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第7章 魔王進行

覗き見

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「文雄、左のゴブリンを!」

「あいよ、荒木!」

文雄と荒木のコンビネーションはかなり良い。さんや君を除き、敬語を止めた分だけ伝えたい事がスムーズになったからだ。

「雪絵、荒木に回復!」

「はい!」

と、荒木からは指示はしないが、文雄から竹下に指示が行く。既にチームの要が、文雄になっていた。ゴブリン4体を何とか倒せるまでになっていた。事実、ゴブリンには特化して倒せたが、コボルトやキラー系などは避けている。まだ、倒せないからだ。キラー系は動物にしても昆虫でも生理的に苦手なのだ。コボルトは剣術がやたら高い。

結局は、チンピラ程度のゴブリンしか戦えないのが現実だ。

そして、戦闘に参加してない厚木は具現化した数値に胡座をかいていた。優位な現実を楽しんでいたのだ。理由は、実験。要は、どれぐらい離れたら経験を貰えないかである。離れて良い距離は後尾から3メートルが限界である。ヒールの届く範囲は15メートルだった。そのギリギリで戦いを見ていれば、経験が入りレベルアップをしたのだ。で、レベル上がり能力を確認すると、荒木と文雄を馬鹿にしていたのである。

が、2ヶ月経っても三桁台にいかないのが、文雄だけだった。荒木でも、能力が100を越えるのが一つでもあるが、文雄にはない。レベル30にして低能力と笑われる始末。

だが、勇者のレベルの上がり方と能力の増え方は、一般よりも凄まじい。理由として、神国アルテウルでは、平均60台でランクCの冒険者レベルで、平均80台でランクBになる。平均100台を越えた時点でランクAに挑戦できる。平均200台でランクSになるのだ。

西の国と全く違う能力が、神国アルテウルにあるのだ。



ーーーーーーーーーーー



グ『うわー、アルテウル国の能力下がってるよ。』

バ『どうしたんです、グルタン?』

グ『いや、ちょっとアルテウルの領域から人のステータスを覗いたんだ。』

バ『はっ!?何をやってるんですか、この馬鹿主神は!』

グ『馬鹿?馬鹿はないでしょ!』

バ『馬鹿に馬鹿と言って何が悪いのです!』

二人の口論は大きいのか集まってきた。

ル『どうしたの?バウゼント。』

ロ『そうよ、何があったの。』

バ『私も知りたいですね、アルテウルの領域から能力を覗く為の力の出所を。』

グ『いや、ね。』

ダ『まさかグルタン。リザイデント様の集めた力を!』

4『まさか!』

グ『その、まさかだよ!いやー、アルテウルが自国のみを可愛がっていたから、少しビビってたのさ。』

『グルタン。言い残すのは、それだけですか。』

グ『えっ?!何で!僕は、何も悪い事をしてないよ?』

バ『悪いこと?私達の事と、エレリーナの事をリザイデント様に伝えるよりもですか?』

グ『あっ!』

ガ『馬鹿に鉄槌を。』

『馬鹿に鉄槌を。』

グ『嘘!ご、ごめんって!悪気はなかったんだよ?』

バ『悪気が無かったら許せるとでも?』

グ『や、止めよう!ほ、ほら、僕は主神だよ!主神!』

ル『迷惑な主神って、駄目だよな。』

ガ『制裁は決まりですね。』

ロ『滅びろ主神。』

ダ『迷惑だ、馬鹿。』

今日も白い部屋は、変わりなく平和であった。一人を除いては。
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