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第9章 ミネルシルバ
契約社員仕
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勇者達とロブコンはA等級のダンジョンへと潜ったらしいとセキちゃんから報告があった。
篤郎は、現在ラニョーニョの石切場で、石の切り出しと加工の業務に従事している。
石切場の朝は普通に8時からになる。
作業は、
1、現場は岩の破壊の為に発破を仕込む為の孔を三メートル開ける事を数ヶ所作る。
2、開けたら風魔法式火薬筒ダイナマイトを孔に入れる。
3、昼に爆破により岩の採取。
4、岩の移動をする。
になる。そして、大きさや形状の選別をして岩の加工が行われるのだ。彫刻用、庭石、柱など。
効率的に言えば、非効率なのだが、昔堅気のバルタ親方にはあってるのだろう。
本来なら、岩を運ぶゴーレム(クレーンとダンプの代わり)が何体か居て、そこから削り出しに入るのだが、それらを人力で行っているのだ。魔力が強い人でも、何トンの重さか分からない大岩を運べる使い手は居ない。そこで浮かせた状態から丸太を入れて、目的地まで運ぶ人員を欲しがったのだ。
篤郎のお仕事とは、契約社員的(アルバイト以上)なダークに近い、ちょっぴりハードな何でも屋であった。
(王の仕事?何か考えて色々な書類に判子ついたり、視察やパーティーとかは?てか、嫁とかの話とかは?)
と、篤郎さえ現実逃避はしていた。
「新人!お前、風魔法が使えるんだってな?」
「あっ、親方。魔法は使えますよ。」
「飯を食べたら、岩の移動に加わってくれ。」
「分かりました。」
バルタ親方に言われ、篤郎は昼食を終わらしてから砕場に向かった。丸太を準備してる職人さん達の横を抜けて、岩を操作する職人さん達と急いだ。そこには、想像していた魔法の使い手と程遠い、マッチョなおっさん達がいた。
「すいませーん。親方に言われて来ました、篤郎と言います。魔法を使うのは此方ですか?」
「おっ、お前が補助かい?それに、仕事内容は聞いてるかい?」
「いえ、まだです。」
「ふーん。ま、最初は見ていな。指示は与えるから。」
「兄貴、時間ですぜ。」
「行くぞ!」
「「「へい!」」」
力強い返事を聞きながらも、篤郎の額には嫌な汗が出ていた。見た目なら、この現場の人の方が強いのだから。
もちろん、何も言わずに後ろを歩くのだが、サムズアップしながら移動する集団(魔法使い)には親方の苦労を考えてしまうよ。
砕場には筋肉粒々の職人さん達が揃っていた。
バルタ親方の先導で仕事が始まった。
「コロの準備も出来た!ラクート、頼む!」
兄貴と呼ばれていたラクートは、
「起こすぞ、それ!・・・・・『フロート』」
ラクートと同じように、魔法使い達は岩を浮き上げたのだが、コロ(枕木)が敷かれる前に岩を落としてしまう。
前にも書いたが、トンの重量の物が落ちるとは、コロにしろ、職人にしても危ない。死人が出る時とはこんな時なんだろうか。
「あぶ・・・・」
「うわ?」
唖然としてしまう職人さん達。何故なら、落ちたはずの岩が空中に浮かんでいるのだ。
「お前がやったのか?ラクート。」
「・・・・俺達じゃねえ。」
混乱しつつ、誰がやったのかを探すバルタ親方。
「親方ー!これ何処に持って行くんですかー?」
「へっ?」
バルタ親方は気が抜けた声と、その言葉を発した篤郎を見た。
「何処に?」
「えーと、こっち。」
バルタ親方の先導で、篤郎と岩がついて行った。
「あの新人、凄いっすねー。」
「宙を浮かんでいたよな・・・・」
「はい・・・・・」
職人さん達の目には、生気が抜けたように座りこんだ。
それは、死の瞬間に逢った者と見た者にしか無い恐怖とも言えた。
「よ、良かったー。」
ラクートも腰が抜けた。
だが、
「な、大岩を浮かして運ぶ魔法ってあったのか?」
「無いっす。」
「魔法もそうですが、魔力も凄いですよ。彼は何者なんですか?」
「知らん!てか、契約社員仕ってこんなのばかりか?」
「さ、さあ?」
落ち込む作業員達だった。
しかし、彼等は間違っている。契約社員仕は篤郎しか居ないのである。篤郎を呼ぶと、付属でチャーミーとセキちゃんがついて来る。そして、破壊が起こるのだ。
「チャーミー!篤郎様にべたべたするのは卑怯と言いましたよね!」
「みぃー!みぃみぃみいみぃ!」
「な!年増は貴女でしょ!」ガパッ
「みぃ!」フォォォォ
セキちゃんとチャーミーの口先に光が溜まり、二つの光線が近くでぶつかりあった。光がぶつかると爆発して周辺を焼き野原にした。
仕事から戻ったら、事務所が無くなっているのだから、損害はでかすぎたのだ。
「く、首だぁー!」
「すみませんでした!」
篤郎の苦行が始まったのだ。
篤郎は、現在ラニョーニョの石切場で、石の切り出しと加工の業務に従事している。
石切場の朝は普通に8時からになる。
作業は、
1、現場は岩の破壊の為に発破を仕込む為の孔を三メートル開ける事を数ヶ所作る。
2、開けたら風魔法式火薬筒ダイナマイトを孔に入れる。
3、昼に爆破により岩の採取。
4、岩の移動をする。
になる。そして、大きさや形状の選別をして岩の加工が行われるのだ。彫刻用、庭石、柱など。
効率的に言えば、非効率なのだが、昔堅気のバルタ親方にはあってるのだろう。
本来なら、岩を運ぶゴーレム(クレーンとダンプの代わり)が何体か居て、そこから削り出しに入るのだが、それらを人力で行っているのだ。魔力が強い人でも、何トンの重さか分からない大岩を運べる使い手は居ない。そこで浮かせた状態から丸太を入れて、目的地まで運ぶ人員を欲しがったのだ。
篤郎のお仕事とは、契約社員的(アルバイト以上)なダークに近い、ちょっぴりハードな何でも屋であった。
(王の仕事?何か考えて色々な書類に判子ついたり、視察やパーティーとかは?てか、嫁とかの話とかは?)
