106 / 505
第7章 魔王進行
バイシュ国滅亡
しおりを挟む
ハイド8世が目覚めた時、何時もと違う物を感じていた。
「私は・・・」
「目覚めましたね、ハイドさん。」
ゴーレムの声を聞いて、顔を向ける。
「ハイドさん?余は!」
「国は占領しましたし、此処も私が居るからお分かりでしょう。」
「何時のまに・・・・」
「ふふ、マスターの所有物ですから、簡単に出来ます。」
「簡単に?マスター?!君のマスターとは!」
ハイドの脳裏には、篤郎の笑顔が浮かんでいた。間違いであればとも思ったが、
「藤並篤郎様です。あっ、リディシ国は既に篤郎様の物になりましたから。それと、服を着て広間に来てください。話しはそこでしますから。」
「なっ、訳が分からんぞ!」
と、ゴーレムに掴みかかる前に、ゴーレムは消えたのだ。
「な、何なんだ!悪い冗談か、誰か!服を持て!」
と、呼んだが誰も来ないのだ。諦めて服を取りに行くが、何処に有るのかも分からないでいた。
かなり探していたのだが、やがて頭にゴーレムの声が響いた。
(何をしてるのですか、もう貴方だけですよ。)
「服のある場所が分からないのだ!」
(遅いので、そのまま来なさい。)
「服が!服が!」
ハイドは、そのままの身なりで広間に現れたのだ。
「ここは!」
「王!」
数人がハイドの元に駆け寄ってくる。しかし、
「集まりました。では、説明に入ります。」
黒いゴーレムが、声を出していた。
「面倒なので、発言を許すまで禁止します。これは『命令』ですので、貴方方の現状も知れるでしょう。」
ゴーレムの言葉に、広間に居た全員は怒ったが、声が出ない現実にオロオロしだしていた。
「先ずは、私の新たなボディを送ります。」
王の座に現れたのは、女性のメイドが居た。
「私は、魔王様の配下でルナと言います。命令は私が出しますので、理解しなさい。」
ルナは足を組んだ。
「リディシに続いてバイシュも、魔国が支配しました。王と貴族の廃止、奴隷も選別しますが廃止します。次に兵士に成りたい人の再募集します。国の運営は此方で行います。」
驚愕な顔をする人々だったが、
「これは『命令』です。貴方方は平民に致します。発言を許します。」
声は出るのだが、反対も罵詈雑言の言葉も出なかった。ハイドは、
「ルナよ、私が平民になっては国は動かんぞ。」
「では、皆さんは城を出て、その目で確かめて下さい。そして、此処には戻らないで下さい。『命令』します。」
元貴族と王は出ていった。
「さあ、残った人達は新たな仕事を与えますから、安心して動いて下さいね。」
ルナと名乗った女性は消えて、黒いゴーレムが残った。城に残った人達が、混乱から日常に戻るまでに掛かった時間は、一時間である。そして、元々平民達の日常には変化は起こっていない。
町に出た元偉い人々は愕然となり、人混みに消えて行ったのだ。
『命令』の強制力を目の当たりにして、今までの王家や国に対した気持ちが何だったのか、悩むのであった。
「使える人は、どれぐらいでしょうね。マスターが終わるまでに選別出来れば良いですね。」
ルナの呟きは誰にも聞かれ無い。考えは電脳の渦に消えたのだから。
ーーーーーーーーーーーーーー
「どうなっているのだ!」
東のプレデート国の諜報部では、混乱していた。プレデート国では、王子の外交としてバイシュ国に行っていたのだ。その安否を諜報部で把握していたのだが、連絡が途絶したのだ。
「それが、連絡員だけではなく、バイシュ国から人が来ないのです。」
「だから、どうした!」
「もちろん、此方からは部隊を送ってますが、帰って来ないのです。」
「だから!」
「部隊の殆んど送ったのに、帰って来ませんでした。砦にも伝令の返事が来ません。」
「なっ!」
「送っても帰らないのは、どうすれば良いのでしょうか?」
兵士は上司に報告をしたのだが、絶望的な判断しか出来ない。
第一王子の安否が分からない状況が、確実に上官の首が落ちる事になる。
「とにかく、部隊の増加を送れ。他の部隊にも連絡を送るのだ。私は上に報告をする。」
「はっ!」
とにかく上官は、身の安全を確保するべくの報告である。
