上 下
74 / 505
第4章 冒険の始まり

ラリー村制圧

しおりを挟む
リリスの町からラリーの村まで、戻るのに2日は掛かる。昼からリリスの町を出たのだから、ラリーの村には最短でも2日後の朝に着けば御の字だろうか。馬が人を走らせても、時速で15~20キロ。素で走れば時速25キロ前後ぐらいは出るだろう。荷馬車で移動は自転車並みのスピードだと考えてもらえれば良い。といっても、動物である。疲れるし、休憩も必要になる。排泄物休憩も必要なのだ。そして、速度も遅くなっていく。
此が常識ある世界の考えである。

「「「ギャアァァァァァァァア!」」」

涙目になりながらも、馬車にへばり着いている程度の強者達は、太い叫び声を上げるしかなかったのだ。風と反動と音を体験しながら、現実の恐怖を味わっていた。
時速170キロ。百キロ、いや30キロでも跳ねられたら大怪我もしくは死亡する速度と云える。遥かにオーバーをして40分走ればラリーの村に着く。勿論、その間に説明や使い方等は教えていない。

「とおぅ。」

篤郎は先頭の馬に跨がり、馬に説明をしていた。

「このまま、モンスターを引き殺せ!大きいのは任せろ!」

何時の間にか銃を構えると、撃った。爆音と爆発が同時に鳴り、モンスターが簡単に宙に舞っているのだ。一匹や数匹ではない。アサルトライフルに似た形で口径5、56MMで信じられない爆発を引き起こす。弾は水を固めた氷弾なのだが、銃身に速度を上げる風の紋章と螺旋を起こす紋章が幾重にも掛かれている。結果、水蒸気爆発が容易に起こせる銃が完成したのだろう。
スタンビートが起こったのよりも酷い結果が起こっているが、暴走したモンスターが気付くはずもなかった。

「死ね。」

ある程度、篤郎にとってはになるが、銃というか、バズーカを乱射。静かに発射される弾は、着弾時になって爆発となる。1分に発射可能の弾が550発。例え一万の数がいても1分は耐えるのは無理だろう。むしろ絶えてしまう方が先になる。
銃をラッツに投げ渡すと、

「褒美に後で名前を着けてやる。確りと働けよ!」

そう馬に声を掛けて、空に飛んだ。
走っている馬車、いや物から降りる行為をしたのだ。低速で身体に影響ないのなら、降りても何とも無いだろうが、今は篤郎の呼んだ篤郎の馬が走っているのだ。時速170キロを可能にした馬達から飛び降りるのだ。普通なら即死なのだが、篤郎は飛び続けた。村に入るまで安定して飛んだのだ。ラッツだけが目で追うことが出来た。

「やっぱり、旦那は最高だ!」

御者席に何とか移ると、手綱を手にして、

「荷台側はあっしが何とかしやす!思う存分と走ってくだせい!」

ラッツは馬達に話掛けた。馬からは、

「ヒヒイィィイン!」

の応答があったのだ。走り回るのだが、すでに少ない敵の掃討になっていた。

村に入った篤郎が見たのは、強固な造りをした教会で立て籠り、必死でモンスターと対峙しながら被害を出している情態であった。勿論、村人が全員入れておらず、誰が指揮をとっているのかも分からないのだ。
流れが少しづつ変わり出したと感じれる頃になって、篤郎の姿を捉える事が出来たのだが、その姿にはおよそ冒険者と考えられないのだ。それなのに、冒険者が振るう剣と違って、一撃で何匹のモンスターを倒す。即座にモンスターの数が減る事が分かると、討って出てきたのだ。篤郎の後ろに着くと、

「応援感謝する!」

「気、にすんな。掃討は良いから家族を守れよ。」

「お、おう!」

教会から出て、教会に戻った。改めて篤郎の戦い方を見て、冒険者には自分は無理だなと、勝手に理解していた。
篤郎がラリー村に着いて5分経った頃には、ほとんどのモンスター達が死体になった。生きている者を探す方が簡単な程になっていたのだ。ラリー村のスタンビートはここに終わった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我
ファンタジー
 日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。  仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。  そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。  そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。  忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。  生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。  ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。 この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。 冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。 なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました

空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが当たり前になった世界。風間は平凡な会社員として日々を暮らしていたが、ある日見に覚えのないミスを犯し会社をクビになってしまう。その上親友だった男も彼女を奪われ婚約破棄までされてしまった。世の中が嫌になった風間は自暴自棄になり山に向かうがそこで誰からも見捨てられた放置ダンジョンを見つけてしまう。どことなく親近感を覚えた風間はダンジョンで暮らしてみることにするが、そこにはとても可愛らしいモンスターが隠れ住んでいた。ひょんなことでモンスターに懐かれた風間は様々なモンスターと暮らしダンジョン内でのスローライフを満喫していくことになるのだった。

迷宮最深部から始まるグルメ探訪記

愛山雄町
ファンタジー
 四十二歳のフリーライター江戸川剛(えどがわつよし)は突然異世界に迷い込む。  そして、最初に見たものは漆黒の巨大な竜。  彼が迷い込んだのは迷宮の最深部、ラスボスである古代竜、エンシェントドラゴンの前だった。  しかし、竜は彼に襲い掛かることなく、静かにこう言った。 「我を倒せ。最大限の支援をする」と。  竜は剛がただの人間だと気づき、あらゆる手段を使って最強の戦士に作り上げていった。  一年の時を経て、剛の魔改造は完了する。  そして、竜は倒され、悲願が達成された。  ラスボスを倒した剛だったが、日本に帰るすべもなく、異世界での生活を余儀なくされる。  地上に出たものの、単調な食生活が一年間も続いたことから、彼は異常なまでに食に執着するようになっていた。その美酒と美食への飽くなき追及心は異世界人を呆れさせる。  魔王ですら土下座で命乞いするほどの力を手に入れた彼は、その力を持て余しながらも異世界生活を満喫する…… ■■■  基本的にはほのぼの系です。八話以降で、異世界グルメも出てくる予定ですが、筆者の嗜好により酒関係が多くなる可能性があります。 ■■■ 本編完結しました。番外編として、ジン・キタヤマの話を書いております。今後、本編の続編も書く予定です。 ■■■ アルファポリス様より、書籍化されることとなりました! 2021年3月23日発売です。 ■■■ 本編第三章の第三十六話につきましては、書籍版第1巻と一部が重複しております。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました

Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。 実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。 何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・ 何故か神獣に転生していた! 始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。 更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。 人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m なるべく返信できるように努力します。

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。 小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。 本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。 お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。 その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。 次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。 本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

処理中です...