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第9章 ミネルシルバ

おるど計画

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強い者はS(サド)だと思われるだろうが、実際にはM(マゾ)である。これは嘘では無く、外や他人にはSの人は、心が休まる場所ではMに傾向している。力を誇示する反動がそうさせているのが現状だ。SはSだと信じる人でも年を重ねると分かって来るだろう。それに、一度でもM的な事を受けると、従う傾向も論文にされている。

強い者はSではない、根本はMなのだ。(SとMは各自で調べてくれ。)

篤郎にSやMだと聞いたら、『分からない』と答えるだろう。何故か?本人は最強でも最弱でもなく、普通だと思い信じている。

では、SからMになるのは?と云えば、最強モンスターの称号を受けている馬鹿な者だけになる。


勿論、篤郎は嫌いだ。嫌悪感を持った嫌いと言える。
で、仕事場に戻れると思った篤郎が居る場所は、花の庭園である。

そして、篤郎から距離を取って居るが、女達が居る。ドレスに包まれて、控え目な化粧がか弱さを引き立てている。

篤郎が男のままで産まれ生きていたら、本当に目がハートになる程の素敵な女性達と呼べる。
が、しかし、篤郎は長く女が勝っているのだ。だから、匂いに惑わせられずに真実を見てしまった。

女達の肉食の目の輝きを・・・・

ルナの声が、スピーカーから流れた。

『では、魔王様のお見合いパーティーを始めたいと思います。』

「へっ?続き?」

『では、一番からお願いします。』

「あうっ?!」

椅子に座るのは良いが、篤郎の服装は正装ではない。ノースリーブのニッカポッカ姿だ。顔の泥を洗い、『クリーニング』でさっぱりしてから挑んだ。
振られる為の見合いを。

「初めまして、魔王様。私は元ラサール王家第三姫ユミエール・ドア・ルミエール・ラサールです。」

スカートの両端を持って、貴族らしい礼をされる。好感が持てるかと云われれば、かなり微妙なのだ。なんたって、貴族を潰した張本人だからだ。だから、相反するお見合いは嫌いなんですが?

『マスターの格に合わせて見ました。』

うん、要らない。

と、思っても、直球では言えない。多分では無くて、人身御供だからだ。王公貴族の上等手段だからだ。人を道具にするのは、昔からだ。だから、許せないのだ。

「16歳です。」

笑顔で交代する。

過去の栄光が、年を経た者のすがる物になる。忘れ難き過去なのは仕方がない。一人で思い出す程度なら問題は無いが、子供に押し付けた時点で屑親になる。言い訳しても屑な事なのだが、理解している親は少ない。何故なら、それが当たり前の世界で生きているからだ。

問題は王公貴族だけでは無い。金持ちに憧れる馬鹿な一般人や姉妹や母親と姉や赤ちゃんなど多種多様な相手がいた。
紹介だけで1日が過ぎる結果となった。

『1組の紹介は以上です。明日は2組の紹介になります。』

「はっ?」

一体どうしてなのかをルナに聞く事にした。

「で、今回の見合いは何?教えてくれる、ルナ。」

「はい。世継ぎ必要だと結論に至りました。」

「俺まだ10代だよ?」

「知ってます。」

「何で世継ぎが?」

「それは!」

この時、俺はルナ達を甘く見ていた。自分の事を心配してとか、結婚させて元の世界に戻らせない!なんて、可愛い事を言うのだとさえ思っていた。しかし、

「マスターの子が見たいからです!」

「ん?」

「マスターの小さい時の顔写真、成長過程が私達に足りないのです!」

「んんっ?」

「赤ちゃんの匂い、過程と記録!マスターに対して出来なかった事がしたいのです!」

「結婚よりも俺の子ですか・・・」

「そうです!レディもアイも賛同してます!今回は世継ぎの男の子が産まれる確率が高い者を集めました!」

「・・・・・・・・・」

色々とおかしいよね!の言葉も出なかった。まさか、記録の為に俺の子(しかも男の子)を望むとか、ないよね!?ありがたいの前に迷惑なんですが?と言うべきなんだろう。

「明日の組は、実験の為の要員があります。異世界人との生殖行為が可能か?又は授精はかのう・・・」

「待て!」

「何でしょうか?」

篤郎の頬から冷や汗が流れる。あってはならない事態だからだ。

「その相手とは?」

「マスターのご懸念の地球人ではありませんよ?彼女達は番の雄がいます。」

うん、心配してた事は違うよね。ごくりっと唾を飲み込む。

「じ、じゃあ、誰だい?」

「とりあえず、龍からはチャーミー、赤龍、白龍と多数、アバンガルドからも来ます。」

「く、クリーチャーだと!」

「はい!実験にはうってつけです!マスターで実験しますので、被害も少ないです!」

「絶対にやだあぁぁぁぁー!」

「大丈夫です!」

「嫌だ!俺にも好みも好きになる事も自由ではないかね!」

「確かに。でもエレリーナとアバンガルドの未来の為に、実験は必要だと進言します。それに、人の胚及び女性器の仕組みは、実験体にも情報を与えています。私達もサポートしますので、存分に楽しんで下さい!」

「お、おかしいよね!それって選ぶ事が決まっている流れてだよね!」

泣きそうな篤郎に、ルナは困った顔を少しするが、

「実験ですので、最低でも一体はお願いします。」

軽くお辞儀をする。

「のおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

涙を流す篤郎だった。

「それに、マスター。触手系の男性板ですよ。知識的に女性板は見ても、男性板は知らないのでわ?きっと楽しいと思われますよ?」

「うあぁぁぁぁぁぁぁあ!」

こうして、娘に性を心配される父親の苦悩を与えられたのだ。
次の日、篤郎の力ずくの行動で、お見合いを中断にした。
と篤郎は思っていたが、一時的な中断だとは知らない。
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