247 / 505
第9章 ミネルシルバ
先勝反省会
しおりを挟む
「で、誰が攻めろと言ったのかな?」
篤郎は怒っていた。
第五の門の戦価を上げたと報告を受けたのは、第一団の先方を奴隷にして、戻った時に聞いたのだ。直ぐに第五に向かって、先勝祝いをしていた者を全て正座をさせている。
「この好機を見過ごすのは、武人の恥です!」
「武人?此処にそんなの居たか?」
篤郎はダルテに詰め寄った。
「某は!」
ゲシッ!
顔を蹴られてダルテは転ける。
「此処に居るのは、俺の奴隷。騎士や戦士は認めても武人なぞ認めてねーが?」
「へっ?」
「お前達は自分が何者か理解してないよな?」
「そ、そんな!我は主の為に!」
篤郎の蹴りが、ダルテの顔に入る。
「レバルタンは次に罪がある。」
「なっ!」
「止めなかった者もだ。後で懲罰訓練な。」
「懲罰・・訓練?」
「俺指導だ。第四の門の内外に集合、装備はフル、全員走って行くこと。ではな。」
篤郎は先に戻った。もちろん走ってだが。
行くのに約25キロメートルもある。それは、走って行くだけなら簡単だ。フルと云えば最低でも50キロの荷物を持たなくてはならない。武器や防具を着てとなると、走る姿にもならない。平均の重さは80キロ。旗や大剣持ちやハルバート等を持てば重さは加算される。それを走らすのだから、罰は始まっている。
主戦上の門の長さは約448キロになる。第四を基点として右側は70キロ、左側は378キロなる。勿論、谷や山、川等も在るが門までの一キロには溝があって侵入が出来ない。
海洋に出ればと考えるが、大型の船を出せる程の物が無いし、海洋モンスターを倒せる冒険者は少ない。
それに、魔国が海洋を既に抑えているとは知らない。
神国連合は既に詰んでいるのだが、アルテウルも知らない。
その程度の事には、興味も無いのだろう。
篤郎の奴隷政策の一番重要なのは、アルテウルの信仰を辞めて他の神に改宗させる事なのだから。
既に元から下がりに下がった信仰も4%しか残っていない。弱小神になっている。
さて、先に第四の門に戻った篤郎は第四に居た兵士達を集めた。
「第五で問題が起きた。訓練をかますので、100人を残して第五に移動して警備してくれ。人員は増やしてやるが、怠るなよ?」
『はい!』
と言い、解散してから壁から降りた。
約8万の新たな奴隷が整列していた。
「奴隷達に言う!お前達は負けて魔国の奴隷になった。次の事を守る事!1、むやみに争わない。2、俺に逆らわない。3、俺に嘘を言わない。4、アルテウルの信仰を捨てる。他は追々覚える事の以上だ!」
『はい!』
奴隷達の意識よりも、命令を遵守するのが先だと知らせる。もちろん返事は、自動的に行っている。命令は追加されるごとに書かれていく。要は、何個も契約条件を増やす事が可能になる。契約出来るのは、俺にルナ、アイ、レディの四人だけだ。上司に成れば、契約では無い事を言えるが、聞くか聞かないのかは知らない。
「それではA、B、C、D、Eと別れて、準備運動を開始する。組分けをしてくれ。お前達も20人づつに別れて指導しろ。」
『はい!』
もとから居る兵士達は従順だ。篤郎に逆らう気も無いし、逆らって訓練をつける事になると泣く事になる。
辛いを越えると泣く事を知っているのが、奴隷兵士としての洗礼になっているのだから。
「初め。」
『組分けを開始する!』
組分けが終わり、準備体操を初めた頃に第五の門に居た者達の内の何名が到着しだした。
「一時間半か。」
「ぜーぜーぜー。」
「及第点。他は落第だな。」
それを聞いた者達は、地べたに倒れた。至福な顔をしていた。
「テントを!寝間の段取りをして寝かせろ!」
「急げ!」
それを見ていた、近くの組が救護に来たが、篤郎は無表情に見ていた。
「鍛え方が弱いみたいだね。」
その言葉を聞いた者は、今の兵士なら震え、新人は分からない事だった。
もちろん兵士達は、針の筵に居る感覚の中での救護活動になっているのだ。それは、後に誰もが共有する事だとは、まだ知らない。
満身創痍でゴールする兵士達。足を引きずる者も居るし、脱水しかけの者も居る。だが、中には悠々とゴールした者も居た。
アナスタシア、タガスタス、ダズン、ヘルマンは悠々とゴールした組だ。
「動ける者は剣と防具を着けて整列!」
その整列に並んだ者は、四人を筆頭にヘルマンが指揮した部下達しか並ばなかった。
「良く来た!」
ショーの始まりだった。
篤郎は怒っていた。
第五の門の戦価を上げたと報告を受けたのは、第一団の先方を奴隷にして、戻った時に聞いたのだ。直ぐに第五に向かって、先勝祝いをしていた者を全て正座をさせている。
「この好機を見過ごすのは、武人の恥です!」
「武人?此処にそんなの居たか?」
篤郎はダルテに詰め寄った。
「某は!」
ゲシッ!
