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第6章 魔王誕生

ルナの作戦

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篤郎のダンジョン踏破は、まだ終わっていない。

35個のダンジョンコアをルナに渡したが、まだ足らないらしい。今は最大の古いダンジョンで頑張っている。

「ルナの奴は気が利かないよな。」

モンスターをマトックで屠りながら、同行者を見ていたのだ。同行者はルナ特製のゴーレムなのだが、蜘蛛に似たゴーレムだ。こいつの役目は、モンスターの回収。ダンジョンが回収する前に篤郎の『四次元部屋』に移すのが仕事だ。他に鉱物の発掘回収もしている。

古いダンジョンなのか、地下500階から鉱物も謎の元素が含んだ物が在るそうで、掘り出しては回収で時間を食っているのだ。

それに、ゴーレムだから増えてくれない。
それと、ルナが作ったのに喋らないのだ。会話が無いと気が狂うが、ゴーレム一体あれば以外と情が湧くものだ。

「しかし、お前も災難だな。つまらない場所に行くの大変だもんな。」

蜘蛛のゴーレムは、直ぐに壁に向かって掘り出したのだ。

「またか。」

それをのんびりと見ていた。ここを抜ければ、古いダンジョンはもう無い。残りは真新しい物ばかりだ。

「早く、楽になりたいな。お日様の下でお昼寝してやるんだ。」

篤郎は涙を流していた。

「チックショー。目から塩辛い水が流れてらー、あはははは。」

限界までは余裕が在るほどでは無いが、此処までは耐えれるようだ。10日で35箇所を踏破したのは異常なのだが、篤郎は日にちが分からなくなっている。昼夜問わずに動いてる結果になる。

身体能力の異常。

異常が通常の言葉になりそうな程の異常が、篤郎個人に何十倍となって押し寄せているのだが、精神の異常のお陰で感じていない。本人は不幸程度で済ませているのだ。

「本当に、早くコアを取りに行きてー。」

本人も忘れているが、既にコアの近くになる。(※諸事情をお汲み取りください。)

「なんだよ!また扉かよっ!」(※本人に理解出来てない。)

扉を開けると、大きなドラコンが居た。大きさは約5メートル位の高さに約8メートルの幅と戦うものではないのだが、篤郎は、

「龍すか!龍なんですか、あぁぁん!」

と走り込んでいた。動く巨大な物に挑むとは、普通の思考があれば正面から行くことは無いだろう。自棄になったと言え、モ○ハ○の様な事をするだろうか?しないが正解だろう。防具が良い物を来ては無い。普通の服だ。武器が良いのかと言えば、武器もマトックも一本だけの超軽量なのである。なのに特攻が出来る程になるのだ。しかも、

「だありゃぁぁぁぁぁぁあ!」

と、マトックをドラゴンの足に当てると、

「ギアァァァァァァァ!」

と足が外に向かって行けば、体重を支える事も出来なくなり、ドラゴンは倒れた。

「ふんあぁ!」

倒れたドラゴンの頭にマトックを当てると、首が跳ね飛んだ。

ガチガチガチガチガチガチガチガチガチ。

直後に蜘蛛のゴーレムが来て、ドラゴンを『四次元部屋』に送っていた。瞬時に終わらしてしまい、踏破した気分はなかった。

しかも、ゴーレムかコアを回収してしまい、篤郎は次の階段を探していた。

「無い?次の階段が無いぞ?」

と言った後に、ゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッと音と揺れがくる。

「なんだよ!このー!」

壁をマトックで叩くと、蜘蛛のゴーレムが慌てて篤郎を抱え込むと、今までと違った走りをしていたのだ。まるで、○チ○マの様な動きでダンジョンを逆走しだしたのだ。

「お、おおお、おおおおおお!」

その内、ゴーレムから匂いが鼻を包むと、

「あれ、あー。」

篤郎は眠りだし、ゴーレムはそのまま外に出ると、

ゴゴゴゴゴゴゴッ。

ダンジョンが有った場所が陥没しだしたのだ。それを無視してゴーレムは村に向かったのだ。何も知らない篤郎は、眠ったままに連れて行かれた。

「フフフ、お帰りなさい、マスター。」

ルナの声が、優しく響いていた。
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