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第10章 アルテウル

あっ。

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「で、どうしてこうなった?」

篤郎はダクネト城の王の間で、関係者を集めて怒っていた。

ルナ、レディ、アイを筆頭に、ワルドアルファ達に見えないアケルドまでを怒っている。

三姉妹は、『棺発射宇宙から地上の旅』の理由を。

ワルド達は、『何処かと戦争?武器の使用した経緯は?』の詳細を聞きたいのだ。

ルナ達の理由は、単純にイタズラである。ただのイタズラでは味気が無いので、篤郎マスターの耐久値も調べようの結果なのだ。もちろん、気絶させた事は駄目なのだが、不幸な要素が複雑に絡んだ結果だったのだから、怒るに怒れ無い。

ワルドの策略は、ルナ達には筒抜けであり、マスターの手を煩わす事は無いとの判断も出ていた。

ワルドの命は、薄い糸で繋がったのだ。

それが、篤郎の介入である。

もし、篤郎の介入もなく戦争終結する前に、ワルドとアケルドはルナ達に消される予定だった。

負けたとしても、消される。

篤郎に報告をしなかった事で、死を言い渡す予定でもある。

と言う事を踏まえて、彼等は必死に弁解したのだ。

ワルドも最愛のアケルドが、主の右腕に逃げた事で反旗を翻す事もしなくなっている。いや、ポンコツ度は変わらないが、アケルドの為に何を優先しなければならないのか。その事だけを考えて、結果を訴えるしかなかった。

「ふーん。言い訳は言えたか?」

ルナ達は、それで理解できた。

結果と詳細が解れば、後は罰を与える。単純な事を篤郎は行いたいのだ。

篤郎にとっては、他人の死に興味は無い。ただ、無駄死にさせるのが許されないのだ。それに、無断で戦争をしたり、強さをひけらかすのも嫌いなのだ。

その為に、奴隷にしているのだ。でも、されているのに法を犯す者は居る。居るなら、罰は当然にしている。

魔国は、篤郎の国であり、篤郎の我儘を具現化した国家になっているのだ。それらを纏めたのは、三姉妹である。

だから、篤郎がしそうな事が予測は出来たのだろう。

『えっ?いや、その・・・・』

と戸惑う咎人達。三姉妹は、落ち着いて黙っている。

「ワルドはビンタの刑で、武器を使った者は背中に紅葉の刑、三姉妹はデコピンな。」

『ホッ。』

軽い刑罰で済んだと思っていた。

「先ずは・・・・」

「我等からお願いします、マスター。」

ルナは率先して言った。もちろん、この罰が本当に恐ろしいモノとは考えてもらわない様にしたいのだ。

「よし!デコを出して。」

ピンッ、バシッ。

と三姉妹の刑罰は終わった。

「済みませんでしたマスター。」

礼も忘れない。

だが、それが罠なのだ。刑の執行は篤郎だという事を忘れ、軽いノリにしただけである。三姉妹はフルに魔法で身体強化を施し、絶対防御のスキルを使い防御をして受けたのだ。それでも、内部の損傷があるので、機体は後に廃棄しなくてはならない。

もちろん、機体なのに痛みも恐怖も感じるのだから、篤郎の軽い攻撃でも本当は嫌なのだ。
それを、彼等が受ける刑罰なのだ。

「次は?」

「はい!」

ワルドが手を挙げた。

「じゃ、ビンタね。」

「お願いします。」

「くいしばってね。」

バシュ!

痛みよりも意識が一瞬にして、奪われた。しかも、顔の半分は潰れてしまっている。

「残りは紅葉だけだな。」

手は赤く濡れており、満面の笑顔で言うものだから、残った者は恐怖に包まれていた。

「服の上から行きますよー。」

グシャ!バキッ!

と言う音がなり、瀕死の状態になった。

数時間後に魔法で治すのだが、その数時間は地獄であった。

軟体生物であっても、損傷させるのだから。

また、この刑罰はルナ達の監修の元に、『魔王様の処罰』の映画として公開し、国内で波紋になっていた。
恐るべし、魔王。

と。
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