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第9章 ミネルシルバ
魔王様のプレゼント 前編
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『転生した事を恨む事になるとは、篤郎とて思わなかった。』
篤郎がこの日を語る事は少ないが、この日を語る上で必ず冒頭の言葉が最初に出る。
ーあの日、天気で仕事日和だと感じてたー
その日を呪いたいと言う日を。
篤郎は、休憩現場を出すために何度も休憩していた。その日は仕事もそうだが、風が気持ち良くて『サボリ天気かもしれない』と、冗談を言ってたのだ。
『そうですか?そうですよねー。』
と言った瞬間に、篤郎の目が暗くなる。
「なっ!」
そして、ルナの声がマイクを通して、
『お誕生日おめでとうございます!マスター!』
と、言う言葉がもらえたのだが、篤郎にとっては、嬉しいよりも、現状が分からなかった。
「なっ!ルナか?なんだ!これは?」
篤郎は目隠しと、体を拘束されて座らされて居る状態で『おめでとう』と言われても嬉しくは無いのだ。しかも、箱の中に入れられている。
しかも、ルナやレディ、アイだけではなく、沢山の人からも『おめでとう』と言われていた。
何となくだが、篤郎も3人の娘がドッキリを仕組んだのだと思っていた。
良く考えながらも、現状で解る事を感じていた。
上等な服を着替えされている?だが、長袖と足元まで同じ素材?肌触りは良い。目隠し以外に顔に圧迫が?仮面だと。頭にも肌触りが良いのをかけている?口も拘束具がされている。そのせいで、声が出しにくいのか。
推理と考察を混ぜながら、現状を紐解いていた。
そして、聞きたくなかった一言が耳に入って来た。
本当なら、手を叩いてありがとの言葉が出るはずの一言が。
「魔王様へのプレゼントです!」
へっ?と篤郎は思った。ルナの声で無く、知らない男の声がして、ウィーンと競り出されていたのだ。
そして、目隠しが外れて、仮面を通して全貌が姿を表したのだ。
「はっ?」
そして、悪夢の日がスタートした。
ーーーーーーーーーーーーーー
魔国では、初めての国民の休日になっていた。
各国も祝う日があったが、国民がお祭りに参加する事はなかっただろう。
その日は、旦那と妻、子供と、カップルで、友達と出歩いたのだろう。誰もが喜びながらも祝っていた。また、その日が誕生日の人も祝われていた。
中には、新たなカップルが誕生したりもした。
また、飲み食い無料のサービスは絶大に喜ばれており、国民達が喜んでいたのだ。こんな誕生際なら何度でもあれば良いと思うぐらいに。
チャーミーもセキちゃんも何故か無料の場所で、ケーキを貪り食う事になり、篤郎の状況などは知らなかった。
知っていたら!と後に言っていたが、知る事も無く、甘味を存分に楽しんでいたのだ。
だから、国民全員からも『おめでとうございます!』の言葉が出たのだ。魔国にとっては良い一日となった。
篤郎を除いて。
篤郎がこの日を語る事は少ないが、この日を語る上で必ず冒頭の言葉が最初に出る。
ーあの日、天気で仕事日和だと感じてたー
その日を呪いたいと言う日を。
篤郎は、休憩現場を出すために何度も休憩していた。その日は仕事もそうだが、風が気持ち良くて『サボリ天気かもしれない』と、冗談を言ってたのだ。
『そうですか?そうですよねー。』
と言った瞬間に、篤郎の目が暗くなる。
「なっ!」
そして、ルナの声がマイクを通して、
『お誕生日おめでとうございます!マスター!』
と、言う言葉がもらえたのだが、篤郎にとっては、嬉しいよりも、現状が分からなかった。
「なっ!ルナか?なんだ!これは?」
篤郎は目隠しと、体を拘束されて座らされて居る状態で『おめでとう』と言われても嬉しくは無いのだ。しかも、箱の中に入れられている。
しかも、ルナやレディ、アイだけではなく、沢山の人からも『おめでとう』と言われていた。
何となくだが、篤郎も3人の娘がドッキリを仕組んだのだと思っていた。
良く考えながらも、現状で解る事を感じていた。
上等な服を着替えされている?だが、長袖と足元まで同じ素材?肌触りは良い。目隠し以外に顔に圧迫が?仮面だと。頭にも肌触りが良いのをかけている?口も拘束具がされている。そのせいで、声が出しにくいのか。
推理と考察を混ぜながら、現状を紐解いていた。
そして、聞きたくなかった一言が耳に入って来た。
本当なら、手を叩いてありがとの言葉が出るはずの一言が。
「魔王様へのプレゼントです!」
へっ?と篤郎は思った。ルナの声で無く、知らない男の声がして、ウィーンと競り出されていたのだ。
そして、目隠しが外れて、仮面を通して全貌が姿を表したのだ。
「はっ?」
そして、悪夢の日がスタートした。
ーーーーーーーーーーーーーー
魔国では、初めての国民の休日になっていた。
各国も祝う日があったが、国民がお祭りに参加する事はなかっただろう。
その日は、旦那と妻、子供と、カップルで、友達と出歩いたのだろう。誰もが喜びながらも祝っていた。また、その日が誕生日の人も祝われていた。
中には、新たなカップルが誕生したりもした。
また、飲み食い無料のサービスは絶大に喜ばれており、国民達が喜んでいたのだ。こんな誕生際なら何度でもあれば良いと思うぐらいに。
チャーミーもセキちゃんも何故か無料の場所で、ケーキを貪り食う事になり、篤郎の状況などは知らなかった。
知っていたら!と後に言っていたが、知る事も無く、甘味を存分に楽しんでいたのだ。
だから、国民全員からも『おめでとうございます!』の言葉が出たのだ。魔国にとっては良い一日となった。
篤郎を除いて。
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