、自分の部下に見捨てられる運命を作ってしまったのだ。

有頂天になるのも、気が大きくなるのも自由だが、それを傘にして相手を下に見た時点で終わるのだ。

要は、貴族や王なのど上級人は親から継いだ無駄なモノと考え無いで、上や下を作った文化の責任がある。
その力は栄華に続く物では無い。

英雄万古しようと淘汰されて潰されて、また新しい物が生まれる。

聖女も次に成る人は居る。
一人しか居ないとか特別な存在は世界には居ない。
篤郎みたいに、神がミスをしないと特別には成らないのだ。

人は一人で成功する事はない。協力してこそ、成功があるのだ。

エメリアに欠けている事なのだが、エメリアは知らない。

それは、誰も教えて貰えないのからだ。

「私のお陰よね~!」

「そうですね。」

「それに、私の力にアンデットども恐がって逃げたのか?あっはははははは!」

「そうですね。」

そう言って、エメリアは増長していた。
ラクムミは、意外とエメリアに付き合っていた。
長いとも言えないが、同士としての情と尊敬もある。
此処でエメリアを失う事は、新たな文化の火を消すことにもなるからだ。

ラクムミ達には、大きな損失なのだ。こんな人物でも。

「オホホホホホッ!」

「おっしゃる通りです。」









ーーーーーーーーーー







「むー、敵は町から出ないか。」

篤郎は、目を凝らして見ていた。約3キロの地点から、遠目で見ているのである。
もはや人外なのだが、本人は人であると主張はしている。
ルナ達3姉妹は同意してるが、それ以外の人を含めた者は篤郎を魔王と見ていた。

それは、スライムなのにスライムじゃないよー。
のレベルのモノであり、それを篤郎が否定していると云う不毛な事をしていた。

それよりも見た町だが、アンデットが極端に少ないようだ。城と教会に居るだけに感じる。

「少し潜入するか。」

篤郎は走り出した。

旋風の如くの様に走り、首都の内部を抜けて城に行った。
城の内部は血の染みで黒ずんでいた。それらを見ずに、上を目指した。

敵には二種類に分けられる。高い所に居るか、下の深い所かだ。

此れは、馬鹿は高い所が好きと似ているのかも知れない。
馬鹿と何とかは似ている。
そのまま篤郎は、王の間に流れて一周回って外に向かった。

「弱そうだな。あれなら、人でも倒せるかな。でも、教会の方はヤバいな。」

一人で全てを終わらしてしまうと、エメリアの終わりが始まる。
たとえ腹立たしい者でも、生かす算段はしないといけない。
弱い力で、何処まで出来るのかわからないが。

聖女達の列に戻って、情報操作をしないといけない。とにかく、城に行って貰わないと。

「何とかするか。」

篤郎の走りは、一層速くなった。
風と見間違うのだった。
城では、

「な、何ですか!ふあっ!風?風があぁぁぁぁぁ!」

と、情けない言葉とせっかく整えた家具が、篤郎のせいで風で滅茶苦茶になっていた。
治まるのに、数時間も掛かったとか。

「やめろ!やめてえぇぇぇぇぇ!」
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