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第2章 転移しました!

悪童見参!

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次に向かったのは、買い取り業務をしているリグリスに向かっていた。

篤郎はそれよりも自分の過去の改竄に悩んでいた。男の冒険話なら分かるが、女なのに何故か男になっている。エーベルシカとは仲が良く部屋に行ったが恋仲ではない。仲の良い姉妹な感じだ。身重なエリザはエルナー家から守って欲しいと打診されて囲まっていただけで、子供が無事に生まれたらお役御免になったので後は知らない。ログリシュ家は下竜討伐前にログリシュ家の三男でウエルと結婚しただけで、討伐時に亡くなったのでログリシュ家とは親交は無い。愛したのはウエルだけで後は再婚みたいのはない。あの頃の私は女でも男でもなく生きただけ。勇者と奉られた若い冒険者を鍛えて同行しただけで、魔王前にへたばったから変わりに魔王と戦っただけ。報酬はミネルシルバ神に言っての転生だ。まさか、日本に転生するとは思わなかったが、良い報酬だとおもったらこれだよ。
人生は分からないと本で読んだが本当にそう思う。今はそれ処でもないか。
と覇気を取り戻した。恥ずかしくなるよりも復讐が先なのだから。それと、死んだ後の事に口出ししても誰も喜ばないだろうから。
気を取り戻して顔を上げると、皆が心配していた。

「アツロウ様、大丈夫ですか?」

エメットが代表して聞いた。

「あぁ、大丈夫です。」

「おいおい、本当にマイティコアを倒したのこいつかい?」

リグリスがリンザに聞いていた、リンザは、青い顔をしてリグリスを咎めていたが、

「あ、マイティコアより、先にこれからかな。」

篤郎は事も無いように、モンスターを出したが、リグリスやリンザは驚いた。突然にモンスターの死体が現れたのだから。一体や二体ではない、五体のホブゴブリンに8体のオーガ、6匹のワーム5匹のタイガーと11匹の牙狼である。作業場は一杯になってしまう。

「他にも在るが、此が終わったら頼む。」

篤郎はヒラヒラと手を振りながら出て行った。
残された三人は茫然としていた。

「エメット、あいつは何者なんだ?」
「詳しくは知らないが、命の恩人に間違いない。」
「き、規格外な人ですね。」

やがて稼働して、リグリスが査定しだしてまた驚いた。

「こんな狩り方はAランクでも無理だ。本当にあの方は規格外だな、リンザ。」
「はい、それにまだマイティコアも出されていませんよ。」

「・・・俺、一番やってはならない事をしちまった。どうしよう。」
「次に会うときは、注意してください。それと秘密は厳守ですよ。」
「う、わ、分かってます。」

嘆きながらも、サクサクとモンスター解体していった。リンザもリグリスから査定をつけていたが、こちらは篤郎の件で悩んでいた。一番の問題は今後の受付になる。何処まで広げるべきか、何人まで話して良いのか。それとマイティコアを単独で倒せる戦力。この町の冒険者が束になった所で勝てる見込みもないのだから。

「「はー。」」

大変な未来しか考えてないのだから。



ーーーーーーーーーーーーーーー

篤郎は直ぐに冒険者ギルドを出て大通りを進んだ。知りたい事は他にもある。野菜、肉、調味料、薬剤を調べる事をだ。前世では家事料理等はしてなかった。冒険者であっただけに無頓着でありすぎて、食べ物に目を向けていなかったのだ。
市場を探していたのだが、面倒が来てしまう。
冒険者達だ。新人潰しは昔から冒険者の中で良く有ることだ。良く有りすぎてギルド内での騒動はご法度になる。外は関知されないのがルールになっている。
篤郎は路地を探して、人気がない場所を進んだ。ゆっくりと。

「まちな!」

篤郎は無言で停まる。

「新人のくせにエメットさんと知り合い?調子に乗ってくれてんな。」
「そうだぞ。」

篤郎は振り向いてみたが、落胆していた。
武器を構える訳でも攻撃する訳でもない、平和な不良な感じだ。ため息をついていた。

「あぁ!ヤンのか!」

「チンピラか。心配したのに、残念だ。」
「なんだと!」

「まぁ、聞くが、なんだ?」

「何がじゃねーよ!そうだな、金を貰うか。」

篤郎は自分の財布を投げて渡した。笑いながら男が財布を拾い開けて怒った。

「なんだぁこれわ!おめーぶっ殺す!」

人数は6人、武器に手をおいた。足をゆっくり出すのを確認すると、

「ふー。タメだな。」

「なんだと。」

「リザイデント流だな。主ではなく亜流になっているな。他は適当か。ま、これが金よりも高価な授業を少しやろう。」

「あ、ごちゃごちゃうるせー!」

襲った。彼等は襲うまでは分かったが、そこから分からない内に地面に寝ていた。

「えっ?」
「全く練習が出来ていない。体重移動もタイミングもあってない。他もそうだが、モンスターを狩れない程に悪い。ゴブリン一匹が精々だ。もう少し連携と個人を鍛えるべきだ。」

財布を拾いあげる。

「あと、弱い者を虐め過ぎ。次に虐めていたらデコピンな。」

指を弾きながら戻って行った。男は、

「あれは新人じゃないわ、玄人いや歴戦だわ。」

動けないままであった。
この新人潰しはリザイデントが始めた事である。新人だから注意や負ける覚悟が必要だと言う教えだとした遊びである。悪習は伝承されているのだ。一番それを分かっているのもリザイデントである。それと、昔の悪事を思いだし、日本での諺に我が身を反省していた。『因果応報』に。

市場に出て、欲しい物を探したし、商人達と話した。金に糸目をつけづに明日支払いだが、買っていた。と言うか篤郎の噂が商人達に広まっていた。マイティコアを狩った男として。ギルドに売られるよりも証文で貰う事にしたからだ。作戦は失敗だが、相場の二倍の収益は確保して喜んでいた。そして、売ってはいけない人に売った事に。

商人達から大量な物を購入して、さらに薬剤にも手を出した。薬剤が変わらないなら、求める物が多い可能性があったからだ。生姜やニンニク、蜂蜜と甜菜系。作り方は知っている。白砂糖は知らないが、黒砂糖は作った。

日本と言う国で欲しい物何でも手に入った。それと同時に手に入らなくなった恐ろしさも知った。ならば何でも作れる様になりたいと努力したのだ。
作れるならではなく作る。その為に無茶をしてるのだから。
購入後したものを『四次元部屋』に入れたのを見た商人達は度肝を抜かれていた。
篤郎は忘れていた。篤郎の行為そのものは元がリザイデントだったと言うことを。
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