上 下
64 / 505
第4章 冒険の始まり

優しいアーミーレッスン

しおりを挟む
最後の1日は篤郎にとっては最高だったが、以外は最悪な日であった。
ラッツも篤郎のやっている事は気になっているが、藪をつつく真似はしないと決めていたのだ。もし、いや必ず、教えてくれるなら教えてくれるからだ。内容が解るかは別として。
ただ、マトックが飛ぶ回数は格段に減ったのだから好としたいのだが、別の音に悩まされていた。

「・・・・旦那。」

篤郎は新たな玩具を試しているのだ。ドゴオォォォォォン。笑い事ではない音が鳴り響くのは、罰や罪をどうとでわ無いだろう。此が何なのかと言われれば、ピッチングマシーンとしか言えない。でも言ったところで解る訳も無いだろう。もっと強い回転と弾も硬化しないといけないな。

「どう感じたラッツ。」

「へい、戦争でも始めるのかと思いました。」

「や、やっぱり?」

「へい。」

「いや、これの改良型を、あの五人に持たせようかなと思ったのだがな。」

「・・・・・増長しやせんか?」

「むう。命令を使うか。」

篤郎は考えている。

「旦那。そうまでして、あいつらを戻すのですか?」

篤郎は驚いた顔をしてラッツを見ていた。

「な、なんすか旦那?」

「お前達の奴隷内容を忘れた?」

ラッツはハッと気が付いた。

「だ、旦那。幾らになってます?」

「ね、値段を聞いたら死にたくなるな。」

「・・・・・マジですか?」

「耳を貸せ。」

ラッツは頭を篤郎の方に近付けた。そして、

「・・・・・無茶苦茶ですね。」

「な。死にたくなるだろ。」

「お願いがありやす、旦那。」

「うん?」

「ありのままを伝えて下さいませんか。」

「・・・・良いのか?」

「死ぬも生きるも旦那次第と分からせた方が、エミー達も腹を括るでしょうから。」

「そうか。分かった。」

篤郎は捜索を終わらせてから、村長宅で討伐完了の判子をもらった。そのまま、村長の家を出た。仲間の命を危険にした件は許さない姿勢だ。そして村長も意地になっていた。
冒険者を危険にさらしながらも任務を遂行したのだ。この村長の元では依頼は2度と受けられないのだから。
篤郎は教会に行き、そしてベッドを全て蹴飛ばした。

「何をするんですか!」

エミーの批難の声を聞いていたが、篤郎は、

「『命令』だ。此れから俺専用の冒険者と成れるように頑張れ。」

即座に5人は立ち上がり、気をつけをして、右手をこめかみに当てて、

「「「「「イッサー、ボス!」」」」」

「死ぬ気でやれよ。」

「「「「「サー、イエスサー!」」」」」

「ベッドを直して、外に集合だ。直ぐに取り掛かれ。」

「「「「「イエスサー!」」」」」

5人は速やかに動いてきた。嫌なのに、体が動くのだ。それは何なのか分からないのだ。自分達が奴隷だった事を思い出すまでは。
教会の外で篤郎が待っていた。

「108、109、110・・・・」

エミーは篤郎に声を掛けた。

「あの、揃いましたが?」

「それが、揃ったか?」

「ええ。」

エミーを中心にだらしなく立っていた。

「先ずは起動訓練からだな。」

「えっ?」

「『命令』エミーを先頭に並べ。」

声を張り上げ無いで、5人は綺麗に並んだ。

「それが、縦整列だ。」

篤郎は左回りで動いて、

「『命令』左横列に並べ。」

5人で横列体系にならんだ。

「此が横列体系だ。ラッツ、こいつらに命令無しで出来るまで続けろ。」

「へい、旦那。じゃ、『命令』縦整列に並べ!」

こうして特殊訓練が始まったのだ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)

田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ? コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。 (あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw) 台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。 読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。 (カクヨムにも投稿しております)

異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~

ぱつきんすきー
ファンタジー
突然「神」により異世界転移させられたワタシ 以前の記憶と知識をなくし、右も左も分からないワタシ 唯一の武器【買い物履歴】スキルを利用して異世界でぼちぼち生活 かつてオッサンだった少女による、異世界生活のおはなし

迷宮最深部から始まるグルメ探訪記

愛山雄町
ファンタジー
 四十二歳のフリーライター江戸川剛(えどがわつよし)は突然異世界に迷い込む。  そして、最初に見たものは漆黒の巨大な竜。  彼が迷い込んだのは迷宮の最深部、ラスボスである古代竜、エンシェントドラゴンの前だった。  しかし、竜は彼に襲い掛かることなく、静かにこう言った。 「我を倒せ。最大限の支援をする」と。  竜は剛がただの人間だと気づき、あらゆる手段を使って最強の戦士に作り上げていった。  一年の時を経て、剛の魔改造は完了する。  そして、竜は倒され、悲願が達成された。  ラスボスを倒した剛だったが、日本に帰るすべもなく、異世界での生活を余儀なくされる。  地上に出たものの、単調な食生活が一年間も続いたことから、彼は異常なまでに食に執着するようになっていた。その美酒と美食への飽くなき追及心は異世界人を呆れさせる。  魔王ですら土下座で命乞いするほどの力を手に入れた彼は、その力を持て余しながらも異世界生活を満喫する…… ■■■  基本的にはほのぼの系です。八話以降で、異世界グルメも出てくる予定ですが、筆者の嗜好により酒関係が多くなる可能性があります。 ■■■ 本編完結しました。番外編として、ジン・キタヤマの話を書いております。今後、本編の続編も書く予定です。 ■■■ アルファポリス様より、書籍化されることとなりました! 2021年3月23日発売です。 ■■■ 本編第三章の第三十六話につきましては、書籍版第1巻と一部が重複しております。

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。 小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。 本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。 お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。 その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。 次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。 本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我
ファンタジー
 日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。  仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。  そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。  そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。  忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。  生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。  ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。 この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。 冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。 なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

破滅する悪役五人兄弟の末っ子に転生した俺、無能と見下されるがゲームの知識で最強となり、悪役一家と幸せエンディングを目指します。

大田明
ファンタジー
『サークラルファンタズム』というゲームの、ダンカン・エルグレイヴというキャラクターに転生した主人公。 ダンカンは悪役で性格が悪く、さらに無能という人気が無いキャラクター。 主人公はそんなダンカンに転生するも、家族愛に溢れる兄弟たちのことが大好きであった。 マグヌス、アングス、ニール、イナ。破滅する運命にある兄弟たち。 しかし主人公はゲームの知識があるため、そんな彼らを救うことができると確信していた。 主人公は兄弟たちにゲーム中に辿り着けなかった最高の幸せを与えるため、奮闘することを決意する。 これは無能と呼ばれた悪役が最強となり、兄弟を幸せに導く物語だ。

処理中です...