顔を蹴られてダルテは転ける。
「此処に居るのは、俺の奴隷。騎士や戦士は認めても武人なぞ認めてねーが?」
「へっ?」
「お前達は自分が何者か理解してないよな?」
「そ、そんな!我は主の為に!」
篤郎の蹴りが、ダルテの顔に入る。
「レバルタンは次に罪がある。」
「なっ!」
「止めなかった者もだ。後で懲罰訓練な。」
「懲罰・・訓練?」
「俺指導だ。第四の門の内外に集合、装備はフル、全員走って行くこと。ではな。」
篤郎は先に戻った。もちろん走ってだが。
行くのに約25キロメートルもある。それは、走って行くだけなら簡単だ。フルと云えば最低でも50キロの荷物を持たなくてはならない。武器や防具を着てとなると、走る姿にもならない。平均の重さは80キロ。旗や大剣持ちやハルバート等を持てば重さは加算される。それを走らすのだから、罰は始まっている。
主戦上の門の長さは約448キロになる。第四を基点として右側は70キロ、左側は378キロなる。勿論、谷や山、川等も在るが門までの一キロには溝があって侵入が出来ない。
海洋に出ればと考えるが、大型の船を出せる程の物が無いし、海洋モンスターを倒せる冒険者は少ない。
それに、魔国が海洋を既に抑えているとは知らない。
神国連合は既に詰んでいるのだが、アルテウルも知らない。
その程度の事には、興味も無いのだろう。
篤郎の奴隷政策の一番重要なのは、アルテウルの信仰を辞めて他の神に改宗させる事なのだから。
既に元から下がりに下がった信仰も4%しか残っていない。弱小神になっている。
さて、先に第四の門に戻った篤郎は第四に居た兵士達を集めた。
「第五で問題が起きた。訓練をかますので、100人を残して第五に移動して警備してくれ。人員は増やしてやるが、怠るなよ?」
『はい!』
と言い、解散してから壁から降りた。
約8万の新たな奴隷が整列していた。
「奴隷達に言う!お前達は負けて魔国の奴隷になった。次の事を守る事!1、むやみに争わない。2、俺に逆らわない。3、俺に嘘を言わない。4、アルテウルの信仰を捨てる。他は追々覚える事の以上だ!」
『はい!』
奴隷達の意識よりも、命令を遵守するのが先だと知らせる。もちろん返事は、自動的に行っている。命令は追加されるごとに書かれていく。要は、何個も契約条件を増やす事が可能になる。契約出来るのは、俺にルナ、アイ、レディの四人だけだ。上司に成れば、契約では無い事を言えるが、聞くか聞かないのかは知らない。
「それではA、B、C、D、Eと別れて、準備運動を開始する。組分けをしてくれ。お前達も20人づつに別れて指導しろ。」
『はい!』
もとから居る兵士達は従順だ。篤郎に逆らう気も無いし、逆らって訓練をつける事になると泣く事になる。
辛いを越えると泣く事を知っているのが、奴隷兵士としての洗礼になっているのだから。
「初め。」
『組分けを開始する!』
組分けが終わり、準備体操を初めた頃に第五の門に居た者達の内の何名が到着しだした。
「一時間半か。」
「ぜーぜーぜー。」
「及第点。他は落第だな。」
それを聞いた者達は、地べたに倒れた。至福な顔をしていた。
「テントを!寝間の段取りをして寝かせろ!」
「急げ!」
それを見ていた、近くの組が救護に来たが、篤郎は無表情に見ていた。
「鍛え方が弱いみたいだね。」
その言葉を聞いた者は、今の兵士なら震え、新人は分からない事だった。
もちろん兵士達は、針の筵に居る感覚の中での救護活動になっているのだ。それは、後に誰もが共有する事だとは、まだ知らない。
満身創痍でゴールする兵士達。足を引きずる者も居るし、脱水しかけの者も居る。だが、中には悠々とゴールした者も居た。
アナスタシア、タガスタス、ダズン、ヘルマンは悠々とゴールした組だ。
「動ける者は剣と防具を着けて整列!」
その整列に並んだ者は、四人を筆頭にヘルマンが指揮した部下達しか並ばなかった。
「良く来た!」
ショーの始まりだった。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる