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第6章 魔王誕生

ルナの行動は?

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「マスター、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」

「行ってきまーす!」

手を上げて出発したのは、次の日の午前中だ。商売のネタに馬を二頭。人員はバハトルだけと、破格の条件で移動が出来るとは思わないし、顔も体も黒塗りのゴーレムに見送られるとは思ってもいなかった。

「主様、それにしてもルナ殿は優秀ですな。」

バハトルも仕事から離れて嬉しそうだ。

「うん、自分で作ったけど、思いの外に優秀過ぎたよ。」

「流石ですね、主様。」

「そんなに煽てるなよ。」

篤郎にしても、久しぶりの自由旅なので嬉しい。

「主様、行き先はリリスからですな。」

「そうだね。リリスで仕事して、館を確認してだから、3日。そこから街道で首都でも行ってみたいね。」

「そうですか。ラッツさんにも会いますか?」

「会いたいねー。」

バハトルとは別に深く考えずに言ったが、ラッツが何処に居るのか知らない。エスワーダに聞いたら分かるだろう。全てはリリスに行ってからになる。篤郎は気を引き締めて行く事になる。
しかし、自分が造った新たな頭脳の性能を理解してなかったのだ。そう、造りながら忘れたるが、執事であり情報を収集する事や攻防をする事。はっきり言って諜報機関や軍事機関、軍事産業をメインにしていて、予想、予測により作戦を建てる。
篤郎は間違っていたのだ。何で任せれるパソコンを造ったつもりが、AIを組み込んだ何でもやる人工知能を造った事を。そして、それは自走できる事を、何を自走するのかは、ーー。

「晴れて気持ち良いな。」

「そうですね。」

二人は秋風のゆれる中で、馬を歩かせていた。
怒濤のように過ぎた日々を思い返して、

「もう、9月も終わりか。くそ。」

小さく呟くと、

「町まで急ぐぞ。」

「はい。」

二人は馬を走らせた。


その頃のルナは、

「マスターより権限も確約してもらいました。」

小さな黒い物達が村を離れて行った。

「マスターの安全確保が、最優先になります。」

人より大きな物が天に昇る。

「マスターの敵は私達の敵ですよ、マスター。」
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