「私は・・・」
「目覚めましたね、ハイドさん。」
ゴーレムの声を聞いて、顔を向ける。
「ハイドさん?余は!」
「国は占領しましたし、此処も私が居るからお分かりでしょう。」
「何時のまに・・・・」
「ふふ、マスターの所有物ですから、簡単に出来ます。」
「簡単に?マスター?!君のマスターとは!」
ハイドの脳裏には、篤郎の笑顔が浮かんでいた。間違いであればとも思ったが、
「藤並篤郎様です。あっ、リディシ国は既に篤郎様の物になりましたから。それと、服を着て広間に来てください。話しはそこでしますから。」
「なっ、訳が分からんぞ!」
と、ゴーレムに掴みかかる前に、ゴーレムは消えたのだ。
「な、何なんだ!悪い冗談か、誰か!服を持て!」
と、呼んだが誰も来ないのだ。諦めて服を取りに行くが、何処に有るのかも分からないでいた。
かなり探していたのだが、やがて頭にゴーレムの声が響いた。
(何をしてるのですか、もう貴方だけですよ。)
「服のある場所が分からないのだ!」
(遅いので、そのまま来なさい。)
「服が!服が!」
ハイドは、そのままの身なりで広間に現れたのだ。
「ここは!」
「王!」
数人がハイドの元に駆け寄ってくる。しかし、
「集まりました。では、説明に入ります。」
黒いゴーレムが、声を出していた。
「面倒なので、発言を許すまで禁止します。これは『命令』ですので、貴方方の現状も知れるでしょう。」
ゴーレムの言葉に、広間に居た全員は怒ったが、声が出ない現実にオロオロしだしていた。
「先ずは、私の新たなボディを送ります。」
王の座に現れたのは、女性のメイドが居た。
「私は、魔王様の配下でルナと言います。命令は私が出しますので、理解しなさい。」
ルナは足を組んだ。
「リディシに続いてバイシュも、魔国が支配しました。王と貴族の廃止、奴隷も選別しますが廃止します。次に兵士に成りたい人の再募集します。国の運営は此方で行います。」
驚愕な顔をする人々だったが、
「これは『命令』です。貴方方は平民に致します。発言を許します。」
声は出るのだが、反対も罵詈雑言の言葉も出なかった。ハイドは、
「ルナよ、私が平民になっては国は動かんぞ。」
「では、皆さんは城を出て、その目で確かめて下さい。そして、此処には戻らないで下さい。『命令』します。」
元貴族と王は出ていった。
「さあ、残った人達は新たな仕事を与えますから、安心して動いて下さいね。」
ルナと名乗った女性は消えて、黒いゴーレムが残った。城に残った人達が、混乱から日常に戻るまでに掛かった時間は、一時間である。そして、元々平民達の日常には変化は起こっていない。
町に出た元偉い人々は愕然となり、人混みに消えて行ったのだ。
『命令』の強制力を目の当たりにして、今までの王家や国に対した気持ちが何だったのか、悩むのであった。
「使える人は、どれぐらいでしょうね。マスターが終わるまでに選別出来れば良いですね。」
ルナの呟きは誰にも聞かれ無い。考えは電脳の渦に消えたのだから。
ーーーーーーーーーーーーーー
「どうなっているのだ!」
東のプレデート国の諜報部では、混乱していた。プレデート国では、王子の外交としてバイシュ国に行っていたのだ。その安否を諜報部で把握していたのだが、連絡が途絶したのだ。
「それが、連絡員だけではなく、バイシュ国から人が来ないのです。」
「だから、どうした!」
「もちろん、此方からは部隊を送ってますが、帰って来ないのです。」
「だから!」
「部隊の殆んど送ったのに、帰って来ませんでした。砦にも伝令の返事が来ません。」
「なっ!」
「送っても帰らないのは、どうすれば良いのでしょうか?」
兵士は上司に報告をしたのだが、絶望的な判断しか出来ない。
第一王子の安否が分からない状況が、確実に上官の首が落ちる事になる。
「とにかく、部隊の増加を送れ。他の部隊にも連絡を送るのだ。私は上に報告をする。」
「はっ!」
とにかく上官は、身の安全を確保するべくの報告である。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる