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第10章 アルテウル

神も大変なのです

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奴隷紋章という紋章による、制約によって人を縛る事が奴隷紋章となっていた。

要は、逃げ出さない様に、逃げる様な事や主人を裏切ったら、苦しみ悶える。

奴隷を縛る為の紋章が、奴隷紋章である。

で、篤郎は思った。

奴隷を縛れるなら、奴隷を変えれば誰にでも縛るのでは?縛る条件を変えれるのでは無いのか?制約を契約に変える事は?

これ等の理論を組み立てて、組み換えてみたのを戻って使用したのが今の『奴隷紋章』だ。

人で試して成功したので、他も出来るのかのテストを今でもしている。

今回は、対象を『神』にして、篤郎達と他の神は『契約』においてアルテウルを縛る事にしたのだ。それは、怠けない、嘘を言えない、予言を言えない、サボらない、何でも従う事にした。

これをアルテウルにしてみたら成功したのだ。

酷いのは、同じモノを三回も掛けたので、罰が三倍になっている。

これ等の事を考えてみて、魔法に対してのみ特定条件をつける事が出来れば、魔法なら神にでも使用可能だと分かる。

理を書き換えれば、可能なのだと実証実験は終わったのだから。


本来なら、ミネルシルバ達の驚くポイントなのだが、ミネルシルバだけは別の事で驚いていた。

神の体から、黒いモノが出てきた事に驚いていた。

元々神の体には実体よりも、霊体を神格化に昇華出来て神と成れる。
神と人の差は、有体か霊体かで分けられる。
細かい事は省くが、霊体になると混じる事が出来ないのだから、何かが体の中に潜む事は実質は不可能になる。

何故なら、霊体の色は単色でしか表せれないからだ。
しかし、神になれば色を変えれるが単色以外は不可能なのだ。
黒色は神にしたら簡単にはなれない。それは、黒は『死』を司る特殊な存在だからだ。神が黒を纏うとは、神の『死』を表す事になるのだ。

アルテウルから黒い何かが出たとは、死を意味していたのか、あるいは・・・・・・


このすれ違いの考えを精査出来たのは、ルナ達の三姉妹だけである。
もちろん、篤郎はそんな事は知らないし、神にも『奴隷紋章』が使えるんだ程度に満足してるからだ。
それに、

「早く仕事をしろよ?彼奴等の事も早くな。」

これは、優しさとかではない。ただの確認の為の言葉である。
アルテウルからの返答は、

「分かりました!直ぐに取り掛かります!」

と、敬礼をしている事で確認ができた。
直ぐに、悪い顔になりながらも、自分の新魔法・紋章を自画自賛していた。

アルテウルは敬礼をしたまま、ジャスティとカウラに連れられて消えた。

「この程度の事で悩むとはな。」

「いえ、しかし篤郎様。」

「ちぃと、少し弛んどるな。」

「ひいぃぃ!」

ミネルシルバは不幸な今を感じてしまった。

もちろん、篤郎に奴隷紋章を掛けられて色々な実験が行われた事を記す。
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