と、篤郎さえ現実逃避はしていた。
「新人!お前、風魔法が使えるんだってな?」
「あっ、親方。魔法は使えますよ。」
「飯を食べたら、岩の移動に加わってくれ。」
「分かりました。」
バルタ親方に言われ、篤郎は昼食を終わらしてから砕場に向かった。丸太を準備してる職人さん達の横を抜けて、岩を操作する職人さん達と急いだ。そこには、想像していた魔法の使い手と程遠い、マッチョなおっさん達がいた。
「すいませーん。親方に言われて来ました、篤郎と言います。魔法を使うのは此方ですか?」
「おっ、お前が補助かい?それに、仕事内容は聞いてるかい?」
「いえ、まだです。」
「ふーん。ま、最初は見ていな。指示は与えるから。」
「兄貴、時間ですぜ。」
「行くぞ!」
「「「へい!」」」
力強い返事を聞きながらも、篤郎の額には嫌な汗が出ていた。見た目なら、この現場の人の方が強いのだから。
もちろん、何も言わずに後ろを歩くのだが、サムズアップしながら移動する集団(魔法使い)には親方の苦労を考えてしまうよ。
砕場には筋肉粒々の職人さん達が揃っていた。
バルタ親方の先導で仕事が始まった。
「コロの準備も出来た!ラクート、頼む!」
兄貴と呼ばれていたラクートは、
「起こすぞ、それ!・・・・・『フロート』」
ラクートと同じように、魔法使い達は岩を浮き上げたのだが、コロ(枕木)が敷かれる前に岩を落としてしまう。
前にも書いたが、トンの重量の物が落ちるとは、コロにしろ、職人にしても危ない。死人が出る時とはこんな時なんだろうか。
「あぶ・・・・」
「うわ?」
唖然としてしまう職人さん達。何故なら、落ちたはずの岩が空中に浮かんでいるのだ。
「お前がやったのか?ラクート。」
「・・・・俺達じゃねえ。」
混乱しつつ、誰がやったのかを探すバルタ親方。
「親方ー!これ何処に持って行くんですかー?」
「へっ?」
バルタ親方は気が抜けた声と、その言葉を発した篤郎を見た。
「何処に?」
「えーと、こっち。」
バルタ親方の先導で、篤郎と岩がついて行った。
「あの新人、凄いっすねー。」
「宙を浮かんでいたよな・・・・」
「はい・・・・・」
職人さん達の目には、生気が抜けたように座りこんだ。
それは、死の瞬間に逢った者と見た者にしか無い恐怖とも言えた。
「よ、良かったー。」
ラクートも腰が抜けた。
だが、
「な、大岩を浮かして運ぶ魔法ってあったのか?」
「無いっす。」
「魔法もそうですが、魔力も凄いですよ。彼は何者なんですか?」
「知らん!てか、契約社員仕ってこんなのばかりか?」
「さ、さあ?」
落ち込む作業員達だった。
しかし、彼等は間違っている。契約社員仕は篤郎しか居ないのである。篤郎を呼ぶと、付属でチャーミーとセキちゃんがついて来る。そして、破壊が起こるのだ。
「チャーミー!篤郎様にべたべたするのは卑怯と言いましたよね!」
「みぃー!みぃみぃみいみぃ!」
「な!年増は貴女でしょ!」ガパッ
「みぃ!」フォォォォ
セキちゃんとチャーミーの口先に光が溜まり、二つの光線が近くでぶつかりあった。光がぶつかると爆発して周辺を焼き野原にした。
仕事から戻ったら、事務所が無くなっているのだから、損害はでかすぎたのだ。
「く、首だぁー!」
「すみませんでした!」
篤郎の苦行が始まったのだ